| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

美しき異形達

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四十三話 街道での死闘その十六

「そこはな、けれど広島のお好み焼きも美味いんならな」 
「本場の食べてね」
「是非共」
「そうさせてもらうな」
 薊はここでさらに言った。
「あと牡蠣な」
「牡蠣ですね」
「ああ、牡蠣好きなんだよ」
 薊は目を輝かせて言った。
「だから食いたいな」
「広島に行ったら」
「そうするな」
 是非だ、牡蠣を食べるというのだ。
「生牡蠣をたっぷりとな」
「生牡蠣好きなのね、薊ちゃんって」
「ああ、大好きだからな」
 それで、とだ。薊は裕香に笑顔で言った。そうしたことを話しながらだった。
 三人で服を選んでだった、それぞれの服を買って他のものも買ってだった。三人で街を歩いてでだった。
 薊は帰る時にバイクに乗ってだ、同じくバイクに乗った桜にこう言った。
「じゃあまたな」
「はい、またですね」
「そう、また遊ぼうな」
「そうしましょう」
「あたしは寮にいるからさ」
 笑顔での言葉だった。
「裕香ちゃんもな」
「では何かあれば」
「携帯にでも連絡してくれよ」
「そうさせてもらいますね」
「是非な、じゃあまた今度」
「お会いしましょう」
「じゃあ裕香ちゃん、行こうな」
 薊はヘルメットを被ってから裕香にも声をかけた、そしてだった。
 裕香と二人で寮に帰った、そうして後は寮での日常生活に戻った。日常生活に戻ったのだった。
 その中でだ、薊は裕香と共に風呂に入りつつ言った。
「先輩が言ってたことな」
「サン=ジェルマン伯爵とか?」
「錬金術とかさ」
 湯舟の中に二人でいながらの言葉だった。
「そういうのってな」
「本当にあるのね」
「一回あの博士に行ってみるか」
「そうね、先輩と一緒にね」
「そうしようか」
「そうね」 
 薊の話を聞いてだ、裕香も頷いた。そのうえで彼女も薊に言うのだった。
「ここはね」
「丁渡大学にいるっていうからな」
「それで薊ちゃん達のことがわかればね」
「有り難いからな」
「それとね」
「ああ、怪人のこともな」
 彼等のこともというのだ。
「わかればいいからな」
「そうよね、それじゃあね」
「行こうか」
「そうしよう」 
 こう話してだった、薊は決意した。その博士のところに行こうとだ。


第四十三話   完


                        2014・12・22 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧