ソードアート・オンライン 守り抜く双・大剣士
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第21話 =エコー・フラワー=
=第40層=【称号・ラタトスクの騎士】
「…暑ぃ…」
「大丈夫か、サチ」
ここは転移門のある街からもう気温が高くなっている。なので俺は称号変更し一番身軽な格好であるラタトスクの騎士を選択した。
この服、肩が出ているタイプなので普段の黒衣の断罪者に比べるとずいぶんと涼しい。
暑いって言ってるサチも結構涼しそうな格好だと思うけどな。
「そんなに暑いか?」
「お前は化け物なだけだよ」
俺は隣にいる黒い化け物…もといキリトに言う。こいつはいつもの黒いコートをいつものように羽織っているのだ。
それで口から出たのは熱さを否定する言葉…おかしいだろ。
「鍛えてるからな」
「…さいですか」
寒さは鍛えれば克服することが出来る、とは聞いたことがあるが暑さは聞いたことないな…
心頭滅却すればまた火も涼しってやつか……火もまた涼しだっけ?
どっちでもいいがそれが実行できてる時点でもう化け物だよ、キリト君。
「暑いのならさっさと目的のもの取って帰ろうぜ」
「だな」
「エコー・フラワー…だっけ?どこで取れるものなの?」
「砂漠歩いてりゃ取れるだろ…「キリト、おねしょ!」って叫びながら行けばきっと真似してあっちも声を出してくれるさ」
「待て!なんで俺がおねしょする前提なんだよ!!」
「…しないのか!?」
「しねぇよ!そういうお前がしてるんじゃないのか!」
「俺だってしないよ!勝手に想像膨らますな!!」
実際にゲームであった仲間がおねしょをしているという歌の案は却下された…
「う~…うるさいなー、もう。私暑いの苦手なんだから大声出さないでよ…」
突如声を出した方向を俺たちは見るとそこには不愉快度50%くらいが顔に出ている棍術使いがそこにいた。
おれも知らなかったけど暑いのが苦手らしくそれだけで嫌なのにさらに俺たちのわめき声で相当溜まってるらしい。サチが本気で怒るところはまだ見たことはないけど内に秘めるタイプなのだろう。怒ったら普通に怖そうだ。
「「ご、ごめんなさい…」」
それに速攻で謝る男2人…
そしてこっちを見ず、いまだに暑い…といっている女性1人。なんだこのパーティは。
こうして女性に弱い2人とこの中では一番の権力を持っているであろうその1人のパーティはダンジョンへと向かった。
「せぃ!!」
ズパァンとサボテンに足の生えたようなモンスターを大剣のソードスキル『アバランシュ』を使い、サボテンをポリゴンのかけらとする。
いままで使えなかった代物だけれど織り交ぜると結構使えるものなんだ、と初めて実感した。初めてといっても一層以来ソードスキルで敵を倒すこと自体初めてだから実際にはわからないけど。
「意外と気持ちいいものだな」
「テイルズの技ってのはどうしても叫ぶから恥ずかしいけどな…」
隣を見ると少しはなれたところでサチと一緒に戦闘をしていたキリトが文句を言っていた。
実は俺がソードスキルを使えるようになったお礼といいますか、なんやかんやで役立つだろうと一応教えておいたのだ。
片手剣士初級技「散沙雨」という連続突き攻撃を。
さすがにアスナの速さには敵わないが敏捷より筋力の方が高いパラメータのプレイヤーにはいい武器になるだろうと思って教えてやったのに。
「あのときの「散沙雨!」って叫ぶキリトは少し面白かったよ」
笑顔でそうキリトに言うサチ。言われたキリトは想像以上に恥ずかしいのか顔を赤くする。
でも俺は半分以上これでやってきてるから恥ずかしくないしそれどころか憧れの技を使えるので逆にうれしい。
サチはサチで時々使うけれど諦めがどこかではいったらしい。
「もう、使わねぇ…」
「そういうなって。結構役立つぞ?」
「俺はソードスキルだけで生きていくさ…」
「ごめんね、キリト。そんなにショックだと「散沙雨!」…こんなところで言わなくても…」
サチが慰めの言葉をかけている途中に突然サチがさっき聞いたらしいキリトの声で叫ぶ音が聞こえ俺とサチはキリトに目を向けるがキリトは「俺じゃない」と首を振る。
何者かと思い辺りを見渡すが俺たちには音源を発見することは不可能だった。
「一体何なんだ?」
「こんなに声が似てる人って言うのも初めてだけど…」
「多分、『エコーフラワー』だ」
俺の予想に2人は嘘だろ?みたいな顔になる。
多分2人は俺の話をちょっとした冗談と考えていたのだろう。何せ「花が人の言葉を真似する」なんて話なのだから。
「声を辿ってもうちょっと奥に行ってみよう…」
「お、おう…」
俺たちはそこから慎重に歩き始めた。急ぐ必要もないし声を聞き逃したくはなかったのでので走るなんてことはなかったが、モンスターが出てくると先頭に歩いていたいたきりとがソードスキルである「ヴォーパル・ストライク」で一発でしとめる。
近づいているのか段々「散沙雨」というこえがどんどん大きくなっている。
声が聞こえるたびにキリトは顔を赤くしていて、モンスターが出るたびにその怒りをぶつけていたようだけど。
キリトの声が聞こえる方向へ進んでいくと小さなフロアにたどり着いた。フロアといってもただ単に少し広いだけの行き止まりだったが。
でも大概こういう場所には少しほかのとは違うモンスターがいるので警戒もする。が、そこには奥に白い花が生えているだけだった。
そして例の声はその花から聞こえる。
「散沙雨!…散差雨!」
「…これだな」
「うん…にしてもよく連呼してるね…」
自分の恥ずかしいと思っている発言が連呼されるのを聞くのが嫌になったのかキリトは耳をふさいで何も聞こえない的な事をしている。
でも無駄な抵抗と思い肩を落とし諦めている。
「さて…必要なのは花じゃなくて種なんだけどな……あ、ラッキー!」
「どうしたの?」
俺は花に近寄りその辺りを探すと偶然種をすでにつけている物を見つけた。
一回それにさわりウィンドウを開いてYesを押し自分のアイテムとする。
「この種をトワイライト・モスの上において、例の風唄う地で花を咲かせれば近道ってやつが開く…はず」
「じゃああとはユカたちの結果まちだね」
「終わったなら早く戻ろうぜ…ここにいると辛すぎる…」
そんなに自分の叫ぶ声が嫌いなのか、と思いながらも俺も暑すぎるのは苦手だしサチなんか会話は普通に出来るもののもう顔に「もう限界」と書いてあったから相当やばいのだろう。
キリトをいじる対象とおさらばするのは心寂しいが俺たちは帰路につくことにした。
後書き
リ「なんかさりげなく俺、ソードスキル使えるようになってるな」
涙「だって使えなかった原因はアレだもん、例の腕輪」
リ「うっわ」
涙「話は変わるがここで問題が発生した」
リ「なんだよ」
涙「この小説、どこまで進もうか…アインクラッド編まで…もしくはフェアリィダンス編…それ以上か」
リ「全部やれよ」
涙「そうすると俺銃のことわかんないからGGOどうすれば…」
リ「その前に…アインクラッド完成だろ」
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