『自分:第1章』
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『復縁』
元旦那とは、たまに逢ってた。
店で寝泊まりさせて貰ってるときも。
マンション借りてからも。
『此の家で暮らす?』
冗談のような本気のような、咄嗟に出たセリフに自分が一番衝撃。
元旦那は笑ってた。
『オカンにぶちまわされるわや』
そりゃそうだ。
自分で勝手に離婚届出しといて馬鹿やん。意味解らん。
『離れたらお互い解ることもあるね』
そう、2人で話してた。
でも結局は同じ過ちを繰り返すだけやとも思った。
それでも、すがりたかった。
『家族』を取り戻したかった。
『家族』をやり直したかった。
でも、それは無理な祈り。
『やり直すなら遠く離れた土地で、親とは絶縁する』
そんな事さしたく無い。
あんな温かい人達と引き裂いてまで自分と一緒に?
そんな価値、自分には無い。
冷静になって考えると、単純な事で歯車が軋み出してた。
あの時は解らんかった。
あの時は許せれんかった。
自分だけを見てくれん事に苛立ってた。
遊びたいのは解ってた。
それでも気にかけてくれてたら違ってた。
近くに居て見えん事。
離れたら見えん事。
離れて初めて見える事。
距離感ってのは、愛が在ればこそ難しいモノなんかもしれんと想った。
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