転生とらぶる
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マブラヴ
0867話
洋上プラントでのキリスト教恭順派の襲撃は、色々な意味で世界に衝撃を与える事になった。何しろ、この世界を救う現実的な手段を持つ俺達シャドウミラーに対してのテロだ。元々俺が何度となくこの世界からの撤退を匂わせているだけに、これを機に本気でこの世界から撤退されるのでは? そう考えた者が多かったのだ。
それで起こった事は、国連でキリスト教恭順派に対して非難声明を出し、それを聞いた各国家はキリスト教恭順派をテロ組織と認定。排除へと掛かっていった。
普通であればこういう時は民間の協力者達が庇ったりするものなのだろうが、何しろ現在世界各国にはシャドウミラーを通して豊富な食料が輸出されている。
その殆どは缶詰、瓶詰め、カップラーメン、レトルト食品といったような日持ちのするものだったり、あるいはマクロス世界で作られた、この世界のものとは比べものにならない程の味の合成食料だ。
特に麻帆良印の食料の人気は物凄い。
食料以外にも生活用品の類も輸出されている。
そんな状態で、俺達シャドウミラーから輸出されている品々で今までに比べると生活レベルが格段に上がっている状況だ。そこで俺達シャドウミラーがこのマブラヴ世界から手を引くというのは、国家の上層部だけではない。一般市民にとっても許容出来る事では無かった。
結果、面白いようにキリスト教恭順派は捕まっていき、試算ではあるが7割程の戦力がダウンしたと言われている。
もっともキリスト教恭順派のリーダーでもあるマスターとかいう奴や、あるいはある程度以上の戦力を持っていたりする者達は逃げ延びているが。
それでも自由に動かせる手足が徐々に切り取られていっている状況な訳だ。
各国上層部に入り込んでいる者やその協力者達も次々に捕まえられているらしい。
そんな風にこれまでの状況を考えつつ、通信の相手へと声を掛ける。
「……で、向こうの態度は?」
『F-15Eに関しては、自分達も盗まれたのであって被害者だという態度を崩していません』
映像モニタに映し出されたレオンが、小さく肩を竦める。
『まぁ、14機もの最新鋭機を横流ししたというよりは、盗まれたという方がまだマシだという判断でしょうね。本来であれば盗まれたという事すらも秘匿したかったのでしょうが……何しろ、アクセル代表は色々とこの世界でも注目されてます。それは難しいと判断して、ベストではなくベターを選んだのでしょう』
「だろうな。だが、それよりも問題は……キリスト教恭順派と繋がっている奴はどうなっている?」
『そちらについては、さすがに素早いと言うべきでしょうな。CIAの上層部の者が数人行方不明になっており、政治家も数人が体調が悪化したとして入院扱いとなっています』
「ほう、確かに対応が早いな」
『何しろ、政治家に関して言えば大統領と同じ政党の者達も含まれていたらしいので……』
その数人の政治家というのがキリスト教恭順派と繋がっていた者達であり、CIAの方はアメリカお得意のマッチポンプでも使用したのか?
正直、アメリカ大統領のビルにしてみれば今回の件は致命的……とまではいかないものの、大きなダメージだったのは間違いない。しかもその犯人の何人かが同じ政党、つまり身内にいたのだから。
「なるほど。まぁ、アメリカにはアメリカで自浄作用を発揮して貰うとしよう。それはともかくとして、賠償請求の件に関してはどうなっている?」
『はい、そちらに関してですが報告……と言うよりも、向こうから提案がありました』
「提案? 譲歩とかそういうのじゃなくてか? 正直な話、こっちから要求した件は向こうにしてみれば色々と飲みにくいものだったと思うんだが」
今回の件で俺が……より正確にはシャドウミラーがアメリカに対してした賠償請求は、技術班からの要求がそのまま通った形になった。
即ち、アメリカで開発された戦術機の全機種を完璧な状態で譲渡する事。
具体的に言えば、アメリカ陸軍のF-4、F-5、F-15、F-16の系列機全種類。アメリカ海軍のF-11、F-14、F-18の系列機系全種類。
まぁ、簡単に言えば現在アメリカ軍が持っている機種全ての機体を貰うという訳だ。
レオンとしては次期主力機のF-22とやらも引っ張ってきたかったらしいが、さすがにこれに関してはまだ機体そのものが存在していない為に諦める事になった。
トライアルに出した方の機体はまだ残っていたようだが、そちらも2機しかないらしいしな。
そのYF-22にトライアルで負けたYF-23に関しては多少興味があったが、何だかんだで色々と面倒くさそうな事になりそうだというレオンからの進言に従って諦める事に。
向こうにしてみれば大量の戦術機を無償で提供するという事になるのだから、業を煮やしているといったところだろう。
だが、その状態で提案……?
『はい。戦術機だけではなく、攻撃機として区別されているA-6、A-10の2機種も付けるので、バーナード星系に向かう際の惑星調査にアメリカから数名同行させて欲しいと』
……ほう。そっちに手を出してきたか。
だが考えてみれば、バーナードの星系の調査に関してはアメリカから打診されたのだ。それを思えば確かに向こうからも人を出したいと言ってきてもおかしくはないか。
それでもそう簡単に呑める条件かと言えば、そうでもない。
そもそもA-6とA-10は随分と古い機種だった筈だ。A-6が配備されたのが1970年代だった筈だし、その後継機であるA-10にしても1980年代始め……いや、1970年代後半だったか? ともあれ、既に20年から30年近く昔の機体を渡すから惑星調査に同行させて欲しいと言われてもな。
「さすがにその条件だと難しいな」
『ええ。私もそう言って一旦断りました。それで確認なのですが、どこまで譲歩をしてきたら同行させてもいいと考えますか?』
どこまで……か。そうだな。こっちから派遣するのはオウカと量産型W。後は技術者を数人ってところだろう。勿論戦力としてはメギロート、イルメヤ、シャドウの3種類は送るが。
それを思えば、同行する相手が何らかの思惑を――それこそ乗っ取りとか――持っていたとしても楽に対応出来る。
そもそもオウカ自体がシャドウミラーの幹部である以上、エヴァとの訓練で魔法を習得して生身での戦闘力はかなり高い。もしもマブラヴ世界の軍人が何かをしようとしても、まず取り押さえられるのが落ちだろう。
更に量産型Wもいるのを思えば、艦を乗っ取られるような可能性は考えなくてもいい。だが、乗っ取りじゃなくて技術的な情報を盗もうというのは普通にありそうだな。
その危険性を踏まえると……そうだな。
「G弾の実物を1発か、あるいはアメリカで確保しているG元素の一定量の譲渡。その条件を受け入れるのなら3人は連れて行っても構わないと返事をしてくれ」
『それは……向こうにしても受け入れがたいのでは?』
「まあな。だが、こっちが無理をして連れて行く必要は考えていないからな。それを思えば妥当だろう。ああ、それと鉄原ハイヴの攻略に関してアメリカ側の反応はどうなっている?」
既に国連を通してシャドウミラー単独での鉄原ハイヴの攻略というのは許可されている。そして攻略自体は俺達単独だが、当然他の各国にしてもシャドウミラーの戦力は見たいし、ハイヴに関してもその実態を調査する機会は逃したくない。
今までにも何度かハイヴ攻略作戦が行われているが、その全てが失敗しているからな。
その辺の事情を考えれば、フェイズ2の鉄原ハイヴであろうとも絶好の好機。そしてアメリカは国連を実質上支配している国だ。当然何らかの動きはあるだろう。
そんな俺の疑問は、当然のように頷きをもって返される。
『現在アメリカ軍では観戦武官の選定に入っているようです。アラビア半島防衛戦の時は時間が無くて急だった為に、向こうとしても満足出来る人材ではなかったのでしょう』
「そうか? こっちに入ってきている報告だと、それ程悪いって感じは受けなかったけどな」
アラビア半島防衛戦の後、当然ニヴルヘイムの指揮を執って貰ったエザリアからは観戦武官達がニヴルヘイムの中でどういう行動を取っていたのかの報告は貰っている。
それによると、全ての観戦武官が外で行われている戦闘の映像に見入っていたとある。そして戦闘終了後に俺達がBETAの全滅を確認している時や、あるいは機体のパーツを集めている時も観戦武官達同士で戦闘について話し合っていたとかなんとか。
ちょっと面白いところでは、アラビア半島にいたのはそれなりに長時間になった為に軽食や飲み物の類を出したのだが……かなりの勢いでそれを消費したということか。
国連に連れられてきていた者達なんだから、天然物の食べ物には飢えている訳ではないだろうと思っていたんだが。
だが、まさかそれが原因だという訳じゃないよな。
「理由はともかく、観戦武官を誰にするかはその国々の判断だ。俺達が介入すべきことじゃないか。……それに、機体や食料品といったものを俺達から輸入している以上、向こうにしても迂闊な真似は出来ないだろうしな」
それを知った上で妙な事を企んだとするのなら、こちらもそれ相応の態度を取るだけだ。
特にアメリカ辺りはこの前のキリスト教恭順派の襲撃に関してもそうだが、生半可に国力が大きいからか色々な勢力の暗躍を許してしまっているんだよな。
今回もその辺が関係していなければいいんだが。
『それとまだ検討の段階ですが、こちらに派遣する観戦武官の他に日本海に空母を派遣するという話も出ているようです』
「……まぁ、鉄原ハイヴの位置を考えれば特に問題はないだろう。日本海に関してはアメリカは日本の同盟国なんだから許可も得やすいだろうし」
『そうでしょうね。向こうにしてもそれを見込んでの行動でしょうし。……ただ……』
呟き、言葉を止めるレオン。
言ってもいいかどうか。それを迷っている様子だ。
「何だ? 構わないから言ってくれ」
『はい。……実は、その派遣される艦の中にテイラー大将が入るという情報がありまして』
「テイラー大将? 聞き覚えが無い……いや、どこかで」
確かバーナード星系の件を打診された時に大統領と一緒にいたな。
『アメリカ軍の大物です。いえ、それは別に構わないのですが、この人物はいわゆる強硬なG弾信者という奴でして』
「……ほう、なるほど」
G弾論者で、しかも大将という階級。そうなるとオルタネイティヴ5推進派の中でもかなりの大物だという事だろう。そんな人物が、G弾は欠陥兵器だと指摘している俺達シャドウミラーのハイヴ攻略戦闘を見に来るか。
向こうにしてみれば自分達のG弾を使ったハイヴ攻略作戦に駄目出しをした俺達シャドウミラーが、本当にハイヴ攻略を出来るのかどうかを確認に来るというのが強いんだろう。……さすがに俺達がハイヴ攻略をしている時にG弾を使ったりはしないよな?
「そのテイラー大将とやらはどんな人物だ? 俺達を邪魔に思っている様子はあるか?」
『その辺はあるでしょうね。シャドウミラーがG弾を欠陥兵器だと認識しているというのは、現在他の国々に対しても知られている情報です。G弾信者としてその辺は絶対に許せないでしょう』
「なら、俺達がハイヴ攻略している時にG弾を使う……という可能性は?」
その問い掛けに、レオンは数秒程考え口を開く。
『私が聞いている限りのテイラー大将の情報ではその心配はいらないと思いますが、これに関してはあくまでも私が聞いている情報だけで判断しているので何とも言えません。直接会ってみますか?』
「そうだな、一度会ってどんな相手かを確認してくれ」
その言葉を最後に、細々とした話をした後でレオンとの通信が切れる。
こうしてみると、随分とシャドウミラーの役に立っているな。
そんな風に思いつつ、ネギま世界の火星へ……ただし、フェイトではなく修羅王のアルティスへと向けて通信を開く。
『む? 誰だ? ……ああ、アクセルか。どうしたのだ?』
通信に出たアルティスは、マクロス世界から戻ってきた後に連絡した時にも思ったが、修羅王としての経験からか王としての風格、あるいは覇気というようなものをその身に宿すようになっていた。
「フェイトから連絡のあった話に関してだ」
『ああ、ハイヴとかいう化け物の巣を攻め落とすという話か』
「そうだ。実際に作戦が行われるまではまだ多少の余裕があるが、いつでも参加出来るように準備だけは整えておいてくれ」
『その辺に関しては問題無い。話を持ってきてくれた時から既に派遣する者達は決まっている』
「指揮官は?」
正直な話、修羅達の性格を考えると下級修羅兵だけを送ってこられてもこっちが困る。基本的には強い奴に従うという本能的なものは持っているが、それでもマブラヴ世界の住人達と迂闊に騒ぎを起こされては堪ったものではないからな。
だが、そんな俺の疑問は向こうも承知しているのだろう。問題は無いとばかりに口を開く。
……そう、思ったのだが。
『アリオンを出す』
「おい、何でよりにもよってアリオンだ?」
自由戦士を自称しており、飄々とした性格の持ち主だ。少なくても下級修羅兵達を率いられるのかと言われれば、不安が残る。
『心配はいらない。奴はああ見えてやるべき時はきちんとやる。その辺に関しては安心してくれていい』
「……もし派遣された修羅達がこっちで騒ぎを起こした場合、相応の処分をする必要になるが?」
『ああ。奴もこの火星での生活で成長している。任せても問題は無いと私は判断した』
へぇ、そこまで言わせるか。
「分かった、ならそっちに関しては口を出さないから、よろしく頼む」
『うむ。……ところでちょっと聞きたいのだが、女への贈り物というのはどのようなものが喜ばれる? 妻を何人も持っているアクセルであれば良い意見があると思うが』
何故かそんな相談を持ちかけられる。
……メイシスに対するプレゼントか?
ともあれ、それから30分程話をして通信を終えるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1120
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