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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第九十八話 帰還!!デジタルワールド

 
前書き
大輔達がデジタルワールドに帰還。

アリサ「リリカルアドベンチャー、始まるわよ」
 

 
子供達は長い浮遊感の後、ようやく足を地面に着ける事が出来た。

大輔「戻ってこれたんだな…」

ティアナ「ここがデジタルワールド…」

スバル「ここがアグモンの生まれた世界なの?」

アグモンX[そうなんだけどなあ…]

ストラビモン[ここは俺達が生まれたデジタルワールドではない…]

賢「…よかった。どうやらピラミッドの近くのようだ。」

アリサ「それにしても随分と変わっちゃったわね」

どういうわけか、ピラミッドは森林の所にある。
アリサは砂漠にあったはずのピラミッドがこんな所にあることに首を傾げた。

アリシア「これも新しい敵のせいなの?」

大輔「多分な」

ルーテシア「あれ?グランス、何してるの?」

ルーテシアはグランスが何かをしているのだと思い、草むらを手で掻き分ける。

グランス[ルーちゃん、僕はここにいるんだけど…]

ルーテシアの横から出て来たのはグランスであった。
ということは…。

ルーテシア「へ?じゃあこれは?…へぶ!?」

ルーテシアは顔面を強く踏みつけられ、バランスを崩し、地面に仰向けに倒れた。

グランス[ルーちゃん、大丈夫?]

ルーテシア「な、何とか…」

エア[そこにいるのは誰だ?出てこい!!]

エアが拳を構えて草むらに隠れたデジモンを睨み据えた。

ティアナ「待って!!」

ティアナはエアを制すると、草むらの方へ行き、しゃがみこんだ。

ティアナ「大丈夫。怖くないよ。出てきて?」

優しい口調に安心したのか、草むらからピンク色の鼠のようなデジモンが出てきた。

ブイモン[チューモンだ!!]

はやて「チューモン?えっと…チューモン、ウィルス種。成長期。いつもスカモンに悪知恵を入れ込んでいる鼠のようなデジモン。基本的には小心者だが、悪知恵だけは天下一で、危なくなるとスタコラサッサと逃げていく。必殺技はチーズの形をした爆弾を投げる“チーズ爆弾”」

ティアナ「大丈夫?」

ティアナはチューモンを抱き上げる。

賢「僕達は選ばれし子供だ。安心してくれ」

チューモン[え、選ばれし子供…デビモンを倒してくれた…]

ティアナ「もう大丈夫だよ…」

ブイモン[お前、何があったんだ?お前はいつもスカモンと一緒にいるだろ?]

ブイモンの問いにチューモンは涙を流す。

チューモン[あいつは……死んじまったんだよ……!!おいら達はこんなことになるまで今まで通り平々凡々と暮らしていたんだ…。ところがある日突然…暗黒の力が世界を覆って行った…。そして、暗黒の力は自分達が支配し易いように世界を…作り変えて行ったんです…]

大輔「それはダークマスターズの仕業か?」

大輔の問いにチューモンは恐ろしいものを思い出したかのような顔をする。
それだけで全てを悟った。

賢「一先ずピラミッドの中に入ろう」































ピラミッドの中に入ると、中に避難していたらしいガジモン達が出迎えてくれた。
そして自分達がデジタルワールドを離れていた時の出来事を詳しく教えてくれた。

大輔「そうか、そんなことがあったのか。」

[俺達はピラミッドに避難して、光学迷彩で何とか今まで過ごして来れたんだ]

賢「そうか、ところでダークマスターズと戦っているデジモンはいるのかな?」

[さあな、あいつら自分達に従わない奴は皆殺しだって言ってたし]

ガジモンの言葉に全員が沈黙するが、大輔が尋ねる。

大輔「ところでダークマスターズのメンバーってのは究極体のメタルシードラモンとムゲンドラモンのデカブツ二体と嘘つき人形の模造品のピノッキモンとピエロもどきのピエモンの四体なのか?」

チューモン[ピ、ピエロもどきって…そうだけどとんでもない強さなんだよそいつら!!]

大輔「成る程、予想以上の強敵って訳でもなさそうだな。八神達が戦ったダークマスターズと基本的にてんで変わらないようだ。世界の違いで多少は違うかもしれないけど手に負えない化け物ってわけじゃなさそうだ」

フェイト「強敵だろうけど少なくてもキメラモンカオスよりは弱いだろうね」

チラリとテーブルの方を見遣ればキメラモンカオスとの戦闘後のためにかなりのエネルギーを消耗しているブイモン達は食事を摂っている。

ブイモン[まあ、全員でかかられたら流石に勝ち目はないかもだけど一対一なら勝つ自信はあるな]

ごきゅごきゅごきゅ

チビモン[うん、そうだねお兄ちゃん。流石にキメラモンカオスよりは弱いだろうし]

もぐもぐもぐ

フレイモン[俺達は基本的に援護に徹した方が良さそうだな]
ばくばくばく

エア[俺とグランスは基本的にジョグレスで戦うとして]

がつがつがつ

レオルモン[戦いはブイモン、チビモン、ダスクモンを中心にした方がいいね。究極体と渡り合えるのはブイモン達だけだし]

もぎゅもぎゅもぎゅ

ギルモン[オラ達が援護すっからおめえ達は思いっ切り戦え]

もごもごもご

凄まじい勢いで食っていくブイモン達。
何も食べないダスクモンが酷く大人しそうに見える。
キメラモンカオスとの戦いは正に命懸けで仲間達とミッドチルダの選ばれし子供達の力をマグナモンが吸収することでようやく倒した怪物なのだ。
流石にキメラモンカオスとの戦いを経験している以上、今更ダークマスターズが出て来たところで恐れることはない。

チューモン[ねえ、ダークマスターズって全員究極体なんだよ?目茶苦茶強いんだよ。]

ドルモン[それは僕じゃなくてブイモン達に言うんだね]

チューモン[言っても聞いて貰えないような気がして…]

ダスクモン[…まあ、その判断は正しいだろうな]

彼らの余裕は心強いはずなのに、逆に不謹慎にもほどがある。

ブイモン[ぷはー、食った食った…さあ、ダークマスターズを探しに行くか!!]

フレイモン[ああ、ダークマスターズだかマスタードだか何だか知らねえが、ぶっ潰してやる!!]

ピラミッドから出ると、クロアグモンがある方向を見遣る。

クロアグモン[あそこから強大なパワーを感じる。]

ブイモン[あそこか…じゃあ遊びに行ってやろうぜ]

進化して、一気に強大なパワーのする場所に向かう。
































メタルシードラモン[ん?奴らは…選ばれし子供達!!?]

ピエモン[何と…まあいいでしょう。倒す時間が早くなったと思えば]

ピノッキモン[僕達に戦いを挑むなんてさ…]

ムゲンドラモン[馬鹿の極みだ…]

賢「…見えたぞ!あいつらがダークマスターズか…」

一輝「どいつもこいつも雁首揃えやがって…そんなに俺達が怖かったのかな?」

メタルシードラモン[何だと…!!]

一輝の皮肉にメタルシードラモンが怒りをあらわにする。

大輔「さて、俺はピエモンを…」

エリオ「父さん、一人だけいい思いをしようとしても駄目ですからね」

大輔「おいコラ、ここは親に譲るのが親孝行ってもんだろ」

フェイト「まぁ、ここは公平にじゃんけんで」

大輔、エリオ、フェイト「「「じゃんけんぽんっ!!」」」

ピノッキモン[こいつら馬鹿?]

敵までも唖然とさせて、彼らはやがて軽々しく結論を出す。

エリオ「くっ、負けた。じゃあピエモンは父さんに譲るとして…僕とダスクモンは…メタルシードラモンにするかな…」

フェイト「私はピノッキモンか…ピエモンがよかったなあ…」

大輔「俺は常日頃の行いがいいから当然の結果だな。さあ、始めようぜ!!一輝兄ちゃん達はムゲンドラモンを頼むな」

一輝「へいへい」

ルカ「分かりました。」

スバル「うん!!思いっ切りやる!!」

メタルシードラモン[ふざけるなよ貴様ら!!舐めるのも大概に…がああ!!?]

言い切る前にメタルシードラモンの身体に裂傷が走る。
ダスクモンが一瞬でメタルシードラモンに肉薄するとブルートエボルツィオンで切り裂いたのだ。

ダスクモン[すまんな、俺はあまり待つのは好きではないのでな。先に攻撃させて貰ったぞ]

メタルシードラモン[き、貴様あ…許さん!!アルティメットストリーム!!]

ダスクモン[おっと]

メタルシードラモンの砲撃をたやすく回避するダスクモン。

ダスクモン[やはりキメラモンカオスより弱いな]

メタルシードラモン[よ、弱いだとお!!?]

ダスクモン[事実を言われて怒るか…小物だな…デスゲーズ!!]

鎧の目玉から放たれた呪いの光線がメタルシードラモンに炸裂する。

アルフォースブイドラモン[さあ、私のスピードについてこれるかな?]

ピノッキモン[この…っ、馬鹿にするな!!]

ピノッキモンは馬鹿にされてアルフォースブイドラモンに攻撃を仕掛けるがあまりの超スピードに攻撃は尽くかわされる。

マグナモン[さあ、始めるかピエモン?]

ピエモン[フッ、確かに思っていたよりはやるようですが、所詮は私の敵ではない!!エンディングスペル!!]

両手から衝撃波が放たれ、マグナモンに直撃した。

ピエモン[おや?呆気ないですね?]

薄笑いを浮かべながら言うが煙から勢いよくバリアを張りながら拳を構えたマグナモンが現れた。

ピエモン[何!?]

マグナモン[マグナムパンチ!!]

ピエモン[がっ!?]

渾身のパンチがピエモンの顔面に突き刺さる。

マグナモン[プラズマシュート!!]

零距離でプラズマ弾を放ち、ピエモンを闘技場の壁に激突させた。

マグナモン[呆気ないというお前の言葉をそのまま返してやる]

ピエモン[や、やりますね…多少は腕が立つようで…]

大輔『おいおい、ピエモン。血が出てるぜ?拭いた方がいいんじゃねえか?それくらいなら待ってやるからよ』

ピエモンは口元を拭うと確かに血が出ていた。

ピエモン[あ、あんなゴミに私が血を…!!]

大輔『ゴミねえ、そのゴミに傷をつけられた気分はどうだ?』

ピエモン[そんなに惨たらしく死にたいか!!いいだろう!!望み通りにしてやろう!!!!]

大輔『正体を現しやがったな…やってみやがれ。昔の俺達ならともかく、今の俺達がそう簡単にやられると思ったら大間違いだぞ!!』

ピエモン[全くあなた方は…この私を!!苛つかせてくれますねえ!!]

チラリとムゲンドラモンの方を見ると、メタルグレイモンXとブラックウォーグレイモンがコンビでムゲンドラモンに挑み、ヴリトラモン達が二体を援護している。
これなら大丈夫だ。

マグナモン[始めようぜ、戦いを!!]

マグナモンとピエモンが激突した。
それは激突する度に凄まじい衝撃波が発生し、戦いの凄まじさを物語るのであった。
 
 

 
後書き
キメラモンカオスが強すぎたせいか、ダークマスターズがあまり脅威に見えないという。 
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