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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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IF:逆行Ⅱ

 
前書き
逆行第二弾。 

 
デジタルワールドから現実世界に戻り、デジタルワールドに行きたいと言う京をブイモンが鳩尾に頭突きを喰らわせることで強制的に黙らせて大輔は自宅に戻る。
色々ありすぎて疲れたのかベッドに横になる。

ブイモン[お疲れ、大輔]

大輔「ああ、というか疲れた。あいつらとは基本別行動がいいな。疲れが溜まってどうにかなりそうだ。」

ブイモン[ははあ…]

苦笑するブイモン。
確かにあの面子と一緒にいるには神経を使う。

大輔「早く明日になりやがれ……」

目をつぶり、疲れていたため、すぐに眠れた。































大輔「…………」

先にパソコン室に来ていた大輔は京達の会話を適当に聞き流し、デジヴァイスを翳す。

大輔「先に行く」

それだけ言うとデジタルワールドに行く。






























大輔「ふう…」

現実世界よりも澄んだ空気を吸い込んで吐き出す。
昔の…現在の賢がデジタルワールドの支配に執着する理由、今なら分かる。
嫌いな奴らしかいない世界などより自由でいられる世界にいたいと思うのは当然だろう。

京「ちょっとあんた、先に行かないでよ!!」

せっかくいい気分でいたのに空気の読めない馬鹿はいるもので、大輔は舌打ちし、ブイモンは京を哀れんだ。

京「な、何よ…?」

ブイモン[いやあ、どこの世界にも空気の読めない馬鹿がいるなあと…]

京「どういう意味よそれ!!?」

ブイモン[お前のことだよハゲ]

京「ハ、ハゲ!!?あんた何処に目え付けてんのよ!!髪はちゃんとあるでしょうが!!」

ブイモン[前髪がない]

京「前髪はちゃんとあるわよお!!」

ブイモン[じゃあデコ娘。お前は今日からデコ娘決定]

京「あんた、私を馬鹿にしてんの!!?」

ブイモン[何言ってんだお前?当たり前だ]

京「ムキイィィ!!昨日といい、今日といい。もう許さないわよ!!」

ブイモン[ゴメンナ、俺ガ悪カッタヨ。許シテクレ(超棒読み)]

伊織「なんて誠意の篭ってない謝罪…」

思わずツッコんでしまった伊織は悪くないだろう。

































カイザー「ふふふ……待っていたよ……」

デジモンカイザーがモニターで大輔達が来た事を確認する。
京と伊織の存在はあまりにも些細な事の為、特に気に止めていない様である。

カイザー「さあ、本宮大輔を僕の前に連れて来るんだ。ドリモゲモン」

ドリモゲモンが地面を掘り進みながら咆哮した。






























大輔「ん?」

地面から微妙な震動がすることに気づき、下を見遣るといきなり亀裂が入り、ドリモゲモンのいる穴に落ちるブイモンと大輔。

大輔「…こいつは油断したな」

てっきりスナイモンが来ると思っていた大輔はまさか一番手がドリモゲモンだとは思わず、見事に穴に落ちてしまった。
そして連れて来られた先は。































大輔「はあ、まさかいきなりドリモゲモンとは予想してなかったぜ。それで何処にいるんだデジモンカイザー?」

意識を取り戻した

「ほう?随分と冷静だね。やはり君は面白いな」

大輔「ほう?デジモンカイザー…デジタルワールドの皇帝様にそう言われるとは光栄ですな」

皇帝と呼ばれて機嫌が良いカイザーがくすくす笑う。

大輔「さて、デジモンカイザーは俺に何の用なんだ?」

「そうだね、君に会って話したいと思ったのもあるけど、一番の理由は…本宮大輔君。僕と手を組む気はないかな?」

大輔「は?」

予想外の言葉に大輔は目を見開く。

「君の仲間との会話を聞かせて貰ったが、君は今まで僕が会ってきた虫けら達とは違うと思ってね。それにあの非常時の時の冷静さ、それから行動力。君は僕と同じように無能な凡人共に埋もれていい存在じゃない。どうかな?君さえよければ、僕の側近にしてあげてもいいよ?」

ポカンとしていた大輔だが、次の瞬間、穏やかな笑みを浮かべた。

大輔「悪い、辞退させてもらうぜ。」

「何故かな?」

少し不機嫌そうに尋ねるカイザーに大輔は悪戯っ子のような笑みを浮かべる。

大輔「俺は俺のやりたいようにやる。お前がデジタルワールドを支配して皇帝になりたいように、俺も自由な身でありたいんだよ。」

「成る程ね…」

笑みを浮かべるカイザー。

大輔「あ、でも俺はお前と友達になりたいと思ってんだぜ賢?」

ピクリとカイザーの肩が動いた。

「何だと?」

大輔「俺はさ、天才少年とか一乗寺治の弟とかデジモンカイザーのお前じゃなくて、一乗寺賢っていう一人の人間と友達になりたいんだよ。なあ、賢。俺と友達になってくれよ」

今度はカイザーが呆然となる番だった。
自分の正体に気づいていたのもそうだが、友達になりたいと言ってくる大輔に何故だか分からないが嬉しいと思えてくる。
カイザーはそれを隠すように大輔のデジヴァイスとD-ターミナルを見せる。

「やはり君は面白いな。だが、君のデジヴァイスとD-ターミナルは僕の手中にある。どうやって対処するつもりかな?」

大輔「へへっ、流石だな賢。でもな」

大輔の掌に納まるように現れるのは黄金のデジメンタル。

「それは一体…!!?」

大輔「お近づきの印ってことで見せてやるよ。俺の最大最強の切り札を!!ブイモン、いけるか!!」

ブイモン[OK、大輔!!]

大輔「デジメンタルアップ!!」

ブイモン[ブイモンアーマー進化!奇跡の輝き!マグナモン!!]

拘束を破りながら黄金の輝きを身に纏いながら降臨する“偉大”の名を冠する奇跡の聖騎士。
高純度のクロンデジゾイドの鎧の防御力もあってロイヤルナイツの守りの要をも努める程の存在。

大輔「こいつが俺の切り札だ。どうかな賢?」

マグナモンに拘束を解いて貰った大輔はカイザーより少し離れた場所に。

「成る程、どうやらこれを奪っても無駄なようだ。」

デジヴァイスとD-ターミナルを大輔に返すカイザー。
そして指をパチンと鳴らすとスナイモン、ドリモゲモン、モジャモンが現れた。

大輔「敵さんのご登場だ」

マグナモン[食前の運動には丁度いいな]

大輔「さあ、バトル開始だ!!」

マグナモン[一気に終わらせてやるぞ!!]

スナイモンのシャドウシックルがマグナモンに炸裂するが、マグナモンは究極体トップクラスの防御力を誇るため、スナイモンの攻撃では傷ひとつ付かない。

マグナモン[マグナムパンチ!!]

一瞬で輪を粉砕し、次に向かうのはモジャモン。
肉薄するのと同時に手刀で輪を破壊し、地面に足を勢いよく叩き付けると凄まじい轟音と共に、地面が陥没し、ドリモゲモンが出て来た。
マグナモンはプラズマ弾を放って輪を破壊した。

大輔「どうかな?マグナモンの力は?」

「凄いじゃないか君のパートナーは!!君共々素晴らしい!!」

興奮したようにマグナモンを見つめるカイザーに、この表情だけは前の賢では見られない。

大輔「ワームモンはお前のパートナーだろ?」

「こいつはただの弱いデジモンだ。欲しいのならあげるよ?」

大輔「いや、止めとくよ。ワームモンの能力を100%発揮出来るのはお前だけだからな…それにワームモンは確かに弱いけど進化さえ出来れば成熟期、完全体の上位ランクまで行けるぞ?それだけ高い潜在能力を秘めてるんだから」

「こいつが?」

信じられないと言いたげにワームモンを見つめるカイザー。
そして大輔はワームモンを抱き上げるとマグナモンに指示を出す。

大輔「嘘か本当か、証拠を見せてやるよ。マグナモン」

マグナモン[了解]

黄金の光がワームモンに降り注ぐ。
そして…。

ワームモン[ワームモン進化!スティングモン!!]

成熟期へと進化を遂げた。
あのワームモンとは違い、雄々しく、力強い姿に。

大輔「な?」

「………確かに全くの役立たずではなさそうだ。」

呆然とした後に呟くカイザーに大輔は輪のことを尋ねる。

大輔「ところであの輪は完全体を操れんのか?」

「勿論、この間アンドロモンを支配したところさ」

大輔「多分、近いうち支配出来なくなるぜ?」

「何故だい?」

大輔「容量だよ。成熟期と完全体じゃデータが桁違いだからな…そうだな、完全体を操るならあの輪を3~4個くらい必要なんじゃないか?」

「成る程、4個か…」

腕を組んで思案するカイザーに大輔はこの時ばかりは前に戻れたような気がした。

京「大輔ーっ!!」

大輔「あ、来やがった」

「やれやれ、とにかく新しいリングを考える必要があるな。今日は君と話せてとても有意義な時間を過ごせたよ」

スティングモンはカイザーを肩に乗せると大輔を見遣る。
大輔は分かっているといいたげに頷いてみせた。
スティングモンはカイザーを乗せて飛び去った。


































京「なーんだ。自力で脱出出来たんだ」

大輔「当たり前だ。なあ、マグナモン」

マグナモン[ああ、あの程度なら自力で脱出出来た。]

伊織「格好いいですね…」

伊織がキラキラ輝いた目でマグナモンを見ている。

大輔「当たり前だ。オメガモンと同じロイヤルナイツなんだぞ」

光子郎「ロイヤルナイツ?」

大輔「本当に何も知らないんだな。ロイヤルナイツってのはデジタルワールドの神、イグドラシルに仕える十三体で構成された究極体の聖騎士軍団。二年前のオメガモンとこのマグナモンはロイヤルナイツに所属するデジモンなんだ。本来ならな」

伊織「究極体って何ですか?」

大輔「デジモンの最終進化の世代だな。簡単に言えば」

伊織「マグナモンも究極体なんですか?」

大輔「いや、マグナモンはアーマー体だけど、並の究極体を遥かに上回るくらい強いんだ。防御力ならオメガモン以上。どんなピンチでも奇跡の力で切り抜けることが出来る。ああ、でもマグナモンは究極体とアーマー体の個体も存在するから詳しいことは分かんねえな」

京「何よ、そんなに強いんなら私達なんか要らないじゃない……」

大輔だけ強力な進化が出来ることが気にくわないのか膨れっ面の京。

ブイモン[京、不細工な顔が更に酷くなってるぞ。流石に見れたもんじゃない。おーい誰かモザイク持ってないか~?]

京「あんたぶっ飛ばすわよ!!」

ブイモン[アア、ゴメンナ。悪気ハ無インダヨ]

タケル「本当に誠意のない謝罪をするね君は…」

こうしてこの世界の賢と邂逅を果たした大輔。
賢にヒントを与えたことでアンドロモンがイービルリングではなくイービルスパイラルになっていたことやアグモンが支配されなくなったこと等の変更点はあったが、キメラモンを撃破してようやく賢、フェイト、はやてと異世界で全員再会するのだった。 
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