『自分:第1章』
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『契約』
ママが零那のお金を管理してくれてた。
給与やチップ、零那貯金としてママがしてくれた。
家を借りる為のお金。
ってゆうても、保証人もいるし、絶対、自分で家借りるのは無理やと思ってたから、諦めてたけど...
ママが保証人なってくれた。
店の近場で徒歩圏内。
ママに自立まで助けて貰ってる。
部屋は、良く一緒に居る数人で見に行った。
お客さんのような友達のようなメンバー。
皆がいつでも来れるように。
泊まれるように。
駐車場も、自分は必要ないけど他の人には必要やから駐車場付き。
保証人って凄く覚悟居ることを、いともアッサリやってのけてしまえるママが、神様に思えた。
保証人の怖さは、昔、組長に教えて貰ったことがあったから解ってた。
『絶対にどんな相手だろうが保証人にだけはなるな!
なったら終わり!人生終わる覚悟やぞ!
金は人間を狂わすモノや!
例えワシが血迷ってオマエに頼んだとしても断ってくれ!』
組長が、こんなに言うくらい『保証人』は怖いモンなんやなって認識があった。
でも、ママは...
もし、零那が家賃払わずに滞納して何処かに逃亡したり死んだり...とか...考えんかったんかな?
それとも悩んで悩んで、その結果がこうだったんかな?
悩んでた様子もなく、軽くしてくれた様に感じたのは失礼なんかな?
凄く人が良すぎて逆に不安になった。
誰かに何か騙されたり...?
いや、でも、ママはそんな馬鹿じゃない。
零那のことを真剣に考えてくれての事。
信用して貰えてるって事。
巡り巡ってそれが答えだと想えたとき、改めてママの偉大さに感涙した。
こんな自分に、こんな良くしてくれて...
ママにとってのプラス要素なんか何ひとつ無い。
むしろマイナスばっかりなんが事実やし。
運送会社に置いて貰ってた荷物もある。
大型のトラック出してくれたり、家具を運んでくれたり、沢山の人に助けて貰った。
自分の家...
帰るべき居場所...
其れが与えられた喜び...
皆のおかげで零那の居場所が出来た。
一応、娘のプレイルームとか寝室とか考えつつ、希望を持って選んで見た。
店から徒歩圏内。
学校も近くて通学路も安全。
ダイニングキッチンが広くて、他の部屋は3つ。
此処で暮らせれる日がきたら...
夢を抱いた。
自分勝手に手放したくせに、また自分勝手に引き取るのか?
改めて考えると渦に飲み込まれる。
だから夢だけ...
希望だけ...
そう言い聞かせた。
いろんな人に助けられて支えられた。
で、自分の家ができた。
そのことに感謝。
ママに感謝。
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