リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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番外編:想い繋がる時
前書き
ラフェルさんに対する日頃のお礼話。
大輔×リインフォース。
他ヒロインとは交際していない設定。
大輔の設定年齢は18歳。
少し、読む人を選ぶかも…?
大輔「温泉?」
そんなこと言い出したのは他でもないリインフォースだ。
リインフォース「ああ、そうだ。実は…」
チケットを大輔に渡すと、事情を大輔に話す。
福引きで手に入れたのはいいのだが、はやて、賢、遼、シグナム、シャマル、ヴィータが全滅のために。
リインフォースは個人的な事情を含めて大輔を誘おうとしたのだ。
フェイトとアリシア、アリサにただでさえ遅れを取っているのだ。
この機会を逃すわけにはいかない。
向こうから聞こえる声は完全に無視して。
フェイト「離して!!このままじゃ大輔がリインフォースの物になっちゃう!!」
アリシア「離してよプロットモオン!!」
チビモン[駄目だってばあ!!]
プロットモン[落ち着きなさい!!ね!?]
パートナーの暴走を止めるべくチビモンとプロットモンが奮闘していた。
電車に乗り、しばらくしてようやく下車すると大輔達は感嘆した。
辺り一面花畑のある所に目的の旅館があった。
大輔「リインフォース、大丈夫か?疲れてるなら荷物持つぞ?」
リインフォース「いや大丈夫だ。ただ…」
大輔「ただ?」
リインフォース「電車を降りる時に駅員に“新婚旅行ですか?”と言われて…」
大輔「えっ!?新婚旅行!!?」
リインフォース「す、すまない…つい、はいって言ってしまった…」
赤面しながら謝罪するリインフォースに大輔も思わず赤面してしまう。
大輔「い、いや、いいよ…その……俺だって嬉しいからさ」
リインフォース「え?」
ブイモン[おおっ!!大輔、やるじゃないか!!]
ロップモン[うんうん!!]
ブイモンとリインフォースのパートナー、ロップモンが頷いている。
この旅館はデジモンOKらしいため連れてきた。
「ようこそいらっしゃいました。」
旅館に着くと、女将やら仲居やらが並び大輔達を迎えた。
リインフォース「すみません。この券を使いたいのですが…。」
そう言ってリインフォースは女将にチケットを渡す。
女将はその券を見るなりお辞儀をした。
「ようこそいらっしゃいました。我が旅館はお客様にご満足頂けるようおもてなしいたします。では申し訳ありませんがこちらの用紙にお名前とご住所をお書き下さい。」
女将はカウンターから用紙とペンを持ってくるとリインフォースに渡した。
しかし、名前欄にある“夫婦”という単語にリインフォースは赤面する。
大輔は平然を装いながら。
本宮大輔と本宮リインフォース・アインスと名前欄に書いた。
リインフォース「………」
赤面しながら魚のように口をパクパクと動かしながら大輔を見遣るのだった。
部屋に案内された大輔とリインフォースは、大輔はブイモンを隣に置き、リインフォースはロップモンを抱き締めながら赤面しながら俯いている。
大輔、リインフォース「「あの…」」
互いの声がハモる。
大輔、リインフォース「「っ!!」」
互いにビクリとなり硬直。
ブイモンとロップモンはどこの初々しいカップルだよとツッコミたくなった。
大輔「えっと、何だリインフォース?」
リインフォース「あ、いや…大輔こそ…」
ブイモン[(じれったいな…)]
ロップモン[(早く言っちゃえばいいのに…)]
しばらく沈黙。
そして…。
大輔「そ、そう…風呂!!そろそろ風呂に入ろうぜ!!」
リインフォース「え!?あ、ああ、そうだな!!それがいい!!明日は主達にお土産を買わないといけないしな!!今日はゆっくり…」
しかし、そこで…前にはやてに言われたことを思い出す。
はやて『旅館にさえ行ってしまえばフェイトちゃんもアリシアちゃんもアリサちゃんもどうにも出来へん。そこで一気に既成事実を作ってまえ!!』
リインフォース『き、きききき既成事実!!?あ、あああ主、何を!!?』
はやて『リインフォースは大輔さんが大好きやからな~。たまには素直に甘えたらどうなんや?旅館での時間を楽しんでくるんや。勿論、夜も頑張るんやで~?』
ボフンッ!!
はやての言葉を思い出したリインフォースが頭から煙が出た。
大輔はそれを見て驚くが、すぐに言葉を紡ぐ。
大輔「えっと…じゃあ俺が先に入るから、リインフォースは後で!!」
そう言ってリインフォースに背中を向けるが、リインフォースは…。
リインフォース「待って!!」
大輔「え?」
リインフォース「あ…その…そ、そう…疲れているだろうから」
モジモジしながら大輔を見て必死に言葉を紡ぐリインフォースに大輔は内心可愛いと思った。
リインフォース「そ、その…せ…せ、せせ…せ…」
大輔「…?」
リインフォース「だ、だから…その…せ、せな…せ、せせ…背中を、流させて…くれない……かな…?」
ブイモン、ロップモン[[(言ったああああっ!!)]]
ブイモンとロップモンの心が一つとなった。
ビシリという効果音と共に大輔は固まった。
リインフォースは大輔からの返事がないことに赤面しながら涙を溜めた。
リインフォース「す、すまない!!戯れ言だ!!忘れてくれーっ!!」
走り去るリインフォース。
大輔「え!!?おい、リインフォース!!」
ブイモン、ロップモン[[大輔えええええ!!男を見せろ(て)よーっ!!!!]]
大輔「やかましい!!」
しばらくして大輔も温泉に入ったが、リインフォースは部屋に戻って来なかった。
大輔「(眠れん…)」
目が冴えてしまった。
こうなったらまた温泉に入ってしまおうと、道具を一式持って再び風呂場に。
服を脱いで、身体を洗うと湯舟に入る。
この足先から伝わる快感は本当にたまらない。
しかし、気のせいか近くで水が跳ねる音がしたような気がする。
しばらくすると奥の方が見えてきて、そこには…。
リインフォース「大、輔…?」
大輔「リインフォース…?」
そこには素肌にバスタオルを巻き付けただけのリインフォースが、目を見開いて大輔を凝視していた。
リインフォース「あ…う…」
赤面して黙りこんでしまったリインフォースに大輔は急いで湯舟から出た。
大輔「わ、悪い!!悪気はなかったんだ!!い、今出るから…」
リインフォース「待って!!」
ギュッと大輔の腕を掴むリインフォースに大輔は身体を強張らせた。
リインフォース「ここに…ここにいて…欲しい」
縋るような声に、大輔はゆっくりと身体を湯に沈ませた。
沈黙が支配する。
チラリとリインフォースに目を遣る。
少し赤みを帯びた白い肌に、スタイルのいい肢体に思わず目を遣ってしまう、これが男の性という奴か。
リインフォースはジッと自分を見ていたが…。
大輔「何だよ…」
リインフォース「あ、いや…随分身体に傷がついているなと思って…」
大輔「傷?」
確かに大輔の身体には傷がある。
大半は今までの戦いで負ってきた物ばかりだが。
この傷は今まで戦ってきたことの証でもあり、同時に今まで倒してきた敵を忘れないための戒めでもある。
リインフォース「この中には…私があなたにつけた傷もある…」
大輔「気にすんな。こいつは今まで戦ってきたことの証…お前達を守ってこれたことの証だ」
リインフォース「………」
大輔「もうこんなこと気にすんなよ。あれはお前の意思なんかじゃないだ…」
リインフォース「しかし…」
大輔「お前が辛そうにしてると俺も辛いんだ…お前は俺の大事な奴なんだから…」
リインフォース「大輔の大事な…?私が…?」
リインフォースが困惑したように大輔を見る。
今聞いた言葉が本当なのだろうかと必死に考えを巡らせているのが手に取るように分かる。
気付けば互いの距離はかなり縮んでいた。
リインフォースの息遣いや鼓動が聞こえる。
大輔はリインフォースの方を向き、彼女の両肩に優しく手を乗せる。
大輔「リインフォース、俺…お前のことが…好きだ。守らせてくれ、俺に」
リインフォース「大…輔…っ」
リインフォースは大量の涙を浮かべて嗚咽を零す。
目を拭うでもなく、ただとめどなく流れ、リインフォースの顔を濡らしていく涙はとても綺麗で、泣きながら笑みを浮かべる彼女が愛しい。
リインフォース「大輔…、私も、私もあなたを愛してる…!!だから…」
彼女はいきなり大輔の首に両腕を絡ませ、力一杯自分の方に引き寄せると唇を重ねた。
彼女の身体が密着するが、大輔もそっとリインフォースの背中に腕を回した。
リインフォースの身体はとても柔らかく、女性特有の甘い香りが大輔の鼻孔をくすぐる。
そしてしばらくして、部屋に戻るとブイモンとロップモンはおらず、置き手紙があった。
“少し散歩に行ってきます”
気を利かせてくれたんだろうか?
二人は互いに笑みを零した。
リインフォースは大輔の肩に頭を乗せた。
二人の間に会話はない。
しかし、言葉などなくともどこか通じているような感覚があるせいか、家族のような、いや真に惹かれあった恋人同士のみが持ち合わせる暖かく、穏やかな空気が支配した。
大輔「なあ…」
リインフォース「何?」
大輔「抱き締めて…いいか?」
リインフォース「…うん」
ギュッと、強く、その細く華奢な身体を抱き締めた。
リインフォース「ん…」
少し苦しさを感じるが、それ以上に感じる幸福感にリインフォースは笑みを浮かべる。
大輔「リインフォー…?」
大輔の唇にリインフォースが人差し指が触れる。
リインフォース「二人っきりの時は…アインスと呼んで…?」
大輔「分かった…アインス」
リインフォース「何…?」
大輔「キス…していいか?」
リインフォース「…うん」
互いに唇を重ねる。
リインフォースの口内に大輔の舌が入ってきた。
互いの舌が絡み合う。
リインフォース「ふっ…うぅ…だい…す…けぇ…」
頭がクラクラする感覚に襲われるリインフォース。
そして唇が銀糸で絡まれながら離れた。
大輔「アインス…」
リインフォース「だ…いすけ…」
大輔「ごめん、キス以上も…」
リインフォースを布団に優しく押し倒した。
思わずリインフォースが抱きつく。
そして大輔の唇が彼女の鎖骨辺りに跡を付けようとすると、身体がびくりと震えて、自分の中で何かが溢れてくるのを感じた。
リインフォース「…ぁ……」
こうして二人は長い長い夜を過ごす。
おまけ
一方八神家の八神はやての私室では、はやてが悶えていた。
はやて「ふ…ふぉぉぉぉ…」
賢「や、やばいよはやて…流石にこれは犯罪だよ」
はやて「け、賢兄…これは最早反則の域やでえ…リインフォースの普段とのギャップの威力がありすぎるわ…」
顔を両手で覆いながら身悶えているはやてに赤面している賢。
リイン「とーさま?かーさま?何をしてるんですか?」
はやて「わあああああっ!!?」
突然のリインの登場に仰天し、身体で盗聴機具を隠すはやてに慌ててリインの相手をする賢であった。
後書き
やばい、深夜に書いたから…
リインフォースのパートナーはロップモンにします。
運命のデジメンタルでラピッドモン。
ブイモン以外でオーバードライブを使用出来る設定。
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