ひねくれヒーロー
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もし君が悩む友を持っているなら
もし君が悩む友を持っているなら、君は彼の悩みに対して安息の場所となれ。
だが、いうならば、堅い寝床、戦陣用の寝床となれ。そうであってこそ君は彼に最も役立つものとなるだろう。
—ニーチェ『ツァラトゥストラはかく語りき』—
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もし君が悩む友を持っているなら
◆◇◆コン◆◇◆
気を取り直して向かい合う
「砂瀑の我愛羅・・・通り名のとおり砂を使うのか」
肋骨あたりから徐々に骨が浮き出てくる
「あいつの攻撃は骨、血継限界だ」
注意してくださいと声をかける
リー先輩はまだ中忍試験時に比べ、動きが鈍そうだ
「そうか・・・砂瀑送葬!」
大量の砂で握りつぶされる君麻呂
血塗れになりながらも砂から這い出てくる
傷口から僅かに見えるのは骨の膜
「・・・骨、こいつもバケモノだな・・・」
「厄介な体ですね・・・」
常時骨の膜を発動させられたら、ほぼ体術は効かないと見ていいだろう
リー先輩たち体術使いにとったら天敵か
いや、骨の膜すら凌駕する破壊力を持っていればいいのか
「大した圧力だ
皮膚のすぐ下に骨の膜を作らなければあっという間にペシャンコだった」
すぐさま、まだ投げていない鬼童丸の首に起爆札をセット
限界ギリギリで首を投げつける
「甘く見ていた・・・が、もう砂に捕まりはしない・・・くっ」
空中で首が爆発し、煙が巻き上がる
かるい爆発が目晦ましとなったか、一瞬の隙が生まれる
その隙を逃さず我愛羅が印を組む
「流砂瀑流!!」
大量の砂が君麻呂を包み込み、砂に巻き込まれた奴は身動きが取れず呑まれていく
「砂瀑大葬!」
砂に圧力がかけられ沈み込んでいく
「や・・・やった・・・!」
こらそこ、戦いの最中にやったぞ、とかやったか?とか言っちゃダメだ
やれてないから
「しつこいやつだ・・・」
見ると砂の中から再び這い出る君麻呂の姿があった
・・・しかし、本当に骨が邪魔だな
そういえば、骨の59〜60%を占めている無機成分は、リン酸カルシウム・・・
火葬後に残る骨のほとんどがこのリン酸カルシウムで占められてるんだったか・・・
あ、でも日本だったらわざと遺骨を残す為に低く燃焼させるんだっけ
死体とはいえ数多の信徒たちを火葬してきたオレの火なら・・・もしかしたら溶かせる?
生きた人間の骨を溶かせるような温度、リン酸カルシウムの融点16・・・70℃?
それぐらい高温にすれば・・・・やってみるか
リー先輩にハンドシグナルで下がるよう指示、空気を呼んで我愛羅と一緒に下がってくれる
チャクラを練り上げていると、君麻呂が異形の姿に変わり突進してきた
「狐火・・・火柱ァッ!」
三次予選にて鉄柵を溶かした火柱よりももっと高温に
大体鉄の融点は1500℃、不純物があればもっと下がる
そんな熱じゃ足りない
室内ではない、火葬場でもない、死んでもいない
そんな状況でも燃やしつくせる熱を
もっと
もっと熱く、それでいて敵にだけ当たるように凝縮する
オレを中心に練り上げられた火柱は空中で折れ曲がり、突進してくる君麻呂に突き刺さる
君麻呂の眼が驚愕に染まる
徐々に、徐々に溶けていく硬化された骨
このまま・・・さっさと溶けてしまえっての!
どんどん硬化されていく骨、それを溶かす炎
一定の距離を保ったまま膠着状態が続く
埒が明かない、そう思い我愛羅を見る
「砂ぁ!!」
叫ぶだけ、だが意図を理解したらしく砂が君麻呂の足元に流れる
「獄砂埋葬!」
流砂で地中に埋められる君麻呂
沈み込まれたのを確認し、狐火を解いた
「はぁ・・・はぁ・・・」
「す、凄い火遁です・・・!」
荒い息と同時に吐血する
頭に血が上ってきた・・・
「舞え 早蕨の舞」
地中から無数の鋭い骨の刃が突き出されていく
寸での所で我愛羅の砂に乗せてもらい空に逃げる
「た、助かりました・・・
これで、終わりですね」
「だーかーらーなんでリー先輩そういう敵の生存フラグ作るの!
大蛇丸信者はしぶといって相場が決まってるんだよ!」
「・・・大蛇丸の洗脳か・・・」
呟いたその瞬間
「洗脳ではない
あの方は僕の理解者だ・・・お前らに何が分かる!」
背後から現れる君麻呂
突き出される骨
「狐火ぃッ!」
チャクラがない我愛羅と防御手段の無いリー先輩を庇い、狐火の刃で君麻呂の首を切り落とした
ゴトッ
そんな音を立てて砂の上に首が落ちる
・・・こいつも、さっきまでの膠着状態でチャクラがほとんどなかったのか
攻撃するために、腕に全てのチャクラを回していた
だから切り落とせるぐらい、首の骨が軟らかかった
・・・今度こそ、終わった
「・・・はぁ・・・
先輩、オレナルトとサスケを追いますんでこれで失礼します!」
上空を旋回していた鴉を見つけ、慌てて本来の目的を思い出す
オレは何をやっているんだ
砂から飛び降り、雷球を作り出して草原を駆け抜けた
雨が降る中走り続ける
口から血が流れ、いや、穴という穴から血が流れていく
それでも走るのを止めない
「サァスケェェェェェェ!!」
森の中へと進むサスケの姿を見つけ、走りよる
静かに振り返ったサスケは、オレの形相に目を見張った
「コン・・・血が・・・」
見っとも無い格好だろ?
体中から血を流して、目を血走らせてお前を睨みつけているんだ
驚きもするよな
「オレのことはどうだっていい・・・
大蛇丸の所へ行く・・・のか」
痛めた喉がつらい
かすれかすれの声を絞り出す
「・・・止めるようなら、お前も・・・」
「止めない」
サスケの顔が歪んだ
「たまには、振り返って」
口から出る血の量が、ヤバイ
雷の国のときの比じゃない
もう、足元に血の池が作り上げられている
「忘れないで」
それだけ言って倒れた
目を瞑る
血の匂いが充満している
あぁ、やっぱり無理なんだなぁ
サスケは、行ってしまうんだ
そう思うと、涙が出てくる
口の中に何かが放り込まれる
・・・兵糧丸
遠ざかる足音
「・・・・・・少しでも・・・忘れたら・・・
・・・殺しにいく・・・からな・・・」
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オレ、二部スケのほうが好きなんだ・・・ということで里抜けしていただきます
もうすぐ原作で言う一部が完結しますが、それまでにアカデミーからサスケ里抜けまでの過去小話を入れていこうと思います
閑話ですね
今のところ
・イカリのいじめ事件
・シュロ午後三時の告白
・ペインおにいちゃんになる
・コンとキバの仲良くケンカしな
を予定、その他、あのキャラの話が見たいみたいなリクエストがあればお受けします
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