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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  0846話

 シャドウミラーの特機2機や、あるいはその2機の援護をするようにコーネリアに命じられたシャドウやメギロートと戦っている……と言うよりは、蹂躙されていた要塞級。
 その要塞級の背後に光の繭が出来たかと思うと、次の瞬間には高さ5kmを超える機動要塞のニヴルヘイムが姿を現していた。
 その瞬間、BETAとは距離を取って俺達シャドウミラーの戦いを観察している国連軍、アフリカ連合軍、中東連合軍が混乱したのがここからでも見て取れる。
 何しろ戦術機が転んだり、手に持っている突撃銃を落としたり、はたまた味方同士の戦術機がぶつかったりしているのだ。あからさまに混乱していると言ってもいいだろう。
 ……まぁ、初めてニヴルヘイムを見れば、その気持ちも分からないではないが。

『アクセル、メギロートを2万、イルメヤ7千、シャドウ5千を連れてきたわ。今動かせる限り最大限の数よ』

 エザリアからの通信。
 まさにナイスタイミングという奴だな。

「良くやってきてくれた。どう行動するかは、マリューから連絡がいっているな?」
『ええ。周囲を囲んで1匹も逃さずに殲滅戦ね』
「そうだ。それと、ニヴルヘイムは重量子ビーム砲とG・インパクトキャノンをメインに使ってくれ。現状ではフレイヤを使うと味方を巻き込みかねないし、体当たりは論外。エーリヴァーガルは言うまでも無いだろう」
『分かったわ。聞いていたわね、すぐに機体を出撃させて。それと敵の狙いはあの巨大な要塞級を中心にして。まだニヴルヘイムの火器は実戦では使ってないから、何か異変を見つけたらすぐに知らせるように』

 そんな声が聞こえてくるのと、ニヴルヘイムのフレイヤ発射口付近や、あるいは要塞側面、要塞上部の各所から無数のメギロート、イルメヤ、シャドウが発進する。
 イルメヤはニヴルヘイムから出撃して地上へと着地するとそのまま要塞級や、まだ何とか生き残っている重光線級へと向かって攻撃やスパイダーネットの発射による妨害を開始し、あるいは何故か後衛に紛れ込んでいる戦車級、闘士級、兵士級といったBETAへとその蜘蛛の如き手足を振り下ろして仕留めていく。
 メギロートはまるで巣から飛び立つ蜂のようにニヴルヘイムから飛び立ち、BETAを1匹も逃がさぬように戦域全体を覆い隠すかのように広がり、端から順々にBETAを仕留めていく。
 イルメヤが後衛で、メギロートが戦域全体を囲むように動いている中、シャドウミラーの主戦力の1つでもあるシャドウは俺が存在している中衛にいるBETAへと向かってその牙を剥き出しにする。
 ビームガトリング砲の砲身が動くと、その度に無数のBETA小型種が肉塊になり、あるいは要撃級も自慢の前腕をあっさりと貫かれて地面へと崩れ落ちていく。
 あるいは、M950マシンガンを撃ち込み闘士級や兵士級を無数の弾丸で貫き、ジェットマグナムで要撃級の腕をへし折り、あるいは文字通りの意味で殴り殺していく。
 質と量の戦いはバジュラ戦役の終盤にミュートスで行われていたのだから、この光景を見ても特に何の驚きも無い。
 BETAは、確かにこの世界の住人にとっては脅威以外のなにものでもないのだろう。だが、それはあくまでも『この世界』の住人にとっては、だ。
 質を伴ったBETAの上位互換とも言えるバジュラと比べれば、寧ろ優しい相手だとすら言える。
 ……ただし、それはあくまでも大勢に関してだ。俺の目的でもある、アラビア半島に攻めてきた15万を超えるBETAを1匹残らず皆殺しにするという意味で考えると、その難易度は跳ね上がる。
 そっちに関しては、要塞級や重光線級、突撃級、要撃級のような大きさを持つBETAよりも、寧ろ闘士級、兵士級のような小型のBETAの方が厄介だろう。

「……まぁ、それでもあまり心配はしていないが、な!」

 ランツェ・カノーネ2門の砲門から連続して幾つものビームが放たれ、同時にヒュドラからの18門のビーム砲と腹部拡散ビーム砲も放たれ、豪雨の如く降り注ぐビームで次第次第にBETAの数は減っていく。
 また、俺の視線の先ではシロガネの放つミサイルが地上のBETAの群れへと落下し、その周辺に存在していたBETAを纏めて爆発の光に飲み込み、あるいはニヴルヘイムから重量子ビーム砲、G・インパクトキャノンがまさにハリネズミの如く放たれては、BETAの数を急速に削っていく。
 他にもシャドウミラー幹部の機体は獅子奮迅、一騎当千、万夫不当という言葉を体現するかの如く暴れ回っている。
 だが、当然というか手数の問題でもっともBETAを倒しているのはシャドウミラーの中でも最大数を誇るメギロートだろう。
 空中を飛び回りつつ普通のビームよりも効果範囲の広いサークル・レーザーを放って10匹以上のBETA――小型種含む――を纏めて仕留め、あるいはMSのシールドや装甲をも食い破る口で要撃級の前腕を容易く食いちぎり、角によって戦車級を下から掬い上げ、その四肢によりBETAの肉体を砕いていく。
 そんな光景が、それこそBETAを完全包囲するような形で進んでいくのだ。猫の子一匹逃げ出す事すら出来ない包囲網であり、既にBETAの命運はほぼ決まったと言っても間違いでは無かった。
 こうして上空から見ている限りでも、あらゆる場所でシャドウミラーの機体がBETAを駆逐していっている。
 BETAはその数でもって何とかシャドウミラーに対抗していたのだが、それも数が少なくなってくれば、当然加速度的にその抵抗は減っていく。
 特にメギロートはシャドウミラーがホワイトスターを本拠地と決めてから最初に作られた機種であり、シャドウミラーの技術が上がるにつれて改良に改良を重ねられていった機体だ。そして宇宙、空中、地上と水中以外のあらゆる場所での活動が可能な汎用性や、何百年、何千年と戦闘を繰り返してきた事で高い性能を持つに至ったAI、そして何よりも無人機であるという理由により、延々と生産され続けてきた機種でもある。
 SEED世界、ギアス世界、マクロス世界といった世界に多くの数が派遣されているが、それでも尚、ホワイトスターには大量に存在しており、シャドウミラーの変わらぬ主戦力として常に前線に存在していた。

「さて、この様子だと既にアラビア半島の防衛は確実だな。となると、問題はやっぱり小型種の生き残りの殲滅。それと……」

 映像モニタに映し出されているのは、国連軍を始めとしたこの世界の軍隊だ。
 ニヴルヘイムの出現に混乱をもたらしたものの、今はすっかり立ち直って……より正確には、こうして外から見る限りでは混乱しているようには見えない。
 恐らく今頃は、必死でこっちのデータを取っているのだろう。
 それが活かされるのは、果たして俺達に対しての友好か、敵対か。
 ……まぁ、普通に考えれば表向きは友好だろうな。何しろ今の俺達はアラビア半島をBETAから救った正義の味方だ。
 ただ、腹の底までそれを信じている者はまずいない。
 どうやって俺達から利益を得るのかを、各国の政治家や軍上層部では考えているのだろう。
 今日の国連総会でも、俺達という存在を認めつつ、それでも実力については疑っている国が多かった筈だ。映像で見た、見ていないにも関わらず、な。
 本当の意味で俺達の実力を知っていたのは、その身で体験したオーストラリアに手駒を使ってゲートを襲わせたアメリカってところか。
 だからこそ、アメリカの大統領でもあるビルがわざわざ俺達を出迎えたんだろうし。
 そんな風に思っていると、まるでタイミングを見計らっていたかのようにシロガネのマリューから通信が入る。

『アクセル、国連軍からニヴルヘイムについての問い合わせが来ているわよ?』
「国連軍? あそこにいる国連軍か?」
『ええ。ただ、向こうもどちらかと言えばニューヨークの方から言われてって感じだと思うけど。少なくても、フレイヤを使った時のように高圧的じゃないわね』
「そう、だな」

 ヒュドラから18門のビーム砲を掃射してBETAの数を減らしながら考える。
 既にニヴルヘイムを見せてしまった以上、不必要なまでに隠さなくてもいい。いや、寧ろ隠せば隠しただけ向こうに不信を抱かせる、か。

「俺達シャドウミラーの所有している機動要塞だとだけ伝えておいてくれ」
『分かったわ。……それで、そろそろBETAの数がかなり減ってきたけど、目的は殲滅でいいのよね? 1匹も逃さずに』
「ああ。それで頼む」

 短くそれだけ言葉を交わし、通信を終了する。
 よく見れば、既に要塞級の姿は既に1匹も残っておらず、ここ暫くはレーザーが飛んでくる様子もないところを見ると、重光線級にしても既に全てが片付いているのだろう。
 となると、残っているのは最も数が多い中衛のみだが、その中衛にしても主戦力でもある要撃級の数が加速度的に減っていっており、既に殲滅は時間の問題だ。

「ファントム!」

 腹部拡散ビーム砲で小型種を纏めて殲滅しつつ、ファントム48基を再び発射。小型種のみに狙いを定めつつ、ビームを連射しながら戦場中を飛び回る。
 戦車級、闘士級、兵士級。既に敵に残っているのはこの3種類くらいであり、その3種類にしても……ちぃっ!
 まるで俺がファントムを放ったタイミングに合わせたかのように、残っている3種類の小型種、そしてもう殆ど残っていない、数少ない要撃級が攻撃を止めてニヴルヘイムの方……より正確には、少しニヴルヘイムからずれている方へと向かって進み始める。
 全く慌てた様子が無く淡々としている為、撤退というよりは転進とでも表現した方がいいようなその様子は、ある意味でBETAならではなのだろう。
 だが……それでも、ニヴルヘイムの方に向かったのも不味ければ、そもそも戦力の半分以上がすり減ってから撤退するというのも甘いと言うべきだ。
 あるいは俺達シャドウミラーというイレギュラーな存在があったからこそかもしれないが、それでも遅い事には変わり無い。

「マリュー、エザリア、コーネリア、BETAが撤退を始めた! 撤退方向はニヴルヘイムの左方向5km程の距離だ。BETAの進路上にシャドウを緊急展開! その後メギロートで左右から包囲して逃がすな。イルメヤはBETAの背後から攻撃だ」
『了解』

 シロガネ艦長、ニヴルヘイム指揮官、実働班隊長の3人が素早く返事をし、その言葉通りの陣形を構築していく。
 まずは空を飛ぶという圧倒的な機動力を持っているシャドウがBETAの進行方向に急速に集まっていき、同様に飛行可能なメギロートが左右からBETA群を挟み込むように展開。そして背後からはビームガトリング砲を撃ちながらBETAの背を追っていくイルメヤ。
 勿論どんなに緻密な包囲網を築いても、BETAの数はまだ5万以上は残っている。……何しろ突撃級と要塞級、そして対空攻撃が可能な光線級と重光線級は全てを殺したが、要撃級はまだ多少残っているし、何よりも小型種でもある戦車級、闘士級、兵士級は小型種であるだけに、どうしても生き残っている確率が高い。
 そうなれば、当然包囲網の隙間から抜き出すBETAは少なからず出る。
 だが、そこに対応するのはシャドウミラーで最も数の多いメギロートだ。
 撤退するBETA群の両翼を固めても、まだ動かせる機数はそれなりの数がいる。
 それら余裕のあるメギロートが包囲網から抜け出した小型種をAIならではの緻密さで見つけ出しては、サークル・レーザーや、あるいは噛みつき、角といった攻撃方法で倒していく。
 そして、BETAの進路上にいるシャドウはグラビティキャノンの一斉射撃で数百匹、あるいは数千匹のBETAを纏めて消滅させる。
 数が多いのは、やっぱり残っているBETAの殆どが小型種だからだな。
 しかも、BETAの群れへと攻撃を仕掛けるのは左右からメギロートが、背後からイルメヤが……そして、上空からはシャドウミラーが誇る精鋭中の精鋭でもある幹部の機体がビームや弾丸、重力波砲、ミサイルといったものを次から次に叩き込む。
 勿論それらの機体だけでは無い。シロガネからもホーミングミサイルや連装副砲、連装衝撃砲、多重連装ビーム砲が次々に放たれ、BETAを文字通りの意味で木っ端微塵にしていく。シロガネの特徴でもあるグラビティ・バスターを使っていないのは、この状況で使えば味方にも被害が出るからだろう。
 そして攻撃をしているのはニヴルヘイムも同様だ。今まではただじっと空中に浮かんでいた高さ5kmの機動要塞が、ゆっくりと動きながらも地上に存在しているBETAへと向かって重力子ビーム砲とG・インパクトキャノンを味方に当たらないように発射していく。
 そんな、まさにBETAにとってはこの世の地獄と思われる殲滅戦が続く事、約1時間。包囲網の中で最後に生き残っていた戦車級を俺の放ったT.T.キャノンのビーム砲が貫き、恐らくこのマブラヴ世界で初めてだろうBETAに対するこれ以上無い程の完全勝利でアラビア半島防衛戦は終わるのだった。





 尚、シャドウミラーが初めて参加したこの戦いは、以後アラビア半島の奇跡としてマブラヴ世界の中で語り継がれる事になる。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:25
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1114 
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