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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  0898話

「これは……ストライクダガー……では、ない?」

 恭子が視線の先にあるMSを見てそう呟く。

「確かにストライクダガーではないようだけど、それでもその系譜に連なる機体のようだが?」

 そうして崇継が恭子の横で興味深そうに笑みを浮かべつつ、恭子の言葉に続ける。
 それだけではない。当然の如く周囲には2人の護衛として10人近い斯衛がいるが、その全員が視線の先にあるMSに目を奪われていた。
 確かにストライクダガーと類似している部分は多いからな。特に飛鳥計画に参加している崇継であれば、その辺は当然見抜いてくるだろう。

「そうだ。あの機体はダガーL。厳密にはちょっと違うんだが、ストライクダガーの後継機と言ってもいい」

 ロゴス強硬派が使っていた機体だが、その後の調べでストライクダガーとダガーLの間には幾つかの機体があった事が判明している。
 故に、ダガーLはストライクダガーの後継機ではあるが、直接の後継機という訳ではない。

「……全く、2日前に連絡してきて基地に来る用意を調えろとか……正直なところ、普通はそんな真似を出来ないんだけど」
「ま、その辺はシャドウミラーの特権って奴だろう。そっちにしても、俺達の基地を見学できて、しかもストライクダガーよりも性能の高い機体を操縦出来るんだ。以前の花見の約束にはピッタリだろ?」

 その言葉に崇継は小さく笑みを浮かべ、恭子は驚きの表情を浮かべる。

「まさか、あの時の約束をきちんと覚えているとは思わなかったよ。公式な約束をした訳じゃないんだから、あのまま流れたとばかり思っていたけど」
「ええ、確かに。まさか律儀に守ってくれるなんて……」

 どうやら2人共、あの件は酒の席での戯れ言だとばかり思っていたらしい。
 いやまぁ、あの時は誰も酒は飲んでなかったけどな。

「ともあれ、操縦方法自体はストライクダガーと変わらない。一緒に渡した取説の類は読んでいるんだろ?」
「飛鳥計画に参加している身としては当然だね」
「私も興味があったので……というか、五摂家にはコピーが出回っていますから」

 さすがに武家の頂点といったところか。
 機密も何もない感じだな。

「さて、どうする? 以前言ってた様に、あの機体を動かして貰おうと思ってるんだが……どっちから乗る? 幸いここはオーストラリアにある俺達の基地だから、うるさい監視の目は無いしな」

 そう告げると、真っ先に1歩前に出たのは崇継でもなく、恭子でもなく……1人の斯衛だった。
 見覚えがあるな。確か、花見の時にもいた……

「真壁、だったか?」
「覚えていて下さって光栄です、アクセル代表。シャドウミラーが用意した機体ですが、さすがに初めての機体に崇継様や恭子様をそのまま乗せるというのは色々と問題がありますので、まず最初に私が搭乗しても構わないでしょか?」
「……ほう? 俺達が信用出来ない、と?」
「いえ、勿論そんな事はありません。ですが、初めて乗るのですから色々と注意事項のようなものが必要かと。特にシャドウミラーの方々は戦術機には乗っていないので、その辺の違いもありますし」

 言葉ではそう言っているが、実際は何か危険な事がないか前もって確かめたいといったところか。
 実際には特に何もないんだが……まぁ、データが多く取れるのなら別に構わない、か。

「崇継と恭子はそれでいいのか?」
「そうだね、最初にダガーLという機体に乗れないのは残念だけど」
「ええ、私も構いません。……ですが、急だったので衛士強化装備は持ってきていないんですが」

 衛士強化装備? ああ、あのパイロットスーツの事か。
 恭子のようにスタイルのいい女が着ると、色々な意味で凶悪な兵器にもなりかねないパイロットスーツを思い出しつつ、問題ないと頷く。

「MSというのは戦術機と違ってそこまでパイロットスーツを重視はしていないから、こっちで用意した普通のパイロットスーツを着ていれば問題無く操縦出来る」

 一応シャドウミラー製って事で、色々な意味で高性能なパイロットスーツだ。
 それでもEX-ギアのようにパワードスーツ的な風に使えるわけでもないのを考えると、本当に普通のパイロットスーツなんだよな。
 勿論技術班が手を入れている以上は、色々とあるんだろうが。

「そうですか、ではお願いします」

 真壁が頷き、量産型Wに案内されて更衣室へと向かうのだった。





『ダガーL、起動します』

 その声と共に、ダガーLが起動して1歩歩き出す。

『……何と』

 戦術機と違う動きのスムーズさにだろう。真壁が感嘆の声を上げるのが聞こえてくる。
 そのまま1歩、2歩と歩き、方向転換、軽く跳躍といった風に基本的な動作を繰り返していく。

「確かにストライクダガーよりも動きは滑らかだね」
「そうですね。映像で見るよりもずっと……」

 崇継と恭子の話し声が聞こえている中、ダガーLの動きは動かし始めた当初よりも更に無駄が消えていく。
 この辺、即座に戦術機からMSの動きを採り入れていくのはさすがに斯衛軍ってところか。

「よし、機体を動かすのはもういいだろ。次は武器だ。そっちのトレーラーの上に置かれている中からビームカービン……あー、銃を取れ」
『了解しました』

 そう告げ、ダガーLがトレーラーの上に乗っているビームライフルへと手を伸ばす。
 ただし、ビームライフルとは言ってもMSが普通使うようなビームライフルと比べて、大分銃身が短くなっている小型のものだ。
 取り回しのしやすさという意味では、ストライクダガーの物よりもこちらの方が上だろう。
 純粋に威力に関してはストライクダガーのビームライフルよりも下だが、銃身が短くなった事によって取り回しのしやすさと連射性に関してはこっちが大分上だ。
 そういう意味では、BETAとの戦いに関してはより向いているのかもしれない。

「標的は……ああ、出たな。あそこを狙え」

 量産型Wが操作をして現れた的へと向かって撃つように告げる。
 その言葉通りにトリガーを引き、次の瞬間には放たれたビームが標的を貫く。

『おおおお』

 斯衛から上がる感嘆の声。
 シャドウミラーの機体でなら普通に使われている以上、映像とかでも見た事はある筈だが……それでもやっぱり自分達の仲間が直接撃っているのを見るというのは、色々と込み上げるものがあるんだろう。
 その後、10分程ダガーLの操縦をして真壁は降りてくる。
 着ているのはシャドウミラー製のパイロットスーツであり、戦術機のそれとは随分違うらしく色々と違和感があるような表情を浮かべてはいたが。

「素晴らしいですね。特に何か行動をしてから次の動きに繋げるまでの硬直時間が全くありません。それに戦術機と比べてコックピットで感じる振動やGに関しても驚く程少ないです。これは……戦術機と比べると完全に上位互換と言ってもいいかと」

 冷静そうに見える真壁だが、ダガーLから降りてきたその表情に浮かんでいるのは驚き、喜び、興奮、嫉妬といったものがそれぞれ混ざっているような複雑な感情だ。
 まぁ、現行の斯衛軍の主力がF-4J改であるのを思えば、その性能差は圧倒的なのだろう。
 何しろ現在大詰めに入っている飛鳥計画の機体よりも上なのは間違いないだろうし。

「ほう、では私が乗っても問題は無いかな?」

 それだけに崇継も興味を覚えたのだろう。いつもの飄々とした態度が嘘のように積極的に真壁へと尋ねる。

「ええ。寧ろ先程も説明したとおり、戦術機よりも身体に掛かる負担は少ないですから、崇継様や恭子様なら問題無く乗りこなせるかと」
「そうか、では早速」
「あら、私も興味はあるんですけど」

 飛鳥計画のテストパイロットを務めている崇継と、斯衛軍では鬼姫の異名を持つ凄腕パイロット。どちらもが自分が先にダガーLに乗るかというので衝突しそうになったのだが……話し合いの結果、崇継が先に乗る事になったらしい。
 その際に拗ねた表情を浮かべていた恭子が妙に印象的だった。





『へぇ、確かに機体の追従性に関しては戦術機とは比べものにならないね。私としてはビームサーベルというのはちょっと使いにくいけど』

 そう口にしながらビームサーベルを振り下ろして的を切断する崇継。

「そんなに使いにくいのか?」

 俺としてはグロウセイヴァー時代はレーザーブレード、ニーズヘッグになってからはビームサーベルとアダマン・ハルパーの両方を使っているが、特にどっちが使いにくいという事はない。

「そうかもしれませんね。私達は戦術機でずっと実体のある刀を使ってましたから。それに比べると、あのビームサーベルという光学兵器は重量自体が柄の部分にしか在りませんからね。その辺の差異でしょう」

 こちらの呟きを聞いていた恭子が言ってくるが、そういうものか。
 俺の場合は最初から実体剣――剣じゃなくて大鎌だが――と非実体剣の両方を使っていたからその辺は気にならなかっただけなんだろう。

「崇継、シールドはどうだ?」

 その言葉に、ビームサーベルを収めてシールドへと手を伸ばす。
 だが、シールドを手に持ったダガーLだったが、どこか使いにくそうな様子は傍から見ても明らかだった。

『これは……この世界だとあまり向かないかもしれないね』
「そうですね、確かに盾というのはBETAを相手にするにはちょっと向かないと思います」

 崇継と同意見なのか、恭子もそう告げる。

「BETAを相手にするのに、盾というのは余計な重量でしかありません。その重さの分機体の運動性や機動性が下がる事になりますから」
「それは要撃級の攻撃を防げるとしてもか?」
「ええ。攻撃を防いだとしても、その分の衝撃は機体やパイロットにダメージを残します。戦術機もその辺の流れで装甲重視から運動性重視の方に発展していったのですから」

 なるほど、確かにその辺はあるかもしれない。
 それにこの盾はビームに対する盾としては使えるが、光線級や重光線級のレーザーには微妙だろう。
 勿論その強度を考えればある程度の盾としては使えるだろうが、Eフィールドを始めとしたバリアのように強固な防御手段とはとても言えないか。





「いや、凄いね。出来ればこの機体を輸入したいくらいだよ」

 ダガーLから降りてきた崇継がそう言って笑みを浮かべる。
 そんな崇継と入れ替わるようにして、次は恭子がダガーLへと乗り込んでいく。
 待ちきれないといった風に嬉しそうな様子は、まるで恋人とのデートに向かう女のようにしか見えない。

「日本には既にストライクダガーを渡しただろ? その解析も完全に終わってる訳じゃないんだし、欲張りすぎはよくないぞ」

 恭子の後ろ姿から目を離し、崇継に向かってそう告げる。

「けど、アメリカとオーストラリアにもアクセル達の世界の機体を譲渡したんだろう? こちらは飛鳥計画の機体をそちらに渡したというのに……これで不満を覚えるなというのが無理だと思うけどね」

 そう言いつつも、崇継の表情は特にこちらを恨んでいるようには見えない。
 どちらかと言えば言葉遊びみたいに言ってるだけのような感じか。

「アメリカに渡したのはジン。MSという機種の中では初めて実戦に使われた機体で、それだけに性能はストライクダガーに比べると低い。オーストラリアに渡したのはシグーといってジンの上位機種で、性能はストライクダガーと同じか、あるいはちょっと上かもしれないな。……ただし、それはあくまでも機体性能だけだ。その2国に渡したのはあくまでも機体だけで、武器は渡していない。ビーム兵器に関しては、この世界で最も進んでいるのは間違いなく日本だよ」
「それは否定しないが、出来ればもう少し色を付けて欲しいところだね」

 小さく肩を竦める崇継。
 そんな俺達を尻目に、恭子はダガーLの頭部と胸部にある2門ずつのバルカン砲で的を貫いていく。

『12.5mmではありますが、4門あるというのは便利ですね。この辺の技術が戦術機に流用出来ればいいのですが。要撃級や戦車級には効果が無くても、小型種に関しては十分な威力ですし。それに牽制として考えれば十分ですから』
「けど、内蔵武器というのは弾丸の重さの関係で運動性を重視している今の戦術機にはちょっと向かないね」

 通信機越しに、崇継が恭子にそう返す。
 確かにその辺はMSと戦術機が持っている基礎的な技術の差だろうな。
 MSならある程度の内蔵武器を可能にするだけの余裕がある。だが、基礎技術の低いこの世界で作られた戦術機にはその辺の余裕がない。
 まぁ、F-4みたいに防御力重視の機体なら、その辺はどうにか融通が利かせられるかもしれないが。
 もし第2世代、第3世代の戦術機に内蔵武器を組み込んだとしても、その運動性を重視するという理由から、それ程の弾薬を積み込む事は出来ないだろう。
 それならいっそ、グロウセイヴァーで使っていたバルカンポッドみたいな感じで使い捨てに出来る武器の方がまだ使えそうな気がする。
 そんな風に考えつつ、この世界の一流パイロットがダガーLに乗った時のデータを十分取らせて貰うのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1120 
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