リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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第二十六話 悪夢
前書き
大輔達が異世界に次元漂流してから大輔達の次元で数ヶ月。
そして向こうで数時間…。
一輝「リリカルアドベンチャー、始まるぜ」
大輔達のいた本来の世界では、もう夕食の時間を過ぎていた。
ヒカリは夕食を終え、風呂に入ると欠伸をした。
テイルモン[大丈夫?ヒカリ?]
ヒカリ「え?あ、うん。ごめんねテイルモン。大丈夫だから」
太一「今日も遅くまでデジタルワールドの復興作業をしてたんだろ?明日もやるんだから早く寝ちまえ」
ヒカリ「うん、ありがとうお兄ちゃん。お休み」
こうしてヒカリは布団に潜り、目を閉じた。
ヒカリ『ん…』
ヒカリは薄暗い空間の中で目を開いた。
そこは暗黒の海に見た目は似ていたが、何処か違うと感じた。
恐らくは夢。
ヒカリは薄暗い空間を歩き始めた。
薄暗い空間を歩き始めてから、数十分、いや数時間だろうか?
景色が変わらないため、時間の感覚が分からなくなってきた。
段々不安になり始めた頃、見慣れた背中が見えた。
あの赤茶色の髪、そして見慣れた服装。
いつもと違うのはゴーグルを付けていないところだろうか?
夢だと分かっていたが、声をかけずにはいられなかった。
ヒカリ『大輔君!!』
叫んだが、大輔は振り返らず隣にいる少年に笑いかけるだけ。
隣の少年は何と、あのデジモンカイザーの一乗寺賢であった。
大輔とデジモンカイザーが仲良さそうに会話しているように見えたことにヒカリは愕然となる。
敵の彼とあんなに仲良さそうにしているなど信じられなかったからだ。
そして次に現れたのは、茶色の髪のツインテールの女の子。
そして車椅子の座っている女の子と姉妹と思わしき金髪の少女。
どんどん大輔の元に、人やデジモンが集まっていく。
中には、複数の目を持つ異形のデジモンまで。
そのデジモンの不気味さにヒカリは嫌悪感を抱いた。
しかし、そのデジモンが大輔の元に行っても温かい光は弱まるどころか寧ろ増している。
自分も大輔の元に向かおうとしても、何故か距離を離される。
ヒカリ『大輔君!!』
全力で叫んでようやく大輔は自分の方を向いてくれたが…。
ヒカリ『……っ!!』
ヒカリは一瞬、我が目を疑いたくなった。
大輔が自分を見る目が、今までのような好意が一切なく、まるで敵を見るかのように冷たかった。
異形のデジモンが大輔に寄り添い、大輔と同化すると、異形のデジモンは血のように紅い双剣を自分に向けてきた。
ヒカリは恐怖のあまり背を向けて走り出したが、異形のデジモンは一瞬でヒカリに接近すると紅い双剣を振り下ろした。
ヒカリ「いやあああああっ!!!!」
テイルモン[ヒカリ!!?]
ヒカリの悲鳴に反応したテイルモンが駆け寄る。
ヒカリ「っ…、テ、イル…モン」
辺りを見回すとここは自分の部屋だった。
ヒカリは安堵の溜め息を吐いた。
何て最悪の夢を見てしまったのだろう。
大体、大輔が自分を敵視するはずがないのだ。
恐らくは疲れていたからあんな夢を見たのだ。
少し温かいミルクでも飲みに行こうとキッチンに向かうヒカリであった。
しかし、ヒカリは知らなかった。
これをただの夢で済まさなければ、これから先にとてつもない後悔をせずに済んだのだと。
後書き
この小説では大ヒカはありません。
最終的に大輔のヒカリへの感情は好きでも嫌いでもない仲間ということになります。
ダスクモンは正式なパートナーが現れるまで大輔の第二パートナーということに。
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