| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生と二本尻尾の猫

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四幕その十

 チープサイドの家族とトートー、それにポリネシアでした。その鳥達がです。
 皆で一緒にでした、お空に飛んでです。
 そしてです、お店の二階のところを暫く飛び回ってから言いました。
「うん、お部屋はね」
「落ち着いてるわ」
「奇麗だったよ」
 清潔だったというのです。
「あの娘のお部屋があったけれど」
「そこはね」
「奇麗だったし」
「別にね」
「悪いことはなかったわ」
「何もね」
「そうなんだ」
 先生はチープサイド達からお話を聞いて述べました。
「清潔でもあるんだね」
「それでね、お部屋にあるものも」
「おかしなものがないっていうか」
「大人しいのばかりで」
「デザイン的にもね」
「変なのもなかったよ」
「服にしても」
 鳥達はこうしたこともお話してくれました。
 とにかくです、お部屋にある女の子のものはです。
 何もありませんでした、そのうえで。
 皆でこう言ってでした、結論も言いました。
「お部屋を見る限りはね」
「いい娘よ」
「お部屋にも人間性出るから」
「趣味とかもね」
「そうそう、匂いがしないんだよ」
「うん、悪い匂いはね」
 ジップとダブダブもお鼻をくんくんとさせて言います。
「別にね」
「何もないよ」
「やっぱりあの娘はね」
「悪い娘じゃないよ」
「むしろいい娘だよ」
「かなりね」
「成程ね、悪い娘じゃない」
 このことをです、先生はあらためてわかりました。こうした時にわかるのがやっぱり動物の皆があってのことです。
 そしてです、こうも言いました。
「後はね」
「あの娘が具体的にどんな娘か」
「その性格をね」
「確かめることだね」
「そうしよう、じゃあね」
 こうお話してでした、皆で。
 また一旦お家に戻ってでした、この日はです。
 皆で休みました、しかし。
 ふとです、王子が先生に言うのでした。
「恋愛のことはわかりませんけれど」
「うん、何かな」
「先生は今回も慎重ですね」
 言うのはこのことでした。
「やっぱり」
「慎重かな」
「はい、何かと」
「ううん、ことはね」
 こうした慣れていないことでもだというのです。
「一歩一歩ね」
「確実にですね」
「進めていってね」
 そうしてというのです。
「確実にしていかないとね」
「失敗するからですね」
「そう、為していって」
 そしてというのです。
「成功させないと駄目だから」
「それで、ですね」
「こつこつとね」
 例えその足取りが遅くてもです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧