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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  0892話

 山百合女子衛士訓練学校の教室、その一室の教壇の前に俺と恭子は立っていた。
 そして真田と名乗った教官と、その副官……いや、この場合は副担任か? ともあれ、その女もまた教壇の前に立っている。
 ただし教室とは言っても麻帆良にあったような典型的な教室ではなく、どちらかと言えば大学の教室のような配置の教室だ。
 この辺、恐らく斯衛……つまり武家の子供が通う訓練校だからこそなのだろう。
 いや、実は訓練校が全部こんな形式なのかもしれないが。
 ともあれ、教壇の前に立った俺達を見て生徒がざわめく。
 その殆どが恭子に視線を向けている辺り、さすが五摂家の1つといったところだろう。
 ……何気に、何人かは俺の方にも視線を向けている者もいるが。
 俺に視線を向けている中で一番気になるのは、教師の後ろの方にいる女だな。癖の無い黒髪のロングヘアーの女。他の者達の視線には好奇心が多く含まれているのに対し、その女だけは自らの感情をコントロールして冷静に俺に視線を向けている。
 そんな風に思っていると、教室の一角に見覚えのある顔を見つける。俺と恭子を案内してくれた人物で、確か恭子にとっても妹分のような扱いの女だ。
 F-4J改の開発者の娘だったか。
 すると、向こうでも自分が見られているのに気が付いたのだろう。恭子から俺に視線を向け、小さく頭を下げてくる。

「お前等静かにしろ! 今日はこのお二人から講演をして貰う事になっている。片方は崇宰家の方で崇宰恭子様。鬼姫との異名を持つ凄腕の衛士だ。そしてもうお一方は異世界からこの世界にやってきたシャドウミラーの代表、アクセル・アルマー殿だ。特にアクセル代表が人類で初めてハイヴを攻略した事もあるのは、言うまでもないな。皆、心して講演を聴くように。……アクセル代表、お願いします」

 どうやら俺かららしい。
 小さく頷き、この世界のコンピュータで読み込めるように保存してある記憶媒体を空間倉庫から取り出す。もっとも、ここでまた騒がれるのは面倒なのでポケットから出したように誤魔化してだが。

「ハイヴ攻略の映像データが入っているから、これを流してくれ」
「……よろしいので?」

 そのデータがどれ程貴重な物なのかを知っているのだろう。念の為とばかりに聞いてきたのに頷きを返す。
 それを見て早速とばかりに機械の方に移動したのを見ながら、生徒達へと向かって言葉を掛ける。

「シャドウミラー代表のアクセル・アルマーだ。今回は恭子の……」

 そこまで口にした途端、ざわめく教室。
 ああ、そうか。崇宰家のご令嬢を名前で呼び捨てにしていれば、日本ではこうなるのも当然か。
 とは言ってもこれ以上騒がれるのも面倒くさいし、その辺はスルーして言葉を続ける。

「恭子からの要望で俺達が鉄原ハイヴを攻略した時の件や、あるいは他の世界でどのような敵と戦ったのかを話したいと思う。……まずは鉄原ハイヴからだな。これを見てくれ」

 真田に合図を送ると、すぐに教壇の近くにあるプロジェクターのようなものに映像が映し出される。
 最初に映し出されたのはゲートからBETAが無数に溢れてくるシーン。
 いきなりで生徒達も驚いたのだろう。小さな悲鳴が聞こえてくる。
 そんな突撃級へと向かってニーズヘッグから放たれる無数のビーム。本来は戦術機の武器では正面から倒すのに相当苦労する筈の突撃級の装甲殻をあっさりと貫通し、その背後にいる突撃級までをも貫通していく。

「これって……レーザー? 光学兵器?」

 強敵と言われている突撃級をいともあっさりと殲滅していく様子を見て、そんな声が聞こえてくる。そちらへと視線を向けると、篁の後ろに座っている眼鏡を掛けた女の呟きだ。
 それを聞き、映像を一旦止めて口を開く。

「正解は光学兵器、いわゆるビームだな。俺達シャドウミラーの機体は基本的にこのビームが主兵装となっている。さて、それが何故か分かるか? そこの眼鏡を掛けてるの」
「え? その、私ですか? えっと……威力が高いから、でしょうか」
「そうだな。それもある。今の映像を見ていれば分かると思うが、実弾では正面から攻撃してもなかなか倒せない突撃級も、ビームを使えば装甲殻をあっさりと貫通出来る」

 その言葉に眼鏡の女は安堵の息を吐く。
 そして次にその横に座っている色黒の女へと向かって問い掛ける。

「隣の色黒のお前、他にビームを主兵装としている理由は何か思いつくか?」
「え? その、いえ、えっと……わ、私ですか? あ、その……」

 キョロキョロと助けを求めるように周囲を見回すその様子は、恐らくこの女が落ち着きがなく、座学が得意ではない証拠なのだろう。

「……分かりません」
「そうか。じゃあ、その前にいる篁」

 ザワリ、と。何故か教室の中がざわめく。
 何かミスったか? そう思いつつもすぐに納得する。特定の生徒の名前だけを覚えていればこうもなるか。
 しまったな。そうは思うが、元々恭子繋がりである以上は俺が何を言っても大して差はないだろうと判断する。

「……残弾、でしょうか」

 数秒程考えてそう口にする篁に小さく目を見開いて頷く。

「そう、正解だ。よく分かったな。基本的に俺達シャドウミラーで使われているビーム兵器は、機体の動力炉のエネルギーを使っている。それ故に戦術機で使っているような実弾の補給といったものが必要無い。もっともそれはあくまでも基本であって、中には例外もあるが」

 最も、その例外ってのは殆ど存在しないからこそ例外なんだが。

「戦術機の場合はバッテリーである為に余剰エネルギーが殆ど無いのに対して、シャドウミラーの機体はとある動力炉……一応機密なのでその辺はぼかさせて貰うが、その動力炉があるおかげで余剰エネルギーが大量にある。その結果、対BETA戦では補給の心配をしなくてもいいという意味では、かなり有利に戦える訳だな」

 そこまで告げ、真田に映像を続けるように促す。
 ドリフト内へと突入していくニーズヘッグ。
 BETAが無数に現れるが、その全てを撃破していくその様子に、映像に見入っている者達からは感嘆の声しか聞こえてこない。
 だが、それを見てちょっと失敗だったか? とも思う。
 現れるBETAの全てを殲滅していくという戦闘方法は、シャドウミラーの機体だからこそ出来るものだ。先程も口にしたように、時流エンジンのエネルギー回復能力があるからこそ補給を気にせず撃ち放題に出来るんだが、この世界の戦術機ではそんな真似は出来ないだろう。
 だからこそ、この世界のハイヴ攻略戦術では出来るだけ敵を避けるようにというのが大前提にあるのだろう。
 もっとも、その結果ハイヴから逃げ出したBETAが周辺に大きな被害をもたらすというのは、色々と思うところがある者も多いようだが。
 そんな風に考えている間に、スリーパー・ドリフトから降ってくる戦車級の映像に悲鳴が上がり、要撃級を一掃していく光景にも悲鳴が上がる。
 色々と種類の違う悲鳴だが、悲鳴は悲鳴だ。
 そうして……ニーズヘッグはやがてホールへと到着する。
 そこに出現した無数のBETA。
 それを見て再び上がる悲鳴。
 だが、当然の如くニーズヘッグはそれらの全てを倒し……やがて、それが現れる。
 ミミズのような、あるいは蛇のような、長い体躯を持つBETA。
 母艦級と仮に名付けた俺の名称がそのまま適用される事になった新種のBETAだ。
 その異様と巨大さに、再び教室の中は悲鳴が上がる。
 まぁ、要塞級ですら内部に入れられるんだから、その異様さには驚いても当然か。
 だが、そんなBETAもT.T.キャノンを使って内部から爆破され、息の根を止められる。
 映像が切り替わり――空間倉庫に収容するシーンはカットされている――再びドリフト内部を突き進み、レモン達と合流してメインホールへと向かう。
 そうして映像に映し出されたのは、100mを超える巨大な存在……即ち反応炉だった。
 斯衛軍に入隊するパイロットを育てるこの訓練校の生徒にしてみれば、反応炉というのは感慨深いものだろう。皆が黙って映像に映し出されているその巨大な反応炉を真剣な表情で見据えている。
 そうして最終的にはニーズヘッグが反応炉を切断したところで映像が終わる。

「さて、見て貰ったように今のが反応炉。ハイヴの心臓とも言える部分だ。あの反応炉を取り外すなり、あるいは破壊する事によってようやくハイヴはその活動を止める。ただし、同時に生き残りのBETAが近くにあるハイヴへと向かうので、その際に被害が出る事もあるな」

 そこまで言うと、黙って俺の話を聞いていた生徒の1人が手を上げる。
 最初に気に掛かった、黒髪のストレートの生徒だ。

「何だ?」
「シャドウミラーがハイヴを攻略した際には、生き残りのBETAはどうしたのでしょうか?」
「ハイヴ攻略時に俺が異世界から呼んだ援軍が地上でハイヴを誘き出しては撃破していた影響もあったし、シャドウミラーの機体がゲートから無数にハイヴに突入した事もあって、生き残りは殆ど存在しなかった。また、その数少ない生き残りにしても、シャドウミラーの無人機が撃破していった。生き残りは恐らくいないと思われる。もっとも、それはあくまでもこっちの認識でだ。あるいは殺しきれなかったBETAがいないとも限らないが」

 ニヤリと笑いながらそう告げると、一瞬ビクリとしたものの、それを表情に出さずに礼を言って着席する。
 その後も幾人かの質問に答え……そんな時間が15分程経過したところで、質問を一旦打ちきって次の映像を映し出すように真田へと視線を向ける。

「さて、ここからはBETAとはちょっと違う映像を見せよう。シャドウミラーがこのマブラヴ世界と関係を持つ少し前に関係を持った世界で、通称マクロス世界と呼ばれている。このマクロス世界では、バジュラと呼ばれる虫型の宇宙生物との抗争になった」

 そう告げ、バジュラの特徴を告げていく。
 学習能力が非常に高く、こちらの攻撃に対応して進化していく事。
 無数とも言える数がおり、その数の前には人間の兵器はどうしても劣勢に陥ったといった内容だ。

「どうだ? BETAとよく似ているとは思わないか? ただし、重量子ビームといった攻撃方法を持っていたり、宇宙でも平気で活動出来たりと、その能力はBETAの上位互換と言ってもいい」

 教室に満ちているのは絶望の表情。
 それは教官である真田ですらも変わらず、難しい顔をして映像を睨み付けるように見ている。

「まあ、安心しろ。このバジュラという生物はマクロス世界特有の生物だし……何よりも、意思疎通が可能だ」
「本当ですか!?」

 訓練生達を差し置いて、真田が驚愕の声を上げる。

「ああ、実際俺達もこのクイーン級と呼ばれている、女王蟻や女王蜂に等しいバジュラとの意思疎通に成功した。結果的にそのクイーン級は今まで自分達が住処にしていた惑星をマクロス世界の住人に譲って、自分達は別の銀河に向かったよ」

 より正確にはランカに懐いているバジュラのように、こちら側に残った個体もいるんだが……その辺は口にしない方がいいだろう。
 ただでさえ今の光景に度肝を抜かれているというのに、これ以上の衝撃を与えると色々と不味い事になりそうだし。

「ま、ともあれだ。別の世界にはこういう事例もあったとだけ覚えておけばいい。取りあえず駆け足だったが、俺の話はこれで終わる。……恭子」
「……この状態で私に場を譲るんですか? その、正直荷が重いんですが」

 小さく溜息を吐きながら告げる恭子。

「別に無理に俺に合わせる必要は無いだろ。斯衛としての活動を話していけばいいんだし」
「そんなのが吹き飛ぶような話をしておいて、何を言うんですか。いえまぁ、やらなければならない以上はやりますけどね」

 小声でそれだけを告げると、恭子が前に出て行く。

「さて、真田教官には紹介して貰いましたが、改めて自己紹介をさせて貰います。私は崇宰恭子。斯衛軍では大尉という階級を得ています。近衛部隊は戦術機の操縦に関して近接戦闘を重視しているというのは、皆さん既に十分承知しているでしょう。その理由としては至極単純。斯衛というのはいざという時に将軍閣下と皇帝陛下を守る為に存在しているからこそ。あるいは、そのお二方が居られる場所を守る。その為にこそ近接戦闘が重視されています」

 その言葉が教室中に響き渡るのを確認するように一瞥し、篁の場所で一瞬だけ止まり、再び口を開く。

「そして今、シャドウミラーとの交易により、戦術機にしろ、武器にしろ、今までよりも高性能な物が使われるようになってきました。その際に注意する事は……」

 以後、戦術機パイロットとしての近接戦闘での話が進み……それは1時間程続くのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1120 
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