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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  0906話

「援軍が来なくなった?」

 エナジーウィングから放たれる刃状のエネルギーを使って突撃級を掃射しながら、思わず呟く。
 何かの見間違いか? そうも思わないでもなかったが、実際にこうしてメインホールの中を見回しても繋がっているドリフトからBETAがやってくる様子はない。
 つい数分程前までは途切れる事無くBETAが中に入ってきたというのに、だ。
 実際、このフェイズ5のハイヴにあるという事で、鉄原ハイヴとは比べものにならないくらいに巨大なメインホールも至る所にBETAの死骸が転がっており、次第に足の踏み場もなくなってきている。
 ここにいる戦力がメインホールに到着するまでどれだけのBETAを倒してきたのかは、俺が経験してきた戦いを思えば明らかだろう。
 いや、正確には違うか。俺が最初にこのメインホールに到着したという事は、他のグループは俺よりも多くドリフト内を移動していた筈だ。となると、俺が戦ったよりも多くのBETAと戦っている者もいるだろう。
 実際、BETAの中でも特別格と思われる母艦級と今回は遭遇していないしな。

「ファントムッ!」

 援軍として現れ、反応炉の近くに集まっていた光線級と重光線級。そして防御する為に存在していると思われる3匹の要塞級に向けてファントムを飛ばす。
 幾ら要塞級が特機以上の大きさを誇るとしても、長さ1m程度の……しかも細長いファントムを止められる筈もない。
 T-LINKシステムによって操作されたファントムは、そのまま要塞級の巨体の隙間を縫うように通り抜け、背後にいる光線級と重光線級へと襲い掛かる。
 反応炉のすぐ近くという事もあってビームソードを展開して突っ込んで行ったファントムに、眼球のような照射粘膜を貫かれる。
 48基のファントムにより、ほんの数秒で全ての光線級と重光線級は命を失い、BETAの中でも最も警戒すべき種だと言われる理由でもあるレーザーを1発も放つ事なく全滅した。
 そうして光線級や重光線級を処理し終えたファントムは、通り道にいた要塞級をも背後からビームソードを展開したまま突っ込み、串刺し……否、貫通してこちらへと戻ってくる。
 更にその途中にいるBETAに関しても背後から貫き続け、大小合わせて300匹近いBETAを片付けた。
 そんな時だ。地上にいるニヴルヘイムのシェリルから通信が入ったのは。

『アクセル、そっちもそろそろ終わり近づいている?』
「終わり?」

 ファントムをヒュドラに戻しつつ、腹部拡散ビーム砲とヒュドラから放つ全18門のビーム砲で突撃級を纏めて仕留めつつそう言葉を返す。

『ええ。地上に出てきたBETAは援軍が無くなったわ。最後に援軍としてBETAが出てきたのが10分くらい前なのを考えると、エザリアやマリューもそろそろBETAの限界点が近いんだろうって言ってるのよ』
「……なるほど」

 確かに鉄原ハイヴでも最終的にはハイヴ側でBETAの数が足りなくなったのか、援軍は無くなっていた。
 それを考えれば、ハイヴの中でも最も重要な反応炉のあるメインホールにすら援軍を遅れなくなったというのは確かに限界点が近いのだろう。

『それと、こっちも報告。グラストンナイツがアトリエと思しき場所を発見したそうよ。G元素もかなりの数を確保したって』
「見つけたか!」

 思わず喜びの叫びが口から出る。
 実際にこちらの予定通りではあるが、それでもこの広大なハイヴの中だ。
 地図がある訳でもないし、実際にアトリエを見つけるのはアンバールハイヴを落としてから……という可能性も考えていたのだ。
 それだけに、この戦闘中に見つけられたのは幸いと言えるだろう。
 何しろハイヴ攻略後にアトリエを探すとなると、他の国からちょっかいを出されるかもしれないしな。
 シェリルから送られてきたアトリエの位置データを確認し、小さく笑みを浮かべる。

「分かった。ならグラストンナイツはG元素を確保した後、至急ニヴルヘイム……は、他の世界の部隊が集まっているか。シロガネの方に帰還するように伝えてくれ」
『分かったわ。……アクセル、もう少しね』
「ああ。これ以上BETAの援軍が来なければ、後1時間も掛からずにこっちの勝利を決定づける事が出来る」

 シェリルに返事をしつつ、スティングとアウルの乗っているシャドウの上から降ってこようとしていた戦車級を頭部ビームバルカンによって撃破する。

「2人とも、上にも気をつけろ」
『分かってるよ。こっちだってきちんと奴等を把握してたっての!』

 アウルの叫びが聞こえてくるが、実際にシャドウが両手に持っていたM950マシンガンの銃口を上に向けようとしていたのを見る限り、それは決して嘘ではないのだろう。
 間に合うかどうかはギリギリだったっぽいが。

「ともあれ、ハイヴ攻略戦はこんな風に長丁場になる。なるべく集中を切らさずに2人でお互いをフォローしつつ戦え」

 短く2人へと通信を送り、改めてシェリルとの会話を続ける。

「ともあれ、こっちはメインホールに来ていた援軍のBETAも既にいない。となると、恐らくは殆どハイヴ内にBETAの戦力は残っていないと思う。ただ、それでもさすがに全滅したって事はないだろうから、反応炉を取り外したらすぐにでも追撃できるよう準備を整えておいてくれ」

 出来れば反応炉は稼働したままのものを入手したいところだが、それが無理なのは鉄原ハイヴで確定している。
 かといってここに稼働したまま残しておけば、ここを取り戻すべくBETAがひっきりなしに攻めてくるだろう。
 ただでさえ、ここはオリジナルハイヴであるカシュガルハイヴからそう遠くないのだから。
 アフリカ連合軍と中東連合軍が幾ら俺達の兵器を輸入していても、BETAの数の暴力に完全に抗えるかと言えば、それも微妙。
 結局反応炉を取り外してこっちで確保するのがベストなんだよな。

『ええ、その辺はエザリアにきちんと言っておくわ。じゃ、気をつけてね』

 その言葉を最後に通信が切れる。
 そうして、改めて映像モニタでメインホールの中へと視線を向けると、BETAの数が少なくなってきているのが分かる。
 本格的に限界か。
 メインホールで敵を誘き寄せるっていうのは、結構使えるかもしれないな。
 もっとも、BETAの物量に対抗出来るだけの戦力があって初めて可能な作戦だが。
 その辺は俺達シャドウミラーにとって特に問題はない。
 となると、恐らく次からなるべくBETAの追撃を楽にする為に、メインホールでの戦いが主流となるかもしれないな。
 そんな風に考えている俺の視線の先で、スレイとスティング、アウルの操る3機のシャドウが、最後に生き残っていた要撃級の群れを一掃し……メインホールの中に生き残っているBETAの姿は1匹もいなくなった。

『片付いたわね。……アクセル、早速だけど一応私は反応炉の方を調べてみるわ。鉄原ハイヴの方では稼働しまま取り外す事は出来なかったけど、このアンバールハイヴはフェイズ5だから、もしかするかもしれないし』
「分かった。他の者達は周囲の警戒に当たれ。それとスレイはこのデータのある場所に向かってくれ。アトリエだ。一応発見したグラストンナイツがG元素の類を持ち帰っている筈だが、何か見落としがあるかもしれないからな。まずないと思うが、どこか他の勢力が先に確保しようとして出向いてきていたら、実力で排除しても構わない」
『了解した。量産型Wとメギロートを10機程度借りるぞ』
「ああ、任せた」

 その言葉にスレイは小さく頷き、シャドウとメギロートを率いてメインホールから出て行く。
 それを見送り、次に量産型Wやメギロートといった者達に向かって指示を出す。

「量産型Wの操るシャドウとメギロートはこの場に10機ずつ残して、それ以外はハイヴ内の掃討に移れ。ここでの戦闘では援軍が来なくなったが、だからと言ってハイヴ内のBETAを全て倒したとは限らない。それにまだ反応炉が生きている以上、遅れてBETAがやってくる可能性がないとも言えないからな。特に前回の鉄原ハイヴで俺が遭遇した母艦級はまだ現れていない」
『あ、母艦級なら俺が遭遇したぞ。身体の内部にハルバート・ランチャーを撃ち込んで破裂させた』

 俺の言葉に被せるようにムウが告げる。

「……まぁ、フェイズ5のハイヴだ。幾ら何でも母艦級が1匹って事はないと思うから、気をつけるように。母艦級に遭遇した場合は身体の内部に強力な攻撃を加えれば破裂して死ぬから、その辺は適時対応しろ」
『了解しました』

 量産型Wの1人が代表して答え、メインホール内にいたシャドウとメギロート、数千機程がそれぞれドリフト内に向かって散っていく。
 まぁ、メインホールに来なかった以上、殆ど敵はいないと思うんだがな。それでも念には念を入れるに越した事はない。
 あるいは第2、第3のアトリエがあるという可能性も否定しきれないし。

『で。アクセル。俺達はどうすればいいいんだ? やっぱり周囲の警戒か?』
「そうだな、そうしてくれると助かる。こっちでも一応何があるか分からないからな」
『了解だ。雇われた以上、それなりの仕事はきちんとしてみせるさ』

 オズマとそんな言葉のやり取りをし、他のメンバーも散らばっていった中で俺は反応炉の方へと向かう。

「レモン、どんな具合だ」
『……やっぱり駄目ね。稼働したまま取り外す事は出来ないみたい。フェイズ5のハイヴなら……と期待したんだけど』

 残念そうに首を振って告げてくるレモン。
 そうか、やっぱり稼働したままの反応炉を得るのは無理だったか。

「分かった、なら退いてくれ。鉄原ハイヴの時と同じように斬り離す」
『ええ、お願い』

 ヴァイスセイヴァーが移動するのを見ながら、アダマン・ハルパーを展開。斬艦刀の如く巨大な剣へと姿を変える。

「はああああぁぁぁぁっ!」

 気合い一閃。一般的なPTと比べるとかなり小型機であるニーズヘッグが振るう巨大な刃は、大きく、鋭く振るわれ……
 斬っ!
 そんな音と共に、反応炉をハイヴから無理矢理斬り離す。
 地面に倒れそうになる反応炉を、ヴァイサーガとヴァルシオン改、トリニティゲインが支える。

「お前達、ニーズヘッグの護衛をしろ」

 量産型Wに命じ、そのままニーズヘッグのコックピットから降りて、シャドウミラーの誇る3機の特機が支えている反応炉へと。
 数秒、あるいは1秒でも早く空間倉庫に収納するべく、そっと反応炉に手を触れ……

「いいぞ!」

 その言葉と共に3機の特機が反応炉から手を離す。

「格納」

 短い呟きと共に、気が付けば俺の視界から反応炉の姿は完全に消え去っていた。
 空間倉庫に収納されたのを確認し、そのままニーズヘッグへと向かう。
 当然ながらメインホールにBETAがやってきた気配はなく、特に妨害も無いままにコックピットへと戻る。
 するとその瞬間にレモンから通信が送られてきた。

『アクセル、どう? 何か反応炉に異変はあった?』
「いや、特に何も異変は無いな。ともあれ反応炉を取り除いた以上、このハイヴは死んだ。攻略完了したと考えてもいいだろう」
『そう、特に変化は無し……か。分かったわ。とにかくハイヴ攻略が完了したんだから、地上部隊に報告した方がいいんじゃない? 追撃の指示もあるでしょうし』
「それもそうか。分かった」

 レモンに軽く返事をし、改めてニヴルヘイムへと通信を繋げる。
 映像モニタに映し出されたのはシェリル……ではなく、エザリア。

「エザリア?」
『ええ、アクセルには悪いけどシェリルに変わって貰ったの。で、早速本題なんだけど……少数のBETAがハイヴ内から出てきて、北、北東、東の3つに分かれて進行中よ。これはハイヴを攻略したと判断してもいいのかしら?』
「やっぱり生き残りがいたか。ああ、ついさっき反応炉をハイヴから切り離した」

 にしても、北、北東、東……なるほど。北がウラリスクハイヴ、北東がマシュハドハイヴ、東がボパールハイヴってところか。わざわざ3つの集団に分かれたのは、少しでもBETAの生存確率を上げる為……か?
 まぁ、もっともそんなのに意味はないけどな。

「追撃はどうしてる?」
『順調に行っているわ。休憩を取った魔法使い達と修羅神も再度出撃可能よ』
「その辺は任せる。とにかくBETAの数を減らすのを最優先にしてくれ。メギロート、イルメヤ、シャドウといった戦力の他にも、出せる戦力は全て出してBETAの数を減らしてくれ。シロガネも戦力として使って構わない。……ニヴルヘイムは拠点だから参加させる訳にはいかないが。それと、ソ連やアメリカも警戒しておいてくれ」
『了解したわ。その辺の指示は出させて貰うから、そっちも早く戻ってきて追撃に戦力を回してちょうだい』
「安心しろ、出る時はあっさりと出られるからな」

 視線の先にあるのは、メインシャフト。もっともモニュメントが破壊されている以上、日の光は入ってこないが……その程度を消滅させるのは難しい話じゃない。
 俺の考えを理解したのだろう。どこか呆れたような表情を浮かべたエザリアは、特にそれ以上何を言うでも無く味方に指示を出しながら通信を切った。

「……さて、メインホールにいる機体は全機集まってくれ。メインシャフトから外に出るぞ」

 メガ・バスターキャノンで狙いを付けながら全機に通信を送り……次の瞬間、ニーズヘッグの中でも高威力の武器であるメガ・バスターキャノンから膨大な量のビームが放たれ、メインシャフトを塞いでいるモニュメントの残骸を消滅させるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1120 
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