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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第百二十三話 親子の時間

 
前書き
過去の義理の両親と未来の娘 

 
ヴィヴィオが高町家に居候になって数日後。
ヴィヴィオは大輔達選ばれし子供達から大層気に入られていた。
彼女の人懐っこい性格がそうさせるのだろう。

ユーノ「そういえば、ヴィヴィオにはパートナーデジモンはいるのかな?」

ヴィヴィオ「ふえ?」

なのはの作ったクッキーを頬張りながら首を傾げるヴィヴィオだが、ポケットからD-3を取り出した。
エリオ、キャロ、ルーテシアと同型のようだ。

ヴィヴィオ「ハックモン、出て来ていいよ」

ハックモンと呼ばれたデジモンはD-3から出て来た。

ユーノ「ハックモン、ワクチン種、成長期。首元のマントが特徴的なクールホワイトに輝く小竜型デジモン。ガンクゥモンより自分の後継者候補として見出され、シスタモン姉妹を目付役としガンクゥモンから課された試練を乗り越える事を使命としている。ロイヤルナイツの中でも奔放なガンクゥモンの影響か束縛を嫌う自由気ままな性格で、生まれ持った高い戦闘センスから例え相手が格上の存在であろうとも互角以上の戦いができる。必殺技は強靭な爪で相手を引き裂く“フィフスラッシュ”」

なのは「へえ、これがヴィヴィオのパートナーデジモンなんだ…」

ハックモン[……………]

なのはとユーノを不思議そうに見つめるハックモン。

ユーノ「どうかした?」

ハックモンの視線に気付いたユーノが尋ねる。

ハックモン[ううん、何でもない。何か懐かしいような気がして…]

首を横に振るハックモン。
大人の二人にも似たような感覚を抱いたが、幼い二人はそれ以上に懐かしい感覚を覚えた。
現在のなのはとユーノは知らないが、ハックモンはデジタマと化したアポカリモンが転生して生まれた存在なのだ。
ハックモンが二人に懐かしい感覚を覚えるのは当然と言えた。
もし大輔達やブイモン達が知れば、祝福の言葉をくれただろう。
“生まれてきてありがとう”という言葉を。

なのは「そ、そういえば、今日の夕飯は何が食べたい?」

ヴィヴィオ「えっと…ピーマン以外ならなのはママの作る物、何でも好きだよ。…うーん、オムライス!!」

なのは「オムライス…大輔さんから習っていてよかった……」

大輔から料理を習っていたなのはは、自分でも作れる物で良かったと安堵した。
はっきり言うが、なのはは決して料理は下手ではない。
寧ろ上手い方なのだが、男性陣があまりにも上手すぎて霞んでしまうのだ。
大輔は中華料理を全てマスターし、特にラーメンの味は群を抜いているし、賢はプロ級、ルカは見た目は豪快だが、味は最高、ユーノもかなり上手い。
一輝は料理も上手いし、菓子作りも凄い、遼もユーノ並に上手い。
何だか段々惨めになってきた。
男性陣にまともに対抗出来るのは、多分はやてくらいではなかろうか?

ヴィヴィオ「なのはママ?」

なのは「え?ああ、うん。何でもないよ。私頑張って作るからね!!」

ヴィヴィオ「うん!!」

幼い母子の会話にユーノは口元を緩ませた。
父親の気持ちとはこういう物なのか。
士郎の気持ちが少しだけ分かった気がする。
本当に少しだが。

ユーノ「なのは、僕も手伝うよ。」

なのは「え?」

ユーノ「僕もヴィヴィオに何かしてあげたいんだ。」

ヴィヴィオの頭に手を置きながら言うユーノになのははコクリと頷いた。

なのは「うん、一緒に作ろう。悔しいけど、私よりユーノ君の方が上手だもん」

ユーノ「え?あ、ははは…」































ちなみに大輔と賢はこの会話を聞いていた。

大輔「確かに自分で言うのも何だけど、料理は俺達の方が上手いよな。」

賢「んー、まあ、普通はフェイト達くらいの年齢の女の子は料理はあまりしないんじゃないかな?それにアリサとすずかはお嬢様だし。アリシアやスバルは中身はともかくまだ5歳だし」

大輔「確かにな。それに料理って結構力を使うから、それもあるんじゃないか?」

賢「しかしそれを言ったらフェイト達の方が戦いに向いてるんじゃないかな?」

大輔「何で?」

賢「女性は血を恐れないそうだよ。だから戦いに向いてるんだという理屈」

大輔「へええ…」

賢「下手したらスバルなんてとんでもない力を秘めているからね。僕達も負けないように鍛練しないと。」

大輔「だよな。キャロやルーテシアなんてジョグレス進化からの進化とは言えあっさりブラックインペリアルドラモンに進化するって言うとんでもないことをやってのけたしな」

賢「大輔、特訓しよう」

大輔「…そうだな」

もしかしたら追い越されるんじゃないかという不安を感じながら大輔と賢はパートナーを連れて退場した。
































楽屋裏

大輔「ハクション!!」

フェイト「大輔、大丈夫?」

大輔「大丈夫だと言ってやりたいけど、くしゃみは出るは目がムズムズするはで今の俺は目茶苦茶機嫌が絶不調である自信があるぞ」

フェイト「大変だね、花粉症」

大輔「うぅ…」

フェイトから手渡された花粉症の薬を飲みながら機嫌が悪そうな大輔に苦笑するフェイト。

京「あら、大輔じゃない」

大輔「…………」

機嫌絶不調の時にイライラの種が降臨した。
視界に入らないように視線を逸らす大輔。

京「ちょっとあんた何無視してんのよ!!」

フェイト「ちょ、ちょっと京さん…」

何でこの人達は自分から寿命を縮めるようなことしかしないんだろうとフェイトは不思議に思う。

ブイモン[こいつら馬鹿だから]

フェイトの疑問にブイモンの有り難い答えが帰ってきた。

大輔「ああ?」

目茶苦茶機嫌絶不調の大輔が苛立ちやら殺意やらを乗せた視線を京に突き刺す。

京「え?あ、あの…」

大輔「俺は今、目茶苦茶機嫌が悪いんだ…それなのにぎゃあぎゃあ喚きやがって…」

京「ひっ!!?」

大輔「呪うなら自分のパッパラパーな頭を呪えええええええええええ!!!!!!」

京「そぎゃああああああああ!!!!!!?」

怒りの攻撃が炸裂し、京の断末魔の叫びが楽屋裏に響き渡るのだった。

実際、花粉症って目茶苦茶きつい人がいるみたいですしね。 
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