ソードアート・オンライン 守り抜く双・大剣士
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第20話 =意外な理由=
「はぁ!?使えないのか!?」
俺が『使わない』のではなく『使えない』ということを説明すると黒の剣士ことキリトは声を上げ驚いていた。
キリトが驚いた声からあたりが急にシーンとなったので俺は周りを見渡すとなんとサチやユカ、シリカにリズまでもが声は出さなかったにしても同様に驚いていた。
「…言ってなかったか?」
「聞いてないよ」
「サチに同じく」
「私も聞いてません!」
「初耳なんだけど」
周りから一斉に言われる。とか言いながらもまだ仲間に隠していることはあるんだけども。
するとキリトは疑うような目でこっちを見て目を閉じたかと思えば街中でいきなり剣を抜いた。
「…圏内で何する気なんだ?」
「いや、ただ単にお前がソードスキル発動のモーションを知らないかと思ってな。
ちょっと真似してみてくれないか」
「何だよその言い方ぁ…別にいいけど…」
キリトの言い分だとモーションを知らないから発動できないマヌケさん、って言われてる気がするので普通にむかついた。
が、一応…じゃなかった常に攻略組みトップレベルを維持しているプレイヤーの剣技が見れるので見ることにした。
「片手剣と大剣は意外と共通するものがあって………せやっ!!」
剣を上段に構えその剣を振るおうとする瞬間、よく見られるソードスキル発動の証の赤い光がまとわれる。
そしてそのまま空をV字に切り裂いた。
「これは『バーチカル・アーク』ってやつなんだけど」
「…それを真似しろってか…よし」
自分の腰後ろに横向けて装備してある自分の武器、オータムリリィを抜く。
キリトと違い範囲が広いので念のためみんなから離れる。
「……旋風剣!!」
しかし俺が発動させたのは剣の風圧を使い周りに真空波を巻き起こす技だった。
SAO上ではソードスキルなら自身の意思で声を出すか出さないかを決めれるがテイルズの技の場合、どうしても叫んでしまう。
もうシステムだから仕方ないと割り切っているが…
「どうだった?」
「本当にソードスキルとは違うな…ライトエフェクトがまず違ってたし…」
「俺がモーション間違えてたっていうオチじゃないよな?」
「あぁ、形は完璧だった。…バグか?」
「それは俺が一番聞きたい」
でもソ-ドスキルよりかは使いやすいけどな、こっちのほうが。と付け加える。
半分以上ソードスキル無しでやってきたのだ。いまさらソードスキルが使えるようになったとしても反射的にテイルズ技を使ってしまうだろう。
ソードスキルはスキルとスキルとの間に必ず硬直が緒起きてしまうが、テイルズ技は限られた連携ならばいくつかは連続して出せるのだ。
実際そのほうが便利だろう。
「ま、いまさらだから気にするなって…それよりも」
そういい、俺は気合を入れるため左の服の袖をまくった。
さきほどのキリトから聞いた話の本題に入ろうとしたのだが…突然キリトが俺が袖をまくってでた腕をつかんできたのだ。
「ちょ、どうした!?コッチ系か!?」
そういいながら俺は掴まれていない方の手を頬にやりいわゆる「お前、男好き?」というジェスチャーを投げかける。
「違えよ!!」
「じゃあなんだ!?」
「…そんな腕輪見たことなくて…レア物かと思い…」
「腕輪?なんだそれ?」
キリトの言葉に俺は正直耳を疑った。
癖かなんか知らないけど俺はめったに装備画面的なものを開かない。
この世界では装備する動きで装備が完了する、という設定も存在し俺はそれを選択してるからだ。
ちなみにこの設定を選択すれば直前までつけていた物は自動でアイテム欄へ移動する。
「だから、その左腕にあるやつだよ。どんな効果なんだ?」
「…なんだこれ?」
キリトに促され俺は左腕を見てみるとそこには実際に銀色のチェーンで出来たような質素な腕輪があった。
さらに効力を聞かれたので久しぶりに画面操作しこの腕輪の効果を見る。
「えっと…『・使用者のステータスを5%アップ』」
「な、なにそのメリット…」
俺が読み上げる効果を聞きサチが唖然と言うか驚いているというか複雑な顔をしていた。
「まだあるぞ『・取得コル+5%』…5%好きだな」
「…だから私たちの戦闘でなぜか早くお金が溜まったんですね…」
シリカの言うとおりもうやろうと思えばギルド専用ホームを買う、というところまで後5分の1をきったところだった。
普通は回復アイテムとか買わない、装備も新調しないでこれなんだけど…
「まだまだあるな…『・術使用可能』……え?」
「術ってなによ?」
リズが代表して声を出したらしくみんな頭に?を浮かべていた。
「えっと…めちゃくちゃ簡単に言えば『魔法』だ」
そう、術はこの世界ではあってはならない魔法なのだ。
剣技で穂脳とか雷だしてる時点でそれもOUTだとおもうのだけど…気にしないでおこう。
事実、俺の発言にみんな驚愕している。
「つっても多分決められた文章を言わなきゃならなくてスキル、レベルも条件だと思うけどな」
「リクヤは知ってるの?その術…だっけ、その文章」
ユカの質問に「覚えてる」って言いたかったけどさすがに1年以上その存在は忘れていたのだ。
一番最初、このゲームがデスゲームと知らないときキリト、そしてクラインに教えてもらったから。
「で、その術使用可能で最後なのか?」
「いや、まだあった『・ソードスキル使用不可』…原因これだな」
そこには俺がソードスキルを発動できないとてつもなく単純な理由があった。
バグとかそんなたいそうな出来事じゃない。ただのデメリットだったからだ。
「うっわ…というかアンタ、自分のステータスくらい確認しなさいよ!!」
「面目ないです……これどうしようか?」
俺は仲間+黒いソロに尋ねる。
すると黒いソロであるキリトから最初の意見が出てきた。
「売る?」
「うーん…NPCは買い取ってくれそうだけど絶対安いな…かといってプレイヤーはこんなもの欲しがらないだろ…」
まず最初は却下。
「捨てちゃいます?」
次に我らがリーダー、シリカからさらに意見が発せられた。
「それだと偶然拾った人がメリットに負けて装備してソードスキル発動できなくて死ぬ、なんて可能性もあるじゃん?」
「考えすぎよ、馬鹿」
俺の推測だけれどそれを述べるとすぐさまユカのツッコミが入ってきた。
こういうときの俺のマイナス方向への推測はすごい。知らない人でももし、何てことがあったら罪悪感が半端ないのだ。
「じゃあ…どうするの?」
「保留でよくない?本当にお金が足りないときとかにまた装備してためればいいんだし」
少しずるそうな発言が聞こえたがそのほうがどっちかと言うと得だろうと思い俺はウィンドウを操作し装備をはずしアイテム欄へ入れる。
そこでチラッと見えたのだがアイテム名に『~~チェーン』というのが少し見えた。
こんどもう一回見てみよう…
「さて、本題だ」
「あぁ…エコー・フラワーとトワイライト・モスだな」
原作では前にも言ったかもしれないけれど砂漠とサンゴのある海だ。
あの最強といわれているヒースクリフさんなら何か知ってるかもしれないが…そう簡単に教えてくれるものだろうか?
「でも同時に進行しないとこの努力すべて無駄になるわよね…」
「だな……なら、2手に分かれよう」
ユカの言うとおり遠回りでもこの層はクリアは出来るのだ。おそらくクリアされた時点で隠された道は消え、そこにあったボーナスも一緒に消えると思うけど。
キリトの提案に俺たちはOKをだした。
まずヒースクリフさんに情報提供してもらえるかわからないのでその前に副団長であるアスナに、
ということで姉のユカ、2人の親友リズ、少なくとも相手の上の人と会うのでこちらも同じくリーダーをということでシリカがトワイライト・モス担当となった。
そして残った俺、キリト、サチはエコー・フラワーの捜索となった。確か砂漠階は40層だっただろう。
「じゃあ、今日の6時にリズの店集合でいいか?」
俺の提案にもおのおのの返事が返ってくるが全員OKだった。
アスナにメッセージを送るために一旦その場に残る3人の転移門へ向かう俺たちとで方向は逆だったけどまぁ心配は要らないな。
なんだかんだ強いし。
「じゃあまた後でなー!」
最後にそういい俺とキリト、サチは40層へ向かうべく転移門のある広場まで歩き出した。
後書き
リ「いつのまに装飾品つけたんだよ」
涙「時期的には第1層のボス倒して称号ゲットしたっしょ?」
リ「あぁ」
涙「あそこからだな」
リ「なんで?」
涙「どんなゲームにも隠し能力的なものってあるじゃん?アレの隠し能力はシステム上でテイルズに分類されている技は威力が10%アップって効果…なんだぜ、実は」
リ「本編で言え!!大事すぎるだろ!!」
涙「だってこれからは使わないし…」
リ「ひっでぇ…あ、今回も駄作ですいません」
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