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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  0868話

「では、アクセル代表。私達はこれからバーナード星系へ向けて出発します」

 オウカが敬礼をしながらそう告げてくる。
 いつもはアクセルさんと呼んでいるのが今はアクセル代表となっているのは、この場にマブラヴ世界の国家から多くの代表が来ているからだろう。
 勿論その中で最も数が多いのはアメリカだ。オルタネイティヴ5の根幹を成すと言ってもいい調査目的なのだから、当然か。

「出来れば鉄原ハイヴ攻略作戦に参加したかったのですが……」
「まぁ、しょうがない。どっちかの実行時期をずらすって訳にもいかないしな」

 周囲にいる賓客達からの視線が向けられているのを確認しながらそう告げる。
 幸い今日は晴れであり、オーストラリアに建設されてたゲートを中心としたこの基地でのギャンランドの出発式に関しては全く何の問題も無く行われていた。
 そして、現在俺は皆の前で調査隊の隊長を務めるオウカに激励の言葉を掛けていた訳だ。

「お前の実力は俺が一番よく知っている。……何しろお前と会ったのは今のシャドウミラーの中だと俺とレモンが一番古いしな。だからこそ、お前に今回の調査隊を率いる事を要請したんだ。鉄原ハイヴの攻略に関しても確かに重要だが、今回の惑星調査もそれ以上に重要な任務だ。完遂を期待している」
「はい」

 そのまま言葉を終わらせ……ず、オウカの隣に立っている2人へと視線を向ける。
 1人は緑の髪を持ち、どこか責任感の強そうな外見をしている男。そしてもう1人は水色の髪と生意気そうな表情をしている男。
 そう、スティングとアウルの2人だ。
 この2人がシャドウミラーの実働班への入隊を希望しているのは知っていた。だが、それは通っているオーブの高校を卒業してからという事になっていたのだ。しかし、この2人はその条件をクリアした。
 簡単に言えば飛び級制度を使って高校を卒業した訳だ。オーブはSEEDの原作前からナチュラルとコーディネーターが共に暮らしていた国だ。そうなればそれぞれに学力の差が出てくる以上、当然の如く飛び級制度が存在している。
 スティングとアウルの2人はコーディネーターではない。レモンによって治療された以上、エクステンデッドですらもない。
 確かにその影響で普通よりは多少身体能力的に恵まれてはいるが、それでも歴としたナチュラルなのだ。だが努力に努力を重ねて、飛び級制度によりオーブの高校を卒業する事になった。
 正直、イザークからそれを聞かされた時は呆れたが……確かに高校を卒業している以上、シャドウミラーの入隊を拒否出来る筈もない。
 同年代という事でスティングやアウルと交流のある麻帆良のあやか達は、それを聞いて非常に悔しがったとか。
 エクステンデッドであった時に比べて能力は下がったが、それでもこの2人は暇があればエルアインスやリオンといった機体に乗って訓練をしていたし、シミュレータの方でもそれなりに使っている。
 それを踏まえて、今回は研修という意味も含めオウカの補佐として調査する惑星に送り出す事になった。

「お前達2人も、これがシャドウミラーとしての初任務となる。オウカの言葉を良く聞いて決して無理をするな」

 元エクステンデッドであり、それなりに訓練をしているとは言っても所詮はそれなりだ。今のこの2人では量産型Wと比べて腕が落ちるのは事実。
 これから向かう場所にBETAがいないというのは送られてきたデータによってすでに判明しているが、今日BETAがいなかったから明日もいないとは限らない。それがこの世界のBETAという存在なのだから。

「大丈夫、大丈夫。任せておけって」
「アウルがいるし、ま、シャドウミラーの名前に泥を付けないように頑張ってみるさ」

 アウルとスティングがそれぞれそう告げ、自信を覗かせる。
 チラリと式典に並んでいる者達の一画へと視線を向けると、そこではシャドウミラーの内政のトップとして並んでいるエザリアが心配そうに2人へと視線を送っていた。外見とは裏腹に、かなりの子煩悩だよな。
 実働班として並んでいるイザークに関して言えば、特に表情を変えている様子は無いんだが……ああ見えて身内に対してぶっきらぼうな態度を取る奴だ。心配していないという事はないだろう。

「では、これより出発準備に入る。担当の者はギャンランドに乗り込んでくれ」

 式典自体はそれ程長く掛かるでもなく俺のその宣言で終了し、早速とばかりにオウカ、スティング、アウル、技術班数人という今回出発するメンバーは、今回の任務に先立ちシステムXNとフォールド機関を追加されたギャンランドへと乗り込んでいく。
 それを見送る各国の代表達は複雑な表情だ。特にオルタネイティヴ4の総責任者でもある夕呼はどこか底のしれない視線を時折こちらへと向けており、隣に座っている霞がウサギの耳のアクセサリーをピョコピョコと上下させている。
 夕呼の放つプレッシャーにかなり混乱しているのだろう。
 他にもオルタネイティヴ4を支持している者達、特に欧州圏から出席している者達は一様に悔しさや怒り、あるいは無念と言った複雑な表情を浮かべている。
 それでも暴発していないのは、俺達シャドウミラーが移民に関してはともかくG弾の集中運用には反対の立場を取っているからだろう。
 そんなオルタネイティヴ4派とは裏腹にオルタネイティヴ5が手放しで喜んでいるのかと言えば、決してそうではない。
 G弾の件もあるし、何より結局アメリカは調査隊に自分達の国から人材を送り込む事は出来なかったのだ。
 さすがにG弾の実物やG元素をシャドウミラーに対して譲渡するのは選べない選択肢だったらしい。
 まぁ、それを見越しての条件だったんだけどな。
 そんな状況でもきちんとお偉いさんをこの式典に出席させている辺り、アメリカにも色々とあるんだろう。
 ……あ、夕呼とチクリチクリと嫌味を言い合ってる。まぁ、オルタネイティヴ4と5だと思えば無理もないか。
 オルタネイティブ同士って事で隣同士にしたのは間違いだったな。
 そんな風に考えている間にも、調査隊の面々はギャンランドへの乗り込みを完了する。
 既にギャンランド自体は起動しているので、それぞれが自分の席に着けばすぐに発進できるようになっているんだよな。

『では、アクセル代表。ギャンランドはバーナード星系へ出発します』
「ああ、任せた」

 映像モニタに映し出されたオウカがそう告げ、ギャンランドが光の繭に包み込まれていく。
 それを見て、式典の参加者達から驚きの声が漏れる。
 当然この中にはアラビア半島防衛戦の時にシロガネがシステムXNで転移した光景を見た者も多かったのだろうが、それでも1度や2度見ただけで慣れるという事はないのだろう。
 その光の繭がギャンランド全てを覆い……次の瞬間にはシステムXNが発動してギャンランドの姿は俺達の目の前から消える。
 既にギャンランドは宇宙空間に転移を完了しており、そこから更に何度かの転移を繰り返してからフォールドに移る筈だ。
 向こうでの調査期間も考えると、帰ってくるのは一月程度掛かる予定になっている。
 そして、オウカ達が帰ってきた時には既に鉄原ハイヴの攻略も終わっている……だろう。余計なちょっかいが入らなければ。
 ともあれ、そっちの件の話に関しても後で話しておかないとな。
 そう判断し、まだ唖然としている観客達へと向かって声を掛ける。

「では、これにてバーナード星系へ向けての出発式典を終える。集まってくれた者達はご苦労だった。この後、軽いものではあるがパーティを用意してあるので楽しんで欲しい。特に異世界の料理はかなり自信を持って進める事が出来るから、満足して貰えると思う」
「パーティ会場にご案内します」

 量産型Wがそう告げ、式典に参加していた観客達をそれぞれ案内しながら先へと進んでいく。
 既に量産型Wに関してもそれなりに知られるようになった為か、特にヘルメットを被っている様子を見て驚いている者は少ない。
 まぁ、中には無礼だ云々と口にしている奴もいるようだが、すぐに周囲から窘められるような視線を向けられて黙り込んでいる。

「アクセル、パフォーマンスとしては大成功ってところ?」

 そんな声に振り向けば、そこには夕呼の姿。
 その隣には先程まで上下されていたウサギの耳を付けている霞の姿もある。

「こんにちは……」
「パフォーマンスって程じゃないけどな。お前のライバルも苦々しい顔をしていただろ?」

 霞に頷きながら夕呼にそう言葉を返すと、その言葉に夕呼の眉が不愉快そうに顰められる。

「ちょっと、止めてよね。あんなのがあたしのライバルな訳ないじゃない。良く言って踏み台よ、踏み台。それにあんた達のおかげでこっちの計画は大分進んでいるんだから、向こうと比べられたくはないわね」

 嫌そうな表情を浮かべつつ、それでもすぐに笑顔になる辺りは本人の言葉通り実際にオルタネイティヴ4は大分進んでいるんだろう。

「それにしても、レモンから聞いてたけどあんたたちの技術って凄いのね。まさかあんなに巨大な艦が一瞬にして消えるとは思わなかったわ。……正直、この世界であたし達が必死になって研究してきたことって何だったのかしら……」
「別にこの世界の技術だって嘆く程の事じゃないだろ。1900年代で戦術機のような人型機動兵器を作り出していたってのはかなり珍しい部類に入るしな。それも独力でだ」

 今までも思ってきたが、これは本当に凄い。OGs世界、マクロス世界は宇宙から来た存在があって初めてPTやAM、あるいはVFを作り出したんだし、SEED世界はここより100年近くも未来になってようやくザフトがMSを開発した。唯一の例外はギアス世界だが……あそこは色々と特殊だからな。

「それにレモンと技術的な話を出来る相手ってのは稀少だしな。どうだ? そのうちシャドウミラーに来てみないか?」
「あら、嬉しいお誘いね。けど、残念ながら今はBETAをどうにかする事しか考えてないのよ。そっちがどうにかなったら、また誘って頂戴。そうしたら少しは考えて上げるわ」

 不敵な笑みを浮かべつつそう告げる夕呼に小さく肩を竦め、まだ記念式典の会場に残っている者達の視線がこっちに向けられているのを感じる。
 それに気が付いた夕呼はニヤリとした笑みを浮かべていた。
 こいつ、自分が俺達と親しいのを周囲に見せつけて、オルタネイティヴ5派を牽制するつもりだったのか。
 相変わらず強かというか、何と言うか……
 だが、向こうとしてはまだ暫くこの状態を続けたいらしく、そのまま会話が続いていく。

「それで、今度鉄原ハイヴに挑むんでしょ? 勝算は……って、聞かなくても良さそうね」

 小さく肩を竦める夕呼に、俺もまた同様に小さく肩を竦める。
 何しろアラビア半島防衛戦では15万のBETAをほぼ無傷に近い状態で倒したのだから、フェイズ2のハイヴくらいは楽に攻略出来る。……少なくても俺はそう思っているし、シャドウミラーの皆を信じているしな。
 唯一の懸念としては、やっぱりハイヴの構造その物だろう。ぶっちゃけ攻略するだけならシロガネのグラビティ・バスターをメインシャフトから撃ち込めばいいだけなのだから。そうすれば、例えそこに光線級や重光線級が存在していたとしてもシロガネの各種バリアを突破する事は出来ないだろう。
 だが、それをするとハイヴにいるBETAが周辺に散ってしまう可能性が高いんだよな。特に鉄原ハイヴは周囲に敦煌ハイヴ、重慶ハイヴ、ウランバートルハイヴ、ブラゴエスチェンスクハイヴの4つがある。
 これに散らばられると、手間ばかり掛かってどうしようも無くなるのは事実だ。
 下手をすればそのまま済し崩し的にそれら4つのハイヴを攻略し、その4つのハイヴから逃げ出したBETAを追って周囲のハイヴを攻略し……なんて事になりかねない。
 それを思えば、やはりベストなのはBETAを全て滅ぼしてから反応炉へと向かう事なんだろう。特にハイヴの反応炉に関してはレモンが結構興味深そうにしてたし。
 そんな風に思っていると、まるでそれを察知したかのように夕呼が口を開く。

「ねぇ、もし良ければあんた達が攻略したハイヴの反応炉、こっちに譲って貰えると嬉しいんだけど?」

 そう言いつつ、俺の腕を抱え込み豊かな胸を押しつけてくる夕呼。
 以前に下着姿を見た時にも思ったがなかなかに大きい。……じゃなくて。

「残念ながら国連との契約で今回のハイヴ攻略はバンクーバー協定の例外とするって条件になってるんでな。まぁ、作られたばかりでG元素が無いと分かっているからこその譲歩だろうが」
「でしょうね」

 その点に関しては夕呼も同意見だったのだろう。国連にしてみれば、俺達シャドウミラーとの取引で戦力を飛躍的に上げられる目算が付いてるところだ。ここで俺達との関係をこじらせたくないというのもあるのだろうが……

「ともあれ、反応炉に関してはレモンが興味を持っていてな。どうしても欲しいのなら、そっちと直接交渉してくれ。折角のホットラインがあるんだから、使わないと損だろ?」

 周囲に聞こえないようにそっと耳元で囁くと、夕呼は溜息を吐く。
 どうしても自分に不利だというのは理解しているのだろう。

「さて、じゃあそろそろパーティ会場に向かうとするか。お前の好きな天然物のコーヒーや、コーヒーを使ったデザートもあるから、たっぷり楽しんでくれ」
「アクセルさん」

 クイクイと裾を引っ張ってくる社にも頷く。

「ああ、社用にも甘いお菓子を用意しているから、安心してくれ」

 そう告げ、2人を伴ってパーティ会場へと向かうのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1120 
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