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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  0907話

 オーストラリアの首都、キャンベラ。現在俺達シャドウミラーはその中でも最高級のホテルで行われているパーティに参加していた。
 このマブラヴ世界でも人類史上初となる、フェイズ5ハイヴであるアンバールハイヴの攻略に成功した戦勝パーティだ。
 既にあのアンバールハイヴ攻略戦から2週間程が過ぎているが、ここまで戦勝パーティが延びたのは色々と理由がある。
 まず最大の理由が、アンバールハイヴの整備。
 フェイズ5ハイヴという事で、当然ながらその内部は非常に広大な空間になっている。それこそ、鉄原ハイヴとは比べものにならない程に。
 その中をくまなく調べ、更にはハイヴ内の至る所に転がっているBETAの死骸を地上に持っていき、更に地上で戦っていた者達が殺したBETAの死骸も一ヶ所に集めるという作業に酷く時間が掛かった。
 ……まぁ、兵士級、闘士級といった小型種ならともかく、戦車級だって何気にでかいし、突撃級、要撃級は戦術機と同じくらいの大きさがある。
 要塞級や母艦級――ムウの他にも量産型Wの部隊が数匹倒していたらしい――に至ってはハイヴ内から出すだけでも一苦労だ。
 で、一先ずそれを運び出すのに2週間掛かったんだが……
 正直、よく2週間でハイヴ内の掃除が終わったとしみじみ思う。
 もっともそれには幾つも理由がある。国連としてもカシュガルハイヴの近くに存在するアンバールハイヴは絶対に守り通したい橋頭堡だ。それだけに防御を固める為、国連軍……更にはアメリカ軍からもかなりの部隊が派遣され、昼夜を徹して作業をしたらしい。
 それにBETAの死骸にしても、今ではこのマブラヴ世界の国々にとってはドルや円といった金と同等の意味を持つ。……いや、BETAによって物理的に無くなってしまった鉱山の類を思えば、それらの資源と交換出来るBETAの死骸は金以上の価値を持つだろう。
 それだけに、今まで以上に丁寧に死体を集めてシャドウミラーが用意した港で受け渡しを行っている。
 ともあれ、アンバールハイヴは現在掃除も終えて急ピッチでアフリカ連合軍、中東連合軍、国連軍……更にはアメリカ軍までもが駐留して基地化の作業を行っていた。
 勿論攻めてくるBETAに対処する為にガン・ルゥやリニアガン・タンクが大量に配備されているし、アメリカ軍なんかはジンの解析で得た技術を使って改造された戦術機の実験場的な扱いとしても使っているらしい。
 そして忙しかったのは当然マブラヴ世界側だけではない。
 戦力を派遣して貰った各世界に対して報酬を支払い、あるいは早速得た反応炉、母艦級といった稀少なBETAの研究をオーストラリアで各国と共に行い、ホワイトスターではようやく入手したG元素を技術班が解析していた。
 ちなみに援軍に送って貰った戦力だが、死者0という凄まじい結果に終わっている。……まぁ、重軽傷者はそれなりの数出たが。
 ぶっちゃけ、これもネギま世界の魔法使い達が回復魔法という手段を持っていたからだな。
 回復魔法を得意としている近衛、アーティファクトの虹色領域の腕輪で常時回復効果を与える事が出来る千鶴、こちらもまたアーティファクトのセイレーンの瞳の効果で歌を聞かせて治癒能力を上げた美砂、魔法を満遍なく使いこなせるあやかといった者達が大活躍だった。
 更に驚いたのが、和泉がネギと契約して手に入れていたアーティファクト。
 ……見た目は巨大な注射で色々とアレな存在だが、こちらも美砂のアーティファクトと同様に対象の治癒力を促進させる効果があった。
 他にもネギま世界の魔法使いによる回復魔法を駆使した結果、アフリカ連合、中東連合の方でも死者はかなり少なくなったらしい。
 俺達がこの世界に現れる前までに行われていたハイヴ攻略戦や、BETAの間引きと合わせて考えてみても、死者の数は驚く程に低かった。
 というか、だ。この世界の軍隊は戦力の5割程度まで減っても軽微な被害という扱いらしいのが色々と衝撃的だった。
 ともあれ、シャドウミラーだけで攻略した鉄原ハイヴだけではなく、初めてこの世界の人々も攻略に協力したハイヴとしてアンバールハイヴは長く歴史に残されるだろう。
 で、当然その辺の事情も踏まえてこんな大々的な戦勝パーティが開かれている訳だが……

「ねぇ、アクセルさん。もしよろしければ、今度一緒にお食事でもどうでしょう?」
「あら、抜け駆けは無しよ。ねぇ、アクセル様。私のお料理を召し上がって貰えませんか? 他の世界の料理を再現してみたのですが、中々思い通りに出来なくて」
「今度はうちでギアス世界から輸入した牛を育てる事になったんですが、その試食会を開くんですの。どうです?」

 ……で、その結果として、今俺の周囲にはこうしてマブラヴ世界の、いわゆる上流階級のお嬢様方が群がっている訳だ。
 幾ら俺が女好きだという情報が流れたからって、これはやり過ぎだろう。
 そもそも上流階級と言っても、アメリカやアフリカに避難した欧州各国、ソ連、オーストラリアといった国々の者達だ。それが何を意味しているのかは明白だ。
 ちなみにレモンとマリューはBETAの解析に、シェリルはマクロス世界でのライブがあってこのパーティには参加していない。
 俺の恋人達の中でパーティに参加しているのはコーネリアとスレイの2人のみなのだが、この2人は2人で凜々しい外見から、いわゆるお姉様タイプであるという影響もあって俺以上に女達に囲まれている。
 俺達を味方に引き込むのがどれだけ自国にとって有益かを言い含められているのだろう。目の色にその辺の感情が隠し切れていない上流階級の令嬢達を相手に、強引にどうにかする訳にもいかず困っていたのだが……

「おや、アクセルは随分とモテているようで何よりだね」

 不意にそんな声が聞こえてくる。
 聞き覚えのある声に視線を向けると、そこにいたのはスーツに身を包んだ崇継、パーティドレス姿の恭子。その2人のお付きとして1人ずつの近衛。この辺は見覚えのある面子だったが、他にも初めて見る顔と以前に見た顔が1つ。
 取りあえず救いの手という事で、こっちに群がってくる女達に軽く断りを入れてから崇継達の方へと移動する。
 群がっていた女達にしても、ここで無理に俺に言い寄れば不愉快に思われるというのは理解しているのだろう。あっさりと解放してくれた。

「よう、崇継。両手に花ってのは羨ましいな」
「ふむ、確かに。けど普段のアクセルは両手両足に花どころではないだろう?」
「……相変わらずお盛んですね」

 崇継の言葉に肩と胸元が大きく開かれた青のドレスを着た恭子が、ジト目を向けながらそう告げてくる。
 そんな恭子に向かって小さく肩を竦めてから口を開く。

「ま、色々とあったしな。恭子もそのドレスは似合ってるぞ」
「そうでしょうか? どうも露出が派手なような気がするんですけど」

 露出が派手って……戦術機のパイロットスーツを着ているのに、何を今更。
 そんな考えが表情に出たのだろう。恭子の咎めるような視線が俺へと向けられる。

「何か不愉快な事を考えてませんか?」
「いや、別に」
「恭子様、英雄色を好むと申しますし」

 そう言葉を挟んできたのは、この中で唯一見覚えの無い女。……いや、少女と言うべきか。中学生くらい、年齢としては13~15歳前後といったところだろう。
 その人物の後ろに控えているのは、以前に夕呼と飛鳥計画の機体や不知火を運んできた時に一緒にいた斯衛の女、月詠だ。
 確か月詠は斑鳩家や崇宰家と同じ五摂家の1つ、煌武院家に仕えていた筈。となると……この子供は煌武院家の人間なのだろう。

「崇継?」

 俺の問い掛けに崇継が小さく首を傾げるが、すぐに頷き口を開く。

「ん? ああ、そう言えば紹介がまだだったね。彼女は煌武院悠陽。僕たちと同じ五摂家の1つ、煌武院家の有力な次期当主候補だよ」
「へぇ……」

 崇継の言葉は予想通りであり、予想外だった。
 確かに煌武院家の者であるというのは予想通りだったが、まさか中学生くらいの年齢で五摂家の次期当主候補というのは予想外だ。

「アクセル殿、不躾な視線は謹んで貰いたい」

 煌武院を見ている俺に声を掛けてきたのは、その後ろに控えていた月詠。
 以前の港の時と違って公の場というのが関係しているのだろう。その言葉遣いは丁寧なものだ。
 舌鋒や視線の鋭さは相変わらずだが。

「ああ、悪いな。けど、崇宰家といい、煌武院家といい……随分と女の次期当主候補が多いんだな」
「私も彼女も、あくまでも候補でしかありませんよ。崇継さんのように既に当主となっている人とは違います」
「ふふっ、そうですね。勿論私も当主になったのなら力一杯やらせてもらうつもりではありますが」

 煌武院と恭子。五摂家の女同士という事で仲がいいのだろう。

「アクセル・アルマー様。貴方の話は月詠から幾度か聞かせて貰っています。いつかお会いしたいとは思っておりましたが、このような祝いの場で会える事になるとは思ってもいませんでした」
「悠陽様!?」

 煌武院の言葉に、月詠が思わずと言った様子で口を挟む。
 その様子を見れば、月詠から聞いた話というのがどんな話なのかというのを想像するのは、それ程難しくない。

「……どんな話を聞かされたのか、是非その辺を聞かせて貰いたいところだな」
「人前で口にするような内容ではありませんでしたが……」

 そこまで呟くと、煌武院は口に笑みを浮かべてそれを隠す。
 そんな煌武院の様子を見てチラリと月詠に視線を向けるが、月詠はそんな俺の視線を気にした様子もなく無言で通す。
 ……だが、それも次の瞬間までだった。

「ええ、それはもう。あれ程殿方の話をする月詠は私も初めて見ました」
「悠陽様!?」

 慌てたように呟く月詠に、煌武院はホホホ、と笑みを浮かべる。
 どこかわざとらしいその笑みだったが、何故か月詠にはそれが分からないらしい。キッと俺の方を睨み付けた後、そっと視線を逸らす。
 はてさて、どんな話をしていたのやら。
 そんな風に考えながらパーティ会場を見回していると、幾つかの人の集まりが存在しているのが分かる。
 決まってその中心にいるのはシャドウミラーのメンバーだ。
 特にムウなんかは若い女に囲まれて鼻の下を伸ばしているんだが……その辺、ナタル辺りに知られたら色々と愉快な事になりそうだ。
 シャドウミラーの面子を取り囲んでいる中には、何を思ったのかスティングやアウルに対しても集まっている者達がいる。
 いやまぁ、確かにその2人もシャドウミラーのメンバーだし、今回のアンバールハイヴ攻略作戦で大きな成果を上げているから、それが間違っている訳じゃないんだが……
 だからと言って節操がなさ過ぎないか?
 そんな風に思っていると、崇継がボーイに頼んで俺に飲み物の入ったグラスを手渡す。
 以前の食事の時の件を覚えていたのか、冷たいお茶だ。

「ま、とにかくだ。カシュガルハイヴからかなり近い位置にあるアンバールハイヴの攻略を祝って乾杯といこうか。……まぁ、アクセルは今まで何度となくその辺に関しては言われているんだろうけどね」
「そうでもないさ。見知らぬ相手から祝われるのと、知ってる相手から祝われるのはやっぱり違うし」
「あら、じゃあ私がここにいるのはあまり良い事ではないのでしょうか?」

 小首を傾げて尋ねてくる煌武院に、小さく肩を竦める。

「崇継や恭子の知り合いなら構わない。じゃあ、ハイヴ攻略を祝って……」
『乾杯』

 斯衛も含めてその場にいる全員がグラスを掲げて、声を合わせたその時。

 ドクンッ!

 唐突に俺の中で起きる脈動。
 ……これには覚えがある。俺の中にある念動力が危機や……あるいはなにか想像もつかないような出来事が起きた時に知らせてくれる警鐘だ。
 だが、何が起きた? このマブラヴ世界で俺が警戒するような何かが起きるとはちょっと考えられない。
 この世界の中でも最大の脅威であるBETAですら、俺達シャドウミラーにとっては敵ではないのだから。
 となると、BETA以外……人間? ソ連、アメリカ辺りが何かやらかしたか?
 だが、それもちょっと考えられない。

「アクセル、どうかしたのか? 急に険しい顔をして動きを止めて……」

 グラスを持ったまま動きを止めた俺の様子に不審なものを感じたのだろう。崇継がそう尋ねてくるが、俺はそれに答えず注意深く周囲の様子を観察する。
 ……取りあえずこのパーティ会場で何かが起きる訳ではない、か。
 となると……なんだ?
 そんな風に思った時だった。俺の持っている通信機に連絡があったのは。
 通信機を取り出すと、そこに映し出されたのはエザリア。
 何故か焦った表情を浮かべ、俺が出たと知るや否や口を開く。

『アクセル、至急戻ってきて頂戴! 緊急事態よ!』
「……何があった?」

 クールビューティを絵に描いたようなエザリアが、こうまで取り乱している理由が想像も出来ずに尋ねる。
 今日のエザリアはアンバールハイヴ攻略についての援軍を出してくれた各世界に挨拶回りに行ってた筈だが……考えられる事態としては、SEED世界でロゴスやブルーコスモスの残党が暴れたか、ギアス世界でブリタニアの貴族が反旗を翻したか。あるいはマクロス世界でまた未知の存在が襲ってきたとかか? ネギま世界で造物主がまた現れたという可能性もあるか。
 だが、それらを考えても念動力がここまで危険を知らせるかと言えば、それは有り得ない。
 となると、それ以上の何かが……

『ホワイトスターの交流区画の中に……何と言うか、巨大な門のような物が突然現れて、そこから謎の勢力が現れて侵攻してきているわ』

 エザリアの言葉に、思わず俺は目を大きく見開く事になるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1120 
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