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未来から来た魔王

作者:天野遥
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運命は動き出す

 
前書き
遅れてごめんなさい。多分また修正すると思います 

 
「それで、この前の長野に顕われた2柱の神が突然消えた件は調べがついたのか?」

そう言葉にしたのは両腕で頬杖を付く女性。

名前を沙耶宮 楓、正史編纂委員会東京分室室長の役職につくれっきとした責任者である。

彼女に向かい合うは彼女の懐刀とされる『歩き巫女』の一人高坂 葵。

彼女達は先日降臨した神が突然消えたことを調査しその報告の内容を話し合うためこうして場を設けたのだった。


「まず初めにですが、東北地方にて顕われた神が信州にて突如顕われた神と戦ったのは事実かと思われます。しかし、2柱の神の内一方がもう一方を殺したとは考えにくいです」


「何故だ?」


「偵察に行ったものの報告なのですが、片方の神はあまり戦闘を行う気欲を見せていなかったとのことであり、神の存在が消失した後新たな魔力が確認されたことから状況的に判断するともしかすると……」


「……新たなカンピオーネが生まれたということか。俄かにはしんじられんな」


「はい、その可能性は高いと考えられます」


「そうなると私たちに出来ることは限られてくるな。とりあえず盟主に報告せねばなるまい。早速幽世に行く準備を整えねばな」


「そのことなのですが、必要無いとのことです」


「……どういうことだ」


「……草薙王が自らこちらに出向くと」


「そんな馬鹿な、かの王は知り合いが危機に陥った時のみ力を貸す、“平和主義者”。現世にも滅多に来ない魔王なのだぞ。それが自ら出向くとは何かの間違いじゃ無いのか?」


「エリカ・ブランデッリ様が直接知らせたそうで上はてんやわんやの大騒ぎだそうです」


「そうか、それにしても何が起こったのだ」


「私にも分かりかねます。草薙王らしく無い行動ですね」


「まぁ、魔王の考えることなど常人には理解できないことだからな、考えても仕方ない。それよりも新しいカンピオーネと思しき人の調査は進んだのか?」


「はい、名前は満月北斗、年は……」


そして新しいカンピオーネについての対応を決めた後二人の会談は終わった。
















所変わって幽世のとある一軒家。家としては立派な部類に入るのだろうが、世界で数人しかいないカンピオーネの家にしては少々、いやかなり小さい。しかし彼、草薙護堂にとってその家は人間時代の時から住んでいる家であり狭いと言っても愛着があるこの家に住み続けていた。

「護堂、貴方が現世に行くなんて何年ぶりかしら」

ここは護堂の家のリビング、そこでエリカ・ブランデッリと家主たる草薙護堂は朝食をとっていた。


「まぁ、久しぶりではあるわな。俺も報告を受けた時は驚いた。まさかまた会える日が来るなんてな」


「あなた、彼のことだけは好きだったものね、カンピオーネの中でも特に」


「まぁな、昔は許せなかったけど今ならあいつの気持ちも分からなくもない」


「相変わらずね、護堂は。外見は変わってしまったけれど中身はあまり変わってないわね」


「どういうことだ、なんか俺成長してないみたいな言葉のニュアンスだったんだけど……」


「まぁ、いいってことよ。それより早く食事を終わらせて行きましょ。私だって早く彼に会いたいわ」


「分かったよ、でも食事くらいゆっくりさせてくれ」


こうして護堂とエリカは現世、日本の信州に旅立ったのであった。
















草薙護堂が幽世を旅立つ前日。
満月北斗の家には一人の来客が来ていた。
高坂 葵である 。
彼女はカンピオーネの気配を探すために長野に来ていた。
最初は微弱にしか感じなかったが家に近づくに連れ、魔力が濃くなったおかげで案外早く見つけることができたのだった。
最初にあった時は想像していたよりもずっと若かったこともあって混乱していたが既に立ち直っていた。

「なんとお呼びすれば良いでしょうか?王よ」

「え、どういうこと?なんで僕が王と呼ばれるの?」
そう疑問を投げかける。彼とて魔王であるとしてもただの子供である。疑問はもっともなことであった。


「貴公はまだカンピオーネになったばかりで知らないのかもしれないでしょうが、カンピオーネはあらゆる人類を統べる魔王です。このことからカンピオーネは人類にとって王たる存在なのです」

「うー、じゃあ北斗って呼びすてにしてください」

「しかし!」

「そんなこと気にしないですよ。それにお姉さんの方が年上ですし」

「そうですが!」

「はいこの話はおしまい。それより一つ叶えて欲しいことがあるんです。正史編纂委員会の人なんですよね?」

「はい、そうです。それがどうしましたか?」

「じゃあ僕の新しい家を探してください」




「……は?」 
 

 
後書き
ちょっと先に進めたいので先に書き終えてからまた直します。 
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