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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第五十七話 浮気?いいえ誤解です

 
前書き
大輔と賢が浮気?
一応ギャグ。

はやて「ご飯出来たで~」
大輔「お?はやてが作ったのか?美味そうだな」
ブイモン[美味そうだなじゃないよ。目茶苦茶美味い]
賢「そうだね。更に腕を上げたんじゃないかい?」
はやて「う~ん、まあ、料理の修業は続けとるからな」
ワームモン[はやてなら賢ちゃんを任せられるね…]
ブイモン[美味い。リリカルアドベンチャー、始まるぜ…もぐもぐ…] 

 
それは大輔と賢が話ながら町を歩いていた時のこと。
雑誌の特集に悩んでいた人物が偶然、大輔と賢を見つけた。
「(あれは一乗寺賢君!!よし、今回の美少年特集のトップとして…あ、でも…)」
リポーターは隣の大輔に視線を遣る。
見た目は悪くなく、少々目つきが鋭い(戦いとストレスのせい)が、纏っている雰囲気は大人びている。
「(うーん、悩むわ。正統派のイケメン天才少年の一乗寺賢君。そして隣のエネルギッシュで大人びた雰囲気を持ったイケメン少年。ああ、私はどっちを選べばいいの!!?)」
特に選ぶ必要はない。
「(いっそのこと、あの二人をトップにしちゃいましょう!!)ねえ、君達!!」
大輔、賢「「?」」
二人がリポーターの女性の方を見遣る。
賢「あ、あなたは…」
大輔「知ってるのか?」
賢「ああ、時々、雑誌の特集で会ってた…それで?僕達に何か?」
「実はねえ、新しく発売する雑誌に美少年特集をやろうと思ってるの」
賢「美少年特集…ですか?」
大輔「(くっだらねえ…)」
胸中で呟くが、口には出さない大輔。
「そこで、中々見つからないから、あなた達二人にトップになってもらおうと…」
賢「はい?」
大輔「はあ!!?」
目を見開く二人。
まさか自分まで含まれているとは思わなかった大輔。
はっきり言って自分の顔は普通だと思っている大輔だが、案外大輔はかなりモテる部類に入る。
ただどこぞの金髪兄弟のように騒がしいファンがいないだけで。
元々話しやすい性格の大輔だ。
不器用ながらも何気ない優しさもある。
しかも最近は雰囲気が大人びて女子の間で話題に出る事も多くなった。
遠くや近くで見て恋に落ちる少女も多い。
大輔「待て待て!!賢ならともかく、何で俺まで!!?明らかに場違いだろ!!」
「あなた自分の魅力に気付いていないのね。あなたも中々の物よ。」
大輔「あんたの目は腐ってんじゃないか…?」
本気でリポーターに眼科に行くよう勧めるべきか、かなり悩んだのは言うまでもない。
「とにかく、いいかしら?」
賢「…まあ、別にそれくらいなら……」
そういうのに慣れている賢は快諾。
大輔も嫌々ながらも承諾した。

































後日、お台場小学校にて、大輔と賢は見事に美少年特集で雑誌のトップを飾った。
大輔はクラスメイトと元仲間の追求から逃れるので精一杯であった。
そしてデジタルワールドに向かったタケル達。
伊織「それにしても…」
雑誌の美少年特集でトップを飾った不敵な笑みを浮かべている大輔と賢を複雑そうに見る伊織。
京「何であいつ一乗寺君と写ってるのかしら…?」
美少年特集以前に何故大輔が賢と一緒に写ってるのかが分からない。
ヒカリ「…何か大輔君、一緒にデジタルワールドに行くこと少なくなったね」
タケル「そうだね、デジモン達の話からすれば毎日来てるらしいけど…」
何故一人だけ別行動をするのか?
その理由が分からない。
そして何故一乗寺賢と一緒に写ってるのか聞きたい。
その時。
フェイト「あれ?」
タケル「フェイトちゃんと…誰?」
フェイトとはやてがタケル達の元に向かう。
フェイト「彼女は…」
はやて「ええよ。自己紹介くらい自分でする。うちは八神はやて…八の神と書いて八神」
ヒカリ「あ、私と苗字が同じなんだ。」
はやて「ふーん、で?その雑誌は何なんや?」
チラリと雑誌を見ると、思わず雑誌を引ったくってしまった。
フェイト「はやて?」
フェイトも雑誌を覗くと、トップを飾っている大輔と賢を凝視してしまう。
チビモン[だいしゅけお兄ちゃんだー]
ギルモン[何だ、賢じゃねえか]
フェイト「うん、大輔…格好いい……」
京「は?」
一瞬聞き間違いかと思ったが、フェイトの大輔を見る表情は恋する乙女そのものであった。
はやて「ふ…ふふふ…」
どす黒い笑みと共に、雑誌を見るはやてにタケル達はドン引きする。
フェイト「はやて、どうしたの?」
はやて「どうしたもこうしたもあらへん…見てみい…」
はやてが指差すのは、大輔と賢の台詞であろう物が書かれている行である。
フェイト「…可愛いあなたに捧げる言葉…?」
読み上げたフェイトの身体が小刻みに揺れる。
はやても嘲るように笑う。
はやて「ふふふ……これは浮気と考えてええんやな…?ふ…ふふふふふふふふふふふふ」
伊織「(目が笑ってない…顔は笑ってるけど目が笑ってない…!!)」
フェイト「ふふふ…大輔の浮気者…」
バリィッ!!!!
京「ぎゃああああ!!?」
バリィッという派手な音を立てて真っ二つに破けた。
今回は特別特集で、普段より分厚い雑誌がたやすくだ。
はやて「あ、ごめんな~。つい力入れてもうたわ」
フェイト「全くもう、はやてったら…ふふふ」
はやて「あっははははは」
見惚れる程、美しい笑みを浮かべる二人だが、オーラから滲み出る怒りを隠し切れていない。
フェイト「京さん」
京「ひゃい!!?」
恐怖のあまり変な返事をしてしまうがフェイトは気にせず雑誌の半分を手にしながら尋ねる。
フェイト「これ…貰ってもいいですか…?」
京「どうぞどうぞ!!」
顔を真っ青にしながら破けた雑誌を渡す京。
はやて「おおきに~。ほな、フェイトちゃん…行くで~…ふふふふふふ…」
フェイト「うん…ふふ…」
美しくも恐ろしい笑みを浮かべながらこの場を去るフェイトとはやて。
多分はやては分からないが、フェイトは確実に大輔に会いに行くのだろう。
この時、全員が思った。
ご愁傷様…と。






























フェイト「大輔~…」
はやて「賢兄~…」
地獄の底から響き渡るような声に二人は思わず後退する。
大輔「な、何だよ…?」
賢「ど、どうしたんだい?」
フェイト、はやて「「どうしたもこうしたも(ないよ)あらへん!!(何なの)何やのこれ!!」」
二人が突き出すのは破れた雑誌。
大輔「破れた雑誌じゃねえか?」
フェイト「そう!!でも違うの!!」
はやて「何やの、この行に書いてある台詞は!!?」
賢「いや、何やのと聞かれてもね…」
自分達はこんなこと言った覚えはない。
恐らくただの捏造だろう。
しかし、自分達が言っても火に油を注ぐだけだろう。
ならば…。
ブイモン[何だこの台詞?大輔と賢は確かに写真撮られたけど、台詞は何一つ言ってないぞ?]
フェイト「え?そうなの?」
ワームモン[うん、多分あの女の人が雑誌の受けを良くするための捏造だよ]
はやて「そ、そやったんか…私らはてっきり浮気かと…」
賢「はあ…あのね…僕が浮気なんかするわけないだろ?」
大輔「全くだ。それより…」
破れた雑誌を手に取り、笑いつつも凄まじく黒いオーラを放つ。
大輔「今から行くか…」
賢「そうだね…」
その後、美少年特集を組んだリポーターが大輔と賢に土下座している姿が見られた。 
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