転生とらぶる
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0958話
皇宮でアキエを救助してから30分後、俺達の姿はアルヌスの丘にある基地……ではなく、ホワイトスターにあった。
エアカーで数時間掛かる距離も、影のゲートを使えば数分と掛からずに移動が完了する。寧ろ、ホワイトスターに戻ってきてから高畑が確保していたアキエの治療やら、オーブのウズミに対する連絡やら、異世界間連合を組んでいる各世界のトップに対する連絡やらの方が時間が掛かった。
それでも短時間でその全てを終わらせ、更に各世界のトップとの通信会談を行えたのだから、寧ろ普通の世界の国家としては異例のフットワークの軽さと言ってもいいだろう。
そんな会談の中、当然の事ながら最初に口を開いたのはウズミだった。
『帝国が奴隷を使っているというのは、シャドウミラーから情報が回ってきてはいた。だが……まさか、ホワイトスターから民間人を連れ去っていたとは』
一見すると落ち着いているように見えるウズミだが、それが見かけだけなのは、額に浮いている血管と座っている机の上に乗せられている手がこれ以上無い程に力を込めて握りしめられているのを見れば明らかだろう。
オーブの獅子と呼ばれた男は、今怒り狂っている。その怒りの矛先は当然帝国だが、同時に俺達にすらも向けられていた。
『アクセル代表。今回の件はホワイトスターで起こった出来事だ。だというのに、それを前もって防ぐ……とはさすがに言わないが、それでも情報を得る事は出来なかったのかな?』
「すまない、それに関してはこっちのミスも大きい。まずホワイトスターが帝国軍に襲撃されてから、それ程時を置かずに俺達は鎮圧に乗り出した。その間に連れ去られた人物がいたとは思っていなかった。そして何より、捕虜にした帝国軍からその手の情報が一切上がってきていなかった」
捕虜からの情報に関して言えば、帝国軍としては攻め込んだ先にいる相手を捕まえ、奴隷として扱ったり、あるいは奴隷商人に売り払うというのは当然の事だったのだ。
つまり当然だった為に、捕虜としては敢えて口に出す者がいなかった。
それでも数万人もいる捕虜だ。数人程度は口にしてもおかしくなかったが……恐らく、その結果自分達の境遇が悪くなるのを恐れたんだろう。
『……まぁ、落ち着きたまえウズミ殿。奴隷としてではあっても考えようじゃろう? 死なずに生きていたと考えれば、まだ良かったのではないかね?』
取りなすように呟く近右衛門に、ウズミも不承不承頷く。
確かにその辺は考えようか。奴隷でもなんでも、生きてはいたのだ。死んでいたよりはマシな筈だ。
それに……
「アキエという人物から、幾つか情報がとれた。ホワイトスターから連れ去られたのは、他にも数人いるらしい、とな」
『それは……どこの世界の人物かというのは?』
星刻としても、陽光からの住人ではないかという思いもあるのだろう。身を乗り出しながら尋ねてくるが、俺が返せるのは首を横に振るという行為だけだ。
「アキエ自身も運ばれている時にちょっと見ただけらしいからな。それを思えば、覚えてなくてもしょうがないさ」
『生きていると、思うか?』
「……どうだろうな。一応こっちに協力しているエルベ藩王国を始めとした従属国や、イタリカにいる者達に情報を集めて貰えるように要請はしたが」
星刻としては、連れて行かれたかもしれない陽光の住人が生きていて欲しいと思っているのだろう。だが、奴隷となればどんな風に扱われているか……
現在俺達が関わりがある世界で唯一奴隷制度があるのは魔法界だが、何だかんだ言ってもあそこの世界はそれなりにモラルの類を持っていた。
勿論魔法界の全てが全てそうだという訳ではないのだろう。少なくても俺の顔見知りで奴隷になっていた大河内達はいい相手に雇われていた。いや、この場合は所有か?
だが、ゾルザルの扱いを見た限りでは門世界だとそうもいかないだろう。
『こうなると、アクセル代表が帝国との交渉を一端白紙にしたのは少し早まったかもしれませんな』
「だが、グラス大統領。ここで甘い顔を見せれば、向こうはそれを笠に来てこちらに譲歩を求めてくるという風になったかもしれないが?」
『確かにそうかもしれない。しかし帝国との交渉を白紙に戻してしまったとなると、奴隷として捕まった者達を探し出すのも難しくなるでしょう』
『確かにそうじゃろうな。じゃが、儂等の伝手は帝国だけではないじゃろう? エルベ藩王国を始めとして、現在帝国に反旗を翻して独立戦争をしている者達がいる。そちらから手を回して貰っているのだから、見つかる可能性も十分あるのでは?』
グラスと近右衛門の話を聞く限り、確かに頭に血が昇っていたからといっても、やり過ぎた感は否めない。
実際近右衛門が言っているように、門世界の中では多くの従属国が帝国に対して反旗を翻してはいても、現時点で帝国が最大の版図を持った国家だというのは事実なのだ。
それを思えば、もし本当にアキエ以外に奴隷として連れ去られた者がまだ生きていたとしても、見つけ出すのは帝国の力を使って探し出すというのが手っ取り早いというのは確か。
そんな風に考えていると、先程から黙っていたウズミが口を開く。
『アクセル代表、1つ聞きたい。ホワイトスターから連れ去られた他の者が、奴隷として帝都にいる可能性はあると思うかね?』
地の底から聞こえてくるようなその声に、俺以外の参加者達も一端議論を止めてウズミの方へと視線を向ける。
そのウズミの言葉に、少し考え首を横に振る。
「異世界からの奴隷ともなれば、向こうの世界で普通に使われている奴隷と違って稀少な筈だ。現にアキエは帝国の第一皇子でもあるゾルザルの下にいたしな。それにアキエの話によると、帝都にいるのは自分だけだとゾルザルが自慢していたらしい」
何に驚いたかと言えば、アキエだ。俺達は翻訳機を使って門世界の住人と会話をしているというのに、アキエの場合はそれが無いままにゾルザルを含めた門世界の住人と会話を交わしていた。
つまり、ホワイトスターから連れ去られてから俺達が助け出す数ヶ月程度で門世界の言語を習得した訳だ。
命の危機に陥った状態であれば、死に物狂いで言葉を覚えるのは当然か。
文字通りの意味で命に関わってくるのだから。
特にゾルザルのようなのを相手にするとなると、特に。
『そうか、他に連れ去られた者が皇宮にいないというのなら丁度いい。私は懲罰の意味も込めて皇宮の破壊を進言する』
「皇宮の破壊? つまり、これまでの戦略自体を白紙に戻して俺達で帝都まで攻めるって事か?」
確かにそれが手っ取り早いのは事実だが、その後の展開が面倒だという理由で従属国の反乱に手を貸してきたのだ。だというのに、いきなりそれを撤回すると言われても、正直困る。
だが、ウズミは俺の言葉に首を横に振って否定した。
『いや、何もそこまでは言わない。以前にアクセル代表が宣戦布告と降伏勧告をしに行った時に、帝都の上空から侵入しただろう? それと同じような感じで、皇宮やその周辺を爆撃したいと思っている』
なるほど、いわゆる空爆か。
ウズミにしては思い切った手だな。
「その場合、恐らく皇宮にいる住人も大勢が死ぬが?」
『一応爆撃前に、これから攻撃すると宣言する。そうすれば死者は少なくなるだろう』
確かにそれなら死者は0になる……とは言えないが、少なくなるのは事実か。
それに皇宮やその周辺施設が破壊されたとなれば、多かれ少なかれ帝国の上層部が混乱に陥るのは間違いない。
特に攻撃前に宣言をするとしても、それで助かるのはあくまでも人命のみだ。
各部署に命令を出すための書類や、これまで蓄積してきたデータのようなものが表記されている書類とかを持ち出すような真似はまず無理だろう。
特に門世界では羊皮紙が一般的である以上、一枚一枚の重さも違う。
それを思うと、確かに帝国を混乱させるという目的も達成出来る、か。
『勿論、その爆撃は我等オーブ軍で行う。どうだろうか、爆撃に賛成して貰えると嬉しいのだが』
口調は丁寧なのだが、目は底冷えをしている。
一応許可を求めてはいるが、それを拒否しても絶対に退かないだろう。
目は口ほどにものを言うってのがあるが、まさにそんな感じだ。
まぁ、元々情け深いウズミだ。自分の国民が強制的に奴隷に……それも性奴隷にされていたとなれば、とてもではないが許す事は出来ない、か。
それに空爆に関してもオーブ軍のみで行うとなれば……待て。
「少し聞きたいんだが、空爆をオーブがやるとなるとどうやってやるんだ? M1アストレイは空を飛べないし、新型機はまだ開発中だろ? メギロートを使うつもりか?」
『いや、そんなつもりは毛頭無い。そもそも帝国には空軍戦力と呼ぶべきは竜騎兵しかおらず、その竜騎兵にしても生身の人間がワイバーンの上に乗っていると聞く。ならば、そのような者達の相手をするのにMSやメギロートのようなものは不要。戦闘機や戦闘ヘリで十分だろう』
……なるほど。まぁ、それは確かに。
帝国の戦力を考えれば、わざわざMSを使う必要はないか。
戦闘機とか戦闘ヘリとかは、全く使わなくなっていたからな。
以前は俺の足としてソルプレッサを使ってはいたけど、サラマンダーを手に入れた今、それも既に必要なくなっているし。
「分かった、なら決を採ろう。オーブ軍による帝都の爆撃に反対の者は?」
その言葉に、誰も手を上げる事はない。
星刻、近右衛門、グラスの3人共がだ。
勿論俺にも反対する意思はない。
「よし、なら決まりだな。オーブ軍による帝都の爆撃を許可する。ただし……」
『分かっている。攻撃するのは皇居周辺のみとし、市街地には手を出さない』
「1発だけの誤射もなしだぞ」
『オーブ軍の練度を侮って貰っては困るな。1発たりとも誤射は出さんよ』
こうして、オーブ軍による帝都の爆撃が決まったのだった。
「……にしても、随分と早いな」
呆れたように呟いたのは俺。
現在はホワイトスターにある家のリビングで、映像モニタへと視線を向けている。
そこに映し出されているのは、オーブ軍の戦闘機部隊が見ている映像だ。
オーブ軍の爆撃が決まってから、僅か2時間。それだけで準備を整え、既に門世界の空をオーブ軍の戦闘機が飛んでいたのだから。
ちなみに出撃したのは戦闘機のみで、戦闘ヘリは出さなかったらしい。
「ま、しょうがないんじゃない? オーブからホワイトスターに派遣されてきた人材があんな目に遭っちゃ……ね」
俺の隣で同じく映像モニタを見ているレモンが呟く。
アキエの診察をしたからこそなのだろう。いつものように気怠げにしつつも、その目には嫌悪の色が浮かんでいる。
「ええ、ウズミ様の性格を考えると後悔したでしょうね」
「だろうな。特にホワイトスターに派遣されていたという事は、期待されている人材であるのは間違いなかったんだから。その人材をあのような目に遭わされればな」
マリューとコーネリアの2人も、口にしながら嫌悪感が滲み出ている。
それはシェリルやスレイにしても同様だろう。
特にシェリルは、自分の目でアキエがどのように扱われているのかを確認しているのを思えば、良くあの場で怒り出さなかったと、その我慢強さに感心すらする。
……いや、シェリルが怒る前に俺がキレてしまったからか。
そんな風に考えている間に、やがて戦闘機が帝都へと到着。速度を極限まで遅くして皇宮に向かって避難するように告げているのが聞こえてくる。
普通ならある程度以下の速度になれば失速しそうなもんだが……オーブも着々と技術力を高めていってるな。
まぁ、俺達シャドウミラーと正式に国交を結んだ最初の国だと考えれば、当然だろう。
映像の中では通告が終わったのだろう。戦闘機が次々と皇宮へと向かって爆弾を投下していく。
放たれたミサイルや爆弾が皇宮を瞬く間に瓦礫の山へと変え、あるいはその近くに存在していた元老院達が集まって会議をするような場所、練兵場、騎士の宿舎といった場所も含め、次々にその姿は崩れていく。
当然帝都側でも黙ってやられている訳ではない。しかし、魔法や弓を地上から放とうとも戦闘機の速度に命中する筈もなかった。
空戦には空戦ということで竜騎兵が30匹程も出てきたが、バルカンで血と肉の破片と化す。
俺が宣戦布告をした時に比べると、随分と竜騎兵の数が多いな。……いや、寧ろあの時の俺の行動により防空戦力が強化されたのか?
……全くの無意味ではあったが。
爆撃を行っていたのは、時間にして10分もないだろう。だが、その10分の間に帝都の象徴ともいえる皇宮は全てが瓦礫と化し、その周辺にある重要施設も軒並み破壊されていた。
この光景を周囲の者達はどう思っただろうな。
特に帝都の中には、従属国からのスパイの類が大量に入り込んでいる筈だ。当然この件は反乱を起こしている従属国に知らされるだろうし、そうなれば間違いなくこれまで以上に従属国の活動は活発になるだろう。
自業自得としか言いようのない光景だった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1167
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