未来から来た魔王
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衝突
前書き
護堂の戦士の権能って小説版の方がイイですかね?
ここは東京から南東の方向に1500kmの地点にある人工島。
北緯25℃にちかい島で、日本の石垣島、中国の台湾と同緯度にあります。
日本とアメリカの政府が共同で作った人工島とされているが実際はカンピオーネ草薙王が権能によって建設した島です。
この島には滅多に魔術師は立ち寄らない、なぜなら、しばしばこの島が神と草薙王が戦う場となることがあるからである。
(機内での説明より)
「ここが俺が作った島だ。ここでお前との決着をつけることになる」
そう言うのは僕が生まれる200年以上も前からいる世界最古のカンピオーネ、草薙さん。
昨日はでかい口を叩いてしまったけれども僕は本当にこの人に勝てるのだろうか。年季も違う。経験した戦闘の数も違う。幾多の死線を目の前のカンピオーネは潜り抜けてきている。そんな人に生まれて数年の僕が勝つことができるのだろうか。
「どうした、顔が暗いぞ」
「あまり思いつめると実力が出せませんよ、満月様」
そう僕に優しく語りかけてくれる葵さん。
そうだ、そんなに重く考えなくてもいいじゃないか。小父さんとの稽古のように頭を空っぽにして目の前のことだけに集中すれば……。
「よしもう大丈夫だと思う。どこでやるんですか?」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。もうすぐ来るはずなんだが……、あ、来た」
そう言って護堂さんが指差した方向には。
エリカさんと3人の若い女性がこちらに向かって来ていた。
「紹介するわね、こっちから万里谷 祐理、清秋院 恵那、リリアナ•クラニチャールよ」
「初めまして、王よ。草薙王に仕える媛巫女が一、万里谷 祐理です。以後、お見知り置きを」
「同じく草薙王に仕える媛巫女が一、恵那です」
「草薙王に仕える騎士、リリアナ•クラニチャールです」
順に自己紹介してくる万里谷さん達。
彼女達は一体……。
そこにエリカさんがなんなのかを教えてくれた。
「彼女達は護堂の愛人よ」
「「なっ」」
「いつから私が愛人になった!!、エリカ」
真っ先にそう言ったのはリリアナさん。
「そ、そんなことなくもないですけど」
そう言って顔を赤らめ下に伏せるのは万里谷さん。
「まぁ、私は愛人さんかな」
と、清秋院さん。
こんなことを何百年間も……。
僕はため息をついている護堂さんを見て冷たい口調で言った。
「……最低ですね」
「……お前にだけは言われたくなかったよ」
僕はそう言われた理由を何度考えても分からなかった。
「では、これより草薙王と満月王の決闘を始めたいと思います。審判は私とエリカさんで行うこととし、どちらかが戦闘不能に陥った場合立っているものを勝者とします。よろしいですね」
「あぁ」
「それでいいです」
「では……」
「あ、その前に」
「なんでしょうか」
「万里谷達を決闘に参加させてもいいか?もちろん 手出しはさせない」
「……満月王よ、それでいいですか?」
「いいですよ。でも決闘の時までも女性を引き込むとは……」
「何も言い返せない、くっ」
そう言いながら悔しそうな表情を見せる草薙さん。
いや、自業自得なのでは。
でも緊張はだいぶほどけてきた。この調子なら。
「では双方準備が整ったと言うことで、決闘を開始いたします」
葵さんの宣言によって決闘が始まる。
でも草薙さんはまだ決闘が始まっていないかのように話しかけてきた。
「でもまた戦うことになるとは思ってなかったぜ、まぁ、この決闘は俺が仕組んだことなんだがな」
「もしかして草薙さんって僕のこと知ってたりします?以前会いましたっけ」
「え、あ、あぁ、まぁいいじゃないか」
なんだその返しは。
「草薙さん、もう決闘は始まっているのですよ」
と、万里谷さんが草薙さんに向かって言う。
「じゃあぼちぼち行くか」
「望むところです」
「ヤグルシ、マイムール来い」
そう言って草薙王の右手に雷の玉が左手に矛が現れる。
そして両方いっぺんに投げつけてくる。
これは自動で追いかけてくるので結構辛い
それを見切り寸前でかわし続ける。
「なかなかやるな、他のカンピオーネはなかなかこれがかわせないぞ。しかしさっきからかわすばかりでしかけては来ないのか」
そう挑発して来た。
「ならこっちからもいかせてもらいます。移ろいゆく一閃の風こそ我。恵みと災害を与える悠久の風なり」
自分を中心として風を操りあらゆる金属を武器に変える、空に雲一つない時のみ使える権能。
これでヤグルシとマイムールを上空に吹き上げる。
そして、その身に纏う竜巻を草薙さんに投げつけた。
それを草薙さんは見えない盾か何かで相殺する。
「神を払拭して僅かに数日。これだけの力を操れるとなるとお前の才能には嫉妬するよ、だがな……」
そう言って余裕の笑みを見せる。
「だが情報不足なのは否めない。そうだろ」
「……」
確かに昨日葵さんから草薙王について聞いてはいたが何か見落としが……。
「馬だよ」
「……つっ」
そう今の北斗の攻撃により辺りは破壊されていたのだ。
「我が元に来たれ、勝利のために。不死の太陽よ、我がために輝ける駿馬をつかわしたまえ。俊足にして霊妙なる馬よ、汝の主たる光臨を疾く運べ!!」
草薙王が最初に殺した神ウルスラグナ第三の化身、馬。
相手が罪科を犯している場合その力を行使できる。
くそ、こうしている間にも……、そうだ。あの権能を使えば。
「我が戦車は悪を砕き、義を尊ぶ偉大なる主の印なり。我その力を用い悪を打ち払う」
そう言って東の方から来た馬を同じく馬が引く馬車で迎え撃つ。
「これは、ウルスラグナ……」
「負けてたまるかぁーー!!おおっおおぉおおおお」
勢いを強くする馬車に上から来る馬が競り負けた。
「はぁはぁはぁ、うっ」
この権能行使している間じゅうずっと激痛が走る。
そこ激痛に耐え、北斗は新たな権能を使う。
「其は戦士、勇士集まりて汝の敵を打ち払う要塞。何者をも破ることの出来ない絢爛要塞」
北斗は近くにあった建造物を黄金の要塞に変えた。
そして大砲やミサイル、ありとあらゆる兵器がそこには詰められており、今にも戦争が始められるほどの物量が凝縮されていた。要塞と同じかそれ以上の硬さを誇るまさに鉄壁の守り、攻めてもびくともしないという気迫がそこにはあった。
「大砲発射」
その号令とともに草薙さんに向かって無数の兵器が火を吹いた。
草薙王はうまくかわしながら後ろの三人に撤退の準備をさせていた。
「草薙さんまだ勝負は終わっていませんよ、それに僕から逃げ切れると思うんですか?」
「まぁそうだな。邪悪なる者よ我を討つにあたらず」
そう言霊を告げ「鳳」の権能で三人を連れて草薙さんは戦線を離脱した。
僕は草薙さん達がいなくなったのを見て地面に倒れこんだ。
護堂さんと満月王が戦い始めた時私たちは護堂さんより少し離れた場所で待機していた。
そして見たのだ。第二の太陽より来た炎の馬とは別にもう一つの馬を。
「なっ」
「あれはペルセウスの光に似ている……」
そうつぶやく万里谷とリリアナ。
清秋院もことの重大さがわかったようで万里谷に話しかけていた。
「どう、祐里、霊視の方は?」
「いまやっているのですが、あっ」
「どうしたの」
「父たる鋼の獅子と母たる大地の蛇が合わさり太陽の神格東の国に導くもの、此れ乃ち海を司る神なりや。
其は岩と共にある貶められた神、全てを支配した天の女王」
霊視の結果を他の二人に話す祐里。
「リリアナさんの方はどう?」
「私の方はミスラについてしか分からないな」
「でもなんか難しそうな神格だね……、この勝負難しくなるかな」
あまりはっきりしない霊視の結果に恵那は不安そうにそう呟いた。
後書き
ついにヒントが出ましたね
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