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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
  0908話

 ホワイトスターの交流区画の中に巨大な門が現れ、そこから謎の勢力が侵攻を開始した。そう聞かされた俺は、先程の念動力が警告していたのがこの件なのだろうと理解する。
 通信機から放たれたエザリアの悲鳴のような声が、周囲にいる者達にも聞こえていたのだろう。崇継や恭子、あるいは煌武院といった者達の他にも、近くに集まっていた者達がこちらへと視線を向けていた。

「分かった。取りあえず交流区画にいる他の世界の者達の避難を優先しろ。量産型W、メギロート、イルメヤ、シャドウを出して侵攻してきたアンノウンを迎撃。ムラタがホワイトスターに残っているから、すぐに呼び出して戦力にしろ。俺達もすぐにそっちへ戻る」
『分かったわ。急いでちょうだい』

 それだけを短く告げ、通信が途切れる。
 すぐにでも色々と指示を出さなければいけないからだろう。
 そんな俺達の通信をじっと聞いている周囲のパーティ参加者達。
 一言すらも聞き漏らさないようにしているのは、自分達の世界にも関係する可能性があるからか、あるいは俺達シャドウミラーに関しての弱みや情報を少しでも得たいからか。
 ともあれ、いつの間にか静寂に包まれているのは俺達の周辺だけではなく、パーティ会場全体へと広がっている。
 いや、寧ろこの状態ではありがたいか。

「シャドウミラー所属の者はすぐにここに集まれ! 至急にホワイトスターに帰還する!」

 近くにいた崇継達が思わず耳を押さえてしまう程の大声がパーティ会場内へと響き渡る。
 バスケットコート3面分程もあるパーティ会場の隅々まで響き渡った声に、パーティに参加していたシャドウミラーの幹部達が足早にこちらへと向かってくる。
 コーネリア、スレイ、ムウ、イザーク、オウカ、ギルフォード、スティング、アウル。
 その全員が、パーティを楽しんでいた表情から一変し、獲物を見定めるような鋭い視線を浮かべていた。
 レモンとマリューはG元素の解析に、エキドナはその手伝いを、ムラタはパーティそのものが性に合わないとしてこの場にいないのは、幸運だと言えなくもない。
 少なくてもムラタなら未知の敵が現れたと知れば、真っ先に駆けつけるだろう。
 気を使いこなしつつある今のムラタにとって、その辺の雑魚は生身で一騎当千を地で可能だ。
 トリニティゲインが出れば、更に言うまでもない。
 技術班は魔法球にいる以上、取りあえず心配はいらないだろう。
 そんな風に考えている間に、パーティに参加していたシャドウミラーの面子が俺の下へと集結する。
 勿論その中には護衛としてやってきていた量産型Wの姿も含まれていた。

「崇継、悪いが俺達はこの辺で失礼する」
「ああ、分かった。そちらで何があったのかの詳細は後日聞かせて貰う事にするよ。今は侵略者と戦ってくるといい。……援軍はいるかい?」
「いや、大丈夫だ。アンディ! 聞いての通りだ! 悪いが俺達はここで消えさせて貰う!」

 こちらに向かってくるオーストラリアの首相にそう叫び、影のゲートを展開してキャンベラの郊外へと転移し、ニーズヘッグを空間倉庫から取り出して搭乗する。
 そのままコックピットへと乗り込み、ニーズヘッグを起動し、システムXNも同様に起動させる。

「システムXN、起動。リュケイオスとのリンクを確認、転移フィールド生成開始……転移」

 その言葉と共に、ニーズヘッグとシャドウミラーのメンバーを光の繭が包み込み……次の瞬間、俺達の姿はホワイトスターの転移区画に存在していた。
 そうして俺が見たのは……

「うわあああああああああっ!」
「逃げろ、逃げろ、逃げろぉっ!」
「待って、私の友達がまだ交流区画に!」
「諦めろ! 今はとにかく逃げるんだ! シャドウミラーが奴等を食い止めている間に!」

 そんな風に、転移区画へと向かって逃げてくる無数の人々の姿だった。
 各世界との交流を広げるにつれ、交流区画にも当然人は増えている。
 交流区画に店を持っており、毎日各世界からやってくる者達も多いし、何より交流区画という名前通りに色々な人が集まっている。
 そんな場所にいきなり未知の勢力が現れたとなれば、この混乱は当然だろう。
 だが……ちっ、人が多すぎてPTを始めとしたシャドウミラーの兵器が迂闊に使えないな。迂闊に上空を飛ぶだけでも、機体の発する衝撃波とかで他の世界の住人に被害が出かねない。
 そう判断すると、ニーズヘッグから降りる。
 すると、コーネリアを始めとした他の者達が逃げてくる人々から軽くではあるが事情を聞いていた。

「魔法界にいるモンスターのような奴とか、ドラゴンに乗っているのとか、とにかくそういうのが色々だよ!」

 ネギま世界が出身だろう人物の声に、思わず眉を顰める。
 ドラゴン? もしかしてMMからの宣戦布告か?
 今の話を聞いてそう考えるが、とにかく今は一刻も早く交流区画に向かわなければならない。敵の正体に関して詳しく調べるのは、まずここをどうにかしてからだ。

「シャドウミラー、集まれ!」

 俺の口から出た声に、周囲に散らばっていたシャドウミラーのメンバーが集まってくる。
 全員に空間倉庫から取り出した拳銃やライフル、マシンガンといった代物を渡しながら口を開く。

「見ての通り、人が地上を逃げ惑っているからPTは使えない。生身での戦闘になる。全員、魔法発動体は持っているな?」

 その問い掛けに、全員が頷く。
 魔法顧問としてエヴァがいる以上、シャドウミラーのメンバーは全員が生身での戦闘もこなせるように訓練されている。当然魔法発動体の類も常に身につけるように習慣づけられていた。
 実際、その場にいる全員がブレスレットや指輪、ピアスといった風に魔法発動を身につけている。

「ホワイトスター内では魔力の消耗が激しいから、魔法はあくまでも補助的な感じで使うように。メインは銃だ。……よし、なら早速向こうに転移する。それとスティング、アウル。お前達は生身での戦いに関しては経験が浅いし、訓練も足りていない。敵を倒すんじゃなくて、味方のフォローや逃げている者達のフォローを優先しろ」

「ちょっ、待ってくれよアクセル!」

 俺の言葉を聞き何かを言い返しそうになったアウルだったが、スティングに服を掴まれて悔しげに唇を噛む。

「いいな? じゃあ行くぞ」

 そう告げ、影のゲートを使って交流区画へと転移するのだった。





 交流区画に出た瞬間俺が見たのは、腰の高さまでしかないような醜い子鬼とでも表現すべき存在と、身長2mを越す、巨大な豚の顔を持った存在だった。
 ファンタジーではよくある、ゴブリン、オークといったところだろうか。
 これを見た時点で、俺は襲撃を仕掛けてきた者達がネギま世界の住人ではないというのを確信する。
 ネギま世界の魔法界にいる存在は、なんというか、こういうシンプルにファンタジー系のモンスターは中々存在しないからだ。
 グリフォンとドラゴンの合いの子でもあるグリフィンドラゴンのグリを見れば、その辺は分かりやすいだろう。
 そもそも亜人のような類が住んでいるのはヘラスであり、俺達の潜在的な敵でもあるMMではないのだから。

「邪魔だ」

 呟き、手を大きく振るって炎を生み出してこちらに向かってこようとしていたゴブリンやオークを纏めて消滅……否、燃滅させる。

「ちっ」

 舌打ちをしたのはムウ。
 その視線の先にあるのは、数人の男の死体。
 そして、死体に向かって嬉しそうに手に持った槍を何度も突き刺している数匹のゴブリン。

「見るに耐えん」

 コーネリアの口からその呟きが漏れると共に、周囲に響く銃声と共にゴブリンが地面へと倒れ伏す。
 その音が注意を引いたのだろう。周囲にいたゴブリンやオークと思しき存在が、俺達の方へと向かって一斉に視線を向けてくる。
 だが……

「貴様等、ただで死ねると思うな!」

 イザークが手に持ったマシンガンで手当たり次第に殺していき、ムウやスレイもそれに続いていく。

「全員、散会して各個に敵を撃破しろ。見たところ本当に敵はファンタジー世界の住人らしいから、戦力的にはそれ程の脅威は無いだろうが、くれぐれも油断をするな。それとスティングとアウルは常に一緒に行動するように」

 俺の口から出たその言葉に、全員が交流区画内へと向かって散っていく。
 にしてもこれでMMの関与が無いってのは決定的だな。
 魔法界は確かに魔法によって反映しているが、精霊機関とかその類の物も発展している。だからこそ、空中戦艦とかが存在しているのだ。
 だが、今俺の目の前にいるのは決定的に違う。よくあるファンタジーのように、武器は槍や剣、あるいは棍棒。どう見てもネギま世界の住人ではない。
 となると、エザリアの報告にあった門とやらが何らかのキーになりそうだな。

「キャアアアアアアッ!」

 イザークやムウの攻撃によってこの辺にいた敵は軒並み死んでいたので、特に妨害らしい妨害に遭う事もなく交流区画を進んでいると、不意にそんな悲鳴が聞こえてくる。
 路地裏の方から聞こえてきたその声の方へと近づいていくと、そこには20代程の女が1人の男に服を破かれ、上半身を晒していた。

「あthぱいあkh^あいびあえk」thかh」

 そんな意味不明の言葉を発しながら、女に覆い被さろうとしている鎧を身につけた男。
 色々と気になるところはあるが……

「どこで好き勝手をやっている」

 声が響き、瞬間的に空間倉庫から伸びたスライムが鎧諸共に両足を切断する。
 ぐしゃり、とした音を立てて地面に倒れた男。

「は@おはt」h@かは!」

 意味不明な叫び声を上げているが、取りあえず生きているので、後々情報を聞くという意味ではいいだろう。

「無事か?」
「え、あ、は、はい……」
「そうか、取りあえずこれでも羽織っていてくれ」

 空間倉庫から取り出したバスタオルを女へと渡し、周囲を確認する。
 周囲には数人の男の死体があるのみで、他に生きているのは誰もいない。
 ……さて、助けたのはいいものの、どうするべきか。
 これから更に奥に向かう以上、一般人にしか見えないこの女を連れて行くのは足手纏いだし、そもそも向こうにしても望まないだろう。
 かと言って、ここに置いていけば結局また敵に襲われる可能性がある。

「GYAAAAAAAAA!」

 考えていると、ふとそんな声が聞こえてきた。
 そちらの方へと視線を向けると、そこにいたのはドラゴン。……より正確にはワイバーンというべき小型のドラゴンだ。それもただのワイバーンではなく、その背には騎士、あるいは兵士と思しき存在が乗っている。
 いわゆるドラゴンナイトとか、竜騎士とかいう奴か。
 ……天高くまでジャンプして、槍を持ったまま降ってこないだろうな。
 ともあれ、こちらの戦力にドラゴンナイトなんぞというものがいる筈も無い。となると、間違いなく敵という認識でいいだろう。

「上を押さえらえるのは面倒だし、取りあえず始末しておくか」

 腕を白炎へと変え、その白炎から生み出された数十匹にも及ぶ鳥の炎獣が上空へと向かっていく。
 竜騎士もそれに気が付いたのだろう。迎撃しようとワイバーンに合図を送るが……遅い。
 鳥の炎獣は真っ直ぐに飛び、ワイバーンと騎士へと群がっていき……騎士に何をさせるでもないままに、炎に包まれて命を絶つ。
 取りあえずドラゴンナイトはこれでいいだろが、まさかあれ1騎って事はないだろうな。
 そんな風に思っていると、ふとこちらに近づいてくる気配を察知する。
 それでも攻撃体勢を取らなかったのは、それが馴染みのある気配だったからだ。
 現れたのは、銃を手に取り機械で出来たヘルメットを被っている量産型W。
 その身体に血がついているところを見ると、侵入者との戦闘を繰り返してきたんだろう。

「アクセル代表、ご無事でしたか」
「ああ、それよりも丁度いい。その女を安全な場所まで送っていってくれ」
「了解しました」

 量産型Wだけあって、こちらの命令に特に何を聞き返すでもなく頷く。
 それを見ながら、女の方へと視線を向けて言葉を掛ける。

「こいつに付いていけば、取りあえず安心だ。構わないな?」
「え、ええ。……ありがとうございます。アクセル代表」

 俺の事に気が付いたのか、どこか改まった言葉遣いをしてくる女。
 それに小さく手を振り、その場を後にする。
 ……さて、こいつらが出てきた門とやらはどこにあるんだろうな。
 とにかく門がある以上、そこからこいつらが出てきたんだろう。だとすると、その門を押さえない限りは延々とこいつらが出てくる事になる。
 そんな風に考えつつ交流区画の中を進んでいると……やがて、それを発見した。
 そう、エザリアの報告にあったように巨大な門。
 幅は約20m程、高さ10m程だろうか。
 それは問題ではない。
 いや、現状で最も問題なのは知っているが、俺の目を奪ったのは門ではなく、更にその前に存在している侵略者共の本陣でもなく、その前に存在するものだった。
 この交流区画にいたのだろう30人程の死体の山。
 ……そして死体の山に誇らしげに突き刺されている、侵略者共の所属するだろう国の国旗。
 これが何を意味しているのか。
 即ち、このホワイトスターは自分達が占領したと示しているのだ。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:125
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1134 
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