転生とらぶる
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マブラヴ
0891話
イラクでのアンバールハイヴの間引きを行った次の日。何故か俺の姿は再び日本にあった。
京都にある、帝国斯衛軍付属山百合女子衛士訓練学校。
その名の通り、女子校だ。
女子校と言えばネギまの麻帆良学園に通った時の事を思い出すが、あの時の俺は10歳の外見だったから特に問題視されなかった。
だが、今の俺はノーマル……と言ってもいいのかどうか分からないが、20代の俺本来の姿だ。
当然周囲からの注目は色々と凄い事になっている。
しかも、俺の隣にいるのがこの日本では武家の頂点に立つ崇宰家の次期当主最有力候補ともなれば……
「なぁ。改めて聞くが、何で俺がここに来る必要があるんだ?」
「あら、何を仰るんですか。昨日の件であの2人が迷惑を掛けたから、謝罪代わりに私のお願いを聞いてくれるって言ったじゃないですか。だからアクセルさんにBETAとの戦い、そして他の世界で戦ってきた経験を話して貰いたいとお願いしましたし、それにうんと頷いたのでは?」
ニコリとした笑みを浮かべる恭子だが……
「いや、確かに頷いた。それは間違い無い。けど、だからって女子校はないだろう、女子校は。見ろ、ただでさえ男ってだけで視線を集めているのに、有名人のお前と一緒にいるから注目度は洒落にならないぞ」
それこそ、視線に物理的な圧力があれば身体に穴が空くんじゃないかって程に視線を集めている。
「ねえ、ちょっと。あのお方ってもしかして崇宰家の……」
「ええ、間違いありませんわ。鬼姫の異名を持つ崇宰恭子様です」
「ちょっ、な、なんで五摂家の方がこんな場所に!?」
「聞いた話だと、恭子様はこの山百合女子衛士訓練学校のOGだという話ですから、それが理由ではないでしょうか?」
「護衛の1人も連れずに、ですか?」
「そう言えば斯衛の方が誰もいませんわね。もしかして一緒にいるあの男の方が護衛なのかしら?」
「でも、距離感が違いましてよ? あの距離は何と言うか……そう、お互いが親しい知り合いのような」
「ちょっと、もしかして恭子様の恋人とか……でしょか?」
「けど……あの方、どう見ても日本人じゃありませんわよ? あからさまに白人です。五摂家の方がそのような方と……友誼を結ぶならともかく、そういう関係になるでしょか?」
「あら? でもあの男の方……どこかで見覚えが……っ!?」
あ、やばい。混沌精霊故の聴覚の鋭さで内緒話をしているのを聞いていたが、どうやら俺が誰であるかに気が付いた奴も多いらしい。
「ほら、とにかくここにいるのは色々と不味い。移動するぞ」
「待って下さい。何故そちらに向かうのですか? 向かうのは校舎の中ですよ」
そう言い、外に向かおうとする俺の腕を捕まえる恭子。
その瞬間、周囲の生徒達が嬉しさか悲しさか分からないが、悲鳴を上げる。
ちっ、このまま済し崩しに出て行きたかったんだが。
「戦闘の経験を話すって言うなら、別に女子校である必要は無いだろ。男子校……とは言わないが、せめて共学でだな」
そう言いつつも、周囲で話している声が聞こえてきた事からその理由については何となく理解していた。
実際、恭子の口から出たのもその通りのものだったし。
「ここは私が卒業した衛士訓練学校ですから、顔が利くんですよ」
「崇宰家って意味でなら、どこにでも顔は利くだろうに」
「それは……あら?」
そこまで告げた恭子が、ふと視線を止める。
その視線の先にいたのは、4人の衛士訓練生。年齢的にはあやか達よりも少し下といったところか。
髪を背中まで伸ばしたおっとりとした少女、ショートカットで少し色黒の落ち着きの足りなさそうな少女、眼鏡を掛けて後ろで髪を2つに結っている少女。そして、恭子を見て驚愕に目を見開いている、ショートカットで生真面目そうな少女。
特に最後の少女は、周囲の者達が恭子を崇宰家の人物として驚いているのとは違うベクトルで驚いているように見える。
「あら、唯依。いい所で会ったわね。教官の待機場所まで連れて行って貰える?」
そうして恭子は、何でも無いという風に気安く生真面目そうな少女へと声を掛ける。
なるほど、知り合いか。
俺はそう納得したのだが、何故か俺よりも周囲の事に詳しい他の訓練生達は逆に驚いている。
何だ? 恭子の知り合いだというのが知られたからか?
「恭子様!? 何でここに……」
唯依と呼ばれた少女は、周囲の友人達から向けられる驚愕の視線を感じる余裕もなく、慌ててこちらへと走って向かってくる。
「ちょっとこの方を案内しているのよ」
「こちらは……」
「アクセル・アルマーさん。ほら、シャドウミラーの……」
「っ!?」
耳元で呟かれた恭子の言葉に、唯依と呼ばれた少女は大きく目を見開く。
それこそ、恭子がここにいるのを見つけた時以上に。
「アッ! アク……」
「しっ、一応秘密でね。それよりもさっきも言ったけど教官達の部屋に案内してくれる? 私は山百合の卒業生だけど、今はもう無関係な立場だから勝手に入ったりすると色々と不味いのよ」
「あ、はい。分かりました。すぐにでも。ちょっと待ってて下さい」
短くそう告げ、後ろで未だに驚愕の視線をこちらに向けている3人の友人達の下へと向かって何かを告げ、再びこちらに戻ってくる。
「すいません、お待たせしました。さぁ、行きましょう」
そう告げ、俺と恭子は唯依と呼ばれた少女に案内されるようにして訓練校の中へと入っていくのだった。
「ここが教官達の部屋となります」
「ありがとう、唯依」
「いえ、恭子様やアクセルさんのお役に立てたのなら何よりです」
俺達を案内してきた少女が生真面目な表情でそう告げる。
案内の恭子に紹介されたが、この少女は篁唯依というらしい。
篁の母親が恭子との関係があり、小さい時から面倒を見てきたとか何とか。
恭子にしてみれば、妹のような存在なのだろう。
篁の方も恭子を姉の如く慕っているのが分かる。
ただ、篁の方は何となく恭子に対して遠慮しているようにも見えるが……まぁ、その辺は別に俺が関わり合う事じゃないか。
「失礼します、教官。崇宰恭子様と、アクセル・アルマー様をお連れしました」
「ああ、話は聞いている。お二人とも、良く来て下さいました。私は真田晃蔵と申します」
そう言いながら敬礼をしてきたのは、右目を眼帯で隠している強面の男だ。
……まぁ、強面っていう意味じゃムラタの方が上だが。
「今日はこちらの要望を聞いて貰い感謝しています」
「いえ、崇宰家の……しかも鬼姫とまで呼ばれる方からの要望とあれば、生徒達にとってもプラスになる話ですから。それに、世界で初めてハイヴを攻略したシャドウミラーの代表にお会いできるとは光栄です」
「恭子が無理を言って済まないな」
「もう、アクセルさん。私の後輩が生き残る為の糧となるんですから、そのくらいはいいじゃないですか」
恭子のどこか拗ねたような言葉に、思わず肩を竦め……何故か真田が目を大きく見開いてこっちを見ているのに気が付く。
「どうした?」
「……いえ、ただお二人が自分の思った以上に親しいように見えましたので」
「まぁ、何だかんだあって色々と付き合いがあるしな」
「そうですね。崇継さんから紹介された方でしたので最初はどんな方かと思っていましたが、思った以上に普通の方だったので驚きました。もっとも……」
チラリ、と俺の方を悪戯っぽい瞳で見た恭子は小さく笑みを浮かべつつ言葉を続ける。
「英雄色を好むの言葉通り、その辺は私の予想外な光景でしたけどね」
「まぁ、その辺については否定しない」
にしても、意外だな。古式ゆかしいというか、古風なタイプで恋人が大勢いるのは不潔ですってくらいは言われるかと思っていたんだが。
何しろ日本の武家の中でも最上級に位置する五摂家の人物なんだから。
……いや。お偉いさんだからこそ、その辺に関しては武家の義務として寛容なのかもしれないな。
英雄色を好むとか自分で口にしているし。
「普通は否定するものですよ?」
ウェーブの掛かった髪を揺らしながら笑みを浮かべる恭子。
崇継が俺を紹介した時は色々と緊張していたりしたが、今はかなり普通の態度で接するようになっていた。
「ま、何はともあれだ。今日する基本的な話については主にハイヴの件でいいんだな? 一応母艦級についての情報は各国にされているし」
母艦級に関しては、オーストラリアにある基地での調査が既に完了している。
やはりと言うか、戦術機の武器では外側から破壊するのは難しいらしい。可能性があるとすれば、内部にS-11という高性能爆薬を複数個放り投げて……ってところでようやく倒せるとかなんとか。
データと共にそれを知らされた各国は色々な意味でショックを受けていたらしい。
何でもBETAの地中侵攻に関してもこの母艦級が関わっているとかで、色々と対策を練ってはいるらしいが……一番簡単な方法としては、実はリニアガン・タンクの集中砲火なんだよな。
戦術機の使っている36mm突撃砲に比べるとリニアレールガンの威力は比べものにならない程大きく、それで集中攻撃すれば倒せる可能性は十分あるらしい。
それが知られると、ただでさえリニアガン・タンクの注文が殺到しているのがより一層酷くなった。
この辺、SEED世界の方に増産要請を出さないといけないだろうな。
他にも母艦級は地中探査の方法に関して色々と影響してくるとか何とか……
せめてもの救いは、母艦級の数が相当に少ないって事らしい。
それにしたって、少ないというのはあくまでも他のBETAに比べてであり、別に全部で10匹程度しかいないとか、そういう風じゃないらしいけどな。
「ええ、お願いします。一応母艦級に関してはこちらにも情報が回ってきているので授業で説明はしているのですが……」
「実感が湧かない、か」
「……申し訳ありません」
頭を下げる真田。
こうして見る限りでは、この男は実戦経験が豊富なんだろう。つまりBETAについての授業も実体験を基にしている筈だ。
そうなれば、当然自分が遭遇した事の無い母艦級に関しては説明が難しいというのも分かる。
……まぁ、どこぞの国のように母艦級を俺達が捏造したBETAだとか公言しないだけマシだろう。
「さすがに実物は持ってきていないが、母艦級と初めて遭遇した時の映像データは持ってきている。それを流せば、母艦級の脅威に関しては十分に納得するだろう」
「……いいのですか? 色々と機密もあるのでは?」
そう尋ねてくる真田だったが、俺はその言葉に首を横に振る。
「知っての通り、俺達シャドウミラーは色々な世界と関係を持っている。その中でBETAという存在が確認されているのはこの世界だけだし、それと同時にこの世界の人類はひどく追い詰められている。最近はその天秤も何とか互角が若干人類有利なところまで戻ってきてはいるが、その辺の事を考えれば母艦級に関してのデータを後生大事に保存しておく必要はないさ」
「……ありがとうございます」
真田がその強面の外見とは似合わず、深々と頭を下げる。
同時に、校舎の中に響くチャイム音。
「では、1限目にお二人の話を聞かせて貰いたいと思いますので、こんな場所で恐縮ですが、朝のHRが終わるまでもう少々お待ち下さい」
「構いません。私もここの卒業生ですから慣れています」
「俺の方も気にするな。待つというのは慣れてるからな」
「分かりました。では、失礼します」
部屋の隅にあるソファへと俺達を案内し、真田は出て行く。
その後を追うように若い女の教師も部屋を出て行き、部屋に残るのは俺達だけとなった。
「さて、呼びに来るまでは暇だが……どうする?」
「どうすると言われても……ここで待っているしかないのでは?」
確かにそうなんだが、特にこれと言ってやるべき事が無い状態で待つというのはどうにも暇を持てあます。
そんな風に考えつつ、空間倉庫の中から取りだしたのは缶紅茶。それを2本取り出して恭子へと1本渡す。
「ありがとうございます」
「何、気にするな。大量にあるからな。……それで、さっきの篁とかいう女だが……」
その言葉にピクリと頬を動かす恭子。
どこかジットリとした視線をこちらへと向けてくる。
「アクセルさん、もしかして唯依を毒牙に掛けようとか考えていませんよね?」
「さすがにそれは考えすぎだろ。それよりも篁っていうと、あの篁か? F-4J改の」
俺の口から出た言葉に、恭子は軽く驚きの表情を浮かべる。
まさか俺がその件を知っているとは思ってもいなかったのだろう。
「ええ、そうです。その篁で間違いありません」
「なるほどな」
以前に見た記憶によると、自分達で開発したF-4J改を使ってF-15との模擬戦で勝ったとかなんとか。
で、その開発チームの主要メンバーに篁という名前があったと思ったから、まさかと思ったんだが……見事にビンゴか。
「もっとも、今はシャドウミラーから譲渡された機体の解析に集中しているらしいですけど」
「そうか。あのストライクダガーが役に立っているようでなによりだ」
その後も恭子と暫くストライクダガーについての会話をしていると、やがて先程真田と一緒に部屋を出て行った女が戻ってきて、講演の開始を告げられるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1120
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