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ドリトル先生と学園の動物達

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第十幕その十二

「神父さんもですね」
「あちらはカトリックですね」
「はい、先生はカトリックではないですね」
「国教会です」
 イギリス国教会がです、先生の信仰している宗教だというのです。
「とはいってもあまり教会にも行っていませんね」
「日本に来られてからは」
「日本には国教会の教会はありませんね」
「あまり、ですね」
 ないと答えた日笠さんでした。
「プロテスタントの教会はありますが」
「プロテスタントにも宗派がありますからね」
「ルター派、カルヴァン派にですね」
「国教会もあります」
 先生が信仰しているその宗派です。
「かえってカトリックより様々です」
「そうですね、我が国ではよくプロテスタントと一括りにされるので」
「国教会の教会はですか」
「それだけというものはないです」
「そういえば教会の神父さんと牧師さんも」
「同じ様に考えられています」
 日本ではです、日笠さんは先生に日本のキリスト教の事情もお話するのでした。
「我が国では」
「違うものだとはですか」
「知らない人も多いです」
「そうですね、日本は」
「元々キリスト教に縁が薄いですし」
 このこともあってというのです。
「どうしても」
「その辺りの事情はわかっていましたが」」
「はい、では先生は今は」
「通っている教会ですか」
「どちらに通っておられるのでしょうか」
「国教会の教会がないので」
 困った笑顔で、です。先生は日笠さんに答えました。
「お家でお祈りをする位です」
「そういえばお食事の前も」
「頂きますではないですね、僕は」
「お祈りをされていますね」
「それが信仰ですので」
 だからだというのです。
「そうしています」
「そうですね」
「日本の頂きますも信仰ですね」
「食べることへの感謝ですね」
「日本は八百万の神への信仰の国なので」
 神道です、この信仰です。
「神道の神々への信仰が出ていますね」
「そうなりますか」
「そう思います、それでは」
「はい、それではですね」
「事件の解決にですね」
「いよいよ取り掛かれますね」
 日笠さんはこのことにも笑顔で応えました、そのうえで。
 これからの打ち合わせもしました、動物園と水族館の虫歯の騒動はいよいよ終わりに近付こうとしていました。 
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