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ドリトル先生と学園の動物達

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第十一幕その一

             第十一幕  ジャイフルさんの善意
 先生と日笠さんは八条神社に来ました、この神社は中にお寺があって多くの社があるとても大きな神社です。山一つが神社と言っていい位です。
 その神社の中に入ってです、王子は社達と木々を見回しながら先生に言いました。
「神聖な雰囲気があって」
「そうだね、自然のね」
「何か特別な場所に来たみたいだよ」
「神々がいる場所だね」
「この神社にも神様がいるんだよね」
「うん、そして祀られているんだよ」
 先生も周りを見回しつつ王子に答えます。
「日本の神々がね」
「そうだよね、ここに」
「ここの神様はどの神様だったかな」
「何柱かの神様が祀られています」
 日笠さんが先生にお話してくれました。
「古事記や日本書紀に出て来る神様も」
「祀られているのですか」
「はい、そしてご利益も多くて」
「どういったご利益が」
「学業成就、商売繁盛、恋愛成就に安産です」
「そういったものがですか」
「この神社のご利益です」
 このことっもです、日笠さんは先生にお話しました。
「神様が多いので」
「交通安全はありますか?」
 トミーはこのご利益があるかどうかとです、日笠さんに尋ねました。
「そちらのご利益は」
「確かあったと思いますよ」
「それはいいですね、日本はイギリス以上に車が多いので」
「交通安全が気になりますか」
「はい、中には乱暴な運転の車もありますし」
 それで余計にというのです。
「そちらをお願い出来たら」
「あれっ、トミーもクリスチャンだよね」
 王子が日笠さんとお話したトミーに言ってきました。
「それでもいいの?」
「別の宗教でもお願いはしていいんじゃ」
「いいんだ」
「うん、そうじゃないかな」
「日本人は普通にそうしてるね」
 先生も言ってきました。
「お寺に参って神社に参って」
「あっ、そういえばそうかな」
「お正月は神道だけれどお祝いしてね」
「クリスマスはキリスト教だけれどね」
「そしてお盆は仏教だけれどね」
 そちらもだというのです。
「色々お祝いしているからね」
「だからいいんだ」
「他の宗教に顔を出して怒る神様じゃないよ」
「キリスト教の神様は」
「そう、だからね」
 先生は神社の中でも穏やかな笑顔で王子にお話するのでした。
「安心してね」
「そうしてなんだ」
「お願いしてもいいんだよ」
「そう、それじゃあね」
「うん、僕もお願いするし」
 先生がこう言うとです、動物達が早速先生に言ってきました。
「じゃあ先生いいね」
「お願いすることはわかってるわよね」
「先生の場合それは一つしかないよ」
「そのお願いをするのよ」
「わかってるよ、そのことはね」
 先生は日笠さんを目でちらりと見てから皆に答えました。
「もうね」
「うん、じゃあね」
「いいよね」
「それじゃあお願いはね」
「そのことをね」
「するよ、ただその前に」
 先生は神社の中を見回しながらこうも言うのでした。 
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