転生とらぶる
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マブラヴ
0899話
一面に広がる海の色は、まさにマリンブルー。
ここだけを見ると、BETAによる襲撃が起きている世界だとはとても思えない光景。
まさに南国リゾートと言えばこれといった光景の中に、俺達は存在していた。
マブラヴ世界の、西インド諸島にあるグアドループ基地。
国連軍の避暑地とも呼べるそこに何故いるのかと言えば、例によって夕呼からの通信でシャドウミラーの面々を誘ってきた為だ。
何でもオルタネイティヴ4の研究が最終段階に入ったので、その前に骨休めって事らしい。
まぁ、花見の時みたいに全員集合という訳にはいかず、シャドウミラーのメンバーだけだが。
今回はエヴァも来ていない。やはり前回は京都の花見だったからこそ来たのだろう。
当然ネギパーティや俺の従者組といった面子も来ていないし、SEED世界のナタル達、ギアス世界の星刻達、マクロス世界のオズマ達も来ていない。
その代わりと言っては何だが……
「ふぅ、日本の暑さとは随分と違いますね。それでもこのような光景を見ると、心が浮き立ちませんか?」
そう呟いたのは、俺の隣に進んできた恭子。
しかもいつもの服装ではなく、身につけているのはセパレーツ型の水着だ。
「崇宰家の令嬢が、そんな格好でいてもいいのか?」
「どこかおかしいですか? 海に来たんですから、水着になってもおかしくはないと思うんですけど」
いやまぁ、確かに戦術機のパイロットスーツに比べれば、寧ろ艶っぽさは減っているとも思えるが……それでも恭子を今日ここに送り出した者は色々と理解しているらしく、護衛としてついてきた斯衛は全員が全員女の斯衛だ。
そして……
「ねーえ、アクセル。オイル塗ってよ、オイル」
砂浜にビーチチェアを置き、そこに寝転がって俺を呼んでいる夕呼。
何と言うか、それは水着じゃなくて紐だろうとでも言いたくなるような、際どい露出の水着を着ている。
その隣では、こちらは護衛なのだろうが夕呼に着せられたのだろう。似たような派手な露出の水着を着た女。……確かA-01連隊との模擬戦の時にいた、神宮司とかいったか? その女が恥ずかしそうに頬を染めている。
勿論他にも護衛の兵はそれなりに来ているのだが、周囲に散らばってこっちの視界に入らないようにしている。
まぁ、そもそもここは国連軍の基地だし、何よりも花見の時と同じく俺達がいるって時点でこの世界のどこよりも安全なんだけどな。
「ちょっと、夕呼。私の恋人を取らないでちょうだい。オイルを塗るなら、普通は恋人からでしょ」
こちらもまた露出の派手な黄色のビキニを身につけたレモンが、夕呼の隣に設置されているビーチチェアに寝転がりながら飲んでいたトロピカルジュースを、砂浜の上に置かれているテーブルに戻しながらそう告げる。
スレイとコーネリアは海を泳いでいるし、マリューはステラと一緒に砂の中へとアウルを埋めている。
ちなみにギルフォードはギアス世界の方でグラストンナイツに用事があるとかでここには来ていないし、レオンとその部下もアンバールハイヴ攻略作戦の件で色々と調整があるらしくホワイトスターに居残り、ムウの家に預けられているレイも最初は来る筈だったが、シンとの約束があるとかでキャンセルになった。
「おい、こらステラ! マリューも! 止めろ、この! おいって、マジでやめろって!」
「どうして? 蟹さんだよ?」
叫ぶアウルの前にカニを置くステラ。
そのカニはゆっくりと身動き出来ないアウルの方へと、ハサミを動かしながら近づいていき……
「ステラーっ! お、お前、覚えておけよ!」
随分と仲がいい事で。
ちなみにスティングはと言えば、アイスを食べながらそんな光景を見守っている。
「イザーク、貴方も遊んできてもいいのよ?」
「そうですね。私が側にいては気になって母上も日頃の疲れを癒やせないでしょうから、少し遊んできます」
……今更だが、エザリアは本当にイザークを産んだのか?
あのスタイルや、レモン達程じゃないがそれなりに露出の多い派手な水着を見ていると、とても1児の母……養子も入れれば4児の母とは思えないんだよな。
実際、俺達以外でもこのグアドループにいる国連軍の兵士達が目を奪われているシャドウミラーの華ともいえる面々の中には、当然ながらエザリアの姿も入っている。
「いやいや。本当に嬉しい景色だね。そう思わないか、アクセル。何だかんだ言ってシャドウミラーにいる面子で海に来るなんて事は、今まで1回も無かったからな」
嬉しそうに俺の肩を叩きながらムウがそう告げてきた。
ムウの顔にはこれ以上無い程の笑顔が浮かんでいるが……
「ナタルに報告が行かないといいけどな」
その一言でピシリと固まる。
まるでメデューサによって石化されたかの如く。
もっともその石化はすぐに解け、ギギギっと俺の方へと視線を向けてきたのだが。
「おいおい、これはあくまでもシャドウミラー内での交流を目的とした集まりだろ? なら当然シャドウミラーのメンバーに視線が向けられるのは自然な成り行きだと思うけどな」
「あら、では私達は邪魔でしたか?」
恭子の言葉に、慌ててムウが首を横に振る。
「いやいや、そんな事はないって。この世界の重要人物との関係を深めておくのも重要だから」
慌てて言い募るムウに、恭子の周囲にいる女近衛兵達の視線が向けられる。
そんな様子を眺めていると……
「アクセルさん」
興味深そうに砂浜を歩き回っていた社がこっちへと向かって早歩きで進んでくる。
その水着は、いわゆるスク水と言われる紺の水着で、胸の所には『やしろ』と書かれたゼッケンが貼られている。
一瞬誰の趣味なのかと思ったが、少し考えればそれが誰の趣味なのかは明らかだった。
ビーチチェアで護衛の女をからかっている夕呼以外の誰でもないだろう。
そんな社は、水着姿にも関わらずいつものようにウサギの耳飾りを付けている。
あれって防水なのか?
そんな風に思いながら、こっちに近づいてきた社へと声を掛ける。
「どうした?」
「これ、何だかゴワゴワします」
「……ゴワゴワ?」
社の手に握られているのは貝殻。恐らくは砂浜に打ち上げられていた物だろう。
それを耳に――ウサギじゃなくて自前の――当てて目を瞑る。
ああ、なるほど。よく貝殻を耳に当てると波の音が聞こえるとか言うけど、あれの事か。
「どうぞ」
そう言ってもう1つの貝殻、社が持っている白く細長い巻き貝を俺に手渡してくる。
「なんだ、俺にくれるのか?」
「はい。初めて海に来たお土産です」
いや、お土産を一緒に海に来た俺にやってどうする。そうも思ったが、折角くれるというのだから貰っておくか。
「悪いな」
「いえ。お裾分けです」
お土産じゃなかったのか。
そんな風に思いつつ、受け取った貝殻を耳に当てる。
波の音が聞こえるような、聞こえないような……そんな微妙な感じ。
「ふふっ」
社と2人で貝殻を耳に当てていると、不意にそんな笑みが聞こえてくる。
そちらへと振り向くと、恭子が笑みを浮かべて俺と社の方へと視線を向けていた。
ただし、その笑みは夕呼の浮かべるような意味ありげな笑みではなく、微笑ましいものを見るような笑み。
「どうした?」
「いえ。2人を見ていると、どこか親子のように見えたものですから」
「親子、ねぇ」
社の年齢は10歳程。となると、俺が10歳過ぎくらいに作った子供って事になる。
いや、今の俺が20代の外見をしているからこその考えだが。
10歳の姿になれば友達で、15歳になれば兄妹ってところか。
「へー。じゃあ私がアクセルの妻って事になるのかしら」
そんな風に爆弾発言をしたのは、この砂浜にいる男の視線の何割かを引きつけている夕呼だった。
夕呼の美貌にこれだけ露出の激しい水着を着ていれば、そうなっても不思議じゃないが。
「お前、あっちで寝てたんじゃなかったのか」
「ええそうよ。けど、誰かさんがオイルを塗りにきてくれないから、こうして呼びに来たの。そうしたら面白い話をしているじゃない」
小さく笑みを浮かべ、挑発するようにその肌を見せつける夕呼に、思わず小さく溜息を吐く。
「別にオイルを塗るんなら、俺じゃなくてもいいだろうに」
「あら、アクセルだからいいんじゃない。恭子様もそう思いませんか?」
「……その辺はノーコメントとさせて貰います」
薄らと頬を赤く染めた恭子の言葉に、夕呼は小さく首を横に振る。
「分かって貰えませんか、残念です」
「あのねぇ、夕呼。あんまり真面目な子をからかわないの」
そこに登場したのは、レモン。
夕呼を窘めるような事を口にしてはいるが、その手に持っている日焼け止めのオイルが全てを台無しにしている。
何だかここにいても、面白くない事態に巻き込まれるだけな気がしてきた。
「社、ちょっとここから脱出しないか?」
「……はい」
手に貝殻を持ちながら、社は俺の言葉に同意する。
そのまま何か会話している夕呼やレモン、恭子、あるいはそのお付きの女の斯衛をその場に残し、影のゲートを作って社と共にそのゲートへと沈み込んでいく。
「あ、ちょっ、こら、アクセル。あんたまだ私にオイル塗ってないでしょ! 大体、何だって社まで連れて行くのよ!」
そんな夕呼の声を聞きながら社と共に影のゲートへと沈み込み……砂浜から少し離れた場所の影から姿を現す。
「大丈夫だったか?」
影から出た後で社へとそう尋ねると、余程に今の体験が予想外だったのだろう。耳を激しくピョコピョコとさせながら小さく頷く。
「……びっくりしました」
「だろうな。ま、今のが影のゲートと呼ばれている転移魔法だ。ほら、向こうを見ろ」
視線の先は夕呼達の姿があり、つい先程まで俺達がいた場所が見える。
向こうからもこっちを見つけたのだろう。夕呼が指さしながら騒いでいるのを尻目に……ふと、海の中から何かが近づいてくるのを感じ取る。
まぁ、この世界なんだからジョーズとかモンスターとかそういうのじゃないだろうけど。
いや、いっそBETAだったりはするのか?
そんな風に思っていると、やがて海の水の中からゴツい体型の男……ムラタが姿を現す。
意外な事に、フンドシの類では無くきちんとした海パンを履いている。
その手にはモリが握られており、そのモリの先には70cmはあろうかという大きな魚の姿。
「む? アクセルか。見ろ、この魚を。随分な大物が取れたぞ」
「……そうだな」
予想以上に馴染んでいるな。
以前の花見には来なかったのに、海は存分に楽しんでいるらしい。
「ただ、その魚を食うのは止めた方がいい。基本的にこの世界の海産物は重金属で汚染されているしな。その辺の問題が無いのは、ハワイとかのAL弾頭の使用を禁じられている海域だけだ」
「……む、確かに以前その辺の話は聞いた覚えがあるな。なら、この魚はどうすればいい?」
「基地の人員に渡してくればいいんじゃないのか? 向こうで何とか処理してくれるだろうし。ちなみに夜にバーベキューをやる予定だが、その時に使う食材に関しては空間倉庫に入っているから、心配する必要はないぞ」
俺としても、出来れば海で取った海産物をその場で焼いて食べるバーベキューとかしてみたかったんだけどな。さすがに重金属汚染がされているとなれば、それを他の面子に食べさせる訳にはいかないだろう。
まぁ、俺の場合は問題はないかもしれないが、それでも進んで食べたいとは思わない。
「了解した。ではそうさせて貰おうか。……美味そうに見えたのだが」
ムラタにしては珍しく残念そうな表情を浮かべつつ、その場を去って行く。
「……お魚さん、死んでました」
その背を見送り、ポツリと呟く社。
色々と社には衝撃が強すぎたか?
「その辺はあまり気にするな。お前がいつも食べている食事だって……少なくても他の世界から輸入している食べ物は、多かれ少なかれ何らかの命を食べているんだからな」
「……はい」
俺の言葉をきちんと理解しているのか、いないのか。
いや、社はこう見えても頭の回転は早い。恐らく理解はしている筈だ……と思いたい。
「アクセルさん、あそこ、何かいます」
そう告げて指さしたのは、砂浜を歩いているカニの姿。
ステラがアウルにけしかけてたけど、それを見ていなかったのか?
「あれはカニだな」
「カニ、ですか」
トコトコと砂浜を横切っているカニの方へと向かって近づいていくのを追いながら、周囲を見回す。
コーネリアとスレイがまだ泳いでいるのが見えるが、汚染の方は大丈夫なんだろうな?
ムラタに関してもそうだが……まぁ、レモンやマリューがその辺を気にせずに好きに泳がせる筈がないから、恐らく何らかの対策はあるんだろうけど。
「アクセルさん、貝殻、また見つけました」
カニを追いかけていってまた見つけたのだろう。貝殻を手にこちらへと近寄ってくる。
そんな風に社を含めてこの場にいる面子と過ごしながら……この日は夜にはバーベキューをやり、そのままコテージに泊まって夜を過ごすのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1120
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