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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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番外編:バレンタインウォーズ 前編

 
前書き
以外に好印象だったので書きます。 

 
八神家のキッチンから凄い臭いがしたため、ドルモンが恐る恐る出て来た。
そこには超絶お料理駄目駄目騎士のシャマルがいた。

ドルモン[シャマル、何してんの?]

シャマル「あら?ドルモン、今日はバレンタインだから張り切ってみんなの分のチョコレートを作ったのよ」

そう言って鍋の中を見せる。
何か鍋から悲鳴やら何やら聞こえた。

“嫌…嫌よ”

“ゔあ゙あああああ!!”

ドルモン[気のせいかな?チョコレートから人の悲鳴とかが聞こえるのは?]

シャマル「あ、後少しで出来るの」

ドルモン[必要な過程!!?こんなの人に食べさせられるわけないでしょうがあああああ!!]

そう叫ぶのと同時に走り出し、鍋を掴み取ると自分の足を使い、強引に窓を開けると共に、鍋は八神家から凄まじい勢いで投げ捨てられた。
鍋の影は見る見る小さくなっていくとやがて完全に視界から消えた。

シャマル「ああああああああああああ!!?何てことをするのドルモン!!?」

ドルモン[そっちこそ何てことするの!!あんな最終究極兵器生み出すなんて!!]

シャマル「私のチョコレートが最終究極兵器!!?あれは私が遼君やみんなのために作ったのよ!!」

ドルモン[さりげなくみんなを殺害しようとしてる!!?せめて菓子作りのスキルを上げてからにしてねえええ!!?]

ギャアギャアとドルモンとシャマルの死闘が始まり、賢とはやてに激辛マヨネーズを食わせられるまで続いた。






























因みにチョコレートは…。
チョコレートは空から飛来した謎の物体とぶつかり、光と化した。
…これがバレンタイン当日、とんでもない大惨事を生み出すことに。





























そしてバレンタイン当日。
新しく創設された聖竜学園にて、大輔達はチョコレートを貰っていた。
聖竜学園は異世界の選ばれし子供達が大半を占めている。

「ああ、本宮先輩…」

「あんたも本宮先輩に?止めときなさい」

「何で?」

「今、本宮先輩にはATフィールドが張られてるの」

「へ?」

某有名ロボットアニメの技みたいな単語が出てきても、それをバレンタインと結びつけることが出来ない女学生は、頭上に疑問符を浮かべるが、直ぐに納得した。

アリシア「お兄ちゃんにチョコレートを渡すなんて百億年早いわあああああ!!」

大輔にチョコレートを渡そうとする輩をちぎっては投げ、ちぎっては投げを繰り返すアリシア・テスタロッサ。

「成る程、A(アリシア)T(テスタロッサ)フィールドってことね…」

「そういうこと」

「チョコレート、渡せそうに…」

「無いわ。諦めなさい。命が惜しかったら」

「…(泣き)」































大輔「最近は妙な事件が続いているな」

賢「ああ、チョコレート…しかも固形チョコレートだけを奪う輩がいる。チョコレートケーキとかそういうのは奪わないとは…」

賢が疑問符を浮かべるが、大輔は自然に…本当に自然にブイモンを見遣る。

大輔「ブイモン、お前事件当日どこにいたんだ?」

ブイモン[何で俺に聞くんだよ!!?]

はやて「だってブイモン、チョコレート大好きやし」

ブイモンのツッコミにはやてからキッパリと言われる。

ブイモン[俺は何もしてない!!]

ユーノ「ブイモン、正直に言った方がいいよ」

ブイモン[だから…]

フェイト「皆、ブイモンはそんなことしないよ」

ブイモン[フェイト~]

自分を庇ってくれるフェイトの言葉にほろりと来たブイモンだったが…。

フェイト「もしブイモンなら固形チョコレートだけじゃなくてケーキやクッキーも食べられてるはずだから」

ブイモン[おい!!]

アリサ「確かにそうね。それだけの理性とか頭脳をチョコレートを前にしたブイモンが備えているとは考えにくいわ」

納得したように頷くアリサ。

ブイモン[お前らの発言で傷ついた俺のガラスのように繊細なハートをどうしてくれる!!]

全員【知らん】

チビモン[ハッ!!?もしかして…きっと、日本にバレンタインデーが出来てから一回もチョコレートを貰えなかった男達の負の感情が生み出したデジモンとか…!!]

フレイモン[アポカリモンとか考えれば有り得なくはないけど…あまりにも悲しすぎるだろそんな存在!!]

フレイモンのチビモンのおバカ発言へのツッコミが炸裂した。






























そして担当のアインスが来ると、生徒全員を見渡し、口を開いた。

アインス「みんな、今日はバレンタインということで、チョコレートを持ってきているかもしれないが、本来学校には、学業に関係ないものは持ってきてはいけないことになっている。そこで、チョコは見つけ次第没収するのであしからず。」

全員【ええ!!?】

アインス「と、言いたい所だが…。」

チラリと別の方向を見遣るアインスにつられて生徒全員、アインスの見ている方を見遣る。































エイミィ「クロノく~ん。私からのバレンタインチョコレートだよ~♪」

クロノ「ば、馬鹿!!人前でそんなの出すんじゃない!!それから学校にチョコを…」

エイミィ「むっ、じゃあいいよ!!ルカ君にあげるもん!!」

クロノ「なっ!!?ま、待てエイミィ!!僕が…むぐっ!!?」

謝罪しようとした瞬間、エイミィがチョコをクロノの口に放り込む。

エイミィ「美味しい?」

クロノ「…ああ」

































アインス「まあ、ハラオウン先生が奥さんを連れて来たりしているから別に生徒達にチョコ禁止を促すこともない…か。チョコレートは渡してもいいが、節度は守って欲しい。あれと同一視されたくなかったら。」

全員【はい!!アインス先生!!】

この時の生徒達全員の声は軍隊並に気合いが入っていたという。

アインス「というわけで、大輔。私からのチョコを受けとって欲しい。」

全員【あんたも渡すのかよ!!?】

ちゃっかり大輔にチョコレートを渡すアインスに生徒達全員からのツッコミが炸裂した。
































アリシア「くっ!!まさかアインスまでお兄ちゃんにチョコレートを渡すなんて油断も隙もないね!!」

アインスが教室を去るのと同時にATフィールドを張りながら辺りを警戒するアリシア。

はやて「賢兄、今日はチョコレートシフォン作ってみたんや。」

賢「ありがとう。今日の昼食と一緒に頂くよ」

なのは「はい、ユーノ君…」

ユーノ「あ、ありがとう。義理でも貰えると嬉しい」

なのは「本命」

ユーノ「へ?」

なのは「本命…だってば」

なのはの言葉を理解するのと同時にジワジワと顔が赤くなっていくユーノ。

ユーノ「あ、ありがとう」

なのは「ど、どういたしまして…」

スバル達もルカにチョコレートを渡したのか、満足そうな表情。
しかしその幸福は長くは続かなかった。

ズドオオオオン!!

突如凄まじい地響きと轟音が起こったから。
































全員【!!?】

全員が校庭を見ると、茶色いスライムのような物体がうごめいていた。

ギルモン[何だありゃあ?]

チビモン[チョコの匂い]

フェイト「へ?」

一瞬、理解出来ず、フェイトは間抜けな声を出した。

チビモン[あれチョコレートだよフェイト]

鼻をひくつかせながら言うチビモン。

フェイト「あれが!!?あれがチョコレート!!?」

ツカイモン[確かに…]

ガブモンX[あれからチョコレートの匂いが…]

クロアグモン[まさか、最近発生しているチョコレート強盗の犯人か?]

スバル[ねえ?あれデジモン?]

ワームモン[うーん、違うんじゃないかな?デジモンの気配がしないし]

ティアナ[というか危ない!!窓閉めて窓!!]

液状化して襲い掛かるチョコレート(?)から身を守るために窓を閉める。

大輔「まずいな、校舎じゃあ思う存分戦えない。」

賢「とにかく外に出なければ。君達は体育館に避難してくれ」

【はい!!】

戦う力が大輔達には遠く及ばないと分かっている生徒達は賢の指示に従い、体育館に。
大輔達の言葉は時として教師以上の威力を誇る。
学校としてどうなんだというツッコミは厳禁です。

すずか「非常口から出よう!!」

ルカ「はい!!」

大輔達は非常口から外に出るのだった。






























全員【…………】

あまりにも変わり果てた学校の姿に全員が沈黙。
チョコレートが、学校全部を覆いつくしていた。
いつもは白い校舎が、まるで超巨大なチョコレートの建物に見えるくらいに。

シグナム「一体あれは何なのだ?あの怪物は何のために学校に?」

遼「さあな。一体誰が、どうやってあんな物を」

ドルモン[この匂い…]

全員【?】

全員がドルモンを見遣ると、汗だくのドルモンの姿。

ドルモン[シャマルううううううううう!!もしかしてこれ昨日の最終究極兵器!!?]

シャマル「私のチョコレートが最終究極兵器!!?確かにあれは私が作ったチョコレートだと思うけど。でも、ああなったのはドルモン、あなたのせいよ!!」

ドルモン[何でさ!!?責任転嫁もいい加減にしてよね!!]

プロットモン[気のせいかもしれないけどあのチョコレート(?)からアポカリモンに似たような気配を感じるのだけれど…?]

顔を引き攣らせるプロットモンの言葉に全員がチョコレート(?)に視線を遣る。

大輔「何!!?まさかシャマルのチョコとアポカリモンの破片が融合したのか!!?」

はやて「一体どういうことなんや!!?シャマル、説明せんかい!!」

シャマル「ええ、私は昨日、みんなにバレンタインにあげるためのチョコを作っていました。でもドルモンは、そのチョコを窓から投げ捨てたの。」

ヴィータ「でかしたと褒めてやりたいところだけど…」

エイミィ「流石にこれはね…」

ドルモンがシャマルのチョコレートを投げ捨てたためになったあまりの惨状にドン引きする子供達。

アリシア「確かにシャマルさんのチョコは食べたくないけど。想いの篭ったチョコを窓から投げ捨てるなんて最低だよドルモン!!気持ち分かるけどさ…」

ドルモン[あのさ、君は僕をどうしたいわけ?同意してくれてるの?それとも罵倒したいの?]

大輔「取り敢えず、あの化け物の名前はCHOCOLATEで決定。」

フェイト「何故英語で呼ぶの?」

CHOCOLATE[グ…オオオオ…]

アインス「皆、あの化け物が…CHOCOLATEが動き出したぞ!!」

CHOCOLATE[創造主シャマルの仲間達…創造主の願い、想いを叶えるために我を食らえええええ!!!!]

全員【シャマルの想い、我々は断固拒否する!!!!!!】

迫り来るCHOCOLATEをかわしながら声高に叫ぶ子供達。

シャマル「ガーン!!」

キッパリと、そしてはっきりと言われ、流石にショックを受けるシャマル。

アインス「来るぞ!!」

ロップモン[アインス、進化を!!]

全員が進化し、CHOCOLATEを迎撃する。

シャマル「ちょっとみんな、さっきの発言は酷いわよ!!せめて謝ってくれない!!?」

全員【こっちはあんな怪物を生み出したことに対する謝罪を受けてませんが!!?】

シャマル「…すみません!!」

CHOCOLATE[そうはさせん。いでよ、チョコロイヤルナイツ!!!!]

全員【何いいいい!!?】

CHOCOLATEが分裂し、ロイヤルナイツを模したチョコデジモン達が出現した。

ルカ『ば、馬鹿な…!!?』

ティアナ『嘘…?これ夢じゃないよね…?』

シャマル「流石は私の作ったチョコレートね…私のチョコに込めた想いがCHOCOLATEの強さに反映されてるんだわ…」

全員【お前は一体どういう想いをチョコレートに込めたんだこのお馬鹿さんがっ!!!!】

呑気なシャマルの発言に全員のツッコミが炸裂したのだった。
 
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