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とある異世界の交差物語(クロスオーバー)

作者:鉄龍王
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第26話 魁と黒の剣士、一時の安らぎを過ごす

 
前書き
やっと出来ましたああああああっ!!しかも殆ど話が進んでいない!!

本当なら5月中にSAO編が終わる予定だったのに!!(泣)

こんな駄文をよろしくお願いします!

それではどうぞ!!! 

 



シルフ、ケットシーの両種族たちと別れたキリトたちはリズを除くメンバー全員、アルンへ向かった。着いた頃にはすでに夜になり、早速アルンの宿に入った。ちなみに宿代を残してなかったキリトはタカトラとクラインに払ってもらい、キリトは『この借りは必ず返す』と礼を言って宿の部屋に向かった。部屋について早々キリトたち…特に女性メンバーのリーファとシリカは長距離の移動に疲れ果てていた

「やっと着いた~…」

「もう、クタクタです~…」

女子用と男子用に分かれた部屋でリーファとシリカはそれぞれベッドに倒れ込み、そのまま爆睡し、ログアウトした



「それじゃ、俺達も一回ログアウトするか?」

「ええ、皆それぞれリアルの用事があるでしょうから、一度そちらでの用事を済ませてから明日の夕方5時ごろ…またこの場所で落ち合いましょう」


そして男たち…クラインとヤマナミの確認の後、キリト、タカトラ、ソウジ、レコンもそれぞれの部屋に入り、一度ログアウトして次の日の夕方に落ち合う約束をし、ログアウトをした






オレはログアウトする前にリアルでキリトとダイシーカフェで落ち合う約束をしていたので早速出かけようと用意したところで…

「あれ?平助、どこか出かけるの?」

ちょうど家に遊びに来ていた詩乃がジャケットを着ているオレを見てどこかに出かけるか小首を傾げて聞いてきた…………なんか子猫みたいだ

「………かわいい…………(ボソッ)」

「え?」

「いっ!?いや、何でもないぞ!うん!何でもない!!」

「?」

オレの呟きは聞こえなかったみたいだが、何とかごまかして話題を変更させた

「じ、実は今日SAOの仲間と会う約束したから、これから出かけるんだ」

「ふ~ん、SAOの仲間ね…………女?」


オレが仲間と会う話を聞いた詩乃の眼からハイライトが消えたと思ったら背中からとてつもなくドス黒いオーラが出ているように見えたオレは命の危険を感じ、必死に弁明した


「ちちち、違う違う違うっ!!男だっ!お・と・こっ!SAOで一緒に戦った仲間と会う約束をしてたんだよ!!」

思いが伝わったのか詩乃から黒いオーラが消えて

「な、なんだ…ビックリさせないでよ……」

「なんか納得いかないけど、驚かせて悪かったな…」


これが惚れた弱みと言うのかオレは詩乃の言葉には逆らえない何かを感じていた。別に我がままを言ってるわけじゃないけど、詩乃の頼みごとにはだいたい首を縦に振っていた。

例えば・・・




『平助、今晩のおかずの買い物にちょっと付き合ってよ』




や・・・




『平助、今日は私の部屋で一緒にご飯を食べよ?』




といった“お願い”をされる………………おいコラ!誰だ今オレの事を“ヘタレ”だ“リア充”だ“そんなモン断れ”って言った奴は!!出来るわけないだろ!そんな事!!


確かに最初は恥ずかしくて断ろうか悩んだが、その瞬間に詩乃は・・・




『ダメ……?』




と言いながら目をウルウルしてくるんだぞ!?断れるか!?今オレに文句言った奴はそんな女の子を断れるのか!?出来るならやってみやがれコノヤロー!!




「……?…平助?どうしたの?」

……と、頭を抱えて悩んでいたオレに詩乃は声をかけてくれたおかげで正気に戻った

「……ハッ!!い、いや……何でもない…!何でも………」

「…?」

詩乃とそんな話をしていると約束の時間が迫っていたので急いで出かけようとしたら詩乃が…

「ねえ、平助…」

「ん?なんだ、詩乃…?」

「私も…一緒に付いて行ってもいい?」

「………え?」


なんて言われるとはその時思わなかったのでオレはしばらく動けなかった





ダイシーカフェ前・・・



オレ達より先にキリトと知らない女の子がエギルの店の前で待っていた

「悪いキリト!遅くなった!!」

「いや、俺達も今来たとこだから気にするな。で、タカトラ……その子は?」

「ああ、コイツはオレの幼馴染で詩乃ってんだ。詩乃、こっちはSAOからの腐れ縁でオレの仲間のキリトだ」

「こんにちわ…平助から貴方の事は聞いてるわ。幼馴染の朝田 詩乃よ。よろしく……」

「こちらこそ…SAOからタカトラと一緒に戦ったキリトこと桐ヶ谷 和人だ…こっちこそよろしく」

そう言ってキリトは詩乃と握手をするが、その光景を見ているオレとしては気に食わなかったのでとりあえずキリトを………














ブン殴ることにした














「ふん!!」

---ゴンッ!---

「イダッ!なにすんだタカトラ!」

涙目で抗議するキリトだがそんなモノはオレには通用しない。むしろ男の涙目は見たくなかった。理由は鬱陶しいから

「うるせえっ!何かムカついたから殴っただけだ!」

「何その暴論!?」

オレとキリトのケンカが始まって、殴り合いになりそうなった所で詩乃とキリトの隣にいた女の子が止めに入った。

「ちょっ!やめなよ平助!」

「お兄ちゃんも止めなってば!あと、タカトラ君もお兄ちゃんがそっちの彼女と手を繋いだのが気に入らないからって殴るのはよくないよ!!」

「あれ?オレの事を知ってるみたいだし、キリトのことを“お兄ちゃん”って……………もしかして、リーファ?」

「そうだよ……じゃあ改めて自己紹介するけど、リーファこと桐ケ谷 直葉です。よろしくね」



---ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…---



「ッッ!?」

「「ひぃっっ!?」」



そう言ってリーファこと直葉が出した手を握り、握手を交わすがオレの後ろからドス黒い殺気がオレの背中を刺し続けた。桐ケ谷兄妹も気付いたのか2人は悲鳴を上げていた。おそるおそる後ろを振り向いたが即座に後悔した。そこに居たのは………






ハイライトが消えた氷の様に冷たい目でオレを見ている幼馴染が居たからだ






「平助…………ダレ?ソノ女?」




もはや眼力だけで人を殺せるんじゃね?と思うぐらい彼女…詩乃の眼はスッゴク恐かった。冗談抜きでそんな詩乃の眼で睨まれるくらいならSAOの高レベルモンスター100匹と戦った方がはるかにマシだと思った。だからそんな詩乃の視線に涙を流したオレは悪くないはずだ。実際オレの視界の端に居たキリトは涙目でガクガク震えながら直葉(いもうと)に抱き着いていた









それからしばらくして………









「ごめんなさい桐ケ谷さん。私ったら変な勘違いしちゃって……」

「いいですよ、そんなに気にしないで下さい朝田さん。あ、あたしのことは直葉って呼んでください」

「わかった。それじゃ私のことは詩乃って呼んでね直葉ちゃん!」

「ハイ!詩乃さん!!」

「「……………」」

元気よく、まるで仲のいい姉妹の様に挨拶をする2人を見たキリトとタカトラはただ呆然と眺める事しかできなかった

「なぁキリト…」

「何だタカトラ…」

「何でアイツ等あんなに仲がいいんだ……?」

「さぁ……俺にもわからん………」

「そっか……女はスゴイな……」

「あぁ……女は偉大だ………例えるなら海みたいに大きいな……」

「だな……オレ達は小魚だな………」


まるで死んだ魚のような濁った目で詩乃と直葉を見るキリトとタカトラ。よくわからない空間に呑まれた2人は彼女たちの会話が終わるまでただ待つことにした。




それから詩乃と直葉の会話がやっと終わったので、キリトとタカトラは詩乃と直葉…リーファに今日の予定を伝えた。



「それで平助…これからどこに行くの?」

「これからある病院に行くんだよ」

「病院?」

詩乃の疑問に答えたのはキリトだった

「ああ、俺達はSAOをクリアして約6千人のプレイヤーが解放されたけど、そのうちの300人は昏睡状態で未だに目覚めていないんだ」

キリトの答えに詩乃はゾッとした。もしかしたら平助もその中に入っていたかもしれなかったんだから笑い事じゃなかった

「これから見舞いに行く人は俺にとってSAO(あのせかい)で出会った一番大切な……誰よりも俺が愛した女性(ひと)なんだ……」

「そう……」

キリトの言葉に詩乃はそうと一言返事するだけで精一杯みたいだ。

SAO(あの)事件が解決してから数カ月がたった。だけど、彼女は……アスナはまだ還ってこないんだ」




その時のキリトの表情は酷く暗い表情で、しかし涙流さない様に必死に堪えていた。そんな彼の態度にタカトラもリーファも詩乃も何も言えなかった





そんな暗い空気になりながら目的地の病院に到着し、そこへ向かったキリト達。病院内に入り、今日会う人の病室の入り口の札にはこう書かれていた



―――結城 明日菜―――



一度ノックをして病室に入るとそこに居たのは頭にナーブギアを被り、未だに眠り続けている亜麻色の髪の少女だった

そんな少女にキリトはベッドの横の椅子に座り、彼女の手を優しく包みながら話しかけた

「今日も来たよ、アスナ………」

「……………」

返事が無いのはわかっているが、それでもキリトは彼女…アスナに語り続けた。それからしばらくしてキリトは直葉と平助を紹介した

「アスナ…今日は妹と友達を連れて来たよ。スグとタカトラ達だ……」

キリトの言葉を待っていたのか、直葉はアスナの手を自分の手でそっと包みながら語りかけた

「初めましてアスナさん、妹の桐ケ谷 直葉です。アスナさんのことはお兄ちゃんから聞きました……」

直葉は自分が知る限りのキリトとの思い出を話しながらその日の時間はあっと言う間に過ぎていった









それから暫くして・・・








アスナの見舞いを終えたオレ達はダイシーカフェで別れることになった

「それじゃあタカトラ、またALOで…」

「あ、ああ…それじゃ、またな……」

そう言って家路に向かうキリトの背中…オレには寂しく見えた。無理もない…惚れた女があの世界樹の上の檻に閉じ込められている。しかも意識は未だ戻らずなんて、落ち着けるわけがない

本人は何とか抑えているみたいだが、そんなのはヤセガマンにしか見えない。だからオレは・・・





「キリト!」



「なんだ?タカトラ」






キリトに活を入れるために・・・







とりあえず叩く事にした


---バシンッ!---


「…ッテ!何するんだ!」

「キリト…そんな今にも死にそうな(ツラ)してんじゃねえよ!アスナを助けたい気持ちはお前だけじゃねぇ!!少しはオレ達を頼れ!!」

「タカトラ…」

呆然とキリトが呟くとダイシーカフェの扉から声が響いた。だけどそれはエギルの声じゃなかった

「まったく…藤堂くんの依頼を報告に来たら随分と面倒なことになってますね?」


「「「「ッ!?」」」」


姿を現したのはヤマナミこと山南(さんなん) 敬介(けいすけ)だった

まさかダイシーカフェに居るとは思っていなかったのかキリトは驚きを隠せなかった

「や、ヤマナミさん!?何でアンタがここに!?」

「ログアウトをする前に藤堂くんから頼まれていたんですよ。“須郷 伸之の実態”という依頼をね…」

「「ッ!?」」

オレとキリトはそれぞれの衝撃を受けた。オレはやっと来たかという思い。キリトは何でという疑問。キリトの視線に気づいた山南さんはニッコリと優しい笑顔で答えた

「ああ、桐ヶ谷くんはあの須郷(ゲス)は知っていたんでしたね…すれ違いでしたが私も一度会っていましてね。あれほど腐った臭いは初めてでしたよ。うまく隠していましたが凄まじいほどのゲスの臭いがしましたからね。とりあえずダイシーカフェ()に入りましょう。何処で誰が聞いているか分かりません」

そう言われたオレ達はダイシーカフェに入り、山南さんが集めたという須郷の情報を聞いたオレ達は愕然とした。キリトから聞いていたが、胸糞悪い話だった。アスナをはじめ、未だ昏睡状態のSAO生還者(サバイバー)を人体実験に使っていると聞かされた時は信じられなかった…それだけじゃなく、未だ目覚めないアスナを利用して結婚の正当化。こんな話、近藤さんや土方さんが聞いたら怒り狂いそうだな・・・

「それにしても山南さん…アンタ一体どうやってそんな情報を集めたんだ?」

オレの質問に山南さんはメガネを怪しく光らせて「知りたいですか?」と聞かれたので全力で首を横に振った。キリトに直葉、詩乃も同じだった


「まあそういう事です。アスナさんとやらだけではなく、残り300人のSAO生還者を何としても奪還する…それはここに居る者全ての総意です。キリトくん、微力ながら私も力を貸します。貴方は一人ではありません」

「っ!!ありがとう…ございます……!…それじゃあ改めて、力を貸してください。山南さん……」

「ええ、もちろん……」

キリトはそう言って涙を流しながら他人(・・)に頼った。一見なんでもないように見えるが人と関わる事を嫌うキリトにしては大きな進歩に見えて仕方がなかった。しかしこの役目は山南さんよりアスナが適任だと思ったのはオレだけだろうか・・・





それからオレ達は分かれて家路に向かう途中、詩乃はオレに聞いてきた

「ねえ、平助…」

「何だ?詩乃…」

「平助は、その……」

詩乃は何か言いたそうにどもるがオレには何となく分かった

「ああ、オレは今キリトの手伝いをするために今ALOで戦っている」

「っ!!」

予想通り…いや、外れて欲しかった予感が当たって詩乃は口元を押さえて涙を流した。オレはコイツには泣いて欲しくないのにいつも泣かせちまう。そうしてると詩乃は涙を流しながらオレの胸をドンドン叩いて攻め寄った

「なんで!?いくら友達のためだからって、何でそんな危ない所に行くの!?どうして!?また私を一人にするの!?」

「詩乃…」

「答えてよ平助!!」

「……………」

詩乃のその言葉にオレは何も言えなかった。SAOの時もオレはコイツを…詩乃を悲しませた。前世の時も初恋の女の子だった千鶴を泣かせたオレは現代(こんど)こそ、そんな轍は踏まないと誓った筈なのに詩乃を泣かせちまった。だからオレは泣いてる詩乃を抱き締めた

「ごめん、詩乃…オレ馬鹿だからお前との約束をいつも破っちまう。お前を泣かせたくない。惚れた彼女(おんな)のお前を、オレは今度こそ守りたいんだ」

「平助……」

「だけどその前に、SAOの仲間たちをオレは助けたいんだ。キリトの(ダチ)として、“誠の武士”としても、一度交わした約束を守らなきゃ、オレは…お前を守るなんて胸を張っていえない。男として、詩乃(おまえ)を守るって胸を張って誓えないんだ!!」

「っ!!」

「だから詩乃…自分勝手で我がままだってのは分かってる…だから約束させてくれ!この一軒を終わらせて、今度こそ…必ずお前を守るって!誓わせてくれ!!」

「…………」

オレの本心を込めた誓いを詩乃がどう思うか分からないけど、通じたのか


「ずるいよ、平助…そんなこと言われたら応援するしかないじゃない……」

そう言った詩乃はまだ涙が流れていたけど、笑顔も浮かんでいた。まだ納得は出来ていないみたいだけど、それでもオレを信じると…それはオレにとって嬉しい反面、申し訳ないと思う罪悪感があるが、それでもオレを信じてくれる詩乃に改めて誓いを立てた

「詩乃…オレは絶対お前を守る。この事件を解決したら、絶対にお前のところに帰ってくる!!」

「うん。待ってるからね?平助……」






そしてオレ達は誓いの口付けを交わした。オレ達を見おろす満月の下で・・・ 
 

 
後書き
これを打ち込むのに1ヶ月もかかってしまった・・・今度こそSAO編を早く出したい(泣)・・・


SAO編が終わったら今度こそ予告編しか登場していないあのキャラたちを出す予定です。


それではこんな駄文に付き合っていただきありがとうございます!!

次は出来るだけ早く打ち込みたいです……文才が欲しい 
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