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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第二十七話 古の力

 
前書き
クワガーモンに落とされた大輔達。
賢「リリカルアドベンチャー、始まります」 

 
クワガーモンに落とされた子供達は崖から落ちている最中だった。
ギルモン[うわああああ!!!!]
なのは「ど、どうしよう!!このままじゃあ…」
ツカイモン[多分死ぬだろう。下は川だからもしかしたら生き延びられるかもしれないが…]
ガブモンX[毛皮が濡れるのは嫌だなあ]
アリサ「あんた達は何でこんな時まで冷静なのよ!?」
アリシア「死ぬのは嫌~!!」
ツカイモンとガブモンXの発言にアリサが突っ込み、アリシアが叫んだ。
ブイモン[(まずい、このままだと最初に大輔とフェイトが川に落ちる。何とかしないと…!!)]
ブイモンが辺りを見回すが飛行能力があるツカイモンもパートナーを引っ張り上げようとするが上手くいかない。
大輔とフェイトが後少しで川に落ちそうになった時。
ブイモン[大輔!!フェイト!!]
大輔のD-ターミナルから複数の光が放たれた。
ブイモンは大輔から離れたD-ターミナルをキャッチすると保存してあるデジメンタルを確認する。
運命のデジメンタルは封印されてはいたが、勇気と友情のデジメンタルは使えるようになっていた。
D-ターミナルから友情のデジメンタルと勇気のデジメンタルを抜き取るとライドラモンにアーマー進化した。
ライドラモン[ライトニングブレード!!]
電撃の刃が岩壁を大きな正方形の形に刻んだ。
そしてフレイドラモンにチェンジすると岩を掴んで子供達とデジモン達を岩に乗せた。
空中浮遊が出来るということは、ブイモンのみ魔力の行使が出来るようだ。
そのままゆっくりと降下していく。






























そしてフレイドラモンは下流の方に降りると、子供達を岸に下ろすとブイモンに退化した。
ブイモン[はあ~]
ブイモンは溜め息を吐きながら地面に座り込んだ。
大輔「お疲れ」
フェイト「この世界でもブイモンは魔法が使えるんだ…」
アリサ「ちょっと、ブイモンのあの変化は何なの?変身…じゃないわよね?」
ワームモン[あれは変身じゃなくて進化だよ]
アリサ「進化?」
ワームモンが言った単語にアリサは疑問符を浮かべる。
賢「デジモンには世代というものがあってね。幼年期、成長期、成熟期、完全体、究極体と…進化を一段階ずつ重ねる度に力が飛躍的に上がるんだ。そのパワーアップ倍率は10倍かそれ以上。」
アリサ「へえ…」
賢「ブイモンのあれはアーマー進化といって、デジメンタルというアイテムを使った特別な進化なんだ」
はやて「ギルモンも進化するんやろうか?」
賢「勿論。君とギルモンの絆が強くなればきっと進化出来るよ」
ギルモン[そうなんか?]
ブイモン[大切なのは信じることだよ]
ギルモン[おう!!]
ブイモンの言葉にギルモンは頷く。
アリシア「お兄ちゃん、これからどうする?」
大輔「そうだな、さっき向こうに海が見えたんだ。あそこに行こう」
フェイト「うん。」
フェイト達は前を歩く大輔の後を追う。






























しばらく歩いて行くと、聞き慣れた電話のベルの音が聞こえた。
なのは「これ…」
ユーノ「電話のベル?」
アリサ「こんなとこに?」
子供達は不思議そうな顔をしながら進む。
































貝殻が散らばる美しい砂浜に電話ボックス。
かなり非現実的な光景である。
それに、見る限りボックスからは電話線が伸びていない。
砂の中に埋まっているとでも言うのだろうか?
アリサ「何よあれ…?」
大輔「電話ボックスだけど?」
アリサ「そんなの分かってるわよ!!」
賢「それにしても、海に電話ボックスとは…やっぱり何でもありだなデジタルワールド」
賢が電話ボックスを見渡しながらぼやいた。
アリシア「あれ使えるのかな?」
大輔「いや、前に先輩から聞いたけど出鱈目なことばかりで使えなかったらしい。これも多分そうだろ」
アリシアの疑問にデジタルワールド経験者である大輔が答える。
ユーノ「それにしても不思議ですね。海に電話ボックスなんて」
大輔「いちいちデジタルワールドの珍現象を気にしてたら持たねえぞ。まあ、いい。ここで飯にしよう。」
なのは「でも私達、着替えくらいで食べ物持ってないよ?」
大輔「大丈夫。途中で木の実を採っておいたから」
大輔がフェイト達に差し出したのは、みずみずしい紅い木の実だった。
すずか「何の果物なんですかこれ?」
大輔「名前は知らない。でも俺はデジタルワールドの食べ物を色々教えてもらったからな。安全は保障するぜ?」
賢「デジタルワールドは食料が豊富だから、後は食べられる物と食べられない物を見分けられれば大丈夫。はい、はやて。」
はやて「…よっしゃ、女は度胸や」
はやては賢から木の実を受け取ると一口かじった。
はやて「……」
すずか「はやてちゃん…?」
賢「はやて?」
沈黙したはやてを賢とすずかは不思議そうに見遣る。
はやて「美味しい…」
なのは「え?」
はやて「めっちゃ美味しい!!」
ギルモン[はやてばっかずりぃぞ!!オラもオラも!!]
賢「はいはい、慌てないで…」
苦笑した賢と大輔が全員に木の実を配ろうとした時。
ギルモンが向こうを向いて唸り声を上げる。
なのは「ギルモン?どうしたの?」
ギルモン[何かいる…!!]
チビモン[ふえ!?]
木の実にかじりついていたチビモンが驚いた声を上げると、突然電話ボックスが次々と倒れていき、頭からイソギンチャクを生やしたピンク色の巨大な生き物が子供達の方へ向かってきた。
大輔「シェルモン!!」
賢「まずいな、全員空腹でまともに戦えない時に…」
ツカイモン[ブイモン、進化出来るか?]
ブイモン[やってみる…!!]
ブイモンが気合いを入れるが、進化の兆候は起きない。
ブイモン[駄目だ…腹が減って力が…。]
ワームモン[仕方ないね…]
ワームモンがシェルモンを睨み据え、構えた。
ツカイモン[戦うしかないようだな]
ツカイモンも戦闘体勢に入る。
コロナモン[腹が減ってる上に相性が最悪の敵だけど…やるしかないか!!]
ブイモン[行くぞ!!]
ブイモンを先頭にデジモン達がシェルモンに向かっていく。
デジモン達が各々技を繰り出すが、空腹と疲労でいつもの威力が出ない。
シェルモンの必殺技ハイドロプレッシャーをデジモン達が直撃を受ける。
ブイモン[ぐっ!!やっぱり駄目か…]
ブイモンは何とか立ち上がるが、コロナモンは弱点の攻撃を受けたため気絶した。
逆に氷と水の属性を持つルナモンは耐えきった。
大輔達は急いでパートナーの元に駆け寄る。
フェイトがチビモンに駆け寄った時、シェルモンがフェイトとチビモンを潰そうと腕を上げた。
チビモンは咄嗟にフェイトを突き放した。
フェイト「あ…」
突き放されたフェイトは徐々に迫るシェルモンの腕にチビモンが押し潰されそうになるのを見た。
フェイトは無意識にチビモンの名前を叫んだ。
フェイト「チビモーーーンッ!!!!」
その時だった。
フェイトの腰に付けられていたD-3から光が放たれ、チビモンに降り注がれた。
チビモン[チビモン進化!ブイドラモン!!]
ブイモンが運命のデジメンタルでアーマー進化したゴールドブイドラモンに酷似した幻竜型デジモン、ブイドラモンに進化した。
フェイト「ブイ…ドラモン…?」
ブイドラモンはシェルモンの腕を掴むと小柄な身体から考えられない程の怪力でシェルモンを投げ飛ばす。
そして、投げ飛ばしたシェルモン目掛けて、必殺技の熱線を放った。
ブイドラモン[ブイブレスアロー!!]
V字型の熱線がシェルモンに直撃し、シェルモンは遥か彼方へと吹き飛んだ。
大輔「おお、飛んでる飛んでる。」
大輔が感心したように星になったシェルモンを眺めた。
ブイドラモンはチビモンに退化するとフェイトに抱き着いた。
チビモン[フェイト~!!私勝ったよ、強かったでしょ?]
フェイト「うん!!強かったよ!!」
ワームモン[ちぇ、まさか先を越されちゃうなんて]
溜め息を吐きながらチビモンを見遣るワームモン。
それを賢は苦笑しながら見つめる。
大輔「さて、飯の続きにするか」
大輔は木の実を全員に配った。
しばらくして子供達は食事を終える。
ユーノ「大輔さん。これからどうします?」
大輔「取り敢えず、野宿出来そうな所を探そう。」
フェイト「うん。そうだね」
子供達は海を出て、再び森の中に入っていくのだった。






























おまけ~カレー~

それは大輔達がデジタルワールドに行く前のお話。

カリム「実は一輝さんと出会ってから初めてカレーやチャーハンやアイスを食べたんです。最初はびっくりしましたが、今ではカレーは大好物です。ついつい食べ過ぎてしまいます。」
フェイト「だよね。私も大輔と会ってから初めてレトルトじゃないカレーを食べたんだ。私もカレー大好き!!」
アリシア「私ね、お兄ちゃんが作ったカレーピラフが大好き!!お兄ちゃんとお母さんとブイモンは?それにリンディさん達は?」
大輔「そうだなあ、俺はカレーなら何でも好きだけど敢えて言うならビーフカレーかな?」
プレシア「私は野菜カレーかしら?」
クロノ「僕は…ドライカレーかな?レーズンを入れる奴」
エイミィ「私はシーフードカレーが好き!!」
リンディ「私はカレーうどんかしら?」
ブイモン[甘口カツカレー!!衣のサクサク感がたまらないんだよなあ。レオルモンは?]
レオルモン[僕はチキンカレー。あの鶏肉の食感がたまらないんだよね。]
カリム「皆それぞれ好みがあるんですね。一輝さんは?」
一輝「…俺のいた孤児院、貧乏だったから。カレーを作っても先にチビ共に食わせて俺は余ったルーを白米にかけて食う毎日…一人だけの時も、材料が無くて湯にカレー粉を投入してぶっかけて…何もなくてもカレーの味がしたなあ。お、どうしたアリシア?皆も泣いてんのか?あ、はははは……」
教会にいたシャッハを含めた全員が泣いたのは言うまでもない。
 
 

 
後書き
ブイモンについて。
この作品のブイモンはアーマー進化主体で戦います。
どのように戦わせるか悩んだ結果、フレイドラモン、ライドラモン、ゴールドブイドラモン、マグナモンに特殊能力を付加させます。
それで一時的に大幅なパワーアップをするという設定にしますが、ちゃんと制約付き。 
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