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剣の世界で拳を振るう

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課金厨に、俺はなる!

帰宅後、俺は真っ先に自室に向かい、アミュスフィアを装着した。
今まで使っていたナーヴギアは使うことを禁止され、今では部屋の棚に飾ってある。
本来ならば防衛省に取り上げになっていたのだが、菊岡さんの計らいによって見逃してもらっているのが現状だ。

俺は布団に横たわり、目を閉じる。

そして――――

「リンクスタート!」

起動ワードを口にしてGGOの世界へとダイブするのであった。













『ガンゲイル・オンラインへようこそ。先ずは性別を選んで下さい』

入って早々に初期設定の部屋へと送られる。
こればっかりはSAOとかと変わりないんだなと思いながらも男と記入する。

『次に、名前を記入してください』

名前は勿論Ken一択。

『登録が完了いたしました。
これまでの情報をもとにアバターが形成されます。
尚、本ゲームでは課金によるアバター育成が可能となっております。
中にはこの場でしか出来ない物もありますのでご興味の赴く範囲でお試しください』

課金……?
確か現実の金を電子マネーに変えて使ってくやつだよな……?

『貴方のアバターはこのようになります』

「うぅわ……」

アナウンスが表示したのは物凄くゴツい?男性アバター。
まず顔が怖く、顔中の毛と言う毛がない。
何これ?グラサンかけたら拍車が掛かるレベル。
次に体。取り合えずデブの一言。
これ何かの虐めだったりするの?
つーか誰がこんなアバターを好き好んで使うのか問いただしたい。
明らかにネタだと思われるアバターを見て、即行で課金のボタンを押した。

『ありがとうございます。
こちらが課金のメニューになっております。
先ずはクレジットカードなどの番号と口座をご記入ください』

俺は自分のクレジット番号と口座を記入し、丸ボタンを押す。
こうなっては仕方がない。可能な限り課金しまくってやる。

『確認しました。
それでは後ゆっくりとお選びください』

ああ、選んでやるさ…有り得ないくらいにな!
運のいいことに俺の貯金は200万近くある!
最近では和人のデートに貸してやったりしているが一向に減る気配がなかった。
この際だから出来るところまで強化しまくってやる。

「んー…ん?ストレージ容量アップ?」

どうやらこの世界ではストレージに入れたぶんだけ自信の移動速度が落ちる仕様になっているようだ。
つまりこのストレージ強化で容量を増やすことで鈍足効果を和らげ、尚且つたくさん持てると言う状態を作り出すことが出来るようだ。
因みに一回で500クレジット。100クレジットが98.8$てなっており、ほぼ100円と変わらない。
全部で10回強化出来るようで、一回につきストレージ枠(一枠30項目)が一つプラスされるようだ。
更にMAX強化に到達すると一枠の重量制限が取り払われる様だ。

「まぁ、たった5000円だしな…」

そう言って俺は最終強化まで課金した。

「あとはアバターだよなぁ…あった」

正直このアバターで人前に出たくない。
俺は課金の欄にあるアバターデコレートと掛かれた項目をタッチした。

「えーっと……」

アバター変更には三つあった。
一つは精密デコレート。
自分の手でいじくり回すことが出来るらしい。因みに9800クレジット。高過ぎる。

次にスキャニングデコレート。
これはSAOにもあったように身体をスキャンしてアバターを生成する方法だ。これは1500クレジット。

最後に直接には関係ないが、ガチャガチャがある。
これはランダムで出てくるアクセサリーや武器、防具を引くことができ、レアなアイテムも出現するようだ。一回につき300クレジットは妥当なところだろうか?

「スキャニングで良いだろ」

『スキャニングの選択を確認しました。
スキャンを開始します。動かないで下さい』

アナウンスが流れ、俺の足元から光の輪っかが上昇し、今まで表示されていたアバターが現実の俺の身体と同じになる。――――顔以外は。

「何でだよ!ナーヴギアじゃないから顔の形が分かりませんってか!?
こんな厳つい青少年がいるわけねぇだろ!」

何だよこれ!課金を促す仕組みバッチリだな!?
冗談じゃねぇぞ!

「くっ!ちょっと高いがやるしかない!」

俺は精密デコレートを選択し、イライラしながら顔の形を整えていった。
つーか顔変えるのに10000はやり過ぎじゃねえのか?5000位が普通だろ!

ようやくまともになったアバターに満足し、俺はまた課金メニューに目を通した。

「コンバーターオススメ……?うっわ…すげ」

一番下の欄に、コンバートしてきたプレイヤーにオススメのアイコンがあった。
俺はその欄をタッチして見る。
すると出るわ出るわの課金スキル。
おまけにどれも1000クレジットは必要になっている。
一応コンバートしたアバターの能力は引き継げるからそこまで困ることはない。
しかしこればっかりはどうだろう?
索敵に始まり隠蔽、アスリート、射撃、精密射撃、幸運、経験上昇、銃器対応、etc...
一応再コンバートは出来る筈だから持ってないスキルを貰うとしよう…。

「えーっと先ずは、幸運と経験上昇…アスリート?…まぁいいや。
それから…」

――――選ぶこと十数分。
合計で7個のスキルを習得し、購入した。
選んだスキルは幸運、経験上昇、アスリート、射撃、精密射撃、遠観。
最後の遠観についてはスコープや双眼鏡無しで遠くが見えると言うスキルだ。

「……もうこれで良いかな…」

俺は修了ボタンを押し、メニューを閉じた。
そして総額が表示される。13300クレジット。
まぁボチボチな結果だろう。

『課金制度をご利用いただき、ありがとうございました。
お客様は今回の課金にて、10000クレジットを越える課金をしていただいたため、只今実装予定の銃剣の取り扱い権利を修得致しました』

銃剣の実装?

『タイプは試験用となるため、通常のハンドガンと同程度の能力値でアイテムストレージに追加されます。
奮ってご試用ください』

つまりテスターになれって事か。
しかし銃剣…ガンブレードか。良いじゃないか。ロマンだねぇ。

俺の目の前には件の銃剣の画像が表示され、presentと表記されていた。
見た目は悪くなく、ハンドガンより少し大きめの銃身。
銃口の下に刃渡り20cm程の刃が付いている。

『それでは、ガンゲイル・オンラインをお楽しみください』

そして俺は光に包まれ、その場から姿を消した。 
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