転生とらぶる
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マブラヴ
0900話
「んー……あ?」
いつも通りに目が覚めたのだが、見覚えの無い光景が視界の中に広がっていた。
そのまま周囲を見回し、いつものようにレモン達が同じベッドで眠っているのを見ながら、改めて周囲を見回す。
どことなく南国風と表現するべき光景が目に入ってくる。
間違いなくここはホワイトスターにある俺の家ではない。あの家の寝室はこんなに南国風な……南国風?
そこまで考え、思い出す。そうだった。俺達はマブラヴ世界の西インド諸島にあるグアドループ基地に来ていたんだった。
一応きちんとした基地もあり、そこで部屋を取ってもいいという話だったんだが、折角バカンスに来たんだし……という事で、他のメンバーが泊まったのよりも大きめの――キングサイズのベッドがある――ログハウスっぽい部屋を用意して貰ったのだ。
で、バカンスという事もあっていつもよりも充実した夜を過ごして眠りについた訳だ。
そんな風に考えていると、不意にノックの音が聞こえてくる。
ちなみにこの部屋の構造はリビングと寝室、シャワールーム、トイレの4つだけしかない。
まぁ、そもそも不便なのが嫌なら最初から用意された部屋に泊まっておけば良かっただけなんだから、別に文句は無いが。
そんな風に考えながら、ムウでも来たんだろうと判断してズボンだけを履いて扉へと向かう。
その際にシェリルが色っぽい声を上げて何か寝言を言っていたが……取りあえず今は聞き流して扉を開く。
そこにいたのは俺の予想通りムウ……ではなく、何故か顔を赤く染めている恭子と、そのお付きの斯衛数名だった。
何だかいつもは生真面目な表情を崩さない斯衛の方も、薄らと頬を赤くしている。
ちなみにだが、恭子達が泊まったのは俺達が泊まっているこの部屋の隣に建っている部屋だ。
最初は日本では武家の頂点に立つ五摂家の令嬢なのだから、是非基地で用意した部屋に泊まって欲しいとここのお偉いさんが言ってきたんだが……自分はあくまでも日本帝国の人間であり、国連軍ではないという理由からそれを固辞したらしい。
それで向こうがせめてものと用意したのが、俺達の隣に建っている部屋……というか、小屋? それだとちょっと人聞きが悪いからやっぱりログハウスっぽい建物と表現すべきか。ともかく、それだった。
恭子……より正確にはその護衛を務めている斯衛にしても、俺達と恭子が近くにいるのは護衛がしやすいという事で、そうなった訳だ。
ちなみに護衛云々というのは、俺達があくまでも恭子の……より正確には日本帝国の客人という扱いになっているかららしい。
夕呼の招待で来たんだけど、その辺は色々と複雑な政治的なやり取りがあったんだろう。
ともあれ真ん中に俺達が泊まった部屋があって、その右隣に恭子達、そして左隣が夕呼達という部屋割りになっている。
「どうしたんだ? こんなに朝早く……って程、早いわけじゃないが」
部屋にある時計に視線を向けると、そこに表示されているのはAM:7:49分。早いというよりは、寧ろ少し遅いと表現すべき時間だ。
「え、ええ。その……朝食をどうするのかと思って聞きに来たんですけど……やっぱりまだ眠っていたようですね」
チラリとこちらを見て……ああ、なるほど。顔を赤くしているのは上半身が裸だからか? けど、その辺に関しては昨日の海で十分過ぎる程見てると思うんだが。
そんな風に思ったのだが、ちょっと違ったらしい。
「そうだな、レモン達はもう少し寝かせておいてやりたいな」
「そ、それはそうですよね。昨日の夜もあんなに……」
「恭子様」
何かを言いかけた恭子が、斯衛に小さく囁かれて顔を真っ赤にしながら俯く。
……何だ?
「何かあったのか?」
「あの、いえ、その……」
何故か口籠もるその様子に、余計に首を傾げる。
だが、そのままじっと恭子の方へと視線を向けていると、やがて観念したかのように顔を真っ赤に染めながら口を開く。
「その、ですね。実はこの部屋は防音の類は殆ど考えられていなくて……」
「防音?」
「ええ。ですから、普通に話しているだけならまだいいんですが。大きな声を上げると、その」
「つまり、昨夜のあんた達のお楽しみの声が聞こえてきたって事よ」
そう言いながら姿を現したのは、夕呼。水着の上から白衣という、見る人が見たら喜びそうな格好をしていた。
護衛の神宮司とかいう女も頬を赤く染めながらこちらを見ている。
ちなみにこちらはきちんと国連軍の軍服だ。
「あー……なるほど」
ともあれ、夕呼の声でようやく恭子の頬が真っ赤に染まっている理由が判明した。
確かに昨日はバカンスという理由もあって色々と頑張ったのは事実だ。その声も当然大きくなった訳で……
「いや、悪い」
頬を染めながら告げてくる恭子に向かって、小さく頭を下げる。
「いえ。……ただ、その、今度からはその辺をもう少し気をつけて貰えると」
「……どうしたんですか?」
そんな風な俺達を見て、社が首を傾げている。
ESPを使ってはいないらしいし、その辺に関してはあまり詳しくないらしい。
「ま、社は疲れてたから昨日早く寝たしね。それよりも朝食はどうするの? あたしお腹減ったんだけど。それに出来ればアクセルが持っている美味しい朝食を食べさせてくれると嬉しいわね。昨夜の安眠妨害の慰謝料も含めて」
「分かった。レモン達を起こしてくるから……」
そう言った、その時。寝室へと続く扉が開いてコーネリアが姿を現す。
「さっきからうるさいが……何の騒ぎだ? もう少しゆっくり眠らせてくれ」
寝起き特有の気怠げな雰囲気。それはいいのだが、一糸纏わぬ姿で寝ていたベッドから起きてきたばかりなので、カーディガンのようなものを身につけてはいるが、色々と見えてはいけないところが見えそうになっている。
せめてもの救いは、この場にいる俺以外の全員が女であった事だろうか。
「コーネリア、少しは格好を考えて出てきてくれないか?」
「ん? ああ、そう言えばここはホワイトスターではなく……少し待て」
呟き、寝室へと戻っていくコーネリア。
周囲にいるのが全員女で、更に皇族で軍人という出自が関係しているのだろう。特に恥ずかしがるような様子も見せずに寝室へと戻っていく。
「ほら、レモン、マリュー、スレイ、シェリル。そろそろ朝食の時間らしいぞ。起きるんだ」
確かにここからだとはっきり声が聞こえてくる。
けど、まさか外にまで声が筒抜けになっていたとは予想外だった。
何しろ、この部屋は一応VIPルーム的な扱いになっている筈なのだから。
……まぁ、バカンスに来る以上はその辺を気にしない者が多いからこそだろうが。
「それにしても、一晩に1人ずつ相手をするんじゃなくて全員の相手をするなんて……アクセルの体力ってどうなっているのかしら? 1度解剖して中を見てみたいわね」
ニヤニヤとした笑みを浮かべる夕呼に、その言葉を聞き更に頬を赤く染める恭子や斯衛。それと夕呼の護衛の神宮司。
完全に面白がっているな。
なら……
「解剖はさすがに遠慮させて欲しいが、その体力を味わうというのなら協力してもいいが?」
「……あのねぇ。あたしはあんたみたいな体力馬鹿に付き合ってられないわよ。人類の至宝を壊すつもり?」
溜息を吐きながらそう呟く夕呼。
そこから、レモン達の準備が整うまで色々と際どい会話を続ける事になり、社以外の面々の頬を真っ赤に染める事になるのだった。
「今日はこれからどうするか決めているのか?」
朝食が終わり、女は皆揃ってどこかに出掛けていった。
恐らく買い物や何かなんだろう。……ここにどういった物が売っているのかは分からないが。
何だかんだで恭子も含めて意気投合している辺り、ここに来て正解だったよな。
生真面目な筈の斯衛ですらも、微妙に楽しそうにしていたし。
そうして、結局この場に残っているのは男連中だけとなっていた。
ステラや社まで連れていったんだから、徹底している。
そんな訳で朝食を食べた場所に残っているのは、俺、ムウ、スティング、アウル。……ん?
「ムラタはどうした?」
ふと気がつけば、先程までここで食事をしていたムラタの姿がない。
「ムラタのおっさんなら、腹ごなしするって言って刀持って出ていったけど?」
そう答えたのはアウルだが、危険人物として国連軍の奴等と騒動を起こさないだろうな? 一応シャドウミラーのメンバーとして登録してあるから大丈夫だと思うけど。
「それにしても、一気にガランとしたよな」
「まぁ、それはしょうがないって。何だかんだ言って、俺等の面子だと女の比率が高いんだし。ギルフォードとレオンの2人もいないだけに余計にな」
俺の言葉にムウが肩を竦めながらそう告げてくる。
そうなんだよな、実際シャドウミラーってのは何気に男の数がそれ程多くはない。
いや、一応量産型Wは性別で言えば男なんだが。
そんな風に思っていると、トロピカルジュースを飲んでいたイザークが呆れたように口を開く。
「それというのも、アクセルが女ばかり引き入れているからだろう」
「別に意識してそうしている訳じゃないんだけどな。それに、女の方が多いってのはイザークとしても嬉しいんじゃないか?」
「何? 何でそこで俺の名前が出てくる?」
「お前もそろそろ20代なんだから、エザリアにばかり構ってないで恋人くらい作ってみたらどうだって話だよ」
貴様ぁっ! ……頭に血が上ってそう叫ぶとばかり思っていたのだが、何故かイザークの口から怒声は聞こえてこない。
不思議に持ってイザークの方へと視線を向けると、そこには何かを考えているイザークの姿があった。
「確かに母上に心配ばかり掛ける訳には……けど、恋人? 俺がか? ……想像出来ん」
何故か予想外に恋人という単語に考え込んでいるイザークの姿が。
それなりに興味があるのか?
「恋人って言えば……お前さん達はどうなんだよ? もう17歳とか18歳だ。その辺にも当然興味はあるんだろ?」
「なっ、ム、ムウのおっさん、いきなり何を言うんだよ!」
「おっさんじゃない」
アウルに対して即座に言い返すムウ。
だが、すぐにその顔には笑みが浮かぶ。
それも、ネズミをいたぶる猫の如き笑みが。
「へぇー……どうやらアウルには意中の相手がいそうだな。どれどれ、ほら、ちょっとお兄さんに話してみなさい。経験豊富な俺がアドバイスしてやるから」
「な、何を馬鹿な事を言ってるんだよ。そんな相手はいないって!」
「そんな見え見えに慌てちゃあ、態度でいると言ってるようなもんだぜ? PTの操縦に関してもその辺の荒さが出てるんだよな」
「なっ、なんでPTの操縦がここに関わってくるんだよ! 大体だな、もし本当にその手の相談をするんなら自称経験豊富なムウじゃなくて、本当の意味で経験豊富なアクセルに相談するに決まってるだろ!」
こっちに跳んできた。
「……いやまぁ、うん。確かに女関係って意味じゃアクセルには勝てないよな」
「だろうなぁ。普段見る限りだといつの間にかさらっと女を引っかけてるし」
ムウの言葉にスティングが頷きを返すが、そこで俺が引っ張り出されるのはどうなんだ。
いやまぁ、女好きと言われても既に否定出来ない状況にあるのは事実なんだが。
「取りあえず俺の場合はノーコメントで。ただ恋愛沙汰だと色々と面倒な事が起きやすいから、その辺は注意してくれとだけ言っとくよ」
「……既に遅いっての」
俺の言葉にアウルの呟く声が聞こえたが……何か面倒な事態になっているのか?
もしかしてシンの妹のマユが相手とか? あるいは今はジュール家で義妹となったステラか?
そんな風に全員の注目を浴びたのが照れくさかったのか、アウルは不機嫌そうに鼻を鳴らし、付き合ってられないといった風に去って行く。
「なぁ、どう思う?」
「さて、どうなんだろうな」
アウルの後ろ姿を見送りながら言葉を交わす、ムウと俺。
「シャドウミラーとして活動している以上は……いや、待て。別にシャドウミラーのメンバーに限定する必要はないのか。特にアウルはオーブの学校に行ってたんだし」
「……なるほど。さすがアクセル、女の事に関しては鋭いな」
「褒め言葉か、それ?」
「さて、どうだろうな」
そんなやり取りを交わした後で、大いに頭を悩ませる。
実際問題、アウルの学校での交友関係なんて全く知らない以上は意味が無かったんだが。
「スティング、心当たりは?」
「うーん、どうだろうな。アウルの奴、学校でも基本的に俺達と一緒だったし」
「俺達ってのは?」
「俺、ステラ、シン、レイ、後はシンの妹のマユ」
基本的には顔見知りだけで纏まっていた訳か。
となると、やっぱり学校の線はいなのか?
「イザーク、心当たりは?」
「知らん。そもそもお前にしろ、ムウにしろ、性格が軽すぎるんだ」
「え? 俺もかよ? 俺は別にアクセルみたいにハーレム作ってたりしてないぞ?」
「……まぁ、その辺はノーコメントで。じゃあ、スティングに気になる相手はいないのか?」
「うーん、どうだろうな。いるような、いないような……微妙な感じ?」
折角にリゾート地までやってきたというのに、何故か俺達は野郎同士の恋愛話をして過ごす事になる。
こうして、アンバールハイヴ攻略の前に訪れた最後の一時は過ぎていくのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1120
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