リリカルアドベンチャーGT～奇跡と優しさの軌跡～

アポカリモンとの最終決戦 

暗黒空間の中で行われる最後の戦い。

マグナモン［行くぞ!!］

アポカリモン［アルティメットストリーム!!］

突然、一本の触手の先がぐんにゃりと変形した。
どこかで見覚えのある竜の頭となったそれは、どこかで見覚えのある砲撃を放つ。
放たれたメタルシードラモンの必殺技、アルティメットストリーム。
メタルシードラモンのそれより強力なそれはメガログラウモンに向かっていく。

メガログラウモン［…たりゃああああああ!!］

メガログラウモンは両腕のペンデュラムブレイドを勢いよく振るい、アルティメットストリームを容易に砕いた。

アポカリモン［何!!?］

ユーノ『あいつはキメラモンカオスと同じで、他のデジモンの技が使えるのか…!!』

なのは『気をつけよう!!さっきのアルティメットストリーム、メタルシードラモンのオリジナルより強力だよ!!』

賢『それでも何とか出来ないわけじゃない。』

自分達は特訓して完全体の状態でも究極体と渡り合えるようになった。
ダークマスターズクラスの少々強化されたくらいの攻撃力で根を上げるような奴は自分達の中にはいない。

アポカリモン［ならば…ブラッディストリーム!!］

かつて自分達が戦ったヴァンデモンの姿。

カイザーレオモン［シュヴァルツ･ドンナー!!］

カイザーレオモンが真紅の電撃の鞭をエネルギー弾で弾く。
どうやらアポカリモン暗黒に汚染されていたデジモンの技を扱えるようだ。

アポカリモン［ムゲンキャノン!!］

メタルグレイモンX［次は僕が…ギガデストロイヤー!!］

アポカリモンが放ったムゲンドラモンの必殺技を、メタルグレイモンXがギガデストロイヤーで相殺する。

アポカリモン［ぐうう!!］

自身の攻撃を尽く相殺されたアポカリモンは歯噛みする。

アポカリモン［ブリットハンマー!!］

次に放たれたのは、ピノッキモンの必殺技である。

Bウォーグレイモン［チッ…］

ブラックシールドでそれを受け止める。

マグナモン［どうしたアポカリモン!!お前の…お前達の恨みはこの程度なのか!!?そんなんじゃないだろう!!遠慮なんかいらない!!もっと来い!!］

アポカリモン［……レザーウィング!!］

触手がデビモンの姿を形作ったのと同時に凄まじい光線の弾幕が迫る。

マグナモン［はああ!!］

マグナモンはマグナブレードでそれを払い、アルフォースブイドラモンもバリアで弾く。
ベルゼブモン達も自分達の技でそれを無効果した。

パンジャモン［フルヒール!!］

クレシェモン［ギガヒール+!!］

パンジャモンがダメージが大きい仲間に自身の回復技で癒し、そしてクレシェモンが全体回復技を使用する。

アポカリモン［己!!］

マグナモン［!!?］

触手が伸ばされ、マグナモン達を捕らえようとする。

マグナモン［シャイニングゴールドソーラーストーム!!］

無数のレーザー光が触手を全て粉砕した。
そして触手を全て粉砕したレーザー光がアポカリモンに炸裂する。

アポカリモン［ぐおおお!!?］

ベルゼブモン［お前達の怒りや悲しみはこんなものじゃないはずだ!!怒るなら全力で怒れ!!中途半端なやり方は見苦しいぞ!!］

アポカリモンを叱咤し、ベルゼブモンは強烈な蹴りをアポカリモンの側頭部に叩き込む。

アポカリモン［ぐうっ!!?］

巨体なはずのアポカリモンの身体が勢いよく吹き飛ばされていく。
ようやく止まった時、ブラックウォーグレイモンが至近距離にいた。

Bウォーグレイモン［ドラモンタックル!!］

アポカリモン本体に繰り出された強烈な体当たり。
アポカリモンはあまりの衝撃に息が詰まった。
そしてパンジャモンとフレアモン、ワーガルルモンXが一気に肉薄し、アポカリモン本体に超速連続蹴りを叩き込んだ。

ワーガルルモンX［ガルルキック!!］

強烈な蹴りを受けたアポカリモンが痛みに悶絶する。
しかしアポカリモンもやられてばかりではない。
再生を終えた触手を変形させ、ムゲンキャノンを放った。

グレイドモン［クロスブレード!!］

しかし砲撃と仲間達の間にグレイドモンが割り込み、砲撃を叩き斬った。

アポカリモン［何!!?］

Bインペリアルドラモン･DM［メガデス!!］

驚愕したアポカリモンにブラックインペリアルドラモン･ドラゴンモードが必殺技の暗黒物質を放つメガデスを放った。
直撃を受けたアポカリモンが爆発に身を包まれる。

アポカリモン［ぐあああああっ!!?］

激痛に苛まれながらも長年の負の想いをぶつけるかのように攻撃を繰り出すアポカリモン。
マグナモン達もそれに応えるようにぶつかっていく。

マグナモン［マグナムパンチ!!］

アポカリモンの顔面に強烈な右ストレートを喰らわせる。
アポカリモンはマグナモンに向けて触手を変化させようとするが、クレシェモンが氷の矢を放ち、変化途中の触手を凍らせた。

賢『ナイスだよすずか!!』

すずか『はい!!エリオ君、カイザーレオモン、今だよ!!』

エリオ『はい!!』

カイザーレオモン［シュヴァルツ･ケーニッヒ!!］

漆黒の獣となり、カイザーレオモンは凄まじい勢いでアポカリモンに突撃する。
“斬撃の鎧鋼”と呼ばれる程に鋭利な金属であるオブジタンデジゾイドはアポカリモンのキューブを削っていく。

エリオ『まだまだ!!』

カイザーレオモン［シュヴァルツ･ドンナー!!］

エネルギー弾が何十発もアポカリモンに叩き込まれる。
凄まじい攻撃がアポカリモンの再生能力を上回り始めたのかアポカリモンの身体が徐々にだが、崩壊しかけている。

アポカリモン［アルティメットストリーム!!］

ガルムモン［ソーラーレーザー!!］

アルティメットストリームをソーラーレーザーで相殺、ヴリトラモンがルードリー･タルパナを構えた。

ヴリトラモン［コロナブラスター!!］

エンジェウーモン［ホーリーアロー!!］

ミスティモン［コアダート!!］

メガログラウモン［アトミックブラスター!!］

ヴリトラモン、エンジェウーモン、ミスティモン、メガログラウモンが同時にアポカリモンに必殺技を喰らわせた。
怯んだ隙にアルフォースブイドラモンが肉薄する。

アルフォースブイドラモン［ドラゴンインパルスX!!］

エアロブイドラモンのドラゴンインパルスの強化版のドラゴンインパルスXがアポカリモンに炸裂。

アポカリモン［ぐうう…］

ベルゼブモン［ダブルインパクト!!］

Bインペリアルドラモン･DM［ポジトロンレーザー!!］

再生する隙を与えず、更に攻撃を加えるベルゼブモンとブラックインペリアルドラモン･ドラゴンモード。

マグナモン［これで終わりだ!!皆、俺にパワーをくれ!!あいつを苦しみから解放するためのパワーを!!］

全員【OK!!】

全員が成長期に退化し、超進化、究極進化相当のエネルギーをマグナモンに渡す。
全員のエネルギーを受けたマグナモンはキメラモンカオス時よりは劣るが驚異的なパワーアップを果たす。

大輔『アポカリモン、お前は凄えよ。一人でよく頑張ったな。今度生まれ変わる時は幸せになれ。いいパートナーに巡り会えるよう俺達も祈ってるからな、いいパートナーに会って、今よりももっともっと強くなれ!!俺達も今よりも強くなって…だから“さようなら”じゃない…“またな”?』

この暗黒空間に生まれ、たった一人で戦い続けたアポカリモンを笑顔で讃える大輔。
今度生まれ変わる時はよきパートナーと出会い、幸せになることを願う。
ダークマスターズも、デビモンも、アポカリモンも生まれ変われる。
……今まで、数え切れないくらい沢山の戦いがあった。
同じくらい絶望したこともある。
どんなところにも負の心は必ず存在する。
それは否定しようもない事実だ。
しかし一番重要なのは自分を見失わず、一人ぼっちの存在を助けることが出来る優しさ、勇気、友情を持つこと。
理解してくれる存在がいる限り、ワクチン種もデータ種も、ウィルス種もフリー種もバリアブル種、光も闇も皆、幸せになれるのだから。
光も闇も、どちらもなくてはならない存在。
闇が無ければ光は存在意義を失い、闇も光が無ければ存在出来ない。
光が心を照らし、闇が心に安らぎを与える。
光と闇は表裏一体。
兄弟のような存在なのだ。
どちらか一方を否定してはいけない。

マグナモン［……エクストリーム･ジハード!!!!］

全てを浄化する光がアポカリモンを飲み込んだ。
あまりの凄まじい威力に再生能力はまるで追い付けず、アポカリモンは消滅した。
そしてアポカリモンが消滅した場所に現れたどす黒いエネルギー。

大輔「今だ!!」

融合を解いて、全員がD-3を構えた。
D-3が光り輝き、暗黒のエネルギーを吸収、浄化していく。
長年アポカリモンに蓄積していた暗黒エネルギーは凄まじく、完全に吸収、浄化するまでかなりの時間を要した。






























大輔「…ふう」

そしてアポカリモンの暗黒エネルギーを浄化し終えた大輔達はD-3を下ろす。
するとD-3のディスプレイに紋章が浮かび上がる。

スバル「何?これ?」

ユーノ「これは…まさか…」

すずか「もしかして…」

すずかがパソコンを取り出してD-3を調べると、進化経路が増えているのだ。
全員が究極体への進化が可能になり、性能が大幅に向上している。

なのは「凄いよ!!私達、更にパワーアップしちゃった!!」

ルカ「はい。これならどんな敵が来てもある程度対処出来ますね」

大輔「…よっと」

アポカリモンのデジタマを受け止め、優しく撫でた。
今度は幸せになれるよう、全力で祈る。
 

アポカリモン撃破。
そして全員が更にパワーアップ。