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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
  0928話

「これが売れるのか?」

 目の前にある、長剣や鎧、盾といった武器や防具を見ながら尋ねるが、ホドリューは問題ないと自信に満ちた笑顔で頷く。

「はい、その……アクセル様達がここを支配下に置いている関係で、どうしても武器や防具は足りなくなるのです。それに、戦場跡に散らかっていた武器や防具は損傷している物も多かったですが、まだ使える物も多く……それも、何故か極上とまでは言わずとも、かなり質のいい物が多かったので高く売れると思います」
「ああ、なるほど」

 その理由ははっきりしている。連合諸王国軍の中でも、俺達と内通した国の軍隊が生贄の羊として差し出してきた奴等というのは帝国に媚びへつらって他の従属国よりも良い目にあっている国々だ。当然そんな国々である以上、帝国にいい所を見せたかったり、あるいは他の国に対する見栄の為にもそれなりの装備を調えた軍隊を送ってきたのだろう。
 ……つまり、最精鋭だ。
 その最精鋭の軍隊がたった一戦でほぼ全滅という扱いなんだから、悲惨としか言いようが無い。
 今頃はこちらと手を組んだ他の国々によって、色々と仕掛けられているだろう。
 さすがにまだ武力衝突の類は起きていないが、それでも帝国に対する反応は反抗的になってきているのがメギロートからの偵察で明らかになっている。
 その精鋭の軍隊の高品質の武器だ。それは高く売れるだろう。
 しかも武器を取るついでに死体も片付けて貰ったのだから、シャドウミラーとしては……いや、連合軍としては得しかない。
 で、今からその武器を売りに行く訳だが……

「一緒に来るのはお前の娘でいいのか?」
「はい。テュカにも色々と体験して貰いたいですし、こちらでも何かあった時に皆を纏める人材が必要でしょう。それにアクセル様がいらっしゃるのですから、身の心配は全くしていません」
「全力を尽くします」

 ホドリューの言葉に、テュカが短く告げて一礼する。
 俺としては、この門世界の常識を多く知っているホドリューに一緒に来て欲しかったんだが……まぁ、無理も言えないか。
 実際、ハイエルフ達に何かあった時に纏めるための人材が必要だというのは事実だしな。
 ちなみにハイエルフだが、予想通り……いや、予想以上に連合軍の皆が興味を持った。
 寧ろ、そっちの方から見物料を取ればこの武器の類を売りに行かなくても問題はないんじゃないかってくらいに。
 今は一時のブームだから、恒久的な収入源にはならないだろうが。
 もっともそれを言うのなら、この武器にしたって同様に無くなれば収入源にはならない。
 その辺、どうにかしないとな。
 何らかの仕事を作るべきだが……ぶっちゃけ、ある程度は量産型Wでどうにでもなる。
 そんな風に考えていると、不意に後ろから聞き覚えのある声がしてきた。

「寧ろ、アクセルと一緒にいた方がピンチになるんじゃねーの?」
「あらぁ? それはどういうことかしらぁ?」

 後ろを向くと、そこにいたのはムラタとロゥリィ。この2人はまぁ、門世界出身で旅慣れているのでこの世界の常識になれているロゥリィと、そのロゥリィがお気に入りで生身での高い戦闘力を誇る為に最初から俺と同行することに決まっていたのだが、もう1人。何故かムウの姿もそこにあった。
 ただ、その前に……

「そうかそうか。なら俺としても、ナタルにお前がハイエルフの女を見てデレデレしていたって事は報告してやらないとな」
「なっ! ちょ、ちょっと待てよ! 何をいきなり!」
「図星だろう? バルトフェルドから聞いてるぞ?」

 俺の言葉通り図星だったのだろう。悔しげに唸るムウ。

「あ、あの野郎……自分だって一緒に見物にいったくせに……」
「あー、残念だな。ムウとナタルの間に喧嘩勃発か。ナタルは真面目だから怒るだろうな。うーん、非常に残念だ」
「いやいや、待ってよ。待って下さいアクセルさん。そこはほら、その……男同士の連帯感って奴があるでしょう?」
「さて、何の事やら」
「だ、大体、アクセルは何でか分からないけどハイエルフ達に無条件に慕われているじゃないか。それって狡くないか?」
「そう言われてもな。別に俺がどうにかした訳じゃないし」

 そこまで呟き、思わずニヤリとした笑みを浮かべる。

「俺がこいつ等に崇め……いや、慕われているのは混沌精霊だからだ。なら、お前も混沌精霊になってみるか? 何、そう難しい事じゃない。闇の魔法を使いまくってそれを乗り越えれば、それでいいんだからな」
「無茶を言うな、無茶を。聞いた話だとお前でさえギリギリだったってのに、俺にどうしろと?」
「……闇の魔法、ですか?」

 俺とムウの会話を聞いていたテュカが、思わずといった内容で尋ねてくる。
 ああ、そうか。俺が混沌精霊になった経緯をこの世界のハイエルフ達が知っている筈もないか。

「そうだ。まぁ、詳しい事は後で誰かに聞いて貰うとして、一応俺みたいになれる可能性は誰にでもあるんだよ」
「いやいや、アクセル以外には無理だって。闇の魔法の暴走から復帰するのに1時間と掛からないなんて、エヴァだってありえないって言ってただろ。普通なら数年間は魔物として暴れ回る事になるって」
「確かにエヴァも信じられないって言ってたね」

 そう告げながら姿を現したのは、無精髭を生やしている20代後半から30代前半程の男。何故かこの期に及んでもスーツを着ている高畑だ。

「何だ、お前も行くのか?」
「ああ、一応念の為にね。それに何があるかは分からないんだ。人手は多い方がいいだろ?」

 まぁ、確かに高畑ならこっちの足を引っ張る事もないだろうしな。
 それでいて、生身での戦闘力に関してもかなり高い。
 ムラタでも今はまだ勝てないだろう。そうなると、当然そのムラタと互角のロゥリィにしても高畑には勝てないという事になる。

「ま、色々と詳しい話はさておき、あまり時間が掛かってもなんだ。そろそろ出発するか。武器の積み込みを始めるぞ」
「分かったよ。僕も手伝うから、早いところ出発しよう」

 今回移動で使うのはエアカー……ではあるが、ホワイトスター内で使っている普通のエアカーではない。
 何しろそれなりの量の武器や防具を運ばなければいけない以上、当然多くの積載量を求められる。
 結果、ホワイトスター内でも荷物運搬用に使っているトラック型のエアカーを用意して貰った。
 ……いやまぁ、荷物を運ぶだけなら俺の空間倉庫があるし、移動するにしても影のゲートがあるんだけどな。
 言うまでもなく、それらを使わないのはこれからハイエルフ達が自分達だけで商売する時の為に慣れて貰う為だ。
 まさか武器や防具を売りに行く度に俺が一緒に行くわけにもいかないし、武器や防具の運搬に関しても同様だろう。
 ちなみに、エアカーの運転に関してはハイエルフ一同に教え込む予定となっている。
 最初この話が出た時は、敵対している相手に武器や防具を売るのはどうかという意見も一部……ほんの一部では出たが、それも強い反対ではなく、あくまで一応念の為というべき意見だった。
 考えてみれば当たり前なのだが、剣や槍でメギロートを倒せる筈も無いし、鎧や盾でイルメヤのビームガトリング砲を防げる訳もないのだから。

「よし、じゃあ荷物を荷台に積み込むぞ。ムウ、ムラタ、高畑、ロゥリィ、テュカ、いいな」

 量産型Wが運転する巨大なトラック型のエアカーが到着して荷台へと剣や槍、盾、鎧といった武器や防具を積み込み始める。
 一応このトラック型のエアカーは6人乗りだし、俺達も6人だからこれ1台で問題はないだろう。
 もし何かあったとしても、荷台に詰め込めばいいだけだし。
 ともあれ、その場にいる全員で荷台へと武器を詰め込んでいく。
 量産型Wを使っても良かったんだが、これも一応これからの事を考えてだ。
 大体、俺達がいなければこの武器を下ろすのもテュカ達だけでやって貰うんだし。
 ……まぁ、ロゥリィ、ムラタ、高畑の3人に俺もいるんだから、この程度の荷物を運ぶのに苦労はしないんだが。
 ムウ? あいつは何だかんだとサボりそうだったので、ハイエルフ見学の件を盾に強制労働させた。
 そうして10分程で荷物の積み込みも完了し、出発の準備が整う。

「では、アクセル様。いってらっしゃいませ。テュカもよく見ておくようにね」
「分かってるわよ」

 そんな声を聞きつつ、トラック型のエアカーを発進させる。
 車両の大きさ的には、大体中型の4tトラック程だ。その迫力は、馬車とかの乗り物しかないこの門世界においては異様な程だろう。
 威圧的。そう言っても言いすぎではない筈だ。
 もっとも6人が乗れる作りになっている以上、座席が広くなっている分、荷台の方は若干狭くなっているのだが。

「この前の遠出の時は炎龍を見つけたからぁ、今回は何もないといいわねぇ」

 アルヌスの丘を出発してから数分、後部座席でムラタの隣に座っているロゥリィがそう呟く声が聞こえてくるが、その台詞を聞く限りではどう考えてもフラグにしか感じないんだが。……さて、どうなる事やら。





 ……そんな風に思っていたら、案の定。
 アルヌスの丘を出発してから大体1時間ちょっと。普通の馬車ではまず無理な300km近い速度で走っていると、遠くの方に無数の煙が見えてくる。
 ああ、ちなみにこの速度を出せるのは、エアカーという空中に浮いている状態であるのとファンタジー世界で殆ど通行人の類がいないというのが大きい。
 中には唖然としてこちらを見ていた商人と思しき馬車や旅人の類も何度か見たが、皆が皆時速300km近い速度のこちらを眺めるだけだった。
 もしコダ村で聞いた盗賊の類がいたとしても、このエアカー相手にはどうする事も出来なかっただろう。寧ろ前に出てきて道を封じようとしても、そのまま突っ切ればそれだけで向こうに致命的なダメージを与える事が出来た筈だ。
 幸い、その類の盗賊は全く出てこなかったが……その代わりとでも言うように、俺達が進む予定のイタリカとかいう街がある方向で盛大に幾筋もの煙が上がっているのが見える。

「フラグだな」
「あー……いや、僕は何とも」

 俺の言葉に、隣に座っている高畑が苦笑と共にそう告げ、後ろではムラタとムウにロゥリィがフラグとは何かを尋ねていた。
 考えるまでもなく、俺達の向かうイタリカとかいう街で何らかの騒動が起きているのは確実なんだが……何の騒動だ?
 まさか、このイタリカも帝国に対して反旗を翻したのか?
 けど聞いた話によれば、このイタリカという街は大規模な穀倉地帯であり、同時に街道の交わる交易都市でもある。
 つまり帝国にとっても非常に重要な土地であり、それだけに帝国からの監視は厳しい筈だ。幾ら従属国に反乱の兆しがあろうと、ここを易々と手放すような真似はしないだろう。
 となると……

「何だと思う?」
「さて、僕に聞かれてもね」

 隣に座っている高畑に尋ねるが、小さく肩を竦める。
 ちなみにタバコに関しては、テュカやロゥリィがいるという事もあって遠慮しているらしい。

「テュカは想像出来るか?」
「申し訳ありません、アクセル様。私もあまり外には出た事がないもので……」
「盗賊の類だと思うわよぉ?」

 そんなテュカの言葉に重ねるように言ったのはロゥリィ。
 口元には何故か笑みを浮かべたまま、どこか楽しそうに告げる。

「盗賊?」
「女の勘だけどぉ」

 ……その姿で女の勘と言われてもな。
 せめて亜神の勘ならまだしも信じられたんだが。
 それはともかくとしてだ。

「盗賊ならどうするべきか、だな。襲われている場所に向かってこっちが敵と思われてもつまらないし」

 そもそも、トラック型のエアカーに乗っている以上はイタリカの住人にしてみれば俺達は怪しい事この上ないだろう。
 だが、逆に考えれば盗賊に襲われている以上は武器が幾らあっても迷惑に感じる事はない。そして何より、この状況でハイエルフのテュカが姿を現せば非常に目立ち、次からの取引を友好的に進められるだろう。
 ……さて、どうしたものか。
 そんな風に改めて考えたが、そもそもこれだけの戦力がいれば、盗賊や……それこそ帝国軍に炎龍といったのがいても、特に問題はない。
 向こうが襲ってきたとしても、あっさりと返り討ちに出来るだけの自信がある。

「よし、行くか」
「え? 行くんですか!?」

 驚愕の声を上げたのは、テュカのみ。
 ロゥリィとムラタは嬉しそうにしているし、ムウと高畑はしょうがないとばかりに溜息を吐いている。

「ま、何かあってもこの面子ならどうとでもなるから心配するな」

 最悪、空間倉庫の中にはニーズヘッグも入っているし。

「ま、安心しなって。折角の綺麗なお嬢さんなんだ。何かあっても俺が守ってみせるからさ」

 おい、ムウ。そうナチュラルに口説くんじゃない。ファザコン気味のテュカだけに、微妙に頬を赤くしているぞ。ナタルに知られたら不味い事になるんじゃないか?
 ……まぁ、それはそれで面白いかもしれないと判断し、煙の上がっているイタリカの街に向かってエアカーを発進させるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:175
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1144 
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