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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第二十八話 森林の暗殺者

 
前書き
ワームモン、再び進化。
はやて「リリカルアドベンチャー、始まるで!!」 

 
ブイドラモンがシェルモンを撃破し、子供達は野宿が出来そうな場所を探して歩き続けていた。
日が落ちてきて辺りが朱色に包まれる。
不思議な色の夕焼けだ。
大輔と賢は久しぶりに見るデジタルワールドの夕焼けに目を細めた。
なのは「野宿出来そうな場所まだ見つからないね…」
なのはは手の甲で額の汗を拭いながら呟く。
動けないまでとはいかないが、疲れてきている。
少し足が痛み初め、そろそろ休まなければ皆ばててしまうだろう。
一応鍛えている自分がこうなのだからアリサやすずか、アリシアの疲労は相当な物だろう。
…ピチョン。
プロットモン[っ!!]
アリシア「あれ?どうしたのプロットモン?」
プロットモン[静かに…]
微かに聞こえた音にプロットモンは耳を澄ませた。
アリサ「どうしたのよ?」
アリサが首を傾げてプロットモンに尋ねる。
プロットモン[水の音がするわ…]
ルナモン[…本当だ……]
プロットモン同様、耳が良いルナモンも耳を澄ませて同意した。
賢「…何処にあるんだい?」
ルナモン[…あっち]
ルナモンが目を閉じながら指差した。
大輔「…行ってみよう」
子供達はルナモンが指差した方向を歩いていく。































ルナモンとプロットモンに導かれ、しばらく歩いた子供達は大きな湖を見つけた。
肩で息しているアリサ達を見遣ってから賢が口を開いた。
賢「今日はここまでにした方がいいと思う」
大輔「疲れて腹も減ってきたしな」
ユーノ「じゃあ、今夜はあそこでキャンプですね」
ユーノの言葉に全員が頷いた。
少し歩けば水の臭いが鼻腔を擽った。
混じりけのない純粋な水の匂いに子供達は小さく笑みを浮かべる。






























ルナモンとプロットモンに導かれ、しばらく歩いた子供達は大きな湖を見つけた。
肩で息しているアリサ達を見遣ってから賢が口を開いた。
賢「今日はここまでにした方がいいと思う」
大輔「疲れて腹も減ってきたしな」
ユーノ「じゃあ、今夜はあそこでキャンプですね」
ユーノの言葉に全員が頷いた。
少し歩けば水の臭いが鼻腔を擽った。
混じりけのない純粋な水の匂いに子供達は小さく笑みを浮かべる。






























しばらく歩くと電波塔が沈んでいる湖が子供達の目の前に現れた。
なのは「わあ、綺麗な湖!!」
フェイト「ここならキャンプに最適だね」
アリサ「ね、ねぇ、キャンプって事は野宿って事よね?」
大輔「ま、そうなるな」
アリサ「…やっぱりね」
予想通りの返答にアリサが溜め息を吐きながらぼやいた。
バチバチッと電気の爆ぜる音がして今まで景色に溶け込んでいた2台の路面電車に明かりが灯った。
すずか「明かりが…点いた…?」
大輔「路面電車だ。」
なのは「中はどうなってるのかな?」
アリシア「見てみようよ!!」
アリシアが率先して路面電車の中に入る。
賢「もしかしたら何か使える物があるかもしれないし。調べてみよう。」
すずか「はい。」
他の子供達も路面電車の中を調べる。
最初にアリシアが入った路面電車には何も無かったが、もう1台の路面電車には大きめの毛布があった。
幸運なことに子供達全員分ある。
大輔「今日は路面電車の中で寝よう」
ユーノ「賛成です。地面に寝ると背中や頭が痛くなりますから」
アリサ「…何であんた、そんなこと知ってんのよ?」
アリサが不思議そうにユーノを見遣る。
大輔「まあいいじゃないか。皆、それぞれ行動して食料を手に入れよう。」
アリシア「はーい」
子供達は食料を集める為にそれぞれ行動を開始した。
はやてと賢は茸狩り。
ユーノは木の枝を釣り竿代わりになのはとアリシア(アリシアの髪の毛を釣り糸代わりに)と一緒に釣り。
アリサとすずかは、薪集め。
大輔とフェイトは木の実を探す。































はやて「どれが食べられる茸なんや…?」
ギルモン[はやて、それ食えねえ茸だぞ]
はやて「うぅ…」
ギルモンに指摘され、はやては毒茸を捨てる。
賢「えっと、この茸は食べれる…あ、野苺発見。」
はやて「やけに慣れとるな賢兄…」
賢「何でだろうね…何となく分かるんだ」
過去のデジタルワールドでの冒険。
記憶は無くとも、身体が覚えているのかもしれない。






























アリシアが黙々と釣りを続ける中、なのはは気になっていたことをユーノに聞いてみることにした。
なのは「ねえユーノ君」
ユーノ「ん?何?」
ユーノがなのはの方を向いた。
なのは「ユーノ君って随分野宿とか、こういうのに慣れてる気がするんだけど…」
ユーノ「…スクライア一族は遺跡発掘を生業にした流れ者の一族だからね。当然、こういうことは何度もするよ。」
なのは「流れ者…?」
ユーノの言葉になのはは首を傾げた。
ユーノ「うん。スクライア一族は1つの世界には留まらないんだ。流れ着いた世界で遺跡を見つけては発掘の為にその付近にキャンプを張り、発掘を終えたら再び別の次元世界に流れる……スクライア一族はそんな一族なんだよ。」
なのは「それじゃあユーノ君のお父さんとお母さんも遺跡発掘してるの?」
ユーノ「…両親は僕が赤ん坊の頃に遺跡の崩落事故に巻き込まれて、亡くなったみたい」
なのは「っ!ご、ごめんなさい…」
聞いてはいけないことを聞いてしまったとなのはは俯いた。
ユーノ「いいよなのは、気にしないで。正直、物心つく前だから両親の顔は全然覚えていないし、よく分からないんだ。でも寂しくはなかったよ。一族のみんなはとても優しくて、僕にとっては家族のようなものだからね。」
ユーノは一族の仲間達を思い出しているのか懐かしそうに言う。
なのは「そっか…」
なのはは、優しい表情でユーノを見つめた。
アリシア「わああああっ!!?」
その時、アリシアの叫び声が響いた。
ユーノ、なのは「「アリシア(ちゃん)!?」」
アリシア「わわっ!!ユーノ~!!なのは~!!手伝って~!!」
プロットモン[アリシア!?]
周辺を警戒していたプロットモンが急いでアリシアの元へ駆け寄る。
ユーノとなのはも急いでアリシアに駆け寄り、釣竿を握った。
ユーノ「なのは、アリシア!!」
なのは「うん!!せーので引っ張るよ!!」
アリシア「分かった!!」
全員【せーのっ!!】
全員が同時に釣竿を引いた。
ザッパーンッ!!
全員【でかっ!?】
ユーノ達が釣り上げたのはなんと巨大魚だった。
巨大魚と言っても、マグロなどではない。
なのは達や大輔達の世界では絶対に存在していないであろう怪魚だ。
魚の口には凶悪なまでのギザギザの歯がついており、その口を開ければなのは達を丸飲みに出来る程にでかい。
ユーノ達は地面に落とされビチビチ跳ねている怪魚を見つめる。
ユーノ「…これどうやって運ぼうか?」
なのは「大きすぎて運べない…。」
プロットモン[仕方ないわね。ブイモン達を呼んで来ましょう]
プロットモンはブイモン達を呼びに行った。






























大輔とフェイトはブイモンとチビモンがプロットモンに連れていかれた為、2人で食料探しをしていた。
フェイト「あ、大輔。あれ」
大輔「ん?」
フェイトが指差した方向を大輔が見遣るとそこには浜辺で食べた木の実が沢山生っていた。
大輔「お、これくらいあれば充分だな。でかした。」
大輔はそう言うと木に登り始めた。
フェイト「あ、大輔。私も」
大輔「フェイトは駄目だ。落ちて怪我したら大変だからな」
フェイト「…落ちないよ」
大輔の言葉にフェイトはむくれた。
大輔「落ちないのは魔法を使ってたからだろ?今は魔法が使えないし…」
フェイト「…分かった」
フェイトは諦めたように言う。
大輔は枝に生っている木の実を1つ採る。
大輔「フェイト、今から落とすからちゃんとキャッチしろよ」
フェイト「あ、うん」
大輔は木の実を採ると、下にいるフェイトに向けて落とした。
落ちてきた木の実をフェイトは器用に受け止める。
フェイト「凄い手際がいいね」
大輔「こういうのは得意なんだ」
フェイト「…私も出来るようになろうかな」
大輔「その時は教えてやるよ」
大輔とフェイトは黙々と木の実を採った。






























薪を充分に集めたアリサとすずかはどうやって火を起こすか頭を悩ませていた。
アリサ「…どうやって火を起こせばいいのかしら?」
すずか「原始人式に枝で…?」
アリサ「それじゃあ時間が掛かりすぎるでしょ?」
すずかの提案にアリサは溜め息を吐きながら却下した。
コロナモン[だったら俺に任せろ。コロナフレイム!!]
コロナモンは額に力を溜めると薪に炎を放ち、火をつけた。
こういう時もデジモンの攻撃は役に立つと学んだ瞬間だった。
そして食料集めに出ていた子供達が帰ってきた。
大輔とフェイトは木の実。
賢とはやては茸や野苺等。
ユーノとなのはとアリシアは…。
すずか「きゃああぁぁぁ!!?」
すずかはデジモン達が引きずってきた魚に驚き、思わず賢の背後に隠れた。
ギルモン[でっけえ魚だぞ!!]
魚を運んでいるギルモンが嬉しそうに言う。
賢「凄いな、僕達もこんなサイズの魚は僕達の世界のデジタルワールドでもあるかどうか…」
すずか「そ、それ………食べられる、の?」
すずかは賢の肩越しにその怪魚を見た。
既に魚は息絶えているのかピクリとも動かない。
アリサ「その魚…死んでるの?」
ブイモン[ん?ああ、運ぼうにもビチビチ跳ねるからブイモンヘッドを喰らわせたんだ。]
ブイモンの必殺技でもある頭突きは、中くらい木なら薙ぎ倒してしまうほどの威力がある。
いくらマグロの数倍の大きさを誇る巨大魚でもそんな一撃を受ければ一溜まりもない。
大輔「う~ん…このサイズだと、切り分けるのはちょっときついな…丸焼きにするか?」
ユーノ「それが無難だと思います。」
賢「丁度塩もあるしね。後は包丁を含めた調理道具にプラスチックの皿と人数分の箸…」
アリサ「…何でそんなのがあるのよ?」
賢「備えあれば憂い無し。」
アリサ「あ、そう…」
アリサが溜め息を吐きながら言う。
すずかは賢の肩越しにその魚を見ると、その大きな魚の目玉がこちらを見ているようでゾッとした。
すずか「(………あれ、どうやって焼くんだろう………?)」
それよりも、やはり自分もアレを食べなければならないのだろうか。
もしパートナーに笑顔で勧められたら断れる自身が自分にはない。
初めて見る未知の食材に、すずかはただ戦慄を覚えるばかりであった。
コロナモン[よし、焼くぞ!!]
ギルモン[オラもやっぞ!!]
ガブモンX[あ、じゃあ。僕もやるよ]
炎属性の技が使える3匹が前に出る。
ブイモン[ブイモンヘッド!!]
ブイモンが頭突きで木を薙ぎ倒した。
ワームモンが皮を削り、薙ぎ倒した木を大きな串にする。
ブイモンが大きな串で巨大魚を串刺しにすると、チビモン達が作っていた支えに串を乗せる。
ギルモン[ファイアーボール!!ファイアーボール!!ファイアーボール!!]
コロナモン[コロナフレイム!!コロナフレイム!!コロナフレイム!!]
ガブモンX[プチファイアー!!プチファイアー!!プチファイアー!!]
ギルモンとコロナモン、ガブモンXが巨大魚に技を連続で放った。
魚から香ばしい匂いが漂ってくる。
ツカイモンが上空から巨大魚に塩を振り掛けると、巨大魚の塩焼きが完成した。
ルナモンは自分の爪で切り取り、切り身を食器に乗せるとルナモンは満面の笑顔ですずかに渡す。
ルナモン[はい!!]
すずか「(やっぱり…どうしよう。食べても大丈夫なのかな?)」
先ほど捕ったばかりの時は魚の目と歯に圧倒されて引き気味であったすずかだが、こうして焼かれて良い香りもしてくれば、少しは大丈夫かなという気もしてくる。
すずかは切り身を一口食べる。
すずか「…………美味しい!!」
意外にも魚は美味しかった。
大きいので大味かと思ったが、肉厚でジューシーなその身は現実世界のスーパーで売っている魚なんかよりもよっぽど美味しかったのだ。
なのは「本当だ!!美味しい!!」
ユーノ「市販の魚と比べてジューシーで美味しい…!!」
はやて「ほんまや!!」
賢「うん。美味しい」
アリシア「美味しいねフェイト!!」
フェイト「うん」
ルナモン[すずか、本当に美味しい?]
子供達が絶賛する中、ルナモンがすずかを見上げながら尋ねる。
すずか「うん、本当に美味しいよ!!……見た目があんなだったから、どうかと思ったけど……」
意外な美味しさに今やおかわりまでして食べていた。
デジモン達は熱の冷めた所から齧りついて食べている。
子供達が食べているのは、ほんの片隅なので問題はない。
ギルモン[ひゃ~!!うんめえ!!]
魚に齧りついているギルモンが叫んだ。
ブイモン[美味~い!!]
ブイモンも喜々として魚に齧りついている。
ワームモン[魚ばっかり食べてないで茸とかも食べてね?]
全員【は~い】
ワームモンが差し出したのは、焼いた茸に醤油を垂らした物。
何故都合よく醤油があるのだろう?
賢「備えあれば憂い無し…だよ」
賢が持参していたのであった。
子供達とデジモン達は楽しく食事を済ませた。
大輔「さてと、これから寝るけど…誰が見張りをやる?何なら俺がやるけど」
ユーノ「大輔さん。なのは達は見張り番から外した方がいいです。」
賢「そうだね、それじゃあ…」
アリサ「ちょっと待ちなさいよ!!何勝手に決めてんのよ!!」
アリシア「私も見張りやりたい!!」
賢「君達は疲れてるだろ。無理しないで休むんだ」
すずか「でも…」
賢の言葉にすずかは納得出来ない顔をする。
大輔「お前ら、少しは甘えろ。な?」
アリサ「…分かったわよ……」
大輔が優しく言うとアリサ達は渋々頷いた。






























見張りは大輔→ユーノ→賢の順番ですることになった。
なのは達は路面電車の柔らかいクッションのきいた座席に毛布に包まりながら横になった。
しばらくすると、なのは達から寝息が聞こえてきた。
賢とユーノは互いを見合わせると苦笑した。
基本的に夜行性のツカイモンは路面電車の上で星を眺めている。
賢とユーノは交代の時間まで仮眠を取る。






























2人が仮眠を取って数十分後。
路面電車から1つの人影が…。
ツカイモンは気づいていたが、そのままその影を見送った。
人影は大輔の近くまで来る。
大輔はそれに気づくと人影の方を向く。
大輔「フェイト…」
フェイト「ごめん。よく眠れなくて…」
大輔「仕方ねえよ。初めてなんだしな。チビモンは寝たのか?」
フェイト「うん。」
大輔「そうか。」
そこから話が続かなかったが、決して苦痛ではなかった。
大輔「俺さ、この世界に来れてよかった」
フェイト「え?」
大輔「一輝兄ちゃんにも会えたし、賢とも友達になれた…元の世界に帰った後のことを考えると辛いけどな…でも一番良かったのは」
フェイト「…………」
大輔「フェイトに会えたことだ。お前に会えて本当に良かった。」
フェイト「大輔…」
大輔「元の世界に帰ることになっても、お前との思い出があれば頑張れる」
フェイト「だったら…」
大輔にそっと寄り添うフェイト。
大輔「ん?」
フェイト「いっぱい思い出を作ろう?何があっても忘れないような思い出を」
大輔「そうだな」






























賢「やれやれ、交代の時間になっても来ないから何事かと思えば…」
ユーノ「若いですね…」
賢「君も若いだろ?」
爺臭いユーノの言葉に賢がツッコミを入れる。
ユーノは苦笑して、大輔とフェイトの元に歩いた。
ユーノ「大輔さん。交代です」
大輔「ん?ああ、もう時間か。フェイト、行くぞ」
フェイト「あ、うん」
大輔はフェイトと一緒に路面電車に向かった。
ユーノは苦笑しながら焚火に薪をくべた。


































そして翌日。
全員は路面電車から降りると、顔を洗ったりしたり背伸びをしたりする。
このまま何も無ければ無事に出発出来るはずだった。
だが悲劇(喜劇?)は起きた。
急に突風が吹き、落ち葉が1枚ギルモンの鼻に直撃した。
ギルモン[は…は…ハークションッ!!!!]
くしゃみと同時に放たれた炎。
その炎は葉のような物に直撃した。
すると地響きが起こり、目の前の湖は荒波立ち、渦を巻き、その中からドラゴンのようなデジモンが姿を現した。
ルナモン[シードラモン…!!]
ルナモンがシードラモンを見上げながら言う。
なのは「あれシードラモンの尻尾だったんだ…」
尻尾を焦がされたシードラモンは怒り狂っていた。
全員の視線がギルモンに集中する。
ギルモン「…はは…は……あっちゃ~…すまねえ」
ギルモンは後頭部を掻き、困った時の笑顔。
所謂ジャパニーズスマイルを仲間に向けて軽く頭を下げた。
アリサ「すまねぇじゃないわよ、どうすんのよぉおおおおーーーっ!?!?」
アリサがギルモンの胸倉を掴んで揺する。
はやて「あ、アリサちゃん。ギルモンも悪気は無いんやから…ね?」
アリサ「あってたまるもんですか!!」
はやてが宥めようとするが逆効果である。
シードラモンによって、島はどんどん流され、岸から離れた場所に止まった。
これで逃げ場がなくなった。
1人だけ離れた場所にいた賢は迷わず湖へ飛び込んだ。
ルナモン[ティアーシュート!!]
コロナモン[コロナフレイム!!]
ワームモン[ネバネバネット!!]
ガブモンX[プチファイアー!!]
ギルモン[ファイアーボール!!]
遠距離攻撃が可能なデジモン達が攻撃を仕掛けるがシードラモンには効果が無い。
ところで進化出来るブイモンは?
ブイモン[(-.-)zzZ]
まだ寝ていた。
大輔「おい、ブイモン起きろ!!」
大輔が今だに寝ているブイモンを揺する。
ブイモン[ん~~…?]
大輔「ハァ…ハァ…ハァ…。起きたな!!?」
息切れしながら言う大輔。
ブイモン[……後5分…お休み~(-.-)zzZ]
少しだけ目を開けたかと思うと再び鼻提灯を作って爆睡してしまった。
大輔「寝るなああああっ!!そして起きろおおおおっ!!!!」
フェイト「ブイモン!!起きて起きて!!」
すずか「きゃ…っ!!」
すずかはバランスを崩して湖に落ちた。
アリサ「すずか!!」
賢「どいて!!」
賢は湖に飛び込んですずかの元に泳いでいく。
賢はすずかをツカイモン達に任せると離れた場所に向けて泳ぐ。
しかしシードラモンに追いつかれ、尾に捕らわれた。
賢「しまった…っ!!」
賢は湖の中に引きずり込まれた
はやて「賢兄!!」
それを見たはやてとすずかは目を見開いて愕然とした後、後を追うように湖に飛び込もうとした。
慌ててアリサがその腕を掴み引き留める。
すずか「賢さん!賢さん!!わ、私のせいで…、私を助けようとして賢さんは……」
アリサ「すずかのせいじゃないわよ!!だから…」
すずか「私のせいでっ…!!」
湖の水面を見遣れば波が立ちシードラモンに捕らわれたままの賢が水上に浮かび上がってきていた
そして賢の悲鳴が辺りに響き渡る
賢「ぐあぁぁあぁっ!!」
ワームモン[賢ちゃん!!止めろおおおおおおっ!!]
ワームモンはネバネバネットを連続で放つ。
しかしシードラモンに通用せず弾き飛ばされてしまう。
はやて「ワームモン!!」
はやてはワームモンを受け止める。
賢「うわぁぁぁああ!!」
シードラモンの締め付けは弱まることなく、賢を苦しめ続ける。
ワームモン[賢ちゃーーーんっ!!!!]
ワームモンが叫び、はやての腕から飛び出した時、D-3から光が放たれ、ワームモンが光に包まれる。
ワームモン[ワームモン進化!スティングモン!!]
ワームモンは、暗殺能力に長け、高い知能を併せ持つスティングモンへと進化した。
スティングモンは直ぐさまシードラモンに攻撃を仕掛ける。
スティングモン[ムーンシューター!!]
スティングモンの掌から光球が放たれ、シードラモンに直撃した。
光球を受けたシードラモンは賢を放す。
スティングモンは賢を受け止めると近くの島まで移動し、賢を下ろした。
スティングモンはシードラモンの方を見遣ると睨み据えた。
スティングモン[はああああ!!]
スティングモンが高い機動力を活かして、シードラモンに凄まじい蹴りの連撃を浴びせる。
シードラモンは反応が遅れて蹴りをまともに受けて吹き飛ばされた。
そして吹き飛ばされたシードラモンに対して腕のスパイクを突き出す。
スティングモン[スパイキングフィニッシュ!!]
スティングモンのスパイクの刺突の直撃を受けたシードラモンがデータ粒子となって消えた。
賢「終わった…」
すずか「賢さん!!」
すずかが賢の元に急いで駆け寄った。
すずか「ごめんなさい。私のせいで…」
賢「いいよそんなの。無事でよかった…」
すずか「賢さん…」
はやて「……」
賢とすずかの様子をはやてはジト目で見ていた。
そしてブイモンは?
ブイモン[(-.-)zzZ]
大輔「起きろおおおおおっ!!!!!!!!」
まだ寝ていたのであった。
あれだけの騒ぎがあったというのに。
ブイモンは色んな意味で大物だ。
 
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