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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  0869話

 ギャンランドがバーナード星系へと旅立ってから1週間程。現在俺達シャドウミラーは20日程先に迫っている鉄原ハイヴ攻略についての準備を進めていた。
 国連から提供されたハイヴ攻略シミュレーション、通称ヴォールクデータというのがあるのだが、これは当然戦術機でしかシミュレーションは出来ない。その為、慌てて技術班が魔法球を使ってシャドウミラー各機用にデータを調整して貰って完成したのが今朝。それで早速とばかりに現在そのシミュレータを試していた。
 尚、今回はシロガネとニヴルヘイムは無しの状態、純粋に人型機動兵器のみで行っている。

『うじゃうじゃ出てくるな。どいてくれ、一掃する!』

 ムウの声に従い、ドリフト内部で戦っていた俺達はアシュセイヴァーに場所を譲って後方へと退避する。
 瞬間、ハルバート・ランチャーからドリフト内部全てを埋め尽くすような光線が放たれ、要撃級の群れを纏めて消滅させていく。

『よし、今のうちに進むぞ』

 ムウの合図を境にして再び進み始めると、再び現れるBETAの群れ。
 この世界の本来のやり方であれば、横穴でもあるドリフト内部で姿を現すBETAとは極力戦わず、弾薬を温存しながら反応炉へと向かうのが一般的らしい。
 だが、俺達としては基本的にこちらの情報を他のハイヴに持っていかれるのを防ぐ為、即ちBETA側にこちらの対抗手段を取らせないようにする為に見的必殺。現れたBETAは全てを殺していくようにしている。
 勿論ハイヴ攻略時にはハイヴの周囲、特にドリフトから続いているゲート周辺にはイルメヤなりメギロートなり、シャドウなりを待機させておき、姿を現したBETAは皆殺しにしていく予定だ。
 あるいは修羅達も多少はハイヴの外側に残るだろう。
 当然その時には上空にシロガネとニヴルヘイムの姿もあって地上に目を光らせている。
 それにハイヴ内のドリフトにしても、俺達以外にもメギロート、イルメヤ、シャドウを突入させる予定になっている。
 まぁ、そっち方面はエネルギーや弾薬の関係で出会った全てのBETAを撃破していくという真似は出来ないかもしれない。
 しかし、幹部の機体は今回のハイヴ攻略に先立ち全機に時流エンジンを追加搭載している。つまり、基本的にはエネルギー切れの心配をしなくてもいいのだ。
 もっとも、エネルギー消費の激しい武器を連発できるような回復量ではないが。
 それでも、ビーム砲の類であればエネルギー切れの心配はいらない筈だ。
 そんな状態である以上……

『おい、もうメインホールに着いたぞ? ハイヴ攻略というのはこんなに簡単なのか?』

 ヒュッケバインMk-Ⅲに乗っているイザークの、どこか拍子抜けしたような通信。
 実際、戦力が過剰だった為か、特機組は殆ど行動をしないままでこうして目標でもある反応炉が設置されているメインホールへと到着してしまう。
 そこまで来れば苦労する事もなく、メインホールにいる光線級を含むBETAを全て殺してヴォールクデータはクリアとなった。
 その場で全員シミュレータから出ると、どこか微妙な空気が混じる。
 それもそうだろう。実際にハイヴの中を突き進んでいったのはいいが、結局1度も攻撃をしなかったムラタやエキドナ、レモンやスレイといった面々もいたのだから。
 結局この4人に関してはただドリフト内を飛んできただけという結果になってしまった。

「……完全に戦力配分のミスだな」

 初めて使うヴォールクデータという事で万全の態勢で挑んだのだが……
 考えてみれば当然か。BETAにはビームを防ぐ防御力なんてないんだからな。しかも通路のドリフトは地下であるが故に、地上とは比べものにならない程に自由に動ける範囲が少ない。
 移動速度にしてもそうだ。戦術機は基本的に長距離を飛べないように出来ているから、ある程度跳ぶ……いわゆるブーストジャンプをしたらドリフト内部に一旦足を着いて、そこから再び跳ぶというような事をしないとならない。
 だが、シャドウミラーの機体はイルメヤ以外は基本的にテスラ・ドライブ装備の機体だ。つまり普通に延々と空中を飛んで移動出来るのだ。
 その辺でも戦術機とシャドウミラー機の大きな違いが現れている。

「考えてみれば、アクセルが参考にしたのは戦術機のハイヴ攻略マニュアルだったんだろう? なら、機体性能が大きく違いすぎる私達にそれが合うかと言われれば、答えは否でしかない」

 コーネリアがそう呟きながらスポーツドリンクの入ったペットボトルを放ってくる。
 それを受け取りながら、確かにと思わず納得してしまう。

「じゃあ、どうする? いっそ火力が十分な以上は皆でバラバラになるか?」
「確かにムウの意見はありかもしれないが、それだと何らかの不具合が起こった時に対応出来なくなるぞ」

 イザークの言葉に、ムウもまた確かにと頷く。
 確かにムウの意見は正しい。戦力的に戦術機よりも格段に上である以上、俺達が一塊になって挑む必要は無いんだよな。実際に俺達の火力を考えれば、それぞれがバラバラに別のゲートからハイヴ内に突入した方がBETAの殲滅速度も上がるし。
 かと言って、イザークが言うようにいざという時の事を考えると1機だと不安だ。
 となると……
 黙ってその場にいる者達を見回す。
 レモン、コーネリア、スレイ、エキドナ、ムラタ、ギルフォード、ムウ、イザーク。
 マリューもいるが、シロガネはさすがにハイヴ内に突入は出来ないので、取りあえず今回は除く。
 それぞれ乗っている機体は、レモンがヴァイスセイヴァー、コーネリアがラピエサージュ、スレイがシャドウ、エキドナがヴァイサーガ、ムラタがトリニティゲイン、ギルフォードがヴァルシオン改、ムウがアシュセイヴァー、イザークがヒュッケバインMk-Ⅲ。
 これらの機体を2機ずつに分けるか。
 まずは特機のヴァイサーガ、トリニティゲイン、ヴァルシオン改か。ギルフォードはコーネリアと組ませておけば連携に関しても心配ないだろう。これは決まり。
 エキドナは誰とでも合わせられるし、逆にムラタは癖が強い。
 人に合わせるのが得意なオウカがいれば、ムラタと合ったんだけどな。取りあえず年長のムウに組んで貰うとして……エキドナは冷静に行動出来るのを思えば熱くなりやすいイザークだな。となると、スレイはレモンか。
 シャドウは装甲が厚いし、近接戦闘用の武装も充実しているのを考えれば、ヴァイスセイヴァーとの相性も悪くない。
 頭の中で素早く考えを纏めると、早速とばかりに口を開く。

「今度は全員が別々のゲートからハイヴに潜る。組み合わせは、レモンとスレイ、コーネリアとギルフォード、エキドナとイザーク、ムラタとムウ」
「なるほど、遊兵を作るのなら確かにその分手を増やした方がいいか。私達の機体性能を考えれば、2機もいれば十分だしな。だが、そうなるとアクセルは……いや、聞くまでもないか」

 コーネリアの言葉に小さく肩を竦め、それを見た他の者達も同様に納得の表情を浮かべる。

「じゃあ、取りあえず次はこの組み合わせでヴォールクデータに挑戦だ。言うまでも無く遭遇したBETAに関しては基本的に全て撃破するのを忘れないでくれ。この世界の常識で考えれば信じられない行動だろうが、俺達はシャドウミラーだ。ハイヴ占領後にBETAを他のハイヴに逃がさない為の手間をなるべく少なくする為にも見的必殺でいく」
「やれやれ。アクセルに付き合っていると、いつでもスリルを楽しめる日々が続くよな」
「何だ、自信がないのか?」

 肩を竦めるムウに、イザークが挑発するように告げる。
 だが、それに戻ってきたのは小さな溜息。

「別に自信がないって訳じゃないさ。やれるだけの自信も実力も持っているつもりだ。けどなぁ……あのウジャウジャと大量にいるBETAを全部殺し尽くすってのいうのは、色々と面倒くさいだろ」
「後で散らばったBETAを倒していくのが面倒になるだけだと思うけど?」
「……確かに。散っていったBETAを追うのがメギロートとかだったりするけど、それで逃がしたりしたらこちらの情報が向こうに伝わる可能性もあるか」

 レモンの言葉にスレイが同意し、それを見たムウは降参とでもいうように両手を上に上げる。

「じゃあ話が決まったところで、2人1組に分かれてシミュレーションをもう1回だ」

 俺の言葉に皆が頷き、再びシミュレータの中へと入っていく。
 そして……

「よし、このドリフトの長さならBETAを纏めて一網打尽だ!」

 真っ直ぐ一直線になっているドリフトの中、要撃級、戦車級、闘士級、兵士級が無数に姿を現しているBETAへと目掛けてヒュドラ後方に装備しているメガ・バスターキャノンの砲口を向け、トリガーを引く。
 放たれる強力極まりないビーム。そのビームは無数のBETAを飲み込みながら真っ直ぐにドリフト内を進んでいき、そのまま行き止まりになった場所をも貫いてそのまま進んでいく。そして……

『おわぁっ!? な、何だ!? すぐ目の前を極太のビームが通り過ぎていったぞ!?』
『くっ、ムウ! 攻撃の手を緩めるな! 突撃級が向かってきているぞ!』

 ……ムウの焦り声と、エキドナの声が言い合うような通信が聞こえてくる。
 ああ、うん。そうだよな。ハイヴの中はドリフトと呼ばれる横穴が無数に入り組んだ構造になっているんだから、当然威力の強い攻撃を行えば、壁を貫いて他のドリフト内部に向かう可能性もあるんだよな。
 そして……

『なっ! じゅ、重力波砲だと!?』
『ビームが真横から!』
『う、後ろからビームが飛んできた!』

 そんな声が至るところから聞こえてくる。
 どうやらドリフト内部を貫通するような攻撃を放っていたのは俺だけじゃなかったらしい。
 っていうか!
 斜め後ろから熱源反応を感知し、咄嗟にニーズヘッグを上昇させる。すると次の瞬間には俺がいた場所を狙ったかのように重力波砲が貫き、更に数本のドリフトを貫通していくのを目にする。
 結局その後もBETAというよりは味方の誤射……誤射? ともかく味方の攻撃の方をより警戒しながらハイヴを攻略していき、やがては俺が反応炉に到達してアダマン・ハルパーで切断して成功に終わったのだが……

「駄目だろ、これ」

 シミュレーション終了後に、思わずと言った様子でムウが呟く。
 いやまぁ、確かに。最初にシミュレーションをやった時は、全機が同じ集団だったからこそ強力な兵器は味方機にも被害を与えかねないとしてあまり使われなかったし、あるいは使っても同じ集団だったからドリフトを貫通しても味方機に被害がなかった。
 だが、それぞれが別のゲートからハイヴに突入した場合は周囲に味方の数が少ないから破壊力の高い武器も使える。
 ちなみにニーズヘッグの武器を使って見た感じで言えば、ランツェ・カノーネはドリフトの壁を貫通したが、ヒュドラのビーム砲なら何とか貫通しないで済んだ。
 その結果、ヒュドラのビーム砲とビームサーベル、エナジーウィングの広域発射、拡散ビーム砲という広範囲攻撃が可能な武器が多く使用出来たからこそ……そしてファントムという奥の手があった故に俺が反応炉に到達出来たんだが。

「まぁ、ドリフトの厚さにもよるんだろうが……それでも高威力の武器は使用しない方がいいだろうな。それと、レモン。悪いがある程度の威力を持った武器でエネルギー消費型の武器、シャドウが使っているようなビームガトリング砲をどの機体でも使えるようにしてくれ」
「分かったわ」
「って事で、取りあえず自分の機体の武器の威力に不安がある奴はレモンから武器を受け取ってくれ。エネルギー消費型なら時流エンジンのおかげでエネルギー切れにはならないだろうしな」

 M950マシンガンとかが使えればベストなんだろうが、実弾兵器だとやっぱり弾数の問題がある。

「取りあえずもう1度だ。ただし次はお互いが使う武器の強さを意識してだ。今回のハイヴ攻略はこの後色々な意味で俺達の役に立つ筈だから、妥協はしたくない」

 鉄原ハイヴは俺達にとっては演習に近い。だが、だからこそこの演習は以後のハイヴ攻略に関しての下敷きとなる筈であり、そこに手を抜くという事は一切考えていない。
 他の者もそれを理解したのだろう。面倒くさがりのムウや不平屋のイザークですら文句を言うでも無くそのままシミュレータの中へと入る。

『じゃあ、開始するわよ。ヴォールクデータ、スタート』

 マリューの声と共に再びハイヴ攻略が始まり、その後数時間程も熱中する事でどの機体もどれだけの武器を使えばドリフトを破壊するのかというのが明らかになる。
 ……スレイがいてくれたのは幸運だったな。スレイの乗っているシャドウは専用にカスタマイズされているとは言っても、量産型Wの使っているシャドウに流用できるし。
 ただ……ハイヴ内部がこれ程脆いとなると、修羅達は中に突入させずに外でゲートから出てくるBETAを相手にして貰った方がいいかもしれないな。
 そんな風に考えながら、その日のシミュレーションを終え……そしていよいよハイヴ攻略の日がやってくる。





 ちなみに、一応アリオンを含む派遣部隊にヴォールクデータのシミュレータをやるかどうかと通信で聞いてみたのだが、当然の如く却下されたのは……修羅である以上しょうがないのだろう。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1120 
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