リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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第七十五話 純愛の光
前書き
二体目のジョグレス完全体。
ユーノ達からダサイダサイと酷評された…。
すずか「リリカルアドベンチャー、始まります」
大輔達はブラックウォーグレイモンを追って、薄暗い樹海に来ていた。
ブイモン[ブラックウォーグレイモーン!!何処だ!!?リベンジに来てやったぞーーーっ!!!!]
大輔「いきなりでかい声出すな!!」
賢「いや、大輔。君の声もでかい」
ブイモンにチョップを喰らわせながら怒鳴る大輔に賢がツッコミを入れた。
ヒカリ「本宮君…?」
大輔「八神か…」
面倒臭そうにヒカリ達を見遣る大輔。
そこには自分をまるで親の仇を見るかのように睨んでいるタケルの姿もある。
大輔はその姿を見て鼻で笑ってやった。
ヒカリ「どうして本宮君が…」
賢「その質問には僕が答えよう。僕達は…正確にはブイモンがブラックウォーグレイモンにリベンジを果たしたいらしくてブラックウォーグレイモンを探してたんだよ」
ブイモン[あれから、ずっと特訓を重ねてきたんだ。ジョグレスすれば必ずとは言えないけど勝てる!!]
タケル「…今まで偉そうなこと言っておいて負けた癖に…馬鹿みたい」
はやて「何やて?」
タケルの発言が気に触ったのか、はやてはギロリとタケルを睨むが大輔に止められる。
大輔「よせよ、高石も所詮は口だけだ。臆病者には何を言っても無駄だ。」
タケル「何…?」
大輔「昔からよく言うだろ?“弱い犬ほどよく吠える”ってな……ブラックウォーグレイモンに相手にすらされなかった癖に偉そうにキャンキャン吠えるんじゃねえよ臆病者」
タケル「お前…!!」
大輔「やるのか?臆病者」
嘲笑を向ける大輔。
伊織は険悪な二人を見て、どうすればいいのか分からず途方に暮れる。
フェイト「ところであなた達は何をしに此処に?」
ヒカリ「その…ここはテイルモンがホーリーリングを無くした場所らしくて…」
賢「ホーリーリング…」
ホーリーリングをどこかで見た事がある気がする。
手に取ったような気もする。
だが、それ以上思い出そうとするとひどく頭が痛むのだ。
カイザーだった頃の記憶は殆どが抜け落ちているからだ。
ヒカリ「その…本宮君…」
大輔「ん?」
ヒカリ「お願いがあるの。テイルモンのホーリーリングを探すのを手伝ってくれない?」
タケル「ヒカリちゃん!!?」
ヒカリからの予想外の言葉にタケルは目を見開いた。
言われた大輔も意外そうにヒカリを見る。
大輔「一体どういう風の吹きまわしだ?」
タケル「ヒカリちゃん!!こいつらは“闇”だ!!倒さなきゃいけない敵なんだよ!!」
はやて「闇やからって即敵認定かい!!あんた何様のつもりや!!」
タケル「うるさい!!今は何もしないけど、いずれデジタルワールドに害を及ぼすつもりなんだろう!!?」
賢「偏見もここまで来れば清々しいね。呆れて物も言えない」
ヒカリ「違う…」
大輔「ん?」
ヒカリ「本宮君は…本宮君達は敵じゃない」
タケル「え…?」
まさかのヒカリからの否定の言葉にタケルは硬直する。
ヒカリ「今まで、本宮君達はデジタルワールドに害を及ぼそうなんてしなかった…寧ろ守ってくれたわ」
タケル「ヒカリちゃん…本気で言ってるの?こいつらは光を否定して…あまつさえ天使型デジモンを殺した罪人なんだよ?」
ヒカリ「本宮君達の事情はタケル君も聞いてるでしょ?そんなことされて嫌いにならない方がどうかしてるの。それに向こうだって言い分を聞かないで攻撃してきたじゃない!!」
タケル「ヒカリちゃん!!“闇”はあってはならないんだよ!!こいつだって今は何もしなくてもいつ害を及ぼすか」
ヒカリ「大輔君はそんな人じゃないっ!!!!」
ヒカリの叫びが樹海に響き渡る。
全員が目を見開いて硬直する中、大輔がいち早く復活した。
大輔「分かった」
ヒカリ「え…?」
大輔「負けたよ…あんたのなけなしの勇気に免じて、ブラックウォーグレイモンへのリベンジは後にしてホーリーリングを探そう。ブイモン達もいいか?」
ブイモン[まあ、別にいいけどさ…]
フェイト「大輔が言うなら私は構わないよ」
賢「まあ、ホーリーリングに触れられるチャンスでもあるしね…」
はやて「気は進まへんけどな」
タケル「…………」
タケルの表情は言葉にせずとも分かる拒否の感情が目に見えた。
大輔「京と伊織は?」
京「え?」
ブイモン[一緒で構わないのかって聞いてんだよ]
京「その…うん、いいんじゃない?」
フェイト「分かった。じゃあ私とはやては向こうを探すよ」
はやて「じゃあ、ホーリーリング探しを始めるとするかいな」
大輔「八神、今回は一緒に行動するぞ。言い出しっぺなんだからな」
ヒカリ「あ、うん…」
賢「僕ははやて達が心配だから一緒に行くよ」
大輔「ああ…お前はどうすんだ?お前だけのようだぜ?一緒にいるのが嫌ならとっととお帰りになった方がよろしいんじゃありませんかね?」
大輔の言葉に拳を震わせながら、タケルはホーリーリングを探しに行く。
大輔「伊織、お前はあの馬鹿と一緒に行け。俺はあいつが野垂れ死にしても構わねえけど。石田さんとかが悲しむからな」
伊織「わ、分かりました…」
伊織がタケルを追いかける。
大輔「行くぞ」
ヒカリ、京「「う、うん…」」
大輔「テイルモン、ホーリーリングを無くしたのはどこら辺なんだ?」
テイルモン[この辺りの…はずなんだけど…]
ブイモン[ブラックウォーグレイモーン…]
大輔「しつこい」
京「ねえ…ブイモン」
ブイモン[ん?]
京「何でブラックウォーグレイモンに会いたいの?」
ブイモン[これだから平和主義者は…俺は戦闘種族の純粋古代種…つまり戦うために生まれたから強い敵と戦いたいと思うのが普通なの!!]
ヒカリ「戦うことが生きがいなんて寂しくない?」
ブイモン[全然。これが“俺”なんだ。細かいことで人生を一々左右されてたまるか]
ヒカリ「…………」
羨ましいと思う。
自分は闇や人の悪意に左右されるというのに、自分の信じる思いのままに戦うことの出来るブイモンが。
大輔「怖いのか?」
ヒカリ「え?」
大輔「身体震えてるぜ」
ヒカリ「あ…その…これは…大丈夫だから」
大輔「やせ我慢すんなよ。助けて欲しいならそう言え。言ってくれないと助けたくても助けられない。あんたはまず他人に甘えること知れ」
そう言って手を差し出す大輔。
ヒカリは少しの間戸惑うが、ゆっくりと手を繋いだ。
ブイモン[にしても、大分霧が濃くなってきたな。それに少し肌寒い]
大輔「これは暗黒のエネルギーだな。」
ヒカリ「え?」
大輔「多分、ブラックウォーグレイモンの暗黒エネルギーが一時的に世界を歪めてんだろうよ。全く、面白いことをしてくれるぜ」
京「面白い…?」
ブイモン[きっとあいつはもっと強くなってんだろうなあ…俺も負けてられないな]
ホークモン[嬉しそうですね…私にはあなたの考えが理解出来ません…]
ブイモン[俺からすればお前らの考えが理解出来ないね。自分より弱い奴と戦って勝てて嬉しいか…?それにしてもホーリーリング見つからないな]
ヒカリ「ごめんね、本宮君。こんなことに巻き込んで…」
大輔「別に。あんたの勇気に免じて力を貸してるんだ。あんたが気にすることじゃない。暗黒のエネルギーが強くなってる…フェイト達は大丈夫かな?」
ブイモン[大丈夫だって。チビモン達だっているんだから]
大輔「アー、ソウダナ」
棒読みで答える大輔。
しかし突如止まると同時に両手を見遣る。
ヒカリ「本宮君?」
テイルモン[大輔?]
大輔「…いや、身体が妙に軽いような……」
チラリと木に視線をやると、大輔は手を伸ばす。
しかし、手は木を擦り抜けた。
大輔「……」
ブイモン[す、擦り抜けたあ!!?だ、大輔え!!幽霊になっちゃったのか!!?]
大輔「阿保か。ブイモンもやってみろ」
ブイモン[?]
ブイモンが手を伸ばす。
しかしブイモンの手も擦り抜けてしまった。
ブイモン[…………]
大輔「どうやら、暗黒世界に入っちまったらしいな」
ヒカリ「え…!!?」
京「暗黒世界!!?な、何それ…?」
大輔「暗黒の力で構成された世界。以上」
京「分かりやすっ!!ていうかそれってやばくない!!?」
大輔「やばいな。でも安心しろ。多分元凶を叩き潰せば…多分何とかなる。多分…多分な」
京「多分多過ぎ!!元凶って何!!?」
大輔「こんなこと出来るのは暗黒の力を持ったデジモンくらいだ。多分、ダークタワーデジモンか何かだ。行くぞ」
京「行くって!!?」
大輔「元凶を潰す。こんな状態じゃあホーリーリング探しも無理だ。テイルモンも構わないな?」
テイルモン[ああ]
大輔達は再び歩き始めた。
京「ちょっと大輔。何か真っすぐ歩いてるけど、元凶の場所知ってんの?」
大輔「知らねえよ」
京「知らないの!!?知らないのにどうやって元凶探すの!!?」
大輔「適当に歩いてたら見つかるさ」
京「大輔について来た私が馬鹿だったーっ!!うあーん、もう駄目、おしまいよー!!私の人生ここで強制終了しちゃうんだーっ!!」
大輔「確かに強制終了するだろうな」
ヒカリ、京「「え?」」
まさかの肯定に二人は大輔を見遣る。
大輔「このまま諦めれば確実に強制終了だ。けどな、少しでも脱出出来る可能性があるのなら、どんなにみっともなくてもしがみついてやるんだ。生きることを最後まで諦めるんじゃねえよ。この中で一番こういうのに臆病な八神でさえ頑張ってんだ。年上だろ?年上の意地を見せてやれよ」
京「あ…」
そう言われて京はヒカリの肩が僅かに震えていることにようやく気付く。
京「ご、ごめんね…取り乱しちゃって…」
大輔「別に久しぶりに面白いのが見れたから気にしてない。」
ブイモン[大輔、パニクってる京を笑うなよ。確かに面白いけどさ!!ぶふーっ!!]
京「あんたも笑ってんじゃないのよーっ!!」
噴き出しているブイモンを京が肩を掴んで揺さ振る。
ヒカリ「ふふ…」
思わず笑ってしまうヒカリ。
大輔「…さて、行くか。」
ブイモン[はーい]
ブイモンは京を軽くあしらうと、大輔の隣を歩く。
ズッ…ズッ…
京「ね、ねえ…何か…聞こえない」
大輔「京にも聞こえたようだな。ああ、俺にも聞こえた。どうやら幻聴ではないと」
ブイモン[大輔、あれ]
ブイモンが指差す先には…。
テイルモン[あれは!!?]
ヒカリ「あの…海の…!!」
掠れた声で言うヒカリに大輔は、ヒカリを見遣る。
大輔「知ってるのか?」
テイルモン[あの海にいた化け物だ。何で、この海は何度もヒカリを呼ぶんだ?一体何があるんだ…]
大輔「海…それはモノクロの海のことか?」
テイルモン[知っているのか!!?]
大輔「詳しくは知らない。もし暗黒の海なら俺達はD-3の誕生場所に来たことになるな」
京「え?どういうこと!!?」
大輔「俺達のD-3は賢のオリジナルを元にして造られた。賢のオリジナルが生まれた場所。それが暗黒の海。皮肉だな。選ばれし子供が暗黒の力で生まれた力に頼ってるなんて…」
黒い怪物は大輔達に向かって来る。
ヒカリ「嫌…来ないで…」
京「ちょ、ちょっとホークモン、進化!!」
ホークモン[無理です、進化出来ません!!]
京「何でよーっ!!?」
テイルモン[くっ…ヒカリには…指一本触れさせないわ!!]
大輔「てめえら黙れ!!」
全員【!!?】
騒ぐ全員を一喝し、大輔は怪物に歩み寄る。
ヒカリ「本宮君!!?」
テイルモン[大輔!!危ないわ!!]
大輔は怪物の近くに歩み寄ると、優しい笑みを浮かべて怪物に触れる。
まるで苦しみ傷ついた人を労るように。
大輔「大丈夫…もう大丈夫だ。もう苦しまなくていい。独りぼっちで泣くことはないんだ」
[ウ…オ…オオ…]
ホークモン[泣いてる…?]
ヒカリ「どうして…?」
ブイモン[ずっとずっと負の感情に囚われ続けていたんだな…皆、あいつらの声に耳をよおく、傾けてみろ…]
テイルモン[耳を…?]
[タ…スケテ…]
京「助けて…?」
ホークモン[私達に助けを求めて…]
[助ケテ…モウ誰カヲ憎ムノハ、嫌ダ。怒ルノハ嫌ダ…選バレシ子供達…光ヲ…光ヲ下サイ…私達ヲ助ケテ…助ケテエェ……ッ!!]
涙を流しながら、救って欲しいと叫ぶ怪物達。
ヒカリと京はどうすればいいのか分からず途方に暮れる。
大輔がD-3を翳す。
奇跡の紋章がディスプレイに浮かび上がるのと同時に、怪物達が光に包まれた。
そして…。
[アリガトウ…]
全ての苦しみから解き放たれたような穏やかな声が聞こえた。
京「き、消えた…?」
大輔「これが暗黒の力の正体だ。心から生まれる負の感情の集合体。それが暗黒の力…」
ヒカリ「負の…感情?」
大輔「ああ、八神が暗黒の海に呼ばれるのは、光の紋章の暗黒の浄化力が他の紋章より飛び抜けて強いというのもあるのかもな。暗黒の力は…救って欲しいんだよ。負の…怒りや憎しみという苦しみから…だから八神を呼ぶんだよ。救って欲しいから。中には欲望に塗れた奴らもいるけど全てがそうじゃない。暗黒の力を倒すんじゃなくて救う。それが俺達選ばれし子供の使命だ」
ヒカリ「…救う…」
ヒカリの脳裏にあるデジモンの叫びが響き渡る。
アポカリモン『いいか?我々が冷たく悲しく闇から闇へと葬られていく時、その片方で光の中で楽しく笑いながら時を過ごしていくお前達がいる…何故だ!!?我々が何をしたというのだ!!?何故お前達が笑い、我々が泣かなくてはならないのだ!!我々にだって涙もあれば感情もある。何の権利があって我々の命はこの世界から葬り去らなければならない!!?生きたかった!!生き残って友情を、正義を、愛を語り!!この世界のために役立てたかったのだ!!だが、我々はこの世界にとって必要がないというのか!!無意味だというのか!!?この世界は我々が支配する。我々の場所を確立するのだ。邪魔をする者には全て消えてもらう!!フハハハハ!!!!光あるところに呪いあれ!!』
どこまでも深い悲しみと空しさが込められた悲痛な声のアポカリモンの叫びがヒカリの脳裏に響き渡る。
ヒカリ「ーーーっ!!」
自分達は何をした?
暗黒の力の集合体のデジモンであるアポカリモンを救うどころか、否定するように倒してしまった。
まるで自分が、償いきれないような罪を犯してしまったような気になり、思わず身体が震える。
大輔「…八神、アポカリモンに関しては仕方ないと思うぞ。アポカリモンは今までの敵の力を宿していた。だから、本気で戦わなきゃ八神達が死んでいた。あれはあんた達に出来る最善だったと思う…間違いだって気づけたなら他のことで挽回しろ。いいな。」
ヒカリ「………うん」
ブイモン[…テイルモン、気づいたか?]
テイルモン[ええ…]
京「何?何!?」
大輔「元凶のお出ましだ。」
何もない空間から植物を思わせるデジモンが現れた。
完全体のブロッサモン。
ブイモン[完全体…ケッ、また雑魚のお出ましか]
ホークモン[雑魚って…私達からすれば充分強敵なんですが…]
ブイモン[鍛えろ。大輔!!]
大輔「植物には炎だ。デジメンタルアップ!!」
ブイモン[ブイモンアーマー進化!燃え上がる勇気!フレイドラモン!!]
ホークモン[ホークモン進化!アクィラモン!!]
テイルモン[ヒカリ!!]
振り向くテイルモンに頷き、ヒカリもD-3を掲げようとしたが…。
ブロッサモンの悪意に満ちた咆哮が彼女の弱った心を襲い、ヒカリは自身を襲った凄まじい寒気にD-3を取り落としてしまった。
ヒカリ「いやあああぁっ!!」
絶叫し、身を守ろうとヒカリは頭を抱えて身体を丸めた。
大輔、京「「!!?」」
テイルモン[ヒカリ!!?]
大輔「しまった。ダークタワーデジモンの暗黒エネルギーが…フレイドラモン!!奴の咆哮を止めろ!!」
フレイドラモン[ナックルファイア!!]
オーバードライブで強化された火炎はブロッサモンの巨体を燃やす。
京「凄い…」
大輔「京!!八神を!!」
京「え?あ、うん!!」
大輔に促された京がヒカリに走り寄る。
ヒカリ「嫌…怖い…!!」
身体を震わせ、涙を流すヒカリに京はヒカリの身体を抱き締めた。
京「大丈夫よヒカリちゃん!!辛かったら私が一緒に戦ってあげる!!支えてあげるから!!…だから、頑張ってヒカリちゃん!!そんな恐怖に負けないで!!」
ヒカリ「京さん…」
京「私なんかじゃ、何も出来ないかもしれない。だけど私はヒカリちゃんの力になりたいの…だって私達…仲間じゃない!!」
ヒカリ「仲…間…」
大輔「その通りだ。」
ヒカリ「本宮君…」
大輔「一人で背負うな。一人で戦うより仲間と一緒に戦った方がずっといい…あんたの目の前にいるじゃないか。俺より遥かに頼りになる心の友になれそうなのが」
フレイドラモン[パニクるのがたまに傷だけどな]
ヒカリ「うん…ありがとう…!!」
京「ヒカリちゃん!!」
まるで今の二人の心を表すような暖かい光の柱が、薄暗い空から静かに降りて来て彼女達を照らした。
大輔「あれは…まさか…」
見覚えがある暖かい光に、大輔は目を見開いた。
ヒカリ「光…?」
京「そうよ。ヒカリちゃんは、光なんだから!!闇だって照らせちゃう、光なんだから!!」
ヒカリにとっての光は、京だ。
京にとっての光がヒカリであるように。
二人は目を合わせ、そして柔らかく笑い合った。
お互いを信じる気持ちに応えるように、二人のD-3が輝き始める。
同じく、彼女達のパートナーも淡い光に包まれた。
二人と二体の想いが繋がった時、二つ目のジョグレス進化が生まれた。
アクィラモン[アクィラモン!!]
テイルモン[テイルモン!!]
アクィラモン、テイルモン[[ジョグレス進化!]]
シルフィーモン[シルフィーモン!!]
合体した二体は、鳥と獣のしなやかさを併せ持つデジモンとなっていた。
大輔「シルフィーモン…へえ、実物はまともなんだな」
フレイドラモン[とどめはくれてやる。一撃で決めろよ。クローエクスプレス!!]
ブロッサモンの触手を次々に断ち切っていく。
両腕で弧を描き、両手を重ねたままぴたりと止めるとそして勢い良く、手の中に生み出したエネルギー弾をブロッサモンに撃ち出した。
シルフィーモン[トップガン!!]
ブロッサモンはエネルギー弾に触れた部分から消滅してゆき、ついに身体のど真ん中に撃ち込まれ、断末魔の悲鳴を上げて消し飛んだ。
大輔「やるじゃねえか。流石ジョグレス完全体」
感心しながら言うと、暗黒世界から脱出した大輔達。
そして賢達の元に合流する。
フェイト「ごめん、ホーリーリング、探したんだけど…」
チビモン[見つからなかったの…]
ヒカリ「いいの」
プロットモン[それよりもずっといい収穫もあったし]
賢「収穫?」
京「実は…」
京の説明に賢は目を見開いた。
賢「シルフィーモン…」
はやて「それってあのダサ…モゴモゴ…」
フェイト「言っちゃ駄目でしょ!!」
シルフィーモン好きな方すみません。
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