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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  0885話

 模擬戦が終わり、俺達はA-01連隊との友好を深めるという名目で白陵基地の食堂へと向かう事になった。
 で、その食堂で何よりも驚いたのはネギま世界から輸入した大量のレトルト食品があった事ではなく、合成食がそれなりに食べられる味になっていた事だった。
 ……実は夕呼としてはレトルト食品の方で驚かそうと思っていたらしいんだが。
 詳しく話を聞いたところによると、その原因は俺達だった。
 前にキリスト教恭順派に襲撃された洋上プラント。あの件でL.A.Iやシャドウミラーの技術班との話し合いや技術的なアドバイスにより合成食の味をある程度高めたまま生産量を増やす事に成功したらしい。
 その結果、以前程合成食に対して文句を口にする者は少なくなったとか。
 勿論味が良くなったとは言っても、ある程度でしかない。天然物の類を普通に食べている俺達シャドウミラーのメンバーにしてみれば、恐らく吐き出す程ではないにしろ不味いと言えるような味だろう。
 だが、この白陵基地の食堂で腕を振るっている料理人の腕がいいのか、そこそこ食べられる味になっていた。
 何でも、柊町とかいう場所にある、知る人ぞ知る京塚食堂とかいう食堂で働いていた事がある料理人らしい。
 これだけの味でも、その食堂を切り盛りしている女将よりは腕が落ちるという話だ。

「アクセル代表、少しよろしいでしょうか?」
「ん? 何だ?」

 レトルト食品とは言っても、さすがに麻帆良製。……より正確には、魔法使い製と言うべきか。下手な料理人が作ったのよりも上手い猪のスペアリブを食べていると、不意に声を掛けられる。
 そちらへと視線を向けると、そこにいたのは連城とスティング達の模擬戦が終わった後で呼びに来た伊隅だった。

「模擬戦終了後も言いましたが、アクセル代表の強さには感服しました」
「そうか」

 短く言葉を返し、本題に入るように視線で促す。
 それを理解したのだろう。連城は自分の隣に立っている伊隅へと視線を向け、言葉を続ける。

「模擬戦の最後、アクセル代表と戦って最後まで生き残ったのがこの者です。少尉」
「はい。先程も自己紹介はさせて貰いましたが、伊隅みちる少尉です。模擬戦ではシャドウミラーという存在の強さを味わう事が出来、良い勉強となりました」

 なるほど、A-01連隊の隊長でもある連城がわざわざ連れてきて紹介をするとなると、恐らく期待の人材なんだろう。
 そう考えれば、さっき俺達を呼びに来たのも顔合わせの一環だったのかもしれないな。

「ああ、これからも精進しろ。BETAは俺達とは別の強さを持っているからな」
「はっ!」

 シャドウミラーにいると勘違いしやすいが、やっぱりこのマブラヴ世界の住人にしてみればBETAの物量は対抗するのが難しいんだよな。

「それと、香月副司令がアクセル代表をお呼びするようにと」
「……俺を?」

 チラリと周囲に視線を向けると、イザークがA-01連隊のパイロットと戦術について話し合い、アウルとスティングは同年代のパイロットと何やら話している。
 俺だけでいいのかという無言の問い掛けに、連城は小さく頷く。

「はい、アクセル代表だけだそうです」
「そうか、分かった。ちょっと待っててくれ」

 そう告げ、BETAの戦い方についてA-01連隊のパイロットの男と話しているイザークへと近づき、声を掛ける。

「イザーク、悪いが俺は夕呼に呼ばれたからちょっと外す。この場は任せるが、いいか?」
「うん? ああ、わかった。お前はあの女と思う存分ゆっくりしてこい」
「……何か誤解してないか?」

 イザークの言葉にそう呟くも、本人は全く聞こえた様子も無く要撃級の前腕に対する回避の方法と、それを攻撃に繋げる動きの連携についてを語り始める。
 ……まぁ、いいか。
 そう告げ、連城に連れられて食堂を後にするのだった。





 案内されたのは食堂からそれ程離れていない場所にある応接室。
 準前線国家とも言える日本にしては随分と立派なソファやらテーブルやらの応接セットが揃っているところを見ると、恐らくはそれなりの立場がある人物の利用を想定している場所なのだろう。
 ……何故か部屋の中には誰もいなかったが。
 それを見た連城は、小さく溜息を吐いてから俺に中で待っていて欲しいと告げ、部屋を出て行く。
 まぁ、その理由はわかる。本来この場にいるべきだった夕呼を探しにいったのだろう。
 そんな連城を見送り、ソファへと腰を下ろして約5分程。不意にこちらに近づいてくる気配を感じる。
 最初は夕呼が戻ってきたのか、あるいは社が俺を察知してやって来たのかとも思ったが、そのどちらの気配でもない。かと言って夕呼を探しに出ている連城の気配でも無い。
 半ば好奇心にくすぐられ、ソファに座って近づいてくる気配の持ち主を探っていたのだが……やがて気配の主は部屋の前で止まると、音を立てずに扉を開け……まっすぐにそちらを見ている俺と視線が合う。
 そんな状況になるというのは向こうにしても予想外だったのだろう。あるいは、自分の気配の類を察知されているとは思わなかったのか。ともあれ、その人物は俺と目が合うと小さく驚きの表情を浮かべる。
 もっとも、一瞬で驚きの表情は消え失せたのだが。
 年齢としては40代程の中年の男で、トレンチコートに帽子を被り、どこか油断の出来ない雰囲気を発している。

「おやおや、君は誰かね? 私は確か麗しの香月博士と会う予定だった筈だが」

 俺を見るなりそんな声を掛けてくる男。
 その言葉使いはどこか飄々としており、何となく自分の裏表を決して見せないような雰囲気を発している。

「俺は……」
「ああ、アクセル代表だったかね。いや、これは初めまして」

 そうして、俺の言葉を遮るようにして告げてくる男。
 ……妙にかんに障るな。

「わざわざ名前を知っていたのなら、俺が誰かを聞く必要は無いだろ」
「いやいや、まさかこんな場所にシャドウミラーの代表がいるとは思ってもいなかったのでね。それよりもこれを差し上げよう。イースター島の土産です。……まぁ、買ったのは日本でだがね」

 そう告げ、懐から取り出したのはモアイのキーホルダー。……イースター島、ねぇ。
 こちらに近づいてきた男が、テーブルの上にキーホルダーを置く。
 取りあえず、と受け取ったそのモアイ象のキーホルダーを手に取り……違和感に気が付く。

「ほう、また随分と面白い機能を持ったキーホルダーだな。……見たところ日本人のようだが、これは日本の総意と受け取っても構わないんだな?」
「おやおや、気が付かれるとは思わなかった。勿論違うようでそうでもあるようで、違うよ」

 一見するとキーホルダー。……しかし、その中身には何らかの機械が仕込まれている。盗聴器か、発信器か……あるいは、爆弾か。

「さて、こういうのを貰ったとなると日本に対する態度も考えないといけないな。まずは他の世界からの輸出品を一旦停止、技術協力に関しても一時停止といったところか」

 そう告げた途端、目の前にいる怪しい男の頬がヒクリと動く。
 まさかそこまでするとは思っていなかったのだろう。
 そうして、その男が何か口を開こうとした、その時。
 不意に応接室の扉が開いて夕呼が社を引き連れて中へと入ってくる。
 そうして、俺と男を……そして、俺が握っているキーホルダーを見て何が起きているのかを理解したのだろう。額を押さえて溜息を1つ。
 ……まぁ、自分がしでかした失態を思い出したのだろう。

「あのねぇ、鎧衣。アクセルをおちょくって日本が被害を受けても、私は責任持てないわよ?」
「……やぁやぁ、麗しの香月博士。会えて何よりです。ですが、それは酷い。私としては、純粋に好意からのプレゼントだったのですが……」
「ほう?」

 鎧衣の言葉を聞き、持っていたキーホルダーを握りしめる。
 瞬間、手の中で粉々になり……モアイが掘られていた木と、そうして何らかの機械の部品がテーブルの上に零れ落ちた。
 そう、本来であれば木を彫って作ったモアイのキーホルダーには絶対に存在しない筈の機械部品。

「……さて、言い訳があるのなら聞かせて貰おうか」
「いやいや、これは不思議。どこでこのような物が混ざってしまったのか」

 まるで自分は何も悪くないとばかりに告げてくるその様子に、何かを言おうとしたその時。

「アクセル、こいつをまともに相手にするだけ無駄よ。いつだってこんな奴なんだから」

 夕呼がそう告げる。
 取りなしの意味も込められていたのは間違いないんだろうが、それ以上に鎧衣と名乗った男にジト目を向けている。

「ほう? それで俺に盗聴器を送りつけようとしたのを無かった事にしろと?」
「そこまでは言わないけど……ただ、こいつにいなくなられると私の計画に色々と不具合が起きるのよ。出来れば穏便に済ませてくれないかしら?」
「……そうだな……」

 確かに現在のシャドウミラーとしてはオルタネイティヴ4の方に肩入れしている。その状態で夕呼の戦力となっているこの男を処分するのは色々と不味い。
 だが、ここで甘い態度を見せるのも後日色々と面倒な事になりそうではある。
 さて、どうしたものか。
 そんな風に考えていると、不意に服がクイクイと引かれる。
 そちらへと視線を向けると、上目遣いで俺の方を見ている社の姿が。

「博士をいじめないで、下さい」

 社にこう言われてしまうとな。
 何だかんだ言って同じ超能力者同士というのもあるし、俺に懐いてきている社を無碍にも出来ない。
 オルタネイティヴ4の事や、諸々を考えると……そうだな。

「なら、こうするか」

 呟き、空間倉庫から鵬法璽を取り出す。

「鎧衣左近、とか言ったな。お前に対するペナルティを1つ与える。これから先、俺達シャドウミラーにとって不利益な行動を取らないと、お前自身の名に懸けて誓え」
「ほう? そうするとどうなるので?」
「それはやってみてのお楽しみだ」

 そう返すと、鎧衣が俺の持っている鵬法璽に視線を向けつつ、小さく笑みを浮かべて口を開く。

「もし私が誓わない……と言ったらどうなさるおつもりで?」
「その時は、お前の代わりにお前の上司……そして所属する組織、国に相応の責任をとって貰うだけだ。まず最初は先程言ったように輸入や技術を停止させるといったところか。……いいか、勘違いするなよ? お前に出来るのは俺の提案を大人しく呑むか、あるいは予定通りに日本に対しての罰を与えるのを見過ごすか。……好きな方を選ぶんだな」

 掌の中の鵬法璽を弄びながらそこまで告げ、後は鎧衣の判断に任せる。
 もっとも、夕呼からジト目で睨み付けられてしまっては飄々とした鎧衣にしても何を言えるでもなく、やがて小さく諦めの溜息を吐いたのだが。

「分かりましたよ、香月博士のような魅力的な女性に言われてはしょうがありません。男というのは、美しい女性には弱いものですからな。……それで、何と誓えば良かったんですか?」
「お前が自分の名に於いてシャドウミラーにとって不利益な行動を取らないと誓えばいい」

 その言葉を聞き、しょうがないとでも言いたげに鎧衣は口を開く。

「私、鎧衣左近の名に誓ってシャドウミラーに不利益な行動を取らないと誓います」

 鎧衣がそう呟いた瞬間、鵬法璽の効果が発揮される。
 本人にもそれが感じ取れたのだろう。先程までの飄々とした態度とは裏腹に素早く、そして鋭くこちらへと視線を向けてくる。

「これは……一体、どうなったのですかな?」
「お前が宣誓した通り、シャドウミラーに対して不利益となる行動はこれから一切取れなくなった。このマジックアイテム、鵬法璽の効果によってな」

 見せつけるように鵬法璽を手の平の上に置いて見せつけ、鎧衣、夕呼、更には社までもが覗き込んできたところで空間倉庫に収納する。

「今見せたのは魔法の道具、いわゆるマジックアイテムって奴だ。しかも封印級と言われる程に凶悪な能力を持つ……な。効果は簡単。自らの名前に於いて宣言した事を絶対に守らせるという能力を持っている。鎧衣とか言ったな。分かるだろう? お前の魂その物がさっきの宣誓に縛られているのが」
「これは……いや、特に何もありませんが?」

 そう告げつつも、さすがに今の行動は予想外だったのだろう。脂汗か、あるいは冷や汗か分からないが顔に浮かんでいる。

「……ま、そう言うのならそれでもいいさ。俺はこれを使ったって事で満足したからな」

 小さく肩を竦め、再びソファへと座ってから夕呼へと視線を向ける。

「それで、結局俺は何の用件で呼ばれたんだ?」

 その言葉に溜息を吐きながら鎧衣へと視線を向ける夕呼。

「見ての通り、この男を紹介する筈だったのよ。私の協力者にして、煌武院家との橋渡し役のこの男を……ね」
「なるほど。ま、ある意味自業自得でしかないけどな。次からは何か仕掛ける時に、それが可能かどうか、許されるかどうかをきちんと確認してからにするんだな」
「いやいや、これは手厳しい。はっはっは。……では、お近づきの印にこれをどうぞ。ニュージーランド饅頭です」
「……饅頭?」

 何でニュージーランドに饅頭があるんだとか、そもそも鵬法璽を使われた割には全く堪えてないとか、色々と言いたい事はあるが……取りあえず鵬法璽で縛られている以上この饅頭は普通に食えるものなんだろうな。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1120 
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