リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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第八十二話 未来からやって来た子供達
前書き
未来からやって来た三人の選ばれし子供達。
ワームモン[リリカルアドベンチャー、始まります]
大輔達がいる現実世界の時間軸から約10年の年月が流れた世界で、二人の子供の声が響いた。
「どうだ、エリオ、キャロ。新しく考案したラーメンの味は?」
キャロ「美味しいよ、お父さん」
エリオ「もっと食べたいです。」
「悪い悪い。試作品だからそんなに作ってないんだ。これならいつかラーメン屋を開いた時、メニューに入れても大丈夫そうだな」
「うん、そうだね」
桃色の髪の少女、キャロと紅い髪の少年、エリオの言葉に紫の髪の青年は嬉しそうに笑う。
隣の長い金髪の女性も微笑ましそうに見遣る。
「ねえ、そろそろデジタルワールドに行く時間じゃない?ルーテシアと一緒に行くんでしょう?」
キャロ「本当だ…それじゃあ、行ってきます!!」
エリオ「…行ってきます」
「モノクロモンに轢かれないようねー」
「モノクロモンは車じゃないぞ…」
今やデジモンが傍にいることが当たり前の時代。
モノクロモンがこういう例えにされることもある。
ルーテシア「お待たせ!!」
パートナーのワームモン・グランスを連れて、現れたルーテシア。
キャロ「ルーちゃん、おはよう。グランスも」
グランス[おはようキャロちゃん]
ルーテシア「ごめんね、師匠から色々渡されて…」
ルーテシアが鞄から出すのは…。
エリオ「凄いお菓子…」
ルーテシア「ねえ?」
因みに師匠とは賢のことである。
キャロの友達として賢に会ったルーテシアはパートナーが同じということも含めて色々教わっている。
キャロ「向こうで食べようよ。エア、行くよ」
エア[おう!!]
エアと呼ばれたブイモンが立ち上がる。
そして全員でデジタルワールドに。
「…大輔、今日じゃなかったっけ?」
金髪の女性…10年の年月を経て美しい女性に成長したフェイトが青年に…10年の年月を経て逞しい青年に成長した大輔に話し掛ける。
大輔「ああ、そうだな。あいつらの成長に繋がる大冒険だ。昔の俺達と先輩達のルカ達とのな」
フェイト「エリオ…キャロ…ルーテシア…頑張ってね」
そしてエリオとキャロとルーテシア、そして二人のパートナーのエアとグランスがデジタルゲートを潜っていた時。
ゲートに異常が発生する。
エリオ「なっ!!?」
キャロ「デジタルゲートに…異常!!?」
エリオ「くそ、こんな時に…」
何とかしてデジタルゲートが崩壊する前に脱出しようとするが、五人は穴に引きずり込まれた。
エア[うわあああああ!!?]
ルーテシア、キャロ「「きゃあああああ!!?」」
エリオ「と、父さん!!母さーんっ!!!!」
グランス[わああああ!!?]
五人はデジタルゲートの中から消えたのであった。
そして一方、ユーノは時空の歪みに飲み込まれた大輔達を探し続けていた。
砂漠を越え、森の中を歩いていた。
他愛もない話をしながら、森の中を突き進んでいく。
時間が過ぎるのは早く、もう夜は明け始めていた。
しかし、ふと気配を感じて身を潜めると、イビルモンがまるで吸血鬼を思わせるようなデジモンに頭を下げていた。
イビルモン[申し訳ありません!!信頼の紋章と純粋の紋章以外の紋章の力が解き放たれてしまいました!!]
イビルモンは必死に頭を下げて許しを請うのだった。
?[もうよい。]
イビルモン[は?ヴァンデモン様?]
ヴァンデモン[こうなったら私自ら出向くしかあるまい]
ユーノは耳を澄ませ、彼らの会話に耳を傾ける。
そして、そこで知ったのはユーノ達が集めてきた紋章の話だった。
平行世界から来た本宮大輔は“奇跡の紋章”
同じく平行世界から来た一乗寺賢は“優しさの紋章”
フェイト・テスタロッサは“運命の紋章”
高町なのはは“絆の紋章”
ユーノ・スクライアは“信頼の紋章”
八神はやては“闇の紋章”
アリサ・バニングスは“情熱の紋章”
月村すずかは“凛然の紋章”
アリシア・テスタロッサは“純粋の紋章”
ルカは“未来の紋章”
ユーノ「(信頼の紋章…)」
ようやく分かった紋章の名前。
ユーノはD-3を見つめる。
ヴァンデモン[そして…]
ユーノ「!!」
ヴァンデモンの話の続きにユーノは一字一句、聞き漏らさないように耳を澄ませる。
ヴァンデモン[現実世界…正確には、数多くある次元世界のミッドチルダという世界にいる3人の選ばれし子供…]
ユーノ「!?」
ユーノは“ミッドチルダ”という単語に目を見開いた。
ヴァンデモン[“自由の紋章”と“正義の紋章”は無いが、“願望の紋章”はこの手にある!!]
ヴァンデモンの手にあるのは橙色の紋章だった。
ユーノ「っ…」
ツカイモン[駄目だ。ユーノ…今の私達ではヴァンデモンには敵わない…]
今にも飛び出しそうなユーノを押し止めるツカイモン。
ツカイモン[今すぐ仲間と合流しよう。残りの紋章を探し、新しい仲間を探すのも…]
ヴァンデモン[…そこで何をしている?]
ツカイモン[何!?]
ユーノ「っ!?」
ユーノとツカイモンが後ろに振り向くとヴァンデモンが立っていた。
ヴァンデモン[盗み聞きとはいけない坊やだ…]
ヴァンデモンは紅い電撃の鞭を具現化する。
ヴァンデモン[ブラッディストリーム!!]
ユーノ「ぐっ!!」
ヴァンデモンの鞭がユーノの肩に掠る。
ツカイモン[ツカイモン進化!ウィザーモン!!]
ヴァンデモン[ほう…]
ツカイモンは成熟期へと進化すると杖を構える。
ウィザーモン[サンダークラウド!!]
ウィザーモンの杖から電撃が放たれ、ヴァンデモンの電撃の鞭を弾く。
ウィザーモン[大丈夫か?ユーノ]
ユーノ「…掠っただけさ」
ウィザーモン[悔しいが今は勝てない…逃げるぞ]
ヴァンデモン[逃げられると思っているのか?]
ウィザーモン[マジックゲーム!!]
杖から無数のカードが放たれた。
ヴァンデモン[ナイトレイド!!]
ヴァンデモンが無数の蝙蝠を召喚し、カードを相殺する。
煙が晴れた時、そこにはウィザーモンの幻影がいるだけでユーノと本物のウィザーモンはいなかった。
ヴァンデモン[チッ…]
ヴァンデモンは幻影のウィザーモンを蹴散らしながら舌打ちした。
ヴァンデモン[まあよい。奴ごときいつでも消せる。今は平行世界の選ばれし子供から暗黒の種を頂く]
イビルモン[はっ!!]
ヴァンデモンは馬車に乗り、この場を飛び立った。
そしてデジタルワールドでは一ヶ月が過ぎ、大輔も合流し、ユーノ以外は全員揃っていた。
大輔「おーい、ユーノ!!」
なのは「ユーノ君、何処~!?」
大輔達は辺りを見回しながら叫ぶが、返事は帰ってこない。
アリシア「ユーノ…何処に行っちゃったんだろうね?」
フェイト「反応はここのはずなんだけど…」
フェイトがD-3を見つめながら呟いた。
ガサ…ッ
全員【!?】
茂みから聞こえた音に全員が身構える。
しかし茂みから現れたのはユーノとウィザーモンだった。
ユーノ「み、皆…」
なのは「ユーノ君!!」
半年ぶりの仲間との再会に全員が笑みを浮かべた。
大輔「どうしたユーノ?その怪我は?」
大輔がユーノの怪我を見て心配そうに言う。
ユーノ「新たな敵にやられました…」
大輔「新たな敵…?」
ユーノ「名前は…ヴァンデモンです…」
大輔「ヴァンデモン!?」
ユーノ「それだけじゃないんです…他にもいたんです。選ばれし子供が!!」
全員【!?】
ユーノの言葉に全員が目を見開いた。
フェイト「どこにいるの!!?」
ユーノ「…ミッドチルダ……」
アリサ「ミッドチルダ?」
すずか「聞いたことない…」
魔法関係者ではないアリサとすずかは首を傾げる。
大輔「ミッドチルダか…」
フェイト「まずいね…」
大輔とフェイトが焦りの表情を浮かべる。
もし時空管理局にデジモンの存在が知られたら…。
大輔「これは…急いでミッドチルダに行く方法を考えないとな…」
なのは「でもお母さん達が…」
大輔「それなんだよ!!どうやって桃子さん達に心配かけないようにミッドチルダに行くか…流石に薪を拾いに行って数日も帰ってこなかったら心配する。いざとなったらなのは達を置いて俺達だけで…」
賢「それについては後で考えよう。ユーノ、他に何か情報は?」
ユーノ「後は…紋章の名称です」
アリシア「名称…?」
ユーノ「大輔さんは“奇跡の紋章”、賢さんは“優しさの紋章”、フェイトは“運命の紋章”、なのはは“絆の紋章”、はやては“闇の紋章”、アリサは“情熱の紋章”、すずかは“凛然の紋章”、アリシアは“純粋の紋章”、ルカは“未来の紋章”、そして僕が“信頼の紋章”です。そして残る紋章が“自由の紋章”と“正義の紋章”…最後の“願望の紋章”はヴァンデモンが持っています」
大輔「残りの紋章の3つのうち1つはヴァンデモンの手に…」
ブイモン[かなり最悪な状況だな。自由と正義の紋章は行方不明。願望の紋章は敵が持ってる]
ユーノ「……」
大輔「取り敢えず、今日は此処で野宿しよう。皆疲れたろ?」
なのは「うん…」
大輔達は疲れた身体を癒すために此処で野宿をすることになった。
子供達が眠っている時、ユーノとなのはが少し離れた場所で会話していた。
なのは「ミッドチルダか…」
ユーノ「ミッドチルダに行けるのは多分、大輔さんや賢さん。フェイトにアリシア、ルカ。そして僕の6人だと思う。なのはは元の世界に戻るんだ」
なのは「そんな…!!」
ユーノ「仕方ないよ。こればかりは…」
なのは「でも…大輔さん達が危ない所に行くのに私達だけ安全な所に…」
ユーノ「大丈夫。僕の紋章は信頼。だからなのは、僕を信じてよ。なのはの紋章は絆だよ。なのはの絆は世界が違うくらいで無くなっちゃう物なの?」
なのは「そんなことない!!」
ユーノ「でしょ?だから…信じて」
なのは「…うん」
ふと空を見上げると月が赤かった。
ユーノ「赤い月…」
なのは「何か不吉だね…」
ガブモンX[っ、あれは!?]
ツカイモン[デビドラモン!!まさか!?]
デビドラモンは馬車を引いていた。
馬車の中から棺が落とされる。
その棺から出てきたのは1体のデジモン。
大輔達は一斉に起き上がり、身構える。
ヴァンデモン[選ばれし子供達よ。お前達の旅もここで終わりだ。ナイトレイド!!]
ヴァンデモンは妖しく笑うと同時に技を放った。
ウィザーモン[サンダークラウド!!]
ヴァンデモン[また貴様か]
ウィザーモン[ヴァンデモン、お前の好きにはさせない!!]
プロットモン[アリシア、下がって!!プロットモン進化!ダルクモン!!]
プロットモンがダルクモンへと進化し、双剣を向ける。
ヴァンデモン[ふん。聖なる力を持つ者か。だが甘いな!!]
ブイモン[ぐわっ!?]
ワームモン[ぐっ!!]
フレイモン「うあっ!!」
ガブモンX[うわあああっ!!]
大輔「ブイモン!!」
賢「ワームモン!!」
ルカ「フレイモン!!」
なのは「ガブモン!!」
超進化しようとしたブイモン達を鞭で弾き飛ばし、更にチビモン達も吹き飛ばされる。
ヴァンデモン[次はお前達だ!!]
次にヴァンデモンは大輔達を吹き飛ばす。
全員が地面に叩きつけられる。
ヴァンデモン[暗黒の種は…そこか…]
ヴァンデモンは倒れ伏している賢の元に向かう。
ダルクモン[させない!!ラ・ピュセル!!]
ダルクモンが双剣でヴァンデモンに切り掛かるが、ヴァンデモンは鞭でダルクモンの腕を搦め捕ると投げ飛ばした。
ウィザーモン[マジックゲーム!!]
ヴァンデモン[ブラッディストリーム!!]
ウィザーモンが放ったカードが弾かれ、鞭がウィザーモンに直撃する。
ウィザーモン[ぐっ!!]
吹き飛ばされたウィザーモンは岩に叩きつけられる。
ヴァンデモンは賢の首筋に手を伸ばす。
賢「ぐあああああああああ!!!!」
ヴァンデモンが首筋に触れた途端、首筋からどす黒いエネルギーが溢れ出る。
ダルクモン[止めなさい!!]
ダルクモンが双剣を横薙ぎする。
ヴァンデモンは軽く跳躍して斬撃を回避した。
ヴァンデモン[ふん。手に入れられたのは欠片だけか、まあいい]
ヴァンデモンは種の欠片を飲み込んだ。
飲み込んだ瞬間、ヴァンデモンからとてつもない力が放たれた。
ヴァンデモン[ふう…欠片とは言え目当ての物は手に入った。もうお前達に用はない。消えろ!!]
ダルクモン[くっ!!バテーム・デ・アムール!!]
ダルクモンが双剣を構えて切り掛かる。
しかし、黒い膜に攻撃を阻まれ、逆に剣が砕け散った。
ダルクモン[なっ!?]
ヴァンデモン[ふ…]
ヴァンデモンは笑みを浮かべると鞭でダルクモンを貫いた。
ダルクモン[がは…っ!!]
ユーノ「あ…」
アリシア「ダルクモーーーーン!!!!!!」
身体を貫かれたダルクモンを見て絶叫するアリシア。
ダルクモンはそのまま地面に落下する。
アリシアは必死に落下していくダルクモンの元へ駆ける。
アリシア「ダルクモン!!ダルクモーーーン!!!!」
アリシアのD-3のディスプレイに純粋の紋章が浮かび上がり、ダルクモンとアリシアを光が包み込んだ。
光はダルクモンの傷を瞬時に癒した。
アリシア「ダルクモン…大丈夫…?」
ダルクモン[ええ…あなたの純粋な心が傷を癒してくれたようです…]
アリシア「良かった…」
ダルクモン[アリシア、あなたの純粋な心が新たな力を生み出しました。行きましょう]
アリシア「うん!!」
アリシアはD-3を握り締めると高らかに叫んだ。
アリシア「ユニゾンエボリューション!!」
アリシアとダルクモンが一体化し、新たな姿へと進化する。
ダルクモン[ダルクモン超進化!エンジェウーモン!!]
美しい女性の姿をした完全体の大天使型デジモン。
性格は至って穏やかだが、曲がったことや悪は許しておけず、相手が改心するまで攻撃の手を緩めることはない。
その精神とパワーから、デジタルワールドの女神的存在と言われているエンジェウーモンへと進化した。
ウィザーモン[あれが…]
ユーノ「ダルクモンの完全体か…ウィザーモン」
微かに光を放つD-3を握り締めながらウィザーモンの方を向くユーノ。
ウィザーモン[どうした?]
ユーノ「君は僕を信頼してくれるかい?」
ウィザーモン[何を今更…君のことは初めて会った時から信じているよ]
ウィザーモンの言葉を受けてD-3から更に光が溢れる。
ユーノ「なら僕も君の信頼に応えないとね…」
D-3から強烈な光が放たれた。
ユーノとウィザーモンが光に包まれる。
ユーノ「ユニゾンエボリューション!!」
ユーノとウィザーモンが一体化し、新たな姿へと進化する。
ウィザーモン[ウィザーモン超進化!ミスティモン!!]
ウィザーモンは別次元のデジタルワールド“ウィッチェルニー”から来た者と思われる完全体の魔法戦士型デジモン。
騎士道と魔法道に精通しているミスティモンへと進化した。
エンジェウーモンとミスティモンがヴァンデモンの前に立ちはだかる。
ヴァンデモン[純粋と信頼の紋章が輝いたか…だがその程度では私を倒すことは出来ん。]
ヴァンデモンは再び、電撃の鞭を具現化しようとするが。
空に空間の裂け目が現れた。
大輔「ん?」
上を見上げると裂け目から自分達と同い年くらいの少年と少女達。
そしてミノモンと蒼い絹のようなマフラーを巻いたブイモンとが落ちて、地面に落下した。
エリオ「う…ん…」
フェイト「えっと…」
チビモン[大丈夫?]
キャロ「…チビモン?あ、あれ…お父さんとお母さんが小さい…」
大輔「…お父さんお母さん?」
ダスクモン[一体、何者だ]
アリサ「いや、あんたも誰よ!!?」
いきなり現れたダスクモンのことを知らないアリサが叫ぶ。
エリオ「ダスクモン?あ、あの…今、現実世界で…何年ですか?」
はやて「へ?…20○○年…やけど…」
ルーテシア「20○○年…ですか!!?師匠達も小さいし…」
ルーテシアが驚愕したように目を見開いた。
エリオ「(ま、まさか…デジタルゲートの不調で…過去に来ちゃったのか?)」
つまりここにいるのは過去の養父達なわけだ。
ヴァンデモン[雑魚が増えたところで無駄だ!!]
キャロ「エア!!デジメンタルアップ!!」
エア[ブイモンアーマー進化!轟く友情!ライドラモン!!]
大輔「友情のデジメンタル!!?」
自分しか持っていないはずの友情のデジメンタルを持つ少女に大輔は驚きを隠せない。
ルーテシア「私達も行くよ!!デジメンタルアップ!!」
グランス[ワームモンアーマー進化!真夏の優しさ!プッチーモン!!]
賢「優しさのデジメンタル…」
優しさのデジメンタルを持つ少女に目を見開く賢。
エリオ「ダスクモン」
ダスクモン[?]
エリオ「僕に力を貸してくれないかな?」
エリオの強い目にダスクモンはどこか不思議な何かを感じた。
何処かエリオの目には大輔と似たような何かがあったからだ。
ダスクモン[いいだろう]
大輔「ダスクモン!!?」
プライドの高いダスクモンがすんなり受け入れるとは思わなかったのだ。
ライドラモンエア[ブルーサンダー!!]
プッチーモングランス[ハートナービーム!!]
大輔のブイモンがアーマー進化したライドラモンより強力な雷撃、プッチーモングランスから放たれたビームがヴァンデモンに向けて放たれる。
ヴァンデモン[温い!!その程度で私に勝てると思うな!!]
ダスクモン[ならば次は俺が相手だ]
ヴァンデモン[貴様は…闇の十闘士か。闇のスピリットを核として、フォービドゥンデータ、と自然淘汰されたデジモンの無念が凝固し、受肉して生まれたようだな。]
賢「スピリット…だと?」
フレイモン[スピリットってのはデジタルワールド古代期に史上初めての“究極体”として出現した十闘士の遺産だ。ダスクモンがそうならダスクモンはエンシェントスフィンクスモンの継承者になるな]
ルカ「何でフレイモンがそれを…」
フレイモン[俺もダスクモンと同じだ。炎のスピリットに炎属性のデジモンのデータが凝固して受肉して生まれた存在。俺はグレイモン系の始祖、エンシェントグレイモンの力の継承者だ。]
初めて知るフレイモンとダスクモンの正体に目を見開く大輔達。
ダスクモン、ライドラモンエア、エンジェウーモンとミスティモンが構えた。
ヴァンデモンも再び、電撃の鞭を具現化しようとするが。
ヴァンデモン[…夜明けか…ここは退くとしよう。運が良かったな子供達よ]
ヴァンデモンは馬車に乗り込み、去って行った。
大輔達も痛む身体を無理矢理動かす。
新たな選ばれし子供の出現、フレイモンとダスクモンの正体。
そして紋章、ミッドチルダの選ばれし子供達。
今日は目まぐるしい一日であった。
おまけ~大輔×アインスⅡ~
大輔とリインフォースが一つの部屋でまったりした。
勿論、部屋の中を散々探し回った後でだが。
盗聴していたことがリインの言葉で発覚したものの、賢とはやてはあの手この手で逃走し、時にはパートナーをぶつけたりして逃走したりした。
こいつらは目的のためならば手段は選ばないタイプだと大輔とリインフォースに思い知らせるのには充分だった。
大輔「それにしてもリインに叔父呼ばわりされたのには驚いたな」
リインに“叔父”と呼ばれたことに大輔は驚いていた。
リインフォース「そうだね。あの子にとってあなたはもう家族の一員なんだと思う。」
大輔「まあ、有り得ない話でもないよな。俺とお前が結婚すれば」
リインフォース「け、結婚………」
結婚という単語にリインフォースは思わず顔を真っ赤にしてしまう。
普段は冷静なリインフォースもこういう時は初な女の子である。
こういうリインフォースの一面を自分しか知らないと言うのは気分がいい。
大輔「なあ、アインス。」
リインフォース「え?な、何?」
大輔「俺、お前のこと好きだ」
リインフォース「い、いきなり何を言うの…!!?」
大輔「いつも凛としてるアインスもこういう風に恥ずかしがり屋なアインスも…楽しそうに笑っているアインスもな…いいとこも悪いとこも含めて…」
リインフォース「大輔……」
大輔「これからも一緒にいてくれよ?」
リインフォース「ふふ…勿論。例えどれだけの年月が過ぎても、私のあなたを想う気持ちは変わらない」
頬を淡く赤らめながら微笑むリインフォースはとても美しかった。
リインフォース「ところで大輔、夕食は何が食べたい?今夜はあなたの父親も母親も姉もいないんでしょう?私が作った物でよかったら作るけど?」
大輔「マジで?じゃあシチューがいい」
リインフォース「シチュー?分かった」
リインフォースはキッチンに向かうと調理を開始する。
大輔は自室で…。
大輔「(何か新婚ぽいな…)」
笑みを浮かべながら立ち上がり、キッチンに向かう。
そしてキッチンに向かうとキッチンに立つリインフォースの後ろ姿を大輔は緩んだ表情で見つめていた。
エプロン姿が可愛いと思っていると不意にリインフォースが小皿にシチューを少量注いで持って来る。
リインフォース「大輔、ちょっと味見をしてくれないかな?味付けはおかしくないかな?」
大輔「ん……大丈夫。凄く美味いよ」
リインフォース「そ、そうか!!良かった…まだ主には遠く及ばないが…」
大輔「いや、そもそも基準にする人間違ってるぞ、それ…はやては一流料理人クラスだぞ?というか、シャマルと料理対決したら100%…いや1000%勝てるな」
リインフォース「アレに負けたらそれこそ終わりだ…それに……あなたのために一生懸命頑張って作ったんだから…」
頬を赤らめながら言うリインフォースに大輔も思わず顔を赤らめる。
大輔「(その顔は…反則だろう…)」
リインフォースは皿にシチューを盛り、テーブルに置いた。
リインフォース「さあ、早くこっちに来て、温かいうちに一緒に食べよう?」
リインフォースが大輔に笑みを浮かべながら言う。
大輔「ああ、頂きます」
リインフォース「召し上がれ♪」
大輔は席に着くとシチューを食べ始める。
それをリインフォースは幸せそうに見守る。
大輔「ご馳走様」
リインフォース「お粗末様でした」
リインフォースお手製のシチューを平らげた大輔は手を合わせながら言う。
リインフォースも美味しそうに食べてくれた大輔に笑みを浮かべながら言う。
大輔「アインス、片付け手伝うよ。」
リインフォース「ありがとう。では二人で終わらせてしまおう」
二人は流し台に立ち、皿を洗い始めた。
大輔「…アインス」
リインフォース「何?」
大輔「俺のこと好きになってくれてありがとな…これからも俺の傍にいてくれ…」
リインフォース「大輔…」
大輔の言葉に感極まったリインフォースは大輔に抱き着いた。
リインフォース「ありがとう大輔…私はあなたと一緒にいたい…あなたと一緒に生きたい…」
大輔「ああ、ずっと一緒だ。」
大輔はリインフォースの髪を撫でながら言うのだった。
フェイト「ねえ、ルカ。熱々の恋人の生木を引き裂く装置とか作れないかな?」
アリサ「いくらでも支援するわよ」
アリシア「私も!!」
ルカ「あなた方は何物騒なこと言ってんですか…」
スバル「あ…あははは……」
後書き
エリオ、キャロ、ルーテシア参戦。
エリオはダスクモン
キャロはブイモン・エアがパートナー。
ルーテシアはワームモン・グランスがパートナー
ダスクモンの進化経路
ダスクモン(究極体下位)⇔レーベモン(究極体下位)→ベルグモン(究極体中位)⇔カイザーレオモン(究極体中位)→ライヒモン(究極体上位)
ブルートエボルツィオンで吸収したエネルギーは全進化形態に反映されるため、やり方次第では反則的な強さになる可能性大。
ブイモン・エア
ブイモン→エクスブイモン・エア
勇気のデジメンタル→フレイドラモン(オーバードライブ可能)
友情のデジメンタル→ライドラモン(オーバードライブ可能)
キャロのブイモン・エアのオーバードライブは技術の進歩で長時間の使用が可能。
ブイモンのような一撃の瞬間的なエネルギー爆発戦法が苦手なため。
因みにエアとは空を意味する。
ワームモン・グランス
ワームモン→スティングモン→ディノービーモン(擬似ジョグレス)
優しさのデジメンタル→プッチーモン。
ブイモン・エアとワームモン・グランスはジョグレス可能。
二人は大輔と賢とは正反対のジョグレス進化をする。
エクスブイモン&スティングモン=ディノビーモン→ブラックインペリアルドラモン
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