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ドリトル先生と学園の動物達

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第五幕その三

「インドのお菓子だよ」
「他にはないよ」
「アフリカにもなかったよ、この甘さは」
「オセアニアにもね」
 チーチーとポリネシアも言います。
「どうしたらこんなに甘くなるのかっていう位に」
「甘いにも程があるよ」
「ちょっとね」
「これはね」
「ううん、僕はね」
「私もこれはないわ」
 トートーとダブダブも食べていますがお茶を飲みつつ何とかという感じです。
「オーストリアのザッハトルテもかなりの甘さだったけれど」
「スペインのお菓子もね」
「けれどこれはね」
「そんなレベルじゃないわ」
「これは後でね」
「歯を磨かないとのう」
 ホワイティと老馬はこのことを気にしています。
「虫歯になるよ」
「絶対にな」
「僕達は歯がないからね」
「そのことは安心していいけれど」
 チープサイドの夫婦も辟易する甘さです。
「これはね」
「お茶が一杯必要よ」
「これ本当に甘過ぎるよ」
「無茶苦茶だよ」
 チープサイドの子供達も言うことでした。
「僕達あまり食べられないよ」
「甘いものは好きだけれど」
「それでもね、これはね」
「甘過ぎて、あまりにも」
「お茶があってやっとだよ」
「信じられない位甘いよ」
「全くだね、僕にしても」
 また言う先生でした。
「苦戦しているよ」
「あの、実際に味わってみて思ったのですが」
 日笠さんも同じお顔です、あまりもの甘さの前に。
「これはかなり限られた人が作ったもので」
「手作りのお菓子ですね」
「そう思います、私も」
 市販ではないことは明らかでした。
「一体誰か、ですね」
「そのことが問題ですね」
「そう思います、そうなりますと」
 ここでなのでした、日笠さんが言うには。
「この動物園、水族館や植物館もですが」
「そうした施設はですね」
「八条学園の全ての施設には防犯カメラが設置されています」
「学園の中でもですね」
「何処でも悪いことは起きるものですから」
 それこそ学園の中でもです、よくないことが起こってしまうのもまた世の中なのです。勿論八条学園もです。
「ですから」
「そういうことですね」
「はい、それでその防犯カメラで」
「誰がお菓子を投げているのかをですね」
「調べましょう」
 こう先生に言うのでした。
「虫歯の原因は間違いないので」
「お菓子ですね」
「しかもこの甘さは」
「日本にはないものですね」
「とてもありません」
 日笠さんは首を横に振ってさえいます。
「そしてそれはですね」
「イギリスでもです」
 先生のお国でもなのでした。
「ありません、ただ」
「例外はありますね」
「極端な甘党の人もいるでしょう」
「どの国にも」
「そしてお菓子を作る人も」
 極端な甘党のうえに、です。
「そうした人もおられるでしょうから」
「一概にどの国の人とは言えませんね」
「はい、ですが」
「防犯カメラで、ですね」
「どの人がお菓子を投げ込んでいるか」
「そのことを調べて」
「はい、そして」
 そのうえでだというのです。 
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