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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
  0959話

 ウズミの……より正確にはオーブの怒りによって帝都の皇宮やその周辺の建物ほぼ全てが破壊されて瓦礫の山と化してから10日程。その後、常に帝都の上空に待機させているメギロートでどのくらいの被害を与えたのかを確認したところ、皇宮周辺に関してはほぼ全滅といった感じだった。
 今回の件が発覚した原因となった地震で壊されたのだとしたら、まだ良かったと言えるかもしれない。その場合は建物は壊れていたかもしれないが、重大な情報の書かれた書類――羊皮紙だが――は回収出来たのだから。
 だが、ミサイルやら爆弾やらでは当然そうはいかない。殆どが石造りの建物だっただけに、街にまで延焼するような事はなかったが、その代わり城は破壊され、その中にあった食料やら書類やらといった物も、全てが消滅……否、焼滅している。
 財宝の類にしても、瓦礫から掘り出すのには相当な時間が掛かるだろう。
 帝国にしてみれば、色々な意味で被害が大きい。奴隷を1人連れていっただけだというので受けた被害だとは信じられない……いや、信じたくない筈だ。
 そして、当然俺の予想通りに帝都の中には大勢のスパイが入り込んでいたらしく、この件は瞬く間に反乱を起こした従属国へと広がっていった。
 まぁ、瞬く間にといっても、通信機の類がない世界だ。かといって竜騎兵のような目立つ兵士を使う訳にもいかない。
 そうなると当然馬が最も速い連絡手段なんだが……通信機の類がないのなら、せめて伝書鳩とか使えないのか? あるいはファンタジーらしく、それっぽいモンスターとか。
 ともあれ、この門世界にしては早く情報が行き渡った結果、従属国の反乱はより活発になった。
 それだけではない。今までは中立……というか、様子見をしていた従属国も同様に独立する為に帝国に反旗を翻し始めている。
 それに対処すべき帝国軍は、城があの有様である以上は連絡とかも後手に回らざるを得ず、同時に本来であれば俺達に対処する為の兵力を従属国の鎮圧に回す筈だったのが、今回の件で全く逆の結果となってしまっている。
 そうなれば幾らなんでも帝国軍としても動きが鈍り、これまでにも勝つ事が出来ていた俺達と繋がっていない従属国にすら負けるようになってきた。
 帝都爆撃の日から10日程、門世界の状況が急速に動き始めている訳だが……

「で、そんな中でエルベ藩王国からの使者、ね。どんな理由だと思う?」

 門世界のアルヌスの丘にある基地の通路を歩きながら、横にいるエザリアへと視線を向ける。
 帝国との交渉であればレオンの出番が多くなってきているのだが、今回の場合は従属国の中でも最大の勢力を誇るエルベ藩王国だ。つまり、帝国が倒れた後でこの地を統べる連合軍の中でも高い影響力を持つのは間違いないだろう国。
 そんな国からの使者である以上、間違いなく何らかの理由があるだろう。
 そもそも、エルベ藩王国にはこちらと繋がる通信機を渡してある。それ程重要でもない用事なら、わざわざ時間を掛けてアルヌスの丘まで来なくても通信で済ませればいいのだから。

「さて、何かしらね。ただ、言える事は……」
「言える事は?」

 一端言葉を止めたエザリアは、小さく肩を竦めてその続きを口にする。

「間違いなく、何らかの厄介事でしょうね」
「……だろうな」

 やっぱりエザリアも厄介事と見ているか。
 そうなると、残るのはその厄介事がどのくらいの厄介事かだろうが……さて、どうだろうな。
 エルベ藩王国の国王とは話した事があるが、何でもかんでもこっちに頼る……なんて真似をするような性格ではない。となると、向こうでは対処出来ないからこそこっちに回ってきたんだろう。
 そんな風に考えているうちに、やがてエルベ藩王国からの使者を待たせている部屋へと到着する。
 扉の前には量産型W。
 まぁ、これは警戒のためには当然だ。

「何か異常は?」
「ありません」

 俺の問い掛けに短く答える量産型W。エザリアはその説明を聞いて扉をノックし、中からの返事を聞いて扉を開ける。
 部屋の中にいたのは5人の人物。
 ただし、椅子に座っているのは20代程の男女が1組だけであり、残り3人は護衛らしく、鎧を身に纏って座っている2人の後ろに控えていた。
 この基地の中で護衛は不要だと思うんだが……ただまぁ、エルベ藩王国からここまで来るのに護衛は必須か。特に帝国の領土内を突っ切って来てるんだし。

「アクセル・アルマー代表ですか?」
「ああ。こっちはシャドウミラーの政治を任せているエザリアだ」
「エザリア・ジュールよ。それで早速だけど用件に入ってもいいかしら?」

 その言葉に椅子に座っていた2人の男女は立ち上がってこちらに頭を下げ……その瞬間、布を顔中に巻き付けていた女の方が何故か跪いてこちらに頭を下げてくる。
 ……おい。この光景、何だか既視感があるんだが。
 しかも、極めつけにその顔に撒いてある布から伸びている耳。通常の人間の耳とは違い、長く尖っている。これまたどこかで見た光景だ。
 ただ、唯一違うのはその肌の色。
 ホドリューやテュカの皮膚とは違い、褐色の肌。
 それはつまり……

「ダークエルフ、か?」
「はっ、はは! この地にて貴方のようなお方に出会えるとは思えませんでした。我が名はヤオ・ハー・デュッシ。シュワルツの森のデュッシ氏族、デハンの娘」

 そう告げるダークエルフの女、ヤオの瞳に浮かんでいるのは、ハイエルフが浮かべているのと同じ色。
 それはつまり、このダークエルフも俺を上位精霊として認識している事を意味している。

「ヤオ殿? 一体何を?」

 そんなヤオの態度に戸惑った様子を見せているのは、隣の椅子に座っていた男の方。
 いきなり自分の連れがこんな態度を取るとは思わなかったのか、目を白黒させている。
 それでも叱責する様子がないのは、ヤオの態度が礼儀に反するものではなく、寧ろ俺に対する敬意を表していたからだろう。
 そのせいで怒るに怒れないといったところか。
 ヤオは跪いたまま口を開く。

「この御方は精霊を超えし精霊。亜神に似て非なる存在。精霊種である我等ダークエルフにとっては、視界にいれていただくことすら恐れ多い御方」

 ……だろうな。
 まぁ、目の前にいるのがダークエルフだというのが分かった時点でこうなるのは半ば予想出来ていた。
 だが、相変わらず神様扱いは好きになれない。
 ホドリュー達ハイエルフの面々は最近ようやく敬うという事をしなくなってきた為、余計にそう感じる。
 もっともホドリュー達にしても、俺が恭しくされるのが好きじゃないというのを理解したからこそ表に出さないだけで、実際に心の中での俺に対する思いは以前とそれ程変わっていないのは予想出来る。
 それでも、直接態度に出なくなったというだけで、俺にとっては気楽に過ごせる原因となっていた。
 正直、混沌精霊になって不都合に感じたのはあの時が最初だったと言ってもいい。
 この門世界にはヴァンパイアはいないみたいだし、いっそエヴァ辺りを連れてきて生き神様にでもしてやろうか。
 ……ああ、いや。ヴァンパイア自体はいなかったが、亜人でそれらしいのはいたか。
 ともあれ、いつまでもこのままでは話が進まない。
 俺の方に唖然とした視線を向けているエルベ藩王国の使者と護衛の騎士をそのままに、ヤオへと声を掛ける。

「面を上げろ」

 正直、この類の改まった口調というのも俺はあまり好みじゃないんだが……まぁ、その辺は役柄を演じていると思えば我慢出来ない事もない。

「はっ! 御身にお目通りする事が出来、恐縮至極に存じます」
「ダークエルフ、でいいんだな?」
「はい。っ!? ……失礼しました」

 俺の言葉に、慌てたように顔を覆っていた布を解くヤオ。
 その下から出てきたのは、美形と表現してもいい顔だった。

「この度は此の身の願いを聞いて頂きたく、参上仕りました」
「……願い? まぁ、いい。詳しい話を聞こう。取りあえず座れ」
「は!」

 相変わらずの堅苦しい言葉遣いだが、最初のように跪かれるよりはまだマシか。
 その場にいた護衛の騎士以外の者全員が椅子に座ったところで、まず最初に口を開いたのはエルベ藩王国からの使者だった。

「突然やってきて申し訳ありません。私はエルベ藩王国に仕えているガルリス・ブランカと申します。先程ヤオさんの口からも出ましたが、実はシャドウミラーの皆様の力をお貸し頂きたくてここにアルヌスの丘までやってこさせて貰いました」
「一応聞くが、直接会って話をする必要があったのか? エルベ藩王国には通信機を渡していただろう?」
「はい、その、あの品はなるべく人目に晒さない方がいいということになりまして。それに、彼女が直接シャドウミラーの方々にお会いして頼みたいと言うもので」

 ガルリスの言葉を聞いていたヤオが、深々とこちらに一礼する。

「アクセル様、この度の件は此の身の我が儘から始まった事。まさかアクセル様のような方にお目に掛かれるとは思っていませんでしたが、デュッシ氏族の命運が掛かっております故にこのような手段を取らざるを得なかったのです。以前までであれば、エルベ藩王国は帝国の従属国として頼るに値しませんでした。しかし、今のエルベ藩王国は違う。自らを支配しようとする帝国と戦うだけの気概を持ち、更に幾度となく帝国軍を破るだけの実力も持っています」

 ……まぁ、色々と突っ込みたいところが無いわけではないが、外から見ている分にはこんな風に思えるのだろう。

「デュラン陛下としても、自らの国の民でもあるダークエルフの危機とあれば手を貸したいと思っておられたのですが……何分、その危機が問題でして。もしもヤオ殿に相談された件を我々だけでどうにかするとした場合、どうしても軍を動かす必要が出てきます。それも相当の被害を覚悟しなければならないでしょう。そうなれば、帝国軍との戦いにも大きな支障が出てくるという事で、シャドウミラーを頼ってはどうかと」
「……なるほど。まずは話を聞かせてくれるかしら。一応シャドウミラーも色々と活動をしている以上、安易に引き受ける事は出来ないのよ」

 エザリアの言葉に、ヤオが小さく頷き口を開く。

「始まりは数ヶ月前となる。突如どこからともなく姿を現した黒と赤の2匹の新生龍。この2匹がデュッシ氏族を狙い始めたのだ。周辺の渓谷や山に逃げ込んだが、2匹の新生龍はそれらを見つけ、食い漁っていく。それに精霊種であるダークエルフであっても、食わなくては生きていけん。だが、我々の狩り場は即ち新生龍の狩り場。戦いを挑んだ者もいたが、全てが新生龍の腹に収まる結果となった。氏族の中でも絶望が広がり始めた、そんな時だ。エルベ藩王国が帝国軍に反旗を翻し、しかも幾度となく打ち破ったと聞いたのは。それを聞いて此の身が交渉のために派遣されたのだ」

 言葉と止めたヤオに続けるようにして口を開いたのはガルリス。

「ですが先程も言ったように、エルベ藩王国の力だけではとても新生龍を……それも2匹を倒すというのは無理です。その為、こうしてシャドウミラーにお力添えを願えないかとやってきた訳ですが……」
「なるほど。……ねぇ、ヤオ。確かにシャドウミラーの力であれば新生龍を倒すのも難しくはないでしょう。何しろ、新生龍より格上とされる古代龍すらも倒した事があるのだから」

 エザリアの言葉を聞き、驚愕に目を見開く2人。
 にしても、この世界のドラゴンってのはエルフが好物なのか?
 今エザリアが口にした古代龍、炎龍はハイエルフを。そして新生龍2匹はダークエルフを餌にしているとなると、その辺を心配せざるを得ない。

「それは誠ですか!? 古代龍を倒すとは……ああ、やはりエルベ藩王国を頼って良かった……」

 信じられないと言葉を漏らすヤオだったが、当然エザリアが何の意味もなくそんな事を口にする筈も無い。

「確かにシャドウミラーなら新生龍2匹を倒すのは難しくないでしょう。けど、それを行ったとして何の見返りが私達にあるのかしら? さすがに新生龍を相手に、無償で提供しろというのは無理があるでしょう?」
「うむ。此の身もさすがに新生龍を無償で倒してくれとは言わん。……謝礼として、このような物を用意させて貰った」

 そう告げ、椅子の横に置いてあった革袋を取り出す。
 かなり大きいその革袋の入り口を広げると、中から出てきたのは……ダイヤの原石、か? それも洒落にならない程に大きい。それこそ、人の頭程もある大きさだ。

「金剛石の原石だ。これを代価として……む?」

 言葉の途中で訝しげな声を漏らすヤオ。
 まぁ、無理はない。これ程のダイヤの原石なんて普通は見た事もないのだから、報酬には十分と思ったのだろう。
 だが……俺達シャドウミラーにとっては話が全く違う。
 何しろ、その世界特有の物質以外はキブツで生成出来るのだ。それこそ、その気になれば人の頭程どころか、人間大のダイヤすら生成出来る。 
 しかもキブツで生成されたダイヤは、俺達で言う人工ダイヤと比べても尚天然物と差はない。勿論部分的に優れた特徴を持つ人工ダイヤを作る事も可能だ。
 そういう意味では、ヤオの持ってきたダイヤの原石は報酬としてはいまいち物足りないのは事実。
 だが……それでも、門世界でここまでの報酬を用意したというのは驚愕の出来事だし、向こうの誠意も感じられる。
 チラリとエザリアへと視線を向けると、任せて欲しいとばかりに頷きを返される。
 何か考えがあるんだろう。そう思い、交渉に関してはエザリアに任せたのだが……次の瞬間にエザリアから出た言葉は、さすがに俺にとっても予想外だった。

「ねぇ、ヤオ。ダークエルフの集落ごとシャドウミラーの庇護下に入るつもりはない?」 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1167 
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