『自分:第1章』
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『1年』
ママの店に来たのはマダ夏だった。
ホームレスの自分に、店を寝床に使って良いと助けて貰ったのは冬のはじまり。
ママがお金を管理してくれて、保証人になってくれて、零那が家を借りる事が出来たのは、夏真っ盛り。
何だかんだと色々あった。
店でも男でも問題はあった。
時期によっては過呼吸で店に出れん事も頻繁にあった。
個人援助も、たまにやけどマダしてた。
メンズで朝迄飲んで、店の鍵締めてマダその日の営業時間迄飲み明かした事もあった。
痛客とかじゃ無くて、友達感覚で飲んで食べて歌って皆で騒いでた。
1日が、凄く長くてやりきれん事も多かった。
嫌な事もいっぱいあった。
いっそ死んだ方が楽になれる。解放される。
それでも、見てくれてる人はいるし、頑張れた。
ママに出逢えて、仕事をさして貰えて、夜の世界を経験して、凄く意味のある日も多かったと思う。
目に見えん得たモノも多いと思う。
ママ達ファミリーが本当の家族以上に支えてくれ、守ってくれた。
零那の事を真剣に考えてくれてる事が凄く凄く幸せだった。
この1年間だけで、多分、零那は一般的な普通の常識も改めて知る事が出来た。
人間関係の難しさを痛感した。
狭い町やからこそ。
成長できた1年になったと思う。
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