リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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第百二十二話 娘
前書き
なのはにボコボコにされたユーノ。
血の惨劇の行方は…?
ズタボロになったユーノ。
連絡を受けて駆け付けた大輔達。
ちなみにユーノはブイモン達にギガヒールをかけてもらっている。
大輔「ユーノ、生きているか?」
ユーノ「な、何とか…」
はやて「一体何があったんや?目茶苦茶ズタボロやん」
ガブモンX[なのはが…ユーノが女の子の服を替えようとしたのを勘違いしちゃったんだよ…]
フェイト「なんてタイミングの悪い…」
賢「というよりこの女の子は…あ、目が覚めた…。」
「う…ううん…」
大輔「目が覚めたか…」
ユーノ「痛たた…君、大丈夫?」
ようやく女の子が身をよじらせながら、目を覚ました。
目覚めた女の子が最初に見たのは自分の顔をのぞき込んでいるユーノの顔。
その顔を見たとたん女の子はパッと目を見開き、嬉しそうに飛びつくと、明るい声で言った。
「ユーノパパ!!」
ユーノ「えっ!!?」
突然、目を覚ました女の子に飛びつかれた事にも驚いたが、いきなり“パパ”と呼ばれたことにもユーノは驚きを隠せず、狼狽するだけであった。
それは大輔達も同様であった。
ブイモン[パパって…ユーノが…か?]
チビモン[ねえお兄ちゃん。私、お父さんお母さんはもっと歳を取った人ってイメージがあったんだけど?]
ギルモン[ユーノ、結婚したんか?]
ユーノ「し、してないよ!!」
はやて「じゃあ何でユーノ君がパパなんや?」
大輔「…………」
アグモンX[ねえ、君の名前は?]
「アグモンだ!!私はヴィヴィオです!!」
アグモンX[ヴィヴィオね。何で君、ユーノをパパって呼ぶの?]
ヴィヴィオ「ヴィヴィオはユーノパパの子供だから」
全員【What!!?】
全員が何故か英語で言う。
発音は全員素晴らしく良かった。
賢「ユーノの娘!!?しかし、君の見た目の年齢から逆算したらユーノが4~5歳くらいに…有り得ない!!」
冷や汗をかきながら言う賢に大輔は問う。
大輔「なあ、ヴィヴィオ。今何年だ?」
ヴィヴィオ「ふえ?20○○年だよ?」
大輔「やっぱな。皆、どうやらこの子も未来から来たようだ。エリオとキャロとルーテシアが飛ばされた時代より約一年後」
ヴィヴィオ「エリオお兄ちゃんとキャロお姉ちゃんとルーテシアお姉ちゃんもいるの?」
エリオ「お兄ちゃん…?」
キャロ、ルーテシア「「お姉ちゃん…?」」
お兄ちゃん、お姉ちゃんと呼ばれてパチパチと瞬きを繰り返す三人。
大輔「とにかく、この子は未来から来たユーノの娘のようだな。」
はやて「ひえ~、ユーノ君の子供なんか…」
ヴィヴィオを凝視した後、チラリとなのはを見遣るはやて。
なのは「っ…よ、よろしくね。ヴィヴィオちゃん」
そう言って上げたなのはの顔は笑顔だった。
しかし、その笑顔は誰から見ても痛々しい笑顔だった。
未来のユーノが幸せに生きているという嬉しさと優しさ。
……自分の本当の気持ちに完全に気付いていないが故の苛立ち、怒り、困惑、悲しみ……様々な感情がごちゃまぜになった笑顔だった。
痛々しい表情を見ていられず大輔達がプイッと顔を逸らした瞬間。
ヴィヴィオ「なのはママーーーっ!!」
ヴィヴィオがなのはに突撃した。
なのはのことを“ママ”と呼んで。
なのは「………え?」
フェイト「なのは…ママ…?」
アリサ「ごめん、ヴィヴィオ。今何て言ったの?」
すずか「気のせいかな?なのはちゃんのことをママって…」
空耳かと思い、もう一度聞き直す。
ヴィヴィオ「なのはママはヴィヴィオのママだよ?」
沈黙。
そして…。
全員【っっっ!!!!!!?ぬ、ぬわんだっとぅえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!?】
全員の叫び声が海鳴市に響き渡った。
驚愕した子供達はなのはとユーノを見遣る。
ユーノ、なのは「「………………」」
呆然としている二人。
しかし大輔は冷静になると頷いた。
大輔「…うーん。確かに雰囲気はなのはやユーノに似てるような気もするな。」
ツカイモン[確かに…]
ルカ「それにしてもヴィヴィオさんは何故この世界に?」
ヴィヴィオ「あ、ルカ先生~。」
大輔「ルカが先生?」
ヴィヴィオ「ルカ先生はね、ヴィヴィオに東洋武術って言うのを教えてくれる先生なの。」
スバル「へえ…」
ヴィヴィオ「スバルお姉ちゃんにも色々習ったよ。えっと…キラキラ光る綺麗な石を見つけて。綺麗だったから持って帰ってユーノパパとなのはママに見せようとして手に取ったらいきなりその石が光りだして…」
大輔「ここに来てしまったと…正に俺達が次元漂流したパターンだな」
ブイモン[ああ、懐かしいな。]
自分達もジュエルシードを拾ってこの世界に来たのだから、物凄く彼女に親近感を覚える二人。
賢「とにかく、これはクロノとリンディさんに相談しなければ。」
大輔「ああ」
フェイト「それじゃあ、なのは。ヴィヴィオの相手をお願い」
なのは「う、うん…」
我に返って赤面しているなのはにフェイトが言う。
大輔、フェイト、賢、ユーノがクロノとリンディの元へ行こうとした瞬間。
ヴィヴィオ「ねえ、ユーノパパとなのはママは行ってきますのチューはしないの?」
バターン!!
盛大にずっこける大輔達。
なのは「チ、チ、チ、チュー!!?」
真っ赤になるなのはに疑問符を浮かべるヴィヴィオ。
ヴィヴィオ「なのはママ?」
ギンガ「えっと…ヴィヴィオちゃん。なのはさんとユーノさんはまだ結婚もお付き合いもしていないの。だから行ってきますのチューは出来ないんだよ?」
赤面しながら説明するギンガ。
ヴィヴィオ「え!!?そうなの!!?」
驚愕するヴィヴィオに赤面しているなのはとユーノ以外全員が苦笑した。
ヴィヴィオ「昔はしてなかったんだね…びっくりしちゃった。」
なのは「わ、私もびっくりしちゃった……」
両手で顔を覆いながら言うなのは。
そしてなのはとヴィヴィオ以外全員が出掛けた。
なのは「えっと…ヴィヴィオちゃん?」
ヴィヴィオ「何?なのはママ?」
“ママ”という単語に赤面しそうになるが、未来の自分とユーノがどういう風に生活しているのか気になったために聞いてみた。
なのは「未来の…私とユーノ君って、仲いいの?」
ヴィヴィオ「うん。いつも出掛ける時は手を繋いでたりするよ。いつもラブラブなの」
なのは「そ、そう…」
ラブラブと言われ、凄く嬉しい反面恥ずかしい。
ヴィヴィオ「ギューやチューも一杯してるよ」
なのは「一杯!!!!?」
衝撃の事実に真っ赤になるなのは。
ヴィヴィオ「凄くラブラブでね。ヴィヴィオも大きくなったら、ユーノパパやなのはママみたいな夫婦になりたい…」
なのは「そ、そう…」
シュパーっと、なのはの頭から蒸気が。
ガブモンXは水を入れたやかんをなのはの頭の上に置くと、即座にやかんの水は沸騰した。
ガブモンX[ミルクティー飲む?]
ヴィヴィオ「ありがとうガブモン。」
ガブモンXが差し出したミルクティーのカップを受け取るヴィヴィオ。
しばらくして大輔達が帰ってきて、一時的になのはの家で預からせることに。
ユーノが士郎と恭也に、“未来とは言え、娘(妹)を傷物にした罪、万死に値する”とか言われながら殺されそうになるが、大輔が割り込み、凶器を没収して、二人は全治数ヶ月の重傷を負わせられることになるのだが、自業自得なので仕方がない。
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