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美しき異形達

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第四十四話 薊達の決意その一

                 美しき異形達
              第四十四話  薊達の決意
 薊は裕香と共に智和の家まで行ってだ、そしてだった。
 そのうえでだ、こう彼に言ったのだった。
「あたし決めたよ」
「博士にだね」
「ああ、会ってな」
 そして、というのだ。
「錬金術のことを聞いてな」
「そのうえでだね」
「博士があたし達のことがわかるんだったらな」
「是非だね」
「聞きたいな」
 薊はその目を鋭くさせて智和に答えた。
「その博士がわかるんならな」
「そう決めたんだね」
「ああ、そうするな」
 是非にとだ、薊は智和にまた答えた。
「ここはな」
「わかったよ」
 ここまで聞いてだ、智和は確かな微笑みで薊に応えた。
「それじゃあ博士には僕からね」
「話をしてくれるんだな」
「前以てね」
「そうしてくれるんだな」
「そうさせてもらうね」
「色々と聞きたいことがあるからな」
 それ故にというのだ。
「行きたいよ」
「そうか、それじゃあね」
 あらためて言う薊だった。
「まずは僕が連絡しておくね」
「悪いな、気を使わせてもらって」
「いいよ、こうしたことはね」
 別に、と返す智和だった。
「当然のことだから」
「当然か」
「僕は君達の先輩だね、そして」
 微笑みながらだ、智和は薊にこうも言った。
「友達だね」
「あたし達とか」
「友達ならね」
 しかも年長のだ、そうした立場だからだというのだ。
「これ位はね」
『普通のことだって言ってくれるんだな」
「ああ、そうだよ」 
 だからだというのだ。
「こうしたことはね」
「気にしなくていいか」
「君達はね」
「ううん、何か今さ」
「今?」
「いや、あたし心から思ったよ」
 薊も微笑んで言うのだった。
「先輩と会えて、友達になれてさ」
「それでだというんだね」
「ああ、本当によかったよ」
「いつも私達に的確なアドバイスをしてくれて」
 裕香も言うのだった。
「こうした時も色々と手配してくれて」
「だからというんだね」
「うん、有り難いよ」
 薊はまた言った。
「先輩がいてくれて」
「そうかな、僕は全く」
「いやいや、そこは違うよ」
「本当にですよ」
 二人で微笑みそして言うのだった。
「先輩がいてくれてさ」
「私達本当に助かってます」
「今回のことだってさ」
「動いてくれるっていいますし」
「そうかな、これ位は普通だと思うけれど」
 またこう言う智和だった。
「連絡位は」
「いや、そこまで丁寧にしてくれる人ってさ」
「私達の年齢ですと」
「ちょっとな」
「そうしたことまでは」
 二人共こう智和に返す。 
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