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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  0866話

 グリフィンドラゴン。俺がネギま世界で召喚獣としての契約をしたモンスターで、外見はと言えば名前通りにグリフォン+ドラゴンというそのままだ。
 ただし角が後頭部から2本前方へと伸びており、鷲の翼とドラゴンの羽が1対ずつの合計4枚あるのが特徴か。
 ちなみに名前はグリ。命名は美砂だ。
 ともあれ、そんなグリは俺の後ろの歪んだ空間から姿を現し、大きく雄叫びを上げる。
 その雄叫びに喜びが混じっているのは、俺としても嬉しい。嬉しいんだが……だからと言ってこの状況であんな雄叫びを上げれば、洋上プラントの中にいるキリスト教恭順派の奴等を警戒させてしまう。

「落ち着けグリ」
「GYOOOOOO」

 巨大な顔を擦りつけてくるグリを撫で、言い聞かせるように告げる。
 そんなグリに驚愕の余り腰を抜かして何も言えずに、ただ指さしてあわあわ言うだけの国連から派遣されてきた男。

「GYORURURURURU?」

 何こいつ、とでも言うように喉を鳴らすグリだが、それに構わず早速用件を告げる。

「いいか、グリ。お前は今からこの建物の周囲を飛んで回るんだ。そして、誰かが逃げ出そうとしたなら、そいつを戦闘不能にして捕まえろ。ただし、決して殺すなよ。……一応聞いておくが、この状況中でシェルターの類に入らずに洋上プラントから出て行くような奴はいるか?」

 言葉の後半をグリではなく国連の男へと尋ねるが、小さく首を縦に振る。

「……」

 何か言葉に出したのだろうが、グリの視線に完全に怯え、竦んでいる。
 いやまぁ、生でグリを見たのなら無理もないか。

「もう1度確認する。非常警報が鳴っている状態では最寄りのシェルターに避難するのが普通で、洋上プラントから自分だけで逃げ出そうとする奴はいないな?」
「……」

 再びの質問に、先程同様首を縦に振る男。
 なら安心か。ただまぁ、いざって時に混乱して突飛な行動を取るような奴も少なくないしな。それを思えば、念には念を入れておいた方がいいか。

「ってことで。さっきも言ったが、出来るだけ殺すなよ。グリからの攻撃は、相手が攻撃してきた時だけにする。その際にも可能な限り殺すな。後、この洋上プラントに向けて巨大な人型の人形が迫ってきている。そいつの武器はお前の風の障壁でも防げるかどうか分からないから、無理だと思ったらそっちとは無理に戦うな。

「GYAAAAA」

 コクリ、と頷くグリに向けて改めて命令する。

「よし、行け! お前も海は初めてだろうから、遊び半分でいいから行ってこい」

 その言葉に喉を鳴らし、翼と羽を羽ばたかせてグリは飛び立つ。

「あの、その……一体、何て言えばいいか……」

 グリがいなくなってようやく我に返ったのか、そう告げてくる男に対して気にするなと首を横に振る。

「ま、このマブラヴ世界では初めて召喚獣をその目で見たんだ。幸運だったと思うんだな。それよりも中に戻るぞ。洋上プラント内部にいるキリスト教恭順派をどうにかしないといけないからな」
「……あ、はい! そのこっちです」

 ようやく我に返ったのだろう。海風が吹きすさぶ中で慌ててそう告げて中へと入っていく。
 その瞬間、早速とばかりにアルトのVF-25FにF-15Eが撃破された爆発音が聞こえてくるが……本当に生かして捕らえてるんだろうな? まぁ、その辺の心配はアルトの技量を考えればそんなにいらないか。
 そもそもオーストラリア国防軍との演習の映像データでも見ていない限り、戦闘機が攻めてくるというのはこの世界の住人にとって完全に未知の領域だろうし。
 ともあれ早速とばかりに放たれた幾つもの爆発を伴う戦闘光をそのままに、俺と国連職員は施設の中へと入っていく。
 相変わらず非常警報が施設の中へと鳴り響いている為に、人の姿は殆ど存在しない。そんな中、国連から派遣された男は周囲の様子を眺めつつ口を開く。

「えっと、それで施設に侵入しているキリスト教恭順派を全員捕らえるって事でしたが……どうやるんです?」
「それ程難しくはない。さっき見たのとはちょっと形式が違うが、召喚魔法を使ってな」

 言葉を返し、指をパチンと鳴らすと空間倉庫が展開され、そこから銀色のスライムが姿を現す。

「ひぃっ! ……え? えっと、その、これは……」

 突然の光景に驚愕の声を上げた男だったが、空間から伸びているのが銀色の半ば液体、半ば固体のような存在だと知ると、予想外だとでも言うように尋ねてくる。

「俺の召喚魔法の1つ、スライムだ。これを使う」
「これを……ですか? その、どうやって?」

 訝しげに尋ねてくる男だが、それには特に何も言葉を返さずにスライムを細く、細く……それこそ0.01mm程度の細さへと変えていく。
 そのまま俺を中心にして四方八方へと伸びていき、本来であれば入れる筈の無い床、天井、壁、あるいは空気孔やダクトといった場所へと入りながら施設中へと広がり続ける。

「え? え? え? アクセル代表、一体何を?」
「黙って見てろ。今からテロリスト共を一網打尽にするからな。これからちょっと集中する。何かあったら呼びかけてくれ」

 突然広がったその光景に目を見開いている男へとそう告げ、俺の意識はスライムと同化していく。いや、より正確には手や足、耳、鼻といった感覚器がもう1つ増えたようなものか。
 ともあれ極細のスライムを伸ばしていき、洋上プラント施設内全てへと張り巡らせていく。

『おい、標的は見つかったのか!?』
『まだだ。どこにもいない。C班が突入して音沙汰がないのを思えば、予想地点から逃げ出したんだと思うが……くそっ、それにしても外で暴れているあの機体は何だ!?』
『全くだ。てっきり時代遅れの戦闘機かと思いきや、普通に人型に変形しやがる。しかも最新鋭機のF-15Eが中隊で掛かっても手も足も出ないで撃墜されていってるぞ』
『恐らくあの悪魔の手駒の1つだろうな』
『だが、あの悪魔は生身でここに来た筈だ。上から降りてきた情報でもそうなっているし、実際に兵器の類を持ってきていないのは確認済みだ。なら……え? おい、どうした!?』
『うわぁっ、お、おい! 何だ!? 何でいきなり倒れているんだよ。これも悪魔か……悪魔の仕業か!』

 なるほど、色々と興味深い話が聞けたな。
 ちなみに悪魔ってのは話の流れで聞く限りはどうやら俺の事らしい。……まぁ、大魔王とか呼ばれていたのを思えば間違いじゃないか。
 どうやら俺の空間倉庫を知らないレベルの者が関わっているらしいってのは、ある意味でいい情報だったな。その辺から洗えば……いや、そもそも俺の能力を詳細に知っている者の数がそもそも少ないか。
 ともあれ情報を聞き出した後は特に用件がないので、スライムを使って気絶させていく。
 幸い0.01m程の細さしかない為に、相手は次々に仲間が気絶していくのを見て半ば恐慌状態になってそこら中へと銃弾を撃ち込んでいる。
 ……俺を悪魔と呼んでいる以上、悪魔の仕業ってのは間違ってないんだけどな。
 そのまま話していた5人程のテロリスト達を気絶させた後、他の場所へと向かっているスライムの触手へと意識を繋げ、情報を収集し、用済みになったら気絶させていく。
 そんな事を繰り返し続け、やがて30人程を気絶させ……

「これで終わりだな」

 念の為に再び施設中に張り巡らせているスライムの触手で人の有無を調べ、残っているのが全てこの洋上プラントの職員であると確認すると、そのままスライムを空間倉庫へと戻してそう呟く。

「……え?」

 突然黙っていたかと思えば、いきなり目を開けての収束宣言に思わず聞き返す男。
 まぁ、分からないでもない。何しろ俺が目を閉じて黙ったままになり、そのまま時間が経過したら終わった宣言だったのだから。

「言葉通りの意味だ。襲ってきたキリスト教恭順派に関しては全て気絶させた。後はそっちで奴等を確保して貰っても構わないんだろう?」
「え、ええ。その、もし本当に全員が片付いたんならこっちでどうにかしますが……本当に?」
「ああ。あのスライムにはそれだけの能力があるんだよ」
「……は、はぁ。確かにあのグリフィンドラゴンとかいうのを呼び出せるくらいのアクセル代表の実力を思えば、不思議じゃないんでしょうが……」

 グリに関しては驚いているのにスライムを信じ切れていないのは、実際にその両方を見比べているからこそか。
 いっそ今のスライムがどれだけの大きさを持つのかを見せてやったら納得するんだろうが……生憎とそこまでやってやる気はないしな。
 そう言えばグリはどうしたんだ? 施設の周りを回っているだけで、特に何も感じない。キリスト教恭順派の方はこっちで全員片付けた以上、危険は特に無い筈だが……一度様子見くらいはしておいた方がいい、か。

「取りあえずそっちに関しては任せた。俺はちょっと外に出て、さっき放ったグリの様子やアルトの様子を見てくる」
「あ、そう言えば! その、こう言ってはなんですが本当に大丈夫なんですか? 向こうは12機の1個中隊だって話ですが。あのアルトという方も年齢を見る限りまだ10代でしたし」

 この男、意外に心配性だよな。
 だがまぁ……

「心配はいらない。アルトはああ見えても、こことは違うマクロス世界という世界ではエース部隊の一員だからな。それにいざとなったら俺も出る」

 当然ながら、空間倉庫の中にはニーズヘッグが入っている。いざとなれば俺が出て奴等を鹵獲すればいいだけの話だが……アルトの実力は幾度となく戦場を共にした俺が一番よく知っている。そのアルトと、VF-25F。それもトルネードパック付きだ。襲ってきたのがどんな相手でも、撃墜する事は不可能だろう。
 そんな俺の心中を理解した訳では無いだろうが、男は小さく頷き頭を一度下げてから外へと出る扉を開け、事態を収拾すべく去って行く。
 それを見送り、3度外へと出ると……

「いや、これはさすがに予想外。……可能性としてはあり得ると思っていたが」

 視線の先には手足、そして背中の跳躍ユニットや頭部といったもの全てを失い、胴体のみとなったF-15Eを4つの足で捕まえているグリの姿があった。

「GYAAAAAAA」

 褒めて褒めて、と捕まえているF-15Eの胴体を俺の方へと差し出すグリ。
 胴体のみは無傷だし、コックピットが開いた形跡もない。
 中のパイロットは気絶しているのか、あるいは胴体以外が破壊された影響で不具合が生じたのか。はたまたグリフィンドラゴンという存在に唖然としているのか。
 ……ああ、なるほど。キリスト教というのはドラゴンを悪しき存在としているってのを聞くし、そんな相手にしてみればグリは神の敵なのか。……いや、それなら余計に暴れてもおかしくはないんだが。
 ともあれ、コックピットがああなっている以上情報を聞き出せるパイロットはまだ存在しているのだろう。
 そんな風に考えていると、空の向こうからVF-25Fがやってくるのが見える。
 どうやらあっちも片付いたようだな。
 当然と言えば当然だが、この世界の最新鋭機でもあるF-15EはVF-25Fには手出しも出来なかったか。1対1という限定された戦いだったが、グリも勝つ事が出来たしな。

「アクセル、中はもういいのか?」
「ああ。既に全員気絶させたから、後は捕らえるだけだ」
「……よくもまぁ、この短時間で」
「それを言うなら、そっちもよくこの短時間で……なんて風には言わないけどな。寧ろ時間が掛かりすぎたんじゃないか?」

 コックピットから降りてきたアルトは、そんな俺の声に嫌そうに眉を顰める。

「そう言われてもな。あの戦術機という機体がこっちに想像以上に脆かったんだからしょうがないだろ。迂闊にビーム兵器とかを使えば間違いなくとんでもないダメージでパイロットに致命的なダメージを与える可能性も高かったし、実弾兵器の類も威力の問題で使えない。結局使える武器は頭部のレーザー機銃しかなかったんだからな」

 ああ、なるほど。確かにVF-25Fともなれば戦術機を相手に使える武器は威力の問題で限られるか。
 普通ならこの手の問題は武器の威力が低すぎて威力が足りないとかなる訳だが、今回の場合は威力が高すぎての問題だよな。
 それを考えれば、ある意味しょうがない。

「それよりも……こっちが手間取っている間に1機そっちに通した時は驚いたぞ。何しろいきなりそいつが出てきたんだから。ギャラクシーネットで見てなきゃ、もしかしたら撃ってたかもな」

 グリを見ながら告げるアルトに、ギャラクシーネットの会見で出しておいて良かったとつくづく思う。
 さすがにグリといえども、VF-25Fを……それもトルネードパックを装備している相手にして勝ち目があるとは思えないからな。
 ともあれ、こうしてキリスト教恭順派は全てが捕らえられ、今回の襲撃事件は終わりを迎えるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1120 
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