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ドリトル先生と学園の動物達

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第九幕その五

「料理のことへの関心が違うからね」
「イギリスはその関心がだね」
「日本とは違うんだよ、紅茶は別だよ」
「それに一緒に食べるお菓子はだね」
「あと朝食はね」 
 こうしたものはいいというのです、イギリスは。
「けれど全体で言うと」
「スパゲティにしても」
「僕は日本のスパゲティの方がずっと好きだよ」 
 先生の偽わらざる本音です。
「本当にね」
「ナポリタンもネーロもだね」
「うん、日本はパスタも多いね」
「麺類自体が好きだね、日本人は」
「それでスパゲティもね」
「日本に来てからなんだ」
「余計に好きになったよ」
 そうなったというのです。
「実際にね」
「そうなんだ、そういえば僕も」
「王子もかな」
「日本に来て色々なものを食べる様になって」
 そして、というのです。
「スパゲティもね」
「食べる様になったんだね」
「そうなったよ」
 こう先生にお話するのでした。
「スパゲティについても」
「イギリスにいる時よりもかな」
「いや、祖国にいる時よりも」
 その時よりもというのです。
「食べる様になったよ、スパゲティもね」
「それだけ日本のスパゲティが美味しいということだね」
「実際にかなり美味しいしね」
 こう先生にお話します。
「それで今日もね」
「晩御飯にだね」
「食べるよ」
 実際にというのです。
「楽しみにしているよ」
「それは何よりだね」
「それもナポリタンをね」
「大蒜とチーズを忘れないで」
「茹で方はアルデンテで」 
 勿論このことも忘れません。
「それでね」
「そういうことだね」
「このアルデンテがね」
「また外せないね」
「何でイギリス人はアルデンテが出来ない人が多いのかな」
 パスタのその茹で方が、とです。王子は先生に尋ねました。
「あれが」
「ううん、やっぱりイギリス人はね」
「料理が下手だとか?」
「無頓着だったのは確かだね」
 それで、というのです。
「イギリスでは料理の味についてとかく言うことは好まれていないから」
「失礼だって思われるんだね」
「紳士淑女の言うことじゃないってね」
「紳士淑女じゃないってことはね」
「イギリスじゃ物凄くマイナスだからね」
 先生は王子にこのこともお話しました。
「だからね」
「パスタについてもなんだ」
「うん、アルデンテにせずにね」
「もう長く茹でるだけで」
「コシもないんだよ」
 パスタのそれが、です。
「そうなんだよ」
「そういうことだったね」
「他のお料理でもそうだね」
「うん、お肉でもお野菜でもね」
 まさにあらゆるお料理がなのです、イギリスでは。
「焼き過ぎ、茹で過ぎで」
「味付けもだね」
「基本お酢とお塩だけかな」
「味がないとも言われるね」
 つまり火を通し過ぎていてです、それになのです。 
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