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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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番外編:大掃除

 
前書き
昨日大掃除をするハメになったため、何となく思い付いた話。 

 
これは、02のホーリーストーン編に相当する時間軸の話。

大輔「…何で俺達があんな糞爺の家の掃除なんかしなきゃならないんだよ…」

フェイト「仕方ないよ大輔。ゲンナイさん、ギックリ腰になっちゃったんだから」

大輔「いっそとどめを刺してやろうか…?」

箒片手にぶつぶつ言いながら作業を続ける大輔に苦笑しながらフェイトは、拭き掃除を再開した。































チビモン[あーたたたたたたっ!!ほわちゃああああ!!]

ギルモン[…チビモン、おめえ何してんだ?]

草刈りをしているギルモンは謎の掛け声と共に布団をテニスラケットで凄い勢いで叩いているチビモンの姿を見た。

チビモン[ん?見て分かんない?]

ギルモン[ああ、さっぱり分かんねえぞ]

チビモン[もう、布団を叩いてるんだよ。]

ギルモン[だったらテニスラケットじゃなくてもいいじゃねえか?]

チビモン[布団叩きが無いから借りてきたの]

ギルモン[誰のだ?]

チビモン[ピヨモンのパートナーのテニスラケット~]

現実世界では紛失したテニスラケットを探しまくっている空が目撃されたらしい。































そしてユーノとなのはは、使わなくなった道具と使う道具とに分けていた。

なのは「ユーノ君、これは?」

なのはがユーノに見せるのは機械の部品。

ユーノ「それはガラクタだからナノモンに送ろう」

なのは「ナノモンに?いいのかな?」

いくら何でもガラクタを送るのはどうかと思うのだが。

ユーノ「ナノモンならそういうガラクタ…ジャンクパーツが来るのは寧ろ嬉しいと思うよ。」

なのは「ジャンクパーツ?ナノモンが?どうして?」

ユーノ「なのは、忘れちゃったの?ナノモンは元々、修理屋でこういうジャンクパーツも修理に使う大事な材料になるんだ…。」

なのは「あ、そっか」

ユーノ「ちなみに僕達のデジヴァイスもジャンクパーツから造られた物らしいよ」

なのは「え!!?そうなの!!?」

ユーノ「OLDデジタルワールドはNEWデジタルワールドより資源が少ないらしいからね。僕も聞いた時は驚いたけど」

なのは「へええ…」

マジマジとデジヴァイスを見つめるなのは。
するとふと、ユーノを見遣ると…。

なのは「ユーノ君、どうしたのその眼鏡?ユーノ君、目が悪かったっけ?」

ユーノは眼鏡をかけていた。
少し前まではかけていなかったというのに。

ユーノ「これ?大輔さんがくれた餞別。ただの伊達眼鏡だよ。」

ユーノは本格的に無限書庫で働くようになり、少しでも威厳を出せればと大輔がプレゼントしたのだ。
なのはは見慣れないユーノの姿にドキドキしている。
眼鏡をかけているせいか、普段より知的さが増しているような気がする。

ユーノ「なのは?」

なのは「ふえ!!?」

ユーノ「どうしたの?ぼうっとしちゃって?」

なのは「あ、ううん!!何でもないよ…何でも…」

ユーノ「そう?」

首を傾げながら分別を再開したユーノ。
なのはも赤面しながら作業を再開した。






























そして台所。

ばくばくばく。

がつがつがつ。

ごきゅごきゅごきゅ。

もごもごもご。

ぱくぱくぱく。

ゴクン。

スバル「ルカ兄、食べたよ」

ルカ「ええ、僕も丁度完食しました。」

ギンガ「私も完食したよ」

はやて「ほい、お疲れ様。まだまだあるでえ。次はこれ?」

缶詰を開けると中身はスパムであった。

ルカ「…またスパムですか」

スバル「スパムが沢山出るから流石に飽きたよう」

ギンガ「もっと他のが食べたいなあ…」

文句言いつつペろりとスパムを平らげるルカ達。

賢「それじゃあこれはどうかな?」

ルカ達は賢が差し出した缶詰を開ける。

スバル「あ、サンマの蒲焼きだ!!」

ルカ「本当だ。これ美味しいですよね」

ギンガ「ご飯が欲しくなって来ちゃった…」

嬉々としてサンマの蒲焼きを平らげるルカ達。
ちなみにこれはサボりではなく古い保存食の処理なのだ。

すずか「それじゃあ次はこれね」

ルカ「鯨の肉ですね」

スバル「うん、美味しい」

ギンガ「食べるのが仕事だなんて幸せだな~」

美味しそうに缶詰を食べて片付けていくルカ達であった。






























数十分後。
ルカは食後の運動をしていた。

ティアナ「あ、ルカ。何してたの?ご飯?」

ルカ「いえ、古い保存食を片付けてきたんです。缶詰、美味しかったですよ」

ティアナ「ええ?いいなあ」

育ち盛りのティアナも羨ましそうにルカを見る。

ルカ「後で食べようと思っていたのですが、よかったらどうぞ」

いくつかの缶詰をティアナに渡す。

ティアナ「いいの?ありがとう」

地面に腰を下ろして、缶詰を食べ始める。

ルカ「しかしどうしたんですかティア?元気がありませんが……。」

ティアナ「ん?うん…ちょっと、タケルさんのことをね…」

ルカ「タケルさん?ああ、あのいつも僕達の邪魔しに来るあの人ですか?あの人がどうかしましたか?」

ティアナ「うん、大輔さんは目茶苦茶あの人のこときらってるけど、タケルさんの気持ちも分からなくはないんだ。戦うのが怖いっていう気持ちも何となく分かるし」

ルカ「そうですね。寧ろタケルさんの戦いを避けようとするのが当たり前で、僕達のように最初から戦う気があるのがおかしいんだと思います。彼等の場合は事情もロクに聞かされてなかったらしいですから。向こうのゲンナイさん達がいかに無能だったのかが分かります…まあ、事情があるんでしょうけど。」

せめて遣いのデジモンを向かわせて説明するというのは思い付かなかったのだろうか。

ルカ「タケルさんのやり方も思想も、僕も正直自己中心で腹が立ちますが、タケルさんだって好きでああなった訳じゃない。……幼い頃に自分の発言が災いしてご両親が離婚し、半身とも言えるパートナーを一度失った…。少しくらい同情する余地はあると思いますよ?」

口先の言葉ではなく、ルカはきっと本当にそう思ってくれている。
ティアナは不思議とそう確信した。

ルカ「まあ、かかって来たらかかって来たで返り討ちにすればいいんですよ。基本的に進化時の性能にばかり頼り切って自分が鍛える努力をまるでしてこなかったタケルさんに僕達は絶対確実に何があっても永遠に負けることはありません。というか有り得ません」

どんなに強くなっても慢心はしない。
慢心は敗北を招くから。
だから時折時間の合間を縫って鍛練を続けているのだ。
どんな敵が来ても絶対負けないために、自分の限界を超え、そして更にその限界を超えるために。

ティアナ「うん…缶詰ご馳走様。さて、掃除の続きをしないと…何で私達がゲンナイさんの家の大掃除をしないといけないのか目茶苦茶疑問があるけどね」

ルカ「はい…まあそうですね」

一応自分達より年上ではあるし、年上に対する敬意というものをルカも心得てはいた。
時折殺意は沸くけれど。
とにかく二人は大掃除を再開した。 
 

 
後書き
実際タケル達って進化時の性能に頼りっきりで自らが鍛える努力をまるでしてこなかったですから、今や大輔達とは天と地程の差があります 
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