ドリトル先生と二本尻尾の猫
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第四幕その九
「じゃあ今度はね」
「君達がだね」
「ちょっとあの人を見て来るよ」
こう先生に言ったのです。
「そうしてくるよ」
「再び偵察だね」
「うん、あの娘がどんな娘かね」
調べてくるというのです。
「細かくね」
「うん、それじゃあ」
「そういうことでね」
「じゃあ今はね」
「これからはね」
「僕達の主な出番だね」
こうお話してでした、そしてでした。
今度は動物達があの娘を観ることにしました。
そして先生にことの次第を言うことにしましたがここで、です。先生は皆にくれぐれもといった口調で注意するのでした。
「車とかにはね」
「うん、注意してね」
「そうしてだよね」
「そう、あの娘を観るにしてもね」
そうした事故に注意する様に言ったのです。
「いいね」
「うん、わかってるよ」
「車とか怖いからね」
「轢かれたりしたら」
「そうしたらね」
「これからね」
「車には注意して」
こう言ってです、皆はです。
早速皆と一緒に行ったのでした、そしてです。
早速お酒屋さんに行ってです、娘さんを観に行きました、ですが。
先生はです、皆が行こうとしたところで言いました。
「あっ、待ってくれるかな」
「あれっ、どうしたの?」
「一体」
「ここでどうしたの?」
「一体」
「いや、僕もね」
こう言ったのです。
「行くよ」
「えっ、僕達が観に行くのに」
「先生はお家で休んでいてよ」
「ここはね」
「待っていてね」
「皆が心配だから」
「車に轢かれたりしない様に」
「それで」
「うん、それでね」
こう言うのでした。
「皆が轢かれない様に」
「ううん、何かね」
「僕達が動こうとしたらね」
「先生が絶対について来てくれるよね」
「そうだよね」
「何かね、僕だけ休んでとかも嫌だし」
それにというのです。
「それにね」
「僕達に何かがない様に」
「人間の先生がいてくれたら」
「そう思うから」
「だからなんだ」
「うん、そう思うから」
それでというのです。
「ここはね」
「ここは、なんだ」
「先生も一緒に来て」
「それで僕達が安全になる様に」
「そう言うんだ」
「うん、そうしていいかな」
微笑んでの言葉でした、そうして。
先生は皆と一緒にもう一度お酒屋さんのところに行きました、そしてです。
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