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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
  0927話

「……ま、こんなものか」

 視界に移っている光景に、何となく呟く。
 コダ村から影のゲートを使って転移してきた俺達――案の定ムラタ達よりも早かった――だが、到着した時には既にホドリュー達ハイエルフの住居がアルヌスの丘に作られた基地の近くに存在していた。
 ただし、ホドリュー達の集落にあったような木で作られた家ではない。コンテナハウスに近い感じのものが、ある程度の距離を置いて幾つも並んでいる。
 それでもこれを用意するように命じたエザリアの温情なのか、ハイエルフ達の住居はアルヌスの丘の基地の後方、即ち帝国軍が攻めて来ても被害が少ない場所へと作られている。
 帝国軍が後ろに回り込もうとしても、基本的にかなり上空からメギロートによる偵察が行われており、その動きは完全に把握出来ている。それを思えば心配はいらないだろう。
 もし万が一何らかの手段で背後に回り込んだとしても、メギロートやイルメヤを数機派遣すればそれで済むし。

「アクセル様、あれは……?」

 ホドリューの困惑したような言葉。
 まぁ、ハイエルフとしては金属で出来た家というのは予想外なのだろう。
 それに何かを答える前に、エザリアが数人の量産型Wを連れて姿を現す。

「アクセル、戻ったのね。……そちらの方々が?」
「ああ。今回庇護する事になったハイエルフ達だ。ホドリュー、こっちはエザリア。俺達シャドウミラーの政治を任されている人物だ」
「おお、エザリアさんと仰るんですか。お美しい方ですね。この度は私達の為に手を尽くして貰って申し訳ありません。出来れば、今度是非お礼をしたいのですが」

 そう告げ、エザリアの手を握りしめるホドリュー。
 ……っと、思わず呆気にとられてしまった。
 いや、実際何なんだ? 俺に対する態度と全く違うんだが。
 寧ろこれが本性なのか?

「……アクセル?」

 どういう事か説明しろとホドリューに手を握られたままで視線を向けてくるエザリアだったが、俺にも意味が分からない。
 さて、どうしたものか。
 そんな風に考えていると、何故か他のハイエルフの者達はしょうがないとでも言いたげに苦笑を浮かべている。
 そしてそんなハイエルフ達の中から前に出てきたのは、確かテュカとかいうホドリューの娘。
 そのテュカは、未だにエザリアの手を握っているホドリューへと近づくと、後頭部をひっぱたいた。
 ……拳ではなく掌だったのはせめてもの救いか。
 ともあれ、周囲にパァンッという音が響き渡る。
 それでもエザリアの手を離さない辺り、さすがと言ってもいい……のか?

「お父さんっ、アクセル様の部下の方に失礼な真似をしないでしょうだい!」
「いや、これは美しい女性を前にして……」
「お・と・う・さ・ん?」
「……はい」

 力を込めたテュカの言葉に、ホドリューも負けたのだろう。握っていたエザリアの手を離す。
 にしても、ここにイザークがいなくて本当に良かったな。もしいたりしたら、間違いなく騒ぎになってたぞ。

「すいません、アクセル様。父はその、こう見えてかなりの女好きでして……」
「だろうな。それは今の様子を見ていれば十分に分かる。……ホドリュー、一応言っておくが、ここで妙な騒ぎを起こしたりしたら、お前を庇護した俺に迷惑が掛かるというのを忘れるなよ?」
「……申し訳ありません」

 深々と一礼してくるホドリューに、エザリアがどこか呆れた視線を送っている。

「言っておくがエザリアは4人の子持ちな上に、その中の1人は母親大好き人間だからな。今の光景を知られでもしたら、色々と不味い事になるのは間違いない」
「……アクセル、私が4人も子供を産んだと取られるような発言はしないでくれるかしら。私が産んだのはイザークだけよ。勿論ステラ達にはたっぷりと愛情を注いでいるけど」
「だろうな」

 エザリアにしても、イザークが男だっただけに女のステラは可愛くて仕方がないのだろう。一緒に買い物をする為に交流区画を歩いていたり、あるいは他の世界に出向いたりしているのを何度か見ている。
 勿論スティングやアウルにも十分以上に愛情は注いでいるのだろうが、あの2人は微妙に照れくさいものがあるらしい。
 それらの事情もあって、ステラとの思い出がたくさんある交流区画を閉鎖する原因を作った帝国に対しては、かなりの不満を抱いているのは事実だ。

「さて、話を戻すぞ。どうしても自然がなければ駄目だというのなら、あっちの森を使ってくれ」

 強引に話を戻しつつ、視線をアルヌスの丘の背後――コンテナハウスよりも奥の方――にある森へと向ける。
 一応ある程度の規模はあるらしく、事前に調べた限りでは川なんかも普通にある。
 ハイエルフというくらいだから、ファンタジー的な常識で自然と一緒ではなければならない……とかなっても、ある程度は安心だろう。
 もっとも森の規模はあくまでもある程度であって、ホドリュー達が元々住んでいた森に比べるとかなり小さいが……その辺は我慢して貰うしかない。

「それと、別世界……いや、その辺は言ってもまだ通じないか? 俺達以外の者達もあの基地には多くいるし、あの基地にある門自体が俺達の本拠地に繋がっている為に、色々な人間がこっちに姿を現す。その中には、エルフ、あるいはハイエルフといった種族が珍しいから顔を見に来るような奴がいると思うが、そいつらとも仲良くやってくれ。ああ、勿論何か横暴な真似をするようならそっちで対処してもいいし、こっちに報告してもいい。それと……おい!」

 その声に、エザリアの近くで佇んでいた量産型Wの1人が近寄ってくる。

「何でしょうか、アクセル代表」

 ヘルメットをしているその姿は、ホドリュー達ハイエルフから見ても異様に映るのだろう。エザリアと一緒に現れた時は特に驚く様子は見せなかったが、改めて声を発すると、微かにハイエルフ達がざわめく。
 やはり量産型Wとエザリアだと、エザリアの方が目立つんだろう。

「お前達は数人ずつでハイエルフの住居を時々見て回れ。他の世界の住人が何かやらかしているようなら止めるんだ。特にネギま世界の住人には注意が必要だな」

 個人の戦闘力という意味では、ネギま世界は全ての世界の中で最も高い。
 ……まぁ、その分人型機動兵器の類は全くない訳だが。
 それに、色々な意味で好奇心の強い奴等が揃っているというのも悪影響を与えそうではある。特にネギパーティの朝倉や早乙女辺りなんかは、ハイエルフという存在がいると知れば無理にでもこっちに顔を出すだろう。
 後は好奇心の強い綾瀬とかか。

「了解しました」

 量産型Wが頷き、早速去って行くのを見ながら、改めてホドリュー率いるハイエルフ達の方へと視線を向ける。

「お前達に言って分かるかどうか微妙だが、俺達はいわゆる連合軍に等しい。ただ、国ではなく世界を超えたものだがな。それ故に、恐らくお前達ハイエルフに興味を持つような者が結構な数ここを訪れると思う。一時期の熱意が収まるまでは、一種の見世物的な感じになると思うが……それでもここにいるか?」

 最後の確認。
 それを理解したのか、ホドリューも先程エザリアを口説いた軽い雰囲気を消して深々と頷く。

「はい、アクセル様。元々私は……私達は色々な相手と交流を持つべく、あの森に集落を作っていました。そんな私達にしてみれば、多くの方達と交流出来るというのは寧ろ喜ばしい事です」

 その言葉に他のハイエルフ達へと視線を向けると、事実なのだろう。皆が特に異論もなく沈黙を守っている。

「……そうか。分かった。それと、お前達に返すべき存在がいる」
「返すべき存在、ですか?」
「ああ。詳しい話は直接見てからだな。……行くぞ。ああ、エザリアとスレイはもういい。仕事の方に戻ってくれ」
「分かった。行こうか、エザリア」
「え? その、いいの?」
「いいんだ。詳しい事は後で話すから、今はアクセルの言う通りにしてやれ」

 それなりに長い間、俺の恋人として付き合ってきた経験からだろう。俺が何をやろうとしていたのかを悟ったスレイが、エザリアを連れて去って行く。
 その後ろ姿を見送り、改めてホドリューへと話し掛ける。

「さて、行くか」
「えっと……その? どこにでしょう?」

 ホドリューにしても、俺が言っている意味が分からないのだろう。いや、寧ろあの短いやり取りで理解するスレイが凄いのか。

「お前達の仲間の遺体を返す」

 その言葉に、意味が分からないとばかりに疑問の表情を浮かべていたホドリュー、そして他のハイエルフ達もが驚愕の表情を浮かべてこちらへと視線を送ってきた。

「今、何と?」
「お前達の仲間の遺体を返す、と言ったんだ。とにかく行くぞ。やっぱり森の近くの方がいいか?」
「……はい」

 俺の言葉が冗談を言っているとは思えなかったのか、小さく頷くホドリュー。
 このまま全員で移動しても構わないが、時間が勿体ないという事で再び影のゲートを使って移動するのだった。





「少し離れていろよ、でかいからな」

 影のゲートを使って森の近くに姿を現すと、ホドリュー達にそう告げて少し離れさせる。
 それを確認してから脳裏に空間倉庫のリストを展開し、炎龍を選択。
 すると次の瞬間には、俺のすぐ目の前に炎龍の死骸が姿を現す。
 空間倉庫に関しては幾度か見せていたが、死体であっても生き物を収納出来るとは分からなかったのだろう。驚きと共に、何故か俺に向かって祈っている者が多くいる。
 いや、それはいいいから。

「いいぞ、こっちにこい。今からこの炎龍の腹を掻っ捌く。……まぁ、見ての通り腹の一部は消滅しているが、それはあくまでも一部だ。内臓の方はそれ程壊れていないから……分かるな?」
「食べられた者達の身体がまだ残っている……という事ですね」
「そうだ」

 ホドリューの言葉に頷く。

「お前達がどういう風に死者を弔うのかは分からないが、それでもこのまま炎龍の腹の中にいさせておく必要はないだろ。それにこの炎龍は俺達が研究用に使う。その時にハイエルフの死体が出てきても大変だからな」
「分かりました、皆、悲しいとは思うが、いつまでも親兄弟や友人、恋人をこの炎龍の腹の中にいさせる訳にはいかないだろう。すぐに助け出すぞ」
『はい!』

 ホドリューの言葉に頷き、集落から纏めた荷物から剣、ナイフ、包丁といった刃物を取り出しては炎龍の内臓を解体していく。
 正直、炎龍の内臓という意味ではレモンが炎龍の生体を調べる時に是非重点的に調査したがる場所なのだろうが、それでもこれから庇護を与えるハイエルフ達の死体が収まっている状態というのは色々と気まずいし、後々それを知られるようなことになって揉め事が起きるというのもごめんだった。
 それなら、今ここで炎龍の胃の中にあるハイエルフの死体を取り出して葬った方がいい。
 そんな俺の思いを汲んだわけでもないだろうが、ホドリューを始めとするハイエルフ達は炎龍の胃を切り裂き、顔見知りの死体が出てくる度に悲しそうな表情を浮かべつつも、胃の中から引きずり出した死体を森の近くに並べては、また炎龍の死体へと戻っていく。

「……」

 俺は、何もせずにただ黙ってそんな行為を眺める。
 勿論手を貸そうと思えば幾らでも手を貸せただろう。だが、これはあくまでもホドリュー達の手で仲間を弔うべきなのだ。
 そう、例え俺がハイエルフの間では神の如き存在として崇められているとしても。
 ともあれ、そのまま2時間程で炎龍の胃の中から食い殺されたハイエルフ達は全てが取り出されて森の中へと運ばれていく。

「ありがとうございます。アクセル様がいなければ、同胞の亡骸を取り戻す事も出来ませんでした。庇護を与えて貰っただだけではなく、ここまでの事をして貰うとは……ありがとうございます」
「気にするな、こちらとしてもその炎龍を解剖する時にハイエルフの死体があれば色々と思うところがある奴もいるだろうしな」

 生粋の技術班の面々や、科学に魂を売り渡したと言えるロイド辺りなら軽く眉を顰めるだけだろう。
 だが、マードックやセシル、フィリオ。後はいれば葉加瀬といった面々の場合、強烈なトラウマが刻みつけられる可能性が高い。
 それを思えば、ここでその原因となるハイエルフの死体を取り除いておくのは寧ろ利益にしかならなかった。

「それでもです。アクセル様のような方がここまで気遣って下さり、非常にありがたく思います。それと……その、ついでと言ってはなんですが、もう1つよろしいでしょうか?」
「何だ?」
「帝国の軍隊との戦闘跡であるアルヌスの丘周辺で、必要な物を集める許可が欲しいのです」
「……なるほど」

 言い方は悪いが、あの戦闘で死んだ奴を漁ろうという訳だ。
 色々と思うところがないではないが、俺達に頼り切りにならず、自分達だけで何とか生活の糧を得ようというのは好意を抱く。
 だが……

「それをどこで捌く? 当然だが、俺達は剣や鎧、盾なんかは必要としていないぞ?」

 あるいは竜騎兵が乗っていたワイバーンの死体でもあれば、鱗辺りが売れたかもしれないが……こっちと内応してたしな。
 だが、そんな俺の疑問にホドリューは問題ないと頷く。

「ここがアルヌスの丘でしたら、テッサリア街道を西に向かった先のロマリア山麓に、イタリカという大きな街があります。そこまで行けば武器や防具は高く売れるでしょう」

 そう告げるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:175
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1144 
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